モチタン辞典 › 読みもの › 中国語 › 「只・只好・只有」の違いと例文

只の中国語例文と使い分け・只好や只有も解説

只の中国語例文と使い分け・只好や只有も解説

中国語の只(zhǐ)は「〜だけ」「〜のみ」を表す副詞で、必ず動詞や助動詞の前に置きます。一方、発音が第1声の只(zhī)は動物や対になるものの一方を数える量詞です。

文中で「〜しかない」と表現する際は、直後に動詞を置く只のほか、存在・条件を表す只有(zhǐyǒu)ややむを得ない選択を表す只好(zhǐhǎo)を適切に選ぶ必要があります。

只の基本情報と発音・品詞の一覧表

中国語の只には、副詞の只(zhǐ:第3声)と量詞の只(zhī:第1声)という2種類の発音と品詞が存在します。中国語の文章を読む際や聞き取る際は、まずどちらの品詞として使われているかを見分けることが大切です。

表は横にスクロールできます →

品詞ピンイン・声調意味文中での位置・使われ方
副詞zhǐ(第3声)〜だけ、〜のみ、ただ動詞・助動詞の前(述語の前)
量詞zhī(第1声)〜匹、〜羽、〜隻、〜本(片方)数詞+只+名詞(動物、対の片方など)

声調が異なると意味がまったく変わる多音字(1つの漢字に複数の発音がある文字)の代表例です。副詞の只(zhǐ)は範囲を狭める限定を表し、量詞の只(zhī)は事物を数える単位として機能します。

日常で見かける品詞の判定法

中華料理店や市場の価格表示で「98元/只」という表記を見かけることがあります。この場合は「1羽につき98元」「1匹につき98元」という意味であり、量を表す単位のため第1声の量詞只(zhī)と発音します。

後ろに名詞が続く、あるいは数詞と結びついている場合は量詞、後ろに動詞や助動詞が続く場合は副詞と見分けるのが基本のルールです。

Nathan中国語の文法は、話して身につけよう。会話アプリ「モチスピ」中国語を話して練習できる会話アプリ。話すたびに、発音・文法・自然さをその場で直してもらえます。無料で試す

副詞「只」の基本語順と中国語例文

副詞只(zhǐ:〜だけ)を使う際、最も注意すべきなのは語順です。日本語では「水だけ飲む」「これだけ買う」のように名詞の直後に「だけ」を置くことができますが、中国語の副詞只は名詞の直後には置けません。必ず動詞の直前に配置します。

基本語順の公式

副詞只の基本構文は以下の通りです。

例えば「私は中国茶だけ飲む」と言いたい場合、日本語の語順に引きずられて「我 中国茶 只 喝」や「我 只有 中国茶 喝」のように並べるのは誤りです。動詞喝(hē:飲む)の前に只を置き、「我只喝中国茶」と表現します。

日常会話で役立つ基本例文

動詞の前に只を置いた実践的な例文を確認しましょう。

「只+名詞」は誤り?例外はあるか

中国語学習者が最も間違えやすいのが「只+名詞」の形です。「私だけ行く」を「只我去」とすることはできず、必ず「只有我去(私だけが行く)」のように動詞有(yǒu:いる・ある)を補う必要があります。

副詞は名詞を直接修飾できないため、述語となる動詞が必要になるためです。ただし、書き言葉やスローガン、慣用句的な短縮形(例:只此一家=ここ1軒のみ)を除き、会話では必ず動詞を挟む原則を守ってください。

副詞「只」の基本語順
主語+只+動詞+目的語

我只喝黑咖啡。私はブラックコーヒーだけを飲みます。

日本語と異なり、副詞「只」は名詞の後ではなく必ず動詞の直前に置きます。

文全体の組み立てを一から確認したいときは、中国語の文法の基本をあわせてご覧ください。

只有の中国語例文と2大重要構文

只有(zhǐyǒu)には大きく分けて2つの重要な用法があります。1つは存在や所有の少なさを表す「〜しかない・〜だけある」という用法、もう1つは唯一の条件を提示する接続表現「只有……才……(〜してこそ初めて…できる)」です。

用法1:存在や数量の限定(〜しかない、〜だけある)

名詞の存在や所持している数量がそれだけしかないことを示す用法です。主語の位置に置かれて「〜だけが…する」という主語の限定を行うこともできます。

用法2:条件の呼応構文「只有……才……」

中国語検定やHSKでも頻出の重要文法が只有……才……(zhǐyǒu... cái...)です。「ある条件を満たして初めて、望む結果が得られる」という唯一の必須条件を表します。後ろには必ず才(cái)が呼応し、就(jiù)と組み合わせることはできません。

「只有」の2大重要構文
🔢存在・数量の限定

名詞の存在や所持数が「〜しかない」ことを表す

🔑条件の呼応構文

「只有…才…」で唯一の必須条件を表す

「只有」には数量の限定と、才と呼応する条件構文の2つの主要な用法があります。

只好の中国語例文と只能とのニュアンス差

只好(zhǐhǎo)は、「客観的な事情により他の手段や選択肢がなく、やむを得ず〜する」「〜するよりほかない」という消極的な妥協・選択を表す副詞です。「本心では別の行動を取りたかったが、仕方なくそう決断した」という文脈で使われます。

「只好」の具体的例文

「只好」と「只能」の違いと使い分け

日本語に訳すとどちらも「〜するしかない」となるため混同しやすい表現に只能(zhǐnéng)があります。両者には明確なニュアンスの差が存在します。

表は横にスクロールできます →

表現意味の重点話者の心理・ニュアンス例文
只好
(zhǐhǎo)
行動の選択・妥協他に良い案がないため「仕方なくその行動を選ぶ」という主観的妥協没买到火车票,只好坐汽车。
(切符が買えなかったので、やむを得ずバスにした。)
只能
(zhǐnéng)
能力・条件の制約客観的な制約や規則により「それ以外の行動が不可能である」という事実没有通行证,只能在外面等。
(通行証がないため、外で待つことしかできない。)

只好は過去の出来事に対して「仕方なく〜した」と述べる文脈でも自然に使えます。一方、只能は客観的制限(ルール、能力、物理的限界)により選択肢が閉ざされている状態そのものを強調します。

「只・只好・只有」の違いと例文のイメージ

「只・只有・只好・只是・只要」一覧比較

中国語には只を含む多種多様な連語が存在し、それぞれ文法的な役割が異なります。試験の穴埋め問題や読解で混乱しやすい5つの表現を一覧表で整理しました。

表は横にスクロールできます →

単語品詞・構文主な意味使い方の要点
只(zhǐ)副詞〜だけ、〜のみ動詞の直前に置き、動作や範囲を限定する。
只有(zhǐyǒu)動詞 / 接続詞〜しかない / 〜してこそ「数量・人・物の限定」または「只有…才…」で唯一の必須条件。
只好(zhǐhǎo)副詞〜するしかない、やむを得ず〜する他の手立てがなく、消極的にその行動を選ぶ。
只是(zhǐshì)副詞 / 接続詞ただ〜に過ぎない / ただ(逆接)程度を低く見積もる表現、または文頭・文中で前置き・軽い転換を表す。
只要(zhǐyào)接続詞〜しさえすれば「只要…就…」で十分条件を表す(最低限この条件があれば成立する)。

「只是」の2大用法

只是(zhǐshì)は日常会話で頻出します。1つ目は「たいしたことではない」と程度を軽く言う用法、2つ目は「ただ、〜」とやんわり意見を述べるクッション言葉としての用法です。

「只有…才…」と「只要…就…」の混同に注意

構文のペアを間違えるミスは学習初期の典型例です。

「只有…才…」と「只要…就…」の違い

只有……才……

  • 呼応する語は「才」
  • 唯一の必須条件を表す
  • 「〜でなければ〜できない」
  • 厳しい条件付け

只要……就……

  • 呼応する語は「就」
  • 十分条件を表す
  • 「〜しさえすればすぐ〜できる」
  • ハードルの低い条件付け

厳しい唯一の条件を表す構文と、手軽な十分条件を表す構文のペアの違いです。

会話での表現の幅を広げたいときは、中国語の日常会話フレーズ(場面別の基本表現)も役立ちます。

「只」と「才」「就」のニュアンスの違い

数量や時間の少なさを表す際、中国語では只(zhǐ)のほかに才(cái)や就(jiù)を用いることがあります。これらは日本語訳が似通っていても、話者の主観や強調するポイントが異なります。

表は横にスクロールできます →

副詞話者の心理・ニュアンス日本語訳の例例文の比較
只(zhǐ)客観的事実としての限定(感情は交えない)〜だけ、〜のみ他只学了三个月汉语。
(彼は3か月だけ中国語を学んだ=客観的な期間の限定)
才(cái)話者が「少ない・遅い」と主観的に感じているわずか〜、まだ〜しか他才学了三个月汉语,就说得这么好。
(彼はわずか3か月しか学んでいないのに、こんなに上手に話せる=短さを強調)
就(jiù)話者が「早い・多い・簡単」と感じているもう〜、早くも〜他学了三个月就通过了考试。
(彼は3か月学んだだけで早くも試験に合格した=早さを強調)

例えば「会議の参加者は5人だけだった」という事実を淡々と伝えるなら只を用い、「5人しか来なかった(少なくて驚いた・不満)」という感情を込めるなら才を用います。状況を客観的に切り取るか、話し手の主観を乗せるかで使い分けてください。

次の疑問数量だけでなく時間の早さや遅さのニュアンスも整理したいなら、中国語の「就」と「才」の違いと使い分けを確かめてみましょう。

量詞「只(zhī)」の使い方と数え方例文

発音が第1声の只(zhī)は、中国語で非常によく使われる量詞(助数詞)です。日本語の「匹」「羽」「隻」「本」「個」など、多様な対象に対応します。

量詞「只」が使われる主な対象

量詞「只(zhī)」の例文

靴や靴下など通常2つで一対(双:shuāng)をなすものを「片方だけ」数えるときに量詞只を用いる点は、検定試験でも頻出の重要ポイントです。

量詞「只(zhī)」が数える対象
量詞「只」の対象

小動物・鳥・昆虫

  • 猫(猫)
  • 犬(狗)
  • 羊(羊)
  • 鳥(鸟)
  • 鶏(鸡)

対をなすものの一方

  • 手(手)
  • 足(脚)
  • 目(眼睛)
  • 靴(鞋)
  • 靴下(袜子)

小型の舟・器物

  • 小舟(小船)
  • スーツケース(箱子)
  • 時計(手表)

第1声の量詞「只」は動物だけでなく、対をなすものの一方や小舟などに使われます。

動物や物によって使い分ける助数詞を整理したい方は、中国語の量詞一覧を参考にしてください。

次の疑問犬や猫以外の生き物を数える表現もまとめて知りたいときは、中国語の動物の数え方量詞で整理できます。

理解度チェック練習問題と詳しい解答解説

本記事で学んだ只、只有、只好、只是の使い分けが身についているか、練習問題で確認してみましょう。

【問題1】空欄補充(選択肢:只 / 只有 / 只好 / 只是)

  1. 今天没有公共汽车了,我们(  )走路回去。
    (今日はバスがもうないので、私たちは歩いて帰るしかない。)
  2. 会议室里(  )两个人,其他人还没来。
    (会議室には2人しかおらず、他の人はまだ来ていない。)
  3. 他(  )吃蔬菜,不吃肉。
    (彼は野菜だけを食べ、肉は食べない。)
  4. (  )坚持练习,才能说一口流利的汉语。
    (練習を続けてこそ、流暢な中国語が話せるようになる。)
  5. 这道题不难,我(  )粗心做错了。
    (この問題は難しくない、私はただ不注意で間違えただけだ。)

【問題1の解答と解説】

  1. 只好:バスがないため「やむを得ず歩く」という妥協の選択を表すため只好が適切です。
  2. 只有:数量(2人)の存在を限定しているため、動詞の只有が入ります。
  3. 只:直後に動詞吃(食べる)があり、動作の対象を限定する副詞として只を用います。
  4. 只有:文末の才能と呼応して唯一の条件を提示しているため、「只有……才……」の構文です。
  5. 只是:「難しくはなく、単に〜なだけだ」と理由を軽く説明しているため只是が入ります。

【問題2】日中作文

  1. 私たちは1回しか会ったことがありません。
  2. 雨が降ったので、私は家にいるしかありませんでした。

【問題2の解答と解説】

  1. 我们只见过一次面。(または 我们只见过一面。)
    解説:「1回しか〜ない」は動詞の前に只を置き、動量詞句(一次面)を動詞の後ろに配置します。
  2. 下雨了,我只好待在家里。(または 因为下雨,我只好留在家里。)
    解説:雨という客観的状況に対して「仕方なく家に留まる」という選択をしたため、副詞只好を用います。

続けて読む

中国語の疑問をすべて見る「中国語例文」のまとめ

理解度チェック

Q1. 「私はブラックコーヒーだけを飲む」の正しい中国語は?

  1. 我黑咖啡只喝。
  2. 我喝只黑咖啡。
  3. 我只喝黑咖啡。
  4. 我只有黑咖啡喝。
答えを見る

正解: C. 我只喝黑咖啡。
副詞「只」は名詞の直後には置けず、必ず動詞の直前に配置するため「我只喝黑咖啡」となります。

Q2. 接続表現「只有……」の後ろに呼応する語はどれですか?

  1. 就
  2. 才
  3. 都
  4. 也
答えを見る

正解: B. 才
「只有……才……」は唯一の必須条件を表す構文で、後ろには必ず「才」が呼応します。

Q3. 「只好」と「只能」の違いに関する説明で正しいものは?

  1. 只好は規則による客観的制限を表す
  2. 只好は仕方なくその行動を選ぶ妥協を表す
  3. 只能は過去の出来事に使えない
  4. 只能は主観的な感情を交えない限定を表す
答えを見る

正解: B. 只好は仕方なくその行動を選ぶ妥協を表す
「只好」は他に対策がなく「仕方なくその行動を選ぶ」という主観的な妥協を表します。客観的制限は「只能」です。

よくある質問

Q. 「只」の直後に名詞を置いてはいけませんか?
日常会話では副詞の「只」を直接名詞の前に置くことはできません。日本語で「お茶だけ」と言いたい場合も、中国語では必ず「只喝茶(お茶だけ飲む)」のように動詞を伴わせるか、「只有茶(お茶だけある)」のように「有」を補って表現します。
Q. 「只好」と「不得不」はどう違いますか?
「只好」はやむを得ずある行動を選択する妥協を表し、日常会話で多用されます。一方「不得不」は二重否定(〜しないわけにはいかない)の構文で、道義的責任や強い外圧により義務としてそうせざるを得ない硬いニュアンスを持ちます。
Q. 「只有」と「唯有」に違いはありますか?
意味は基本的に同じですが、「唯有(wéiyǒu)」は書き言葉や文学作品、スピーチなどで用いられる格調高い表現です。日常会話では圧倒的に「只有」が使われます。
Q. レストランの「98元/只」の発音は何ですか?
動物(鶏や鴨など)を1羽・1匹単位で数える量詞のため、第1声で「zhī」と発音します。副詞(zhǐ)ではない点に注意してください。
Q. 「只」と「仅仅」の使い分けは?
「仅仅(jǐnjǐn)」は「只」よりも改まった書き言葉(書面語)です。「仅仅+動詞」だけでなく「仅仅+数量詞」の形で数量の少なさを強調する際にもよく用いられます。

2026年10月8日更新・モチタン辞典編集部