モチタン辞典 › モチタン中国語辞典 › モチタン中国語文法辞典 › 中国語の方向補語(単純・複合)

中国語の方向補語|単純・複合の語順と使い方

中国語の方向補語|単純・複合の語順と使い方

中国語の方向補語は、動作が話し手や特定の基準点に対して「近づくか(来 lái)」「離れるか(去 qù)」、または「どのような空間的軌跡をたどるか」を表す文法要素です。

方向補語の最大の難関である語順は、「目的語が場所名詞なら補語の前に挟む」「一般名詞なら補語の前でも後ろでもよい」という原則を押さえれば迷わず正しく使い分けられます。

初級読む時間 約4分「補語の基本と発展」2/7✓ 読んだ項目

この項目のポイント

先に読むと分かりやすい: 動詞述語文の構造と目的語の配置中国語の結果補語の基礎とよく使う動詞

方向補語とは?仕組みと基本ルール

方向補語とは、動詞の後ろに置かれて、その動作に伴う移動の方向を補足説明する言葉です。日本語の「歩いて来る」「持っていく」「飛び出す」などの複合動詞の後ろ部分に相当します。

中国語の方向補語は大きく分けて以下の2種類が存在します。

判断の基準は常に「話し手(または話の中で視点が置かれている人物)の位置」です。対象が話し手に近づく移動には 来 を、話し手から遠ざかる移動には 去 を用います。

「来」と「去」の判断基準

来(lái)

  • 話し手に近づく移動
  • 話者のところへ向かう動作
  • 例:歩いて来る、部屋に入って来る

去(qù)

  • 話し手から遠ざかる移動
  • 話者から離れる動作
  • 例:持って行く、ついて歩いて行く

話者の位置を基準にして、近づくか遠ざかるかで選びます。

単純方向補語「来」と「去」の使い方

単純方向補語は「動詞 + 来 / 去」の形で表します。動作そのものは前の動詞が担い、移動が話者に向かうか離れるかを 来 と 去 で指定します。

例えば「持って行く」と言いたいときは、持つを表す 带(dài・携帯する)の後ろに 去 を添えて 带去(dài qu・持って行く)と表現します。

请把这本词典带去。
Qǐng bǎ zhè běn cídiǎn dài qu.
どうぞこの辞書を持って行ってください。

他在前边走,我跟着走去。
Tā zài qiánbian zǒu, wǒ gēnzhe zǒu qu.
彼が前を歩き、私はついて歩いて行きました。

話者のところへやって来る動作には 来 を使います。相手に「早くおいで」と呼びかけるときは 快来(kuài lái・早く来る)だけでなく、動詞と組み合わせて表現できます。

外面冷,快进屋来。
Wàimiàn lěng, kuài jìn wū lai.
外は寒いから、早く部屋に入っていらっしゃい。

単純方向補語の基本文型
带+去

请把这本词典带去。どうぞこの辞書を持って行ってください。

動詞の後ろに「来」または「去」を添えて移動の方向を示します。

複合方向補語の組み合わせ一覧

複合方向補語は、動作の具体的な軌道(上下・内外・通過など)を表す8種類の動詞に、話者との距離関係を示す 来 または 去 を組み合わせた合計16種類の補語です。

移動動詞+ 来(話者へ接近)+ 去(話者から離脱)
上(上がる)上来(shànglai・上がって来る)上去(shàngqu・上がって行く)
下(下りる)下来(xiàlai・下りて来る)下去(xiàqu・下りて行く)
进(入る)进来(jìnlai・入って来る)进去(jìnqu・入って行く)
出(出る)出来(chūlai・出て来る)出去(chūqu・出て行く)
回(戻る)回来(huílai・戻って来る)回去(huíqu・戻って行く)
过(通り過ぎる)过来(guòlai・やって来る)过去(guòqu・通り過ぎて行く)
起(起き上がる)起来(qǐlai・起き上がって来る)—
到(至る)到来(dàolái・到来する)—

起 に対応する「起去」という形は存在しない点に注意してください。複合方向補語を動詞の後ろにつけることで、「歩いてやって来る」を 走过来(zǒuguòlai)のように表現できます。

小李从教室走过来了。
Xiǎo Lǐ cóng jiàoshì zǒuguòlai le.
李さんは教室から歩いてやって来ました。

Nathan中国語の文法は、話して身につけよう。会話アプリ「モチスピ」中国語を話して練習できる会話アプリ。話すたびに、発音・文法・自然さをその場で直してもらえます。無料で試す

場所名詞と一般名詞で変わる目的語の語順

方向補語を学ぶ上で最も重要なのが、目的語を置く位置のルールです。目的語が「場所を表す名詞」か「一般的な事物を表す名詞」かによって、語順が厳格に決まります。

1. 目的語が場所名詞の場合

目的語が 家(jiā・家)や 学校(xuéxiào・学校)などの場所を表す場合、目的語は必ず「方向補語の前(複合方向補語の場合は 来 / 去 の前)」に挟み込みます。補語の後ろに置くことはできません。

× 回去家(誤り)
○ 回家去(huí jiā qu・家に帰って行く)

他已经进教室去了。
Tā yǐjing jìn jiàoshì qu le.
彼はもう教室に入って行きました。

2. 目的語が一般名詞の場合

目的語が 书(shū・本)や 苹果(píngguǒ・リンゴ)などの一般名詞の場合、目的語は補語の前に挟んでも、補語の後ろに置いても構いません。

○ 买来一本书(mǎi lai yì běn shū)
○ 买一本书来(mǎi yì běn shū lai)
(1冊の本を買って来る)

動作がすでに完了している場合は、補語の後ろに目的語を置く「動詞 + 方向補語 + 了 + 一般名詞」の形が多く使われます。

目的語による語順の違い

場所名詞(家・学校など)

  • 方向補語の前(来/去の前)に挟む
  • 補語の後ろには置けない
  • 例:回家去(×回去家)

一般名詞(本・リンゴなど)

  • 補語の前に挟んでも後ろでもよい
  • 完了時は「補語+了+名詞」が多い
  • 例:买来一本书 / 买一本书来

目的語が場所名詞か一般名詞かによって配置ルールが異なります。

目的語の位置早見表と配置パターン図

目的語の種類による語順の違いを配置図と対応表で整理しました。迷ったときはこの表に当てはめて語順を確認してください。

【場所名詞の語順配置】
動詞 +[方向動詞]+ 場所名詞 + 来 / 去
(例:跑 + 进 + 图书馆 + 去)

【一般名詞の語順配置】
パターンA:動詞 + 方向補語 + 一般名詞(例:拿 + 出来 + 手机)
パターンB:動詞 +[方向動詞]+ 一般名詞 + 来 / 去(例:拿 + 出 + 手机 + 来)

目的語の種類配置できる語順例文
場所名詞(教室・家など)動詞 + 場所 + 来/去(挟むのみ)回宿舍去(huí sùshè qu・寮へ帰って行く)
一般名詞(未完了・意図)動詞 + 一般名詞 + 来/去(挟む)带一瓶水来(dài yì píng shuǐ lai・水を1本持って来る)
一般名詞(完了・実現)動詞 + 複合補語 + 了 + 一般名詞(後ろ)拿出来了一支笔(ná chūlai le yì zhī bǐ・ペンを1本外へ取り出した)

「場所は必ず挟む、物はどちらでもよい」と覚えるのが実践的なコツです。

実戦で覚える方向補語の重要例文

日常会話で頻出する方向補語の例文を通じて、実際の語順とニュアンスの感覚を掴みましょう。

妈妈从厨房端出来了一盘菜。
Māma cóng chúfáng duān chūlai le yì pán cài.
母は台所から料理を1皿運んで出て来ました。

運ぶ動作 端(duān・両手で水平に持つ)に 出来(chūlai・出て来る)がつき、一般名詞 一盘菜(yì pán cài)が補語の後ろに置かれています。

你快跑上楼去吧,大家都在等你。
Nǐ kuài pǎo shàng lóu qu ba, dàjiā dōu zài děng nǐ.
早く階段を走って上がって行きなさい、みんな待っていますよ。

場所を表す 楼(lóu・階・建物)があるため、跑上 と 去 の間に挟まれて 跑上楼去 の語順になっています。

他从书包里拿出一本书来。
Tā cóng shūbāo lǐ ná chū yì běn shū lai.
彼はカバンの中から本を1冊取り出しました。

こちらは一般名詞を 拿出 と 来 の間に挟み込んだ構文です。目的語が具体的な数量を伴う場合、このように補語の間に挟む語順も自然に多用されます。

確認問題(5問)

  1. 次のうち、文法的に正しい語順の文はどれですか。

    答えと解説

    正解: 他已经回家去了。
    家などの場所名詞を目的語にする場合、必ず「来/去」の前に挟む必要があります。「回去家」のように補語の後ろに置くことはできません。

  2. 複合方向補語の組み合わせとして、本文で「存在しない」と説明されているものはどれですか。

    答えと解説

    正解: 起去
    移動動詞「起」に対応する複合方向補語は「起来」のみで、「起去」という形は存在しません。

  3. 空欄に入る最も適切なものはどれですか。 「妈妈从厨房端( )了一盘菜。」

    答えと解説

    正解: 出来
    台所から料理を運んで出て来る動作には、動詞「端」の後ろに複合方向補語「出来」を置いた「端出来」を用います。

  4. 一般名詞を目的語にとる文の語順として「誤っている」ものはどれですか。

    答えと解説

    正解: 一本书买来去
    目的語が一般名詞の場合、補語の後ろに置く「买来一本书」でも、間に挟む「买一本书来」でも構いません。「一本书买来去」は誤りです。

  5. 「你快跑上楼去吧」で、「楼(建物・階)」が「跑上」と「去」の間に挟まれている理由として正しいものはどれですか。

    答えと解説

    正解: 「楼」が場所を表す名詞だから
    「楼」は場所を表す名詞であるため、補語「去」の後ろには置けず、必ず補語(来/去)の前に挟み込む必要があります。

よくある質問

Q. 「回去」と「回家」の違いは何ですか?
「回去」は「帰って行く」という動作を表す動詞+方向補語の熟語です。一方「回家」は「家に帰る」という動詞+場所目的語の組み合わせです。「家に戻って行く」と言いたいときは場所名詞を挟み「回家去」と表現します。
Q. なぜ「进去教室」と言ってはいけないのですか?
中国語の文法規則で、方向補語を伴う動詞文において目的語が場所を表す名詞(教室など)である場合、必ず「进+場所+去/来」のように補語の前に挟み込まなければならないと決まっているためです。
Q. 複合方向補語の「来」「去」は軽声で読みますか?
はい。動詞の直後に置かれる方向補語の「来(lai)」や「去(qu)」、および複合方向補語の構成要素(出来 chūlai など)は、基本的に本来の四声を失い軽く短く「軽声」で発音されます。

2026年9月28日更新・モチタン辞典編集部

モチタン中国語文法辞典で続けて学ぶ

「補語の基本と発展」の項目(7)

この文法が出てくる記事

分からない用語は 文法用語のやさしい辞典 へ

📘 モチタン中国語文法辞典のトップへ(全85項目)

中国語の単語帳(HSK・中国語検定)中国語のフレーズ帳