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対象を表す介詞「跟・对・给・向」の違いと使い分け

対象を表す介詞「跟・对・给・向」の違いと使い分け

中国語で「〜に」「〜と」と相手を表すとき、跟(gēn)、对(duì)、给(gěi)、向(xiàng)のどれを使うべきか迷う学習者は少なくありません。

結論として、並行する相手なら「跟」、態度や働きの矛先なら「对」、利益や授受の受け手なら「给」、動作の向かう方向・目標なら「向」を選びます。動作の方向性と相手との関係性を整理すれば、明確に見分けられます。

初級読む時間 約6分「前置詞(介詞)の体系」4/6✓ 読んだ項目

この項目のポイント

先に読むと分かりやすい: 前置詞(介詞)の機能と基本配置ルール起点・経由・到達を表す「从・往・向・到」

一目でわかる!対象を表す4つの介詞判別表

相手や対象を表す4つの介詞は、それぞれ動作の「ベクトル(向き)」と「関わり方」が異なります。日本語訳の「〜に」や「〜と」だけで選ぶと不自然な表現になりやすいため、それぞれの核となる機能を把握することが大切です。

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介詞主な意味働きの本質典型的なコロケーション
跟(gēn)〜と(一緒に)並行・双方向の共同関係跟我来(私について来て)
对(duì)〜に対して対象への態度・影響の矛先对他很好(彼によくしてくれる)
给(gěi)〜に・〜のために授受・伝達・与益の受け手给你打电话(あなたに電話をかける)
向(xiàng)〜に向かって動作が向かう目標や方向向他学习(彼に見習って学ぶ)

まずはこの表で各介詞の基本的な役割を押さえ、それぞれの詳しい使い方と例文を確認していきましょう。

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共同の相手を表す「跟」(〜と・〜と一緒に)

跟(gēn・〜と)は、主語と同じ立場に立って一緒に動作を行う「共同の相手」を導く介詞です。英語の「with」に近く、動作が主語から相手への一方通行ではなく、双方向に関わり合う場面でよく用いられます。

また、相手の後を追って同じ方向へ進む動作や、相手と何らかの交渉・会話を交わす際にも使われます。

跟我来。
私について来てください。

我想跟你商量一件事。
あなたと一件相談したいことがあります。

昨天我跟朋友去看了电影。
昨日、私は友達と一緒に映画を見に行きました。

跟(gēn)の代わりに同(tóng)や和(hé)を使うことも可能ですが、日常会話の口語では跟(gēn)が最も好んで使われます。双方が関わる動作にはまず跟(gēn)を想定してください。

介詞「跟」の主な使われ方
👥共同動作

主語と同じ立場で一緒に行動する相手を示す

🚶相手の追随

相手の後を追って同じ方向へ進む動作を表す

💬交渉・会話

相手と双方向でやり取りや相談を交わす場面

双方向の関わりや相手と同じ方向へ進む動作に「跟」を用います。

態度・働きかけを表す「对」(〜に対して)

对(duì・〜に対して)は、対象に正対して働きかける意識を表します。人や事物に向ける「態度・感情・関心」の矛先を示す場合や、ある事物が主語にとってどのような影響・評価を持つかを示す場合に用います。

特に感情形容詞と結びついて「〜に対して優しい/厳しい」と表現する構文は日常会話で頻出します。

王老师对学生很好。
王先生は生徒に対してとても優しいです。

他对中国历史很感兴趣。
彼は中国の歴史に対してとても興味を持っています。

吸烟对身体不好。
喫煙は体によくありません。

「彼によくする」を日本語の直訳で「*给他好」とは言えません。相手にどのような態度を取るかは対象への向き合い方であるため、必ず对(duì)を使います。

授受と与益を表す「给」(〜に・〜のために)

给(gěi・〜に、〜のために)は、動作の対象に何かが届く「授受」や「相手のために行う(与益)」を表す介詞です。動作の結果が相手に帰着し、相手が受け手となるニュアンスを含みます。

情報や物資、労力を相手へ送り届ける動詞とともに使われるのが一般的です。

我给你打电话。
私はあなたに電話をかけます。

妈妈给孩子做早饭。
お母さんは子どものために朝ごはんを作ります。

请给我发邮件。
私にメールを送ってください。

「電話をかける」「メールを送る」のように相手側へ通信・物が届く動作は给(gěi)で導きます。一方、「相談する」のように相手と対等にやり取りする動作は跟(gēn)を使うため、動作が届くのか一緒に行うのかを見極めましょう。

「给」と「跟」の動作の向き

给(授受・与益)

  • 動作の結果が相手に届く
  • 相手が受け手になる
  • 情報や物資、労力を送り届ける
  • 例:给你打电话(電話をかける)

跟(共同・双方向)

  • 相手と対等に関わり合う
  • 双方がやり取りする関係
  • 一緒に行動や相談を行う
  • 例:跟你商量(あなたと相談する)

相手に届く授受・与益には「给」、双方向のやり取りには「跟」を使います。

目標・方向を表す「向」(〜に向かって・〜へ)

向(xiàng・〜に向かって)は、動作が目指す「方角」や「目標となる対象」を表す介詞です。書き言葉や改まった会話で多用され、特定の相手へ向けて行う敬意・謝罪・報告・学習などの行為に結びつきます。

物理的な移動の方向だけでなく、抽象的な相手へ働きかける動作にも対応します。

我们要向先进工作者学习。
私たちは模範的な労働者を見習って学ばなければなりません。

他向大家做了解释。
彼は全員に向かって説明を行いました。

列车正向南方开去。
列車は南の方角へ向かって走っています。

对(duì)と似ていますが、对(duì)が相手への態度や関心を表すのに対し、向(xiàng)は「〜へ向けて発信・報告する」「〜から学ぶ」という方向性のベクトルが強調されます。

「向」と「对」の違い

向(目標・方向)

  • 動作が向かう方角や目標を示す
  • 発信・報告・学習のベクトル
  • 改まった会話や書き言葉で多用
  • 例:向先进工作者学习

对(態度・影響)

  • 対象に正対して働きかける意識
  • 人や事物への態度・感情・関心
  • 対象への影響や評価を示す
  • 例:对学生很好

動作の向かう方向を強調する「向」と、態度や関心を表す「对」の違いです。

迷いやすい動作動詞の組み合わせと使い分け

日本人が特に間違いやすい動詞「言う・話す・聞く」における介詞の使い分けを整理します。同じ動詞でも、用いる介詞によってニュアンスが変化します。

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動詞介詞ごとの使い分け意味の違い例文
说(言う・話す)跟(gēn) / 对(duì)跟=話し合う / 对=一方的に伝える我跟他说(彼と話す) / 我对他说(彼に言う)
问(尋ねる・質問する)向(xiàng) / 跟(gēn)向=改まって質問する / 跟=尋ねる(口語)向老师请教(先生にお伺いする) / 跟他打听(彼に聞く)
借(借りる)向(xiàng) / 跟(gēn)向=改まった借入 / 跟=相手から借りる向银行贷款(銀行から借りる) / 跟他借钱(彼から借りる)
道歉(謝罪する)向(xiàng) / 对(duì)向=〜に謝罪する / 对=〜に対して申し訳なく思う向大家道歉(皆に謝罪する) / 对不起大家(皆に申し訳ない)

日常会話で「相手から借りる・聞く」は跟(gēn)を使い、公的な場や改まった文書では向(xiàng)を使うと自然です。

理解度チェック!適切な介詞を選ぶ実践ドリル

最後に、学んだ知識が身についたか簡単な問題で確認しましょう。空欄に入る最も適切な介詞を「跟・对・给・向」から選んでください。

第1問:张先生( )工作非常认真。
(張さんは仕事に対して非常に真面目です)
正解:对(duì)。仕事への「態度」を表すため对(duì)が適切です。

第2問:请你( )大家介绍一下新同事。
(皆に向かって新しい同僚を紹介してください)
正解:向(xiàng)または给(gěi)。全体へ向けて提示する場合は向(xiàng)、皆に情報を提供する意味では给(gěi)が使えます。

第3問:周末我想( )你一起去逛街。
(週末、あなたと一緒にショッピングに行きたいです)
正解:跟(gēn)。一起(yìqǐ・一緒に)と呼応して共同で行動する相手を表すため跟(gēn)が最適です。

状況に応じた「動作のベクトル」を意識しながら、日々のインプットとアウトプットで定着させていきましょう。

確認問題(5問)

  1. 次の空欄に入る最も適切な介詞を選んでください。 「我想( )你商量一件事。」

    答えと解説

    正解: 跟
    「相談する(商量)」のように、相手と対等に双方向でやり取りを交わす動作には「跟」を用います。

  2. 本文の説明に合致する「对」を使った正しい文を選んでください。

    答えと解説

    正解: 王老师对学生很好。
    相手への態度や接し方を表す場合は「对」を使います。「彼によくする」を直訳して「*给他好」とは言えません。

  3. 「我给你打电话。」の文における「给」の働きの説明として、本文に合致するものはどれですか。

    答えと解説

    正解: 電話という通信・情報が相手に届く授受を表している
    「给」は動作の結果が相手に帰着し、相手側へ通信や情報が送り届けられる授受・与益を表します。

  4. 「借りる(借)」という動作について、本文の説明として誤っているものを選んでください。

    答えと解説

    正解: 相手から借りるときは授受の受け手を表す「给」を使うのが最も一般的である
    本文の表では「借りる」の相手には「向(改まった借入)」または「跟(相手から借りる)」を用いると説明されています。

  5. 次の空欄に入る介詞として本文で適切とされている組み合わせを選んでください。 「请你( )大家介绍一下新同事。」

    答えと解説

    正解: 向 または 给
    ドリル第2問の解説によると、全体へ向けて提示する場合は「向」、皆に情報を提供する意味では「给」が使えます。

よくある質問

Q. 「打电话」にはなぜ「给」を使うのですか?
電話や手紙、メールなどの通信手段は、情報や連絡を相手に届ける「授受・伝達」の動作だからです。主語から相手への働きかけが受け手に帰着するため、「给+人+打电话」の形を用います。
Q. 「跟」と「和」はどう使い分ければよいですか?
文法的な役割はほぼ同一で置き換えが可能です。現代の日常会話では「跟」が好んで使われ、文章語や改まった場面では「和」が用いられる傾向があります。口語では「跟」に統一して問題ありません。
Q. 「对他好」を「给他好」と言えないのはなぜですか?
「好」は状態や態度を表す形容詞であり、授受できる物品や具体的なサービスではないためです。「彼に対する態度が優しい」という矛先を示す関係になるため、態度を表す「对」を使わなければなりません。

2026年9月30日更新・モチタン辞典編集部

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