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受身文「被・叫・让」の構造と使い分け

受身文「被・叫・让」の構造と使い分け

中国語の受身文(被字句)は、「主語(受け手)+被(bèi / 〜される)+動作主+動詞+その他の成分」の語順を基本とし、原則として「被害・不本意・好ましくない結果」を表します。

口語では叫(jiào / 〜される)や让(ràng / 〜される)も多用されますが、動作主を省略できるのは被だけであり、叫や让では動作主の明示が必須という明確な文法差があります。

中級読む時間 約4分「特殊文型(把構文・被構文・存現文ほか)」5/7✓ 読んだ項目

この項目のポイント

先に読むと分かりやすい: 前置詞(介詞)の機能と基本配置ルール中国語の結果補語の基礎とよく使う動詞

受身文の基本構造と「被害」のニュアンス

中国語の受身文は、動作を受ける事物を主語に立て、前置詞(介詞)の被(bèi / 〜される)を用いて動作主と動作の結果を導きます。日本語の「〜される」や英語の受動態と大きく異なるのは、中国語の受身文が基本的に「被害」「不本意」「迷惑」といったマイナスの事態を表す点です。

手机被偷了。
shǒujī bèi tōu le
スマホが盗まれました。

この例文では、スマホが盗まれて所有者が不利益を被ったというニュアンスが明確に含まれます。客観的な事実(例:「この小説は彼によって書かれた」など)には、本来は「被」を用いず、「是〜的」構文などを使うのが自然です。

近年はニュース等で中立的な受身表現も見られますが、日常会話では依然として「好ましくない変化」を表す構文として使われます。

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「被・叫・让」の違いと特徴対比表

口語では被(bèi / 〜される)の代わりに叫(jiào / 〜される)や让(ràng / 〜される)が頻繁に使われます。意味はほぼ同じですが、文体や文法規則に明確な違いがあります。

表は横にスクロールできます →

項目被(bèi)叫(jiào)让(ràng)
文体書面語・口語の両方口語中心口語中心
動作主の省略省略可能省略不可省略不可
「给」との併用併用可能併用可能併用可能
日常会話の頻度普通(改まった響き)極めて高い極めて高い

最大の違いは「動作主を省略できるかどうか」です。話し言葉でくだけた会話をする際は叫や让が好まれますが、動作主が不明な場合や動作主を伏せたい場面では被を選ばなければなりません。

動作主の省略ルールと「给」の強調用法

被(bèi / 〜される)を使う場合、誰によってその行為が行われたかが不明、あるいは言う必要がないときは動作主を省略できます。

手机被偷了。
shǒujī bèi tōu le
スマホが盗まれました(誰に盗まれたかは言及しない)。

一方、叫(jiào / 〜される)や让(ràng / 〜される)を使う場合は、動作主を省略できません。動作主が分からない場合でも有人(yǒurén / 誰か)などを置く必要があります。

钱包叫他拿走了。
qiánbāo jiào tā názǒu le
財布を彼に持って行かれました。

また、口語の受身文では、動詞の直前に给(gěi / 〜される・〜してしまう)を挟む表現がよく使われます。これは受動の意味や被害の語気を強める働きをします。

衣服让雨给淋湿了。
yīfu ràng yǔ gěi línshī le
服が雨でびしょ濡れになってしまいました。

受身詞による動作主の扱いと「给」

被(bèi)

  • 動作主が不明・不要なら省略可能
  • 口語・書面語の双方で使える
  • 動詞の前に「给」を置いて強調可能

叫(jiào)/ 让(ràng)

  • 動作主の省略は不可(必須)
  • 不明時は「有人」などを補う
  • 動詞の直前に「给」を挟んで語気を強化

「被」と「叫・让」では動作主を省略できるかどうかの規則が異なります。

否定文・助動詞は必ず「被」の前に置く

受身文を否定する場合や助動詞を補う場合、置く位置に厳密な決まりがあります。否定詞の没(méi / 〜しなかった)や没有(méiyou / 〜しなかった)、あるいは助動詞(能、想、会など)は、動詞の前ではなく、必ず「被・叫・让」の前に置きます。

钥匙没被他弄丢。
yàoshi méi bèi tā nòngdiū
鍵は彼に失くされませんでした。

这个秘密不想被别人知道。
zhège mìmì bù xiǎng bèi biérén zhīdao
この秘密は他人に知られたくありません。

否定文を作る際、文末に完了を表す了(le / 〜した)を付けることはできません。過去の否定であっても「没被+動詞」の形をとります。

受身文の否定文・助動詞の語順
主語(受ける側)+否定詞/助動詞+被・叫・让+動作主+動詞+結果など

钥匙 没 被 他 弄丢。鍵は彼に失くされませんでした。

否定詞や助動詞は動詞の前ではなく、必ず受身詞の前に配置します。

述語動詞の後ろに必要な「その他の成分」

受身文の述語動詞は、基本的に単独で用いることができません。動作が行われた結果、どのような変化や状態が生じたかを示すため、動詞の後ろに結果補語、方向補語、完了の了(le / 〜した)などの「その他の成分」を伴う必要があります。

× 我的自行车被偷。(単独動詞のため非文)
○ 我的自行车被偷了。
wǒ de zìxíngchē bèi tōu le
私の自転車が盗まれました。

茶杯被弟弟打碎了。
chábēi bèi dìdi dǎsuì le
湯呑みが弟に割られて粉々になりました。

上記の「打碎」のように、動詞+結果補語+「了」の形をとることで、動作主の行為によって対象がどのような結末に至ったかが完結します。

受身文の動詞に必要な要素

受身文の述語動詞は単独で使えず、結果や変化を示す成分が必要です。

「被」を使わない意味上の受身文

中国語では、主語が無生物で動作の受け手であることが文脈上明らかな場合、「被」を用いずにそのまま表現することが一般的です。これを「意味上の受身文(受事主语句)」と呼びます。

作业做完了。
zuòyè zuòwán le
宿題が終わりました(宿題はやり終えられました)。

衣服洗好了。
yīfu xǐhǎo le
服が洗い終わりました(服はきれいに洗われました)。

これらは「宿題がされる」「服が洗われる」という受動関係ですが、被害や不本意のニュアンスがない正常な処置であるため、「被」を使うと極めて不自然になります。「被」を使うのは、あくまで好ましくない事態や、あえて被害を強調したい文脈に限られる点に注意してください。

確認問題(5問)

  1. 中国語の受身文のニュアンスに関する説明として、本文に照らして最も適切なものはどれですか。

    答えと解説

    正解: 日常会話では基本的に好ましくない結果や被害のニュアンスを表す
    中国語の受身文は原則として被害や不本意などの好ましくない結果を表し、客観的事実には「是〜的」構文などを用います。

  2. 動作主が言及されていない受身文として、文法的に正しいものはどれですか。

    答えと解説

    正解: 手机被偷了。
    動作主を省略できるのは「被」だけであり、かつ動詞を単独で終わらせず「了」などのその他の成分を伴う必要があります。

  3. 次の日本語に合うように空所に補う語として適切なものはどれですか。 「鍵は彼に失くされませんでした。」 钥匙(  )他弄丢。

    答えと解説

    正解: 没被
    受身文の否定文では、否定詞(没など)を動詞の前ではなく必ず受身詞(被など)の前に置きます。また否定文の文末に「了」は付けません。

  4. 受身文における「给」の用法として本文に書かれている説明はどれですか。

    答えと解説

    正解: 述語動詞の直前に挟み、受動の意味や被害の語気を強める
    口語の受身文では、動詞の直前に「给」を挟むことで受動の意味や被害の語気を強める働きをします。

  5. 本文の説明に基づき、文法的に「誤り」を含む文はどれですか。

    答えと解説

    正解: 我的自行车被偷。
    受身文の述語動詞は単独で用いることができず、結果補語や完了の「了」などの成分を伴う必要があるため、単独動詞の文は非文です。

よくある質問

Q. 「被」で良い出来事を表すことはできますか?
原則として好ましくない事態を表しますが、近年の現代中国語では西洋語の直訳や報道の影響で「被选为(選ばれる)」のように肯定的な文脈でも用いられることがあります。ただし会話では被害・迷惑の場面で使うのが最も自然です。
Q. 「叫」「让」が使役か受身か見分ける方法は?
文脈と主語の関係で見分けます。主語が無生物や被害を受けた人であり、動詞の後ろに好ましくない結果補語を伴う場合は受身(〜される)です。主語が人に対して指示・許可を与えている場合は使役(〜させる)になります。
Q. 「叫」「让」で動作主が不明なときはどうしますか?
「叫」「让」は動作主の省略が文法上できないため、犯人や相手が分からないときは「有人(誰か)」や「人(人)」を補って「叫人拿走了」と表現するか、動作主を省略できる「被」を使って「被拿走了」と言い換えます。

2026年9月29日更新・モチタン辞典編集部

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