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中国語の介詞「从・往・向・到」起点から方向・到達点の使い分け

中国語の介詞「从・往・向・到」起点から方向・到達点の使い分け

中国語で移動ルートを表す介詞は、起点を示す从(cóng・〜から)、進行方向を示す往(wǎng・〜へ)と向(xiàng・〜へ)、到達点を示す到(dào・〜まで/〜へ)の4つを押さえれば整理できます。

「どこから・どちらへ・どこまで」という移動の流れに沿って使い分けるのが基本です。特に迷いやすい「往」と「向」は、後ろに続く言葉が「具体的な場所・方角」か「人や抽象的な対象」かで見分けられます。

初級読む時間 約6分「前置詞(介詞)の体系」3/6✓ 読んだ項目

この項目のポイント

先に読むと分かりやすい: 前置詞(介詞)の機能と基本配置ルール方位詞の体系と名詞との結合ルール

移動ルートの基本地図!4大介詞の役割分担

空間や時間の移動を中国語で表現するとき、日本語の「てにをは」に当たる役割を果たすのが介詞(前置詞)です。移動には必ず「どこから出発し、どの方向へ進み、どこへ到達したか」というプロセスがあります。中国語ではこの位置関係ごとに介詞を明確に使い分けます。

まずは全体の役割を把握しましょう。起点は从(cóng)、進行方向は往(wǎng)または向(xiàng)、最終到達点は到(dào)が担います。

表は横にスクロールできます →

介詞主な意味表す役割後ろに来る語
从〜から出発点・起点場所・時間・視点
往〜へ(向かって)動作の進行方向具体的方角・場所
向〜へ・〜に(向けて)方向・対象・目標場所・人・抽象対象
到〜へ・〜まで動作の到達点・終点到着地・終了時間

このように、単に「〜へ行く」と言いたい場合でも、「どの方向に向かっているのか(方向)」を言いたいのか、「最終的にどこへ着くのか(到達点)」を言いたいのかによって、選ぶべき介詞が異なります。

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起点を示す「从」:空間と時間の「〜から」

从(cóng・〜から)は、動作や変化が出発する「起点」を表します。日本語の「〜から」とほぼ同じ感覚で使え、空間的な場所だけでなく、時間的な始まりや物事の出処にも使えます。

空間の起点を表す場合、後ろに場所名や方位詞を置きます。

我们从学校出发。
私たちは学校から出発します。

他从包里拿出了钥匙。
彼はかばんの中から鍵を取り出しました。

時間の起点を表す場合も同様です。

会议从上午九点开始。
会議は午前9時から始まります。

注意点として、人を出発点にする場合は、从我这儿(cóng wǒ zhèr・私のところから)のように这儿(zhèr・ここ)や那儿(nàr・あそこ)などの場所化を表す語を補う必要があります。単独で「从我」とは言えません。

「从」が表す3つの起点
从(〜から)

空間の起点

  • 学校(場所名)
  • 包里(方位詞)
  • 我这儿(人+場所化)

時間の起点

  • 上午九点(開始時刻)

物事の出処

  • 鍵を取り出す出処

从は空間だけでなく時間や物事の起点にも広く使われます。

到達点を示す「到」:目的地や終了の「〜まで」

到(dào・〜まで/〜へ)は、動作が最終的に届く「到達点」を表します。単に方向を目指すのではなく、「その場所・時間に行き着く」というニュアンスを含みます。

火车明天早上到北京。
列車は明日の朝、北京に到着します。

我们一直学到深夜。
私たちは深夜までずっと勉強しました。

また、起点を示す从と到達点を示す到を組み合わせた「从…到…」は非常によく使われる重要構文です。空間の移動だけでなく、時間のスパンや数量の範囲も示せます。

从东京到北京坐飞机要四个小时。
東京から北京までは飛行機で4時間かかります。

他从星期一到星期五都很忙。
彼は月曜日から金曜日までずっと忙しいです。

「从〜到…」の形をセットで覚えておくと、移動やスケジュールの説明がスムーズに行えます。

基本構文「从…到…」の型
从+起点(东京/星期一)+到+到達点(北京/星期五)+述語・結論

从东京到北京坐飞机要四个小时。東京から北京までは飛行機で4時間かかります。

起点と到達点をセットにして空間移動や時間の範囲を表せます。

「往」と「向」の違いを比較!具象か抽象か

学習者が最も迷いやすいのが、どちらも「〜へ(向かって)」と訳される往(wǎng)と向(xiàng)の使い分けです。この2つの大きな違いは、「後ろに置ける目的語の種類」と「抽象的な意味に使えるかどうか」にあります。

比較項目往(wǎng)向(xiàng)
後ろに置く目的語具体的な場所・方角のみ場所・方角・人物・抽象概念
身体動作の対象使えない(×往他笑)使える(向他微笑)
言語・伝達の対象使えない(×往我解释)使える(向我解释)
未来・目標などの比喩不自然(×往未来看)使える(向未来看)
動詞の後ろに置く場合「動詞+往+場所」が可能成語や一部の動詞に限られる

往は物理的な空間移動に特化した介詞で、「東へ」「右へ」といった純粋な方角や場所にのみ使います。一方の向は、物理的な方角に加えて、「人に向かって話す」「目標に向かって進む」といった対象や比喩・抽象表現にも幅広く使えます。

「往」の正しい使い方:物理的な方角と場所の指定

往(wǎng)は、物理的なベクトルを指し示す介詞です。道案内や乗り物の進行方向を指示する場面で大活躍します。

前方十字路口往右拐。
前方の交差点を右に曲がってください。

这列地铁是往市中心开的。
この地下鉄は都心方面へ走るものです。

往の特徴として、動詞の後ろに結果補語のように置く「動詞+往+場所」のパターンがあります。特に开往(kāiwǎng・〜行き)、送往(sòngwǎng・〜へ送り届ける)、寄往(jìwǎng・〜へ発送する)などは定型表現として頻出します。

这艘船开往上海。
この船は上海に向けて出航します。

なお、往の後ろには人名や代名詞(我、他など)を直接置くことはできません。人を方向の目標にしたい場合は、次の節で解説する向を使う必要があります。

「向」の正しい使い方:人物への働きかけとスローガン

向(xiàng)は、物理的な方向だけでなく、「相手に対する動作の働きかけ」や「抽象的な目標・精神的な姿勢」を表す際に使われます。

まず、人や組織を対象にする例です。「〜に報告する」「〜から学ぶ」などの働きかけはすべて向を用います。

我们应该向老师请教。
私たちは先生にご教示を仰ぐべきです。

请向大家介绍一下你自己。
皆さんに自己紹介をしてください。

次に、精神的な方向やスローガンなどで使われる抽象的な表現です。「前を向いて生きる」のような文脈では向が定石です。

遇到困难时要向前看。
困難に遭ったときは前を向かなければなりません。

我们要向新的目标前进。
私たちは新しい目標に向かって前進しなければなりません。

このように、「人への挨拶・質問・学習」や「未来・理想などの抽象目標」が出てきたら、迷わず向を選択しましょう。

介詞「向」の主な用途
🧭物理的な方向

前を向いて進むなど物理的な方角を示す。

👥人・組織へ働きかけ

先生に教えを仰ぐ、皆に自己紹介するなど。

🎯抽象的な目標

困難時に前を向く、新たな目標へ前進するなど。

物理的な方向に限らず、人への働きかけや抽象目標を表せます。

一目で判断!4つの介詞を見極める実践フロー

文を作るときにどの介詞を使うべきか迷ったら、次のフローチャートに沿って考えると瞬時に判断できます。

  1. 出発点や始まりを表したいか?
    → 从 を使う(例:从今天开始 / 今日から始まる)
  2. 最終的な到達地や終わりを表したいか?
    → 到 を使う(例:到车站 / 駅に着く)
  3. 進む方向や対象を表したいか?
    → 次の2分岐を確認する
    • 対象が「具体的な方角・物理的な場所」である場合 → 往 または 向(例:往左拐 / 向左拐)
    • 対象が「人・組織・抽象的な目標」である場合 → 必ず 向 を使う(例:向大家问好 / 皆さんに挨拶する)

「起点=从」「終点=到」「物理方向=往」「対象・抽象=向」という4つのコアイメージを頭に入れておくことで、日常会話やHSKの文法問題でも迷わずに正しい介詞を使いこなせます。

確認問題(5問)

  1. 次の空欄に入る最も適切な介詞を選んでください。 「前方十字路口( )右拐。」

    答えと解説

    正解: 往
    「右に曲がる」という物理的な進行方向・方角を指示する場面なので、「往」を用います。

  2. 本文の説明に合致する「从」の正しい使い方の文を選んでください。

    答えと解説

    正解: 我们从学校出发。
    「学校から出発する」という起点を表す正しい文です。人を起点にする場合は場所化が必要で単独の「从我」は不可です。

  3. 次の文の空欄に入る語として最も適切なものを選んでください。 「我们应该( )老师请教。」

    答えと解説

    正解: 向
    「先生に教えを仰ぐ」という人物に対する動作の働きかけを表すため、「向」を使います。「往」は人物には使えません。

  4. 本文の内容に照らして【誤っているもの】を1つ選んでください。

    答えと解説

    正解: 「往」は「往他笑」のように人に対する身体動作の対象を表せる。
    「往」は身体動作の対象には使えず、「往他笑」は誤りです。人に向ける動作には「向(向他微笑)」を用います。

  5. 次の文の日本語訳として最も適切なものを選んでください。 「遇到困难时要向前看。」

    答えと解説

    正解: 困難に遭ったときは前を向かなければならない。
    「向前看」は精神的な姿勢やスローガンとして用いられ、「前を向く」という意味になります。

よくある質問

Q. 「往左」と「向左」に違いはありますか?
意味の違いはほぼありません。「左へ」という物理的な方角を示す場合、往左も向左も同じように使えます。日常会話の道案内では往左拐(左に曲がる)のように「往」が好まれる傾向があり、軍隊の号令などでは向左转(左向け左)のように「向」が定着しています。
Q. 「到」と「去」はどう使い分けますか?
到は介詞として「〜まで(到達点)」を表すほか、動詞として「到着する」を意味します。一方の去は動詞で「(ここから離れて)行く」という離脱動作を表します。「到北京去」のように「到+場所+去」と併用すると「北京へ行く」という表現になります。
Q. 「从他」と言えないのはなぜですか?
中国語の介詞从の後ろには場所や時間の言葉しか置けない規則があるためです。人物を起点にしたいときは、代名詞や人名の後ろに这儿(ここ)や那儿(あそこ)を補い、从他那儿(彼氏/彼のところから)のように場所化して表現します。

2026年9月30日更新・モチタン辞典編集部

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