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中国語の兼語文と使役動詞「让・叫・请・使」

中国語の兼語文と使役動詞「让・叫・请・使」

中国語の使役を表す兼語文は、「主語+使役動詞+兼語(目的語かつ後続動作の主語)+動詞」という語順をとります。使役動詞には让(口語で最も一般的)、叫(口語的命令)、请(丁寧な依頼)、使(書き言葉・感情変化)があり、文脈や相手との関係性によって明確に使い分けます。

中級読む時間 約4分「特殊文型(把構文・被構文・存現文ほか)」6/7✓ 読んだ項目

この項目のポイント

先に読むと分かりやすい: 連動文(連続動詞文)の用法と順序規則

兼語文(兼语句)の基本構造

兼語文(兼语句:jiānyǔjù)とは、ひとつの文の中に2つの動詞があり、前半の動詞の目的語が、後半の動詞の主語を兼ねている構文のことです。この目的語兼主語の要素を「兼語」と呼びます。

基本語順は「主語(S)+動詞1(V1)+兼語(O1/S2)+動詞2(V2)」となります。使役を表す場合は、V1に「人に〜させる」という意味を持つ使役動詞が入ります。

妈妈让我买菜。(Māma ràng wǒ mǎi cài.)
母は私に野菜を買わせる(買いに行かせる)。

この文では、我(wǒ:私)が前半の動詞让(ràng:〜させる)の目的語であると同時に、後半の動詞买菜(mǎi cài:野菜を買う)を行う主語になっています。日本語の「SがOに〜させる」という使役構文と直結するため、語順の型を覚えるとスムーズに作文できます。

兼語文の基本語順
主語(S)+使役動詞(V1)+兼語(O1/S2)+動詞2(V2)

妈妈让我买菜。母は私に野菜を買わせる。

前半の目的語が後半の主語を兼ねる構造です。

使役動詞4選の比較表と違い

中国語の代表的な使役動詞である让(ràng)、叫(jiào)、请(qǐng)、使(shǐ)は、場面のフォーマル度や強制力の強さ、引き起こされる結果の性質によって使い分けます。

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使役動詞主な文脈・ニュアンス丁寧さ・語体動作主の対象
让許可、放置、指示(最も標準的)日常口語〜公の場人・事物
叫指示、命令、促し親しい日常口語人
请依頼、勧誘、招待(〜してもらう)丁寧・敬語表現人
使結果・感情・状態の変化を引き起こす書き言葉・改まった語事物・事態(主語)

日常会話で「〜に…させる」と言いたいときは让を使えば間違いありません。一方、書き言葉のニュースや論文で「〜という事態が人を感動させる」などの変化を表すときは使を用います。

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最も広く使う「让」の用法

让(ràng:〜させる・〜してもらう)は、日常会話から公の場まで最も幅広く使われる使役動詞です。強制的な命令だけでなく、「相手に〜することを許す(許可)」や「〜のなすがままにさせる(放任)」という意味合いも持ちます。

老师让学生回答问题。(Lǎoshī ràng xuéshēng huídá wèntí.)
先生は学生に質問に答えさせます。

爸爸不让我去。(Bàba bù ràng wǒ qù.)
父は私を行かせてくれません(許可しない)。

また、「自分の意見を言わせてください」のように、へりくだった提案をする際にも頻繁に用いられます。

让我考虑一下。(Ràng wǒ kǎolǜ yíxià.)
私に少し考えさせてください。

会話の中で使役に迷ったときは、まず让を選択すると自然な表現になります。

使役動詞「让」の主なニュアンス
👉指示・命令

相手に特定の行動をとらせる最も標準的な使役

⭕許可・放任

相手が〜することを許す、またはなすがままにする

🙋へりくだった提案

「私に〜させてください」と控えめに申し出る

命令だけでなく許可や提案など幅広く使われます。

命令の「叫」と丁寧な「请」

叫(jiào:言いつける・〜させる)は、親しい間柄での口語表現として使われます。話者が相手に直接行動を言いつけたり促したりするニュアンスを含みます。

他叫我明天早点儿来。(Tā jiào wǒ míngtiān zǎodiǎnr lái.)
彼は私に明日早く来るように言いました。

一方、请(qǐng:どうぞ〜してください・〜していただく)は、相手に敬意を払って依頼する際に用いる表現です。日本語の「〜させる」ではなく「〜してもらう」「〜してください」という丁寧な依頼に相当します。

请你帮我。(Qǐng nǐ bāng wǒ.)
私を手伝ってください。

公司请专家来进行培训。(Gōngsī qǐng zhuānjiā lái jìnxíng péixùn.)
会社は専門家を招いて研修を行ってもらいます。

目上の人や顧客に対して指示を仰ぐ、あるいは依頼する場合は必ず请を使います。

「叫」と「请」の使い分け

叫(jiào)

  • 親しい間柄での日常口語
  • 行動を言いつける・促す
  • 直接的な命令のニュアンス

请(qǐng)

  • 敬意を払った丁寧・敬語表現
  • 「〜してもらう・してください」
  • 目上の人や顧客への依頼に必須

親しい間柄での指示と目上への丁寧な依頼で異なります。

書き言葉で感情変化を表す「使」

使(shǐ:〜させる・〜あらしめる)は、主に客観的な叙述や書き言葉(書面語)で用いられる使役動詞です。主語には人が入るよりも、「ある原因や出来事」が入ることが多く、その結果として人や社会に心理的・状態的変化を生じさせます。

这部电影使我很感动。(Zhè bù diànyǐng shǐ wǒ hěn gǎndòng.)
この映画は私をとても感動させました。

科技的发展使生活更便利。(Kējì de fāzhǎn shǐ shēnghuó gèng biànlì.)
科学技術の発展は生活をより便利にしました。

日常会話で「母が私に野菜を買わせる」という動作の使役に対して使を使うと極めて不自然になります。「事象が原因となって、感情や状態を変化させる」という文脈に限定して用いるのが原則です。

兼語文の否定と助動詞の位置

兼語文における否定詞不(bù)や没(méi)、および助動詞(能動詞)の想(xiǎng:〜したい)、能(néng:〜できる)、应该(yīnggāi:〜すべき)を置く位置には明確な規則があります。

これらは原則として、文全体の述語である「第1動詞(使役動詞)の前」に置きます。第2動詞の前に置くと意味が変わるか、不自然な文になります。

他不想让我去。(Tā bù xiǎng ràng wǒ qù.)
彼は私を行かせたくありません。

你不能叫他做这件事。(Nǐ bù néng jiào tā zuò zhè jiàn shì.)
あなたはこの事を彼にやらせてはいけません。

ただし、第2動詞を否定することで「〜しないようにさせる(命令)」という意味を表す場合は、例外として第2動詞の前に别(bié:〜するな)や不要(búyào:〜するな)を置くことができます。

医生让他别抽烟。(Yīshēng ràng tā bié chōuyān.)
医者は彼にタバコを吸わないように言いました。

兼語文と使役文の違いと使役以外の例文

文法学習では「兼語文」と「使役文」が同義として扱われがちですが、厳密には使役文は兼語文の代表的な一種類にすぎません。兼語文とは、第1動詞の目的語が第2動詞の主語を兼ねる構造全般を指す名称であり、使役動詞を用いない兼語文も数多く存在します。

使役動詞以外の動詞を用いた代表的な兼語文には、存在を表す有(yǒu・ある、いる)、懇願・要求を表す求(qiú・懇願する)、呼称を表す称(chēng・呼ぶ)などがあります。

我有一个朋友在北京工作。の文では、朋友(友人)が前文の動詞有の目的語でありながら、後半の動詞工作の動作主(主語)を兼ねています。このように「使役動詞が使われているかどうか」にとらわれず、目的語と主語の重複構造を見抜くことが兼語文の理解を深めるポイントです。

兼語文・使役文の疑問文の作り方(吗・反復疑問)

兼語文や使役文を用いた疑問文には、文末に疑問助詞の吗(ma・〜ですか)を添える疑問文と、動詞を肯定・否定で重ねる反復疑問文があります。

文末に「吗」を置く疑問文

最も基本的な疑問文は、平叙文の文末にそのまま吗を付けます。

妈妈让你去买菜吗?
お母さんはあなたに野菜を買いに行かせますか。

第1動詞を重ねる反復疑問文

反復疑問文を作る際は、必ず述語の中心である「第1動詞(使役動詞など)」を反復させます。第2動詞を重ねることはできません。

他请不请你吃饭?
彼はあなたにご飯をごちそうしてくれますか。

老师让没让你回答问题?
先生はあなたに質問に答えさせましたか。

過去の事柄を尋ねる場合は没(méi・〜しなかった)を用いて让没让(ràng méi ràng・〜させたかどうか)の形にします。否定詞や助動詞の配置と同じく、疑問文の焦点も常に第1動詞に置くことが鉄則です。

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確認問題(5問)

  1. 「父は私を行かせてくれません(許可しない)」という意味の中国語として正しいものはどれですか。

    答えと解説

    正解: 爸爸不让我去。
    兼語文の否定詞(不・没)は、原則として第1動詞(使役動詞让など)の直前に置きます。

  2. 空欄に入る最も適切な使役動詞を選んでください。 「这部电影( )我很感动。」(この映画は私をとても感動させました)

    答えと解説

    正解: 使
    出来事などを主語として感情や状態の変化を引き起こす書き言葉には「使」を用います。

  3. 次の文の意味として最も適切なものはどれですか。 「让我考虑一下。」

    答えと解説

    正解: 私に少し考えさせてください。
    「让我+動詞」は、「私に〜させてください」と控えめに提案・申し出る表現として用いられます。

  4. 使役動詞「叫」と「请」の使い分けに関する説明のうち、本文に照らして正しいものはどれですか。

    答えと解説

    正解: 「叫」は親しい間柄での口語命令や促し、「请」は敬意を払った丁寧な依頼に用いる。
    叫は親しい間柄での日常口語の指示・命令、请は相手に敬意を払って依頼する際に用います。

  5. 次の文の中で、語順が誤っているものはどれですか。

    答えと解説

    正解: 他想不让我去。
    助動詞や否定詞は原則として第1動詞の前に置くため、「不想让我去」とするのが正しく誤りです。

よくある質問

Q. 「让」と「叫」の違いは何ですか?
「让」は許可や一般的な指示を含み、公私問わず最も広く使える標準的な使役動詞です。「叫」はくだけた口語表現で、言いつける・促すニュアンスが強くなります。
Q. 「使」を日常会話で使っても通じますか?
意味は通じますが、非常に硬い書き言葉の響きになります。日常会話で「人に〜させる」と言いたいときは「让」を使うのが自然です。
Q. 兼語文の否定詞はどこに置きますか?
原則として使役動詞(让・叫など)の直前に置きます。「父は私を行かせない」は「爸爸不让我去」となり、「让」の前に「不」を配置します。
Q. 兼語文と使役文はまったく同じものですか?
使役文は兼語文の代表例ですが、完全な同義ではありません。兼語文は「第1動詞の目的語が第2動詞の主語を兼ねる構文」の総称であり、「有(ある・いる)」「求(懇願する)」「称(呼ぶ)」など、使役の意味を持たない動詞を使った兼語文も含まれます。
Q. 兼語文で反復疑問文を作るとき、前後の動詞のどちらを重ねますか?
文全体の主たる述語である第1動詞(使役動詞)を反復させます。例えば「请不请」「让没让」のように第1動詞を肯定形と否定形で重ねます。第2動詞側を反復させることはできません。

2026年10月12日更新・モチタン辞典編集部

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