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中国語の前置詞(介詞)完全解説

中国語の前置詞(介詞)完全解説

中国語の前置詞は文法用語で「介詞(jiècí)」と呼ばれ、名詞とセットになって「主語 +[前置詞 + 名詞]+ 動詞 + 目的語」の順で動詞の前に置くのが鉄則です。英語のように文末に置くことはなく、日本語の「〜で」「〜へ」といった助詞に近い働きを持ちます。

中国語の前置詞(介詞)とは?英語や日本語との違い

中国語の文法において、日本語の前置詞に相当する品詞は介詞(jiècí / ジエツー)と呼ばれます。介詞の「介」は「仲介」「仲立ち」を意味しており、名詞や代名詞の前に付き、その名詞を動詞や形容詞に結びつける役割を担います。

中国語の前置詞が持つ3つの基本性質

英語・日本語との構造比較

言語によって前置詞や助詞を置く位置が異なります。日本語・英語・中国語で「私は図書館で本を読む」という文を比較してみましょう。

言語語順の構造実際の文例
日本語主語 +[名詞 + 助詞]+ 目的語 + 動詞私は[図書館 + で]本を読む。
英語主語 + 動詞 + 目的語 +[前置詞 + 名詞]I read books [at the library].
中国語主語 +[前置詞 + 名詞]+ 動詞 + 目的語我[在 图书馆]看书。

英語を学習した経験が長い人は、無意識に 我看书在图书馆 のように前置詞フレーズを文末へ置いてしまう間違いを犯しがちです。しかし中国語では、原則として動作を行う「枠組み(場所・時間・手段など)」を動詞の前に提示してから動作そのものを述べるため、我在图书馆看书(Wǒ zài túshūguǎn kàn shū)の語順になります。

中国語の前置詞が持つ3大性質
🚫単独で述語不可

必ず名詞や代名詞を伴って前置詞フレーズ(介詞構造)を作ります。

📍動詞の前に配置

場所・時間・対象などを修飾する連用修飾語として動詞の前に置きます。

🔄動詞から派生

古代の動詞が文法化したため、現在でも動詞用法を残す語が多くあります。

中国語の前置詞が文中で果たす文法的な役割と性質を確認しましょう。

文全体の構造の違いをさらに深く知りたいときは、中国語と日本語の文法の違いも参考になります。

前置詞の基本語順と副詞・助動詞・否定詞の並び方

中国語の文に副詞(也、都、常など)、助動詞(想、要、能、可以など)、否定詞(不、没)が加わる場合、前置詞句との並び順に厳格なルールが存在します。

基本語順テンプレート

修飾要素が重なる文では、以下の語順が標準的な骨格となります。

[主語]+[副詞]+[否定詞]+[助動詞]+[前置詞 + 名詞]+[動詞]+[目的語]

要素品詞・役割文例
主語動作の主体我(Wǒ / 私は)
副詞程度・範囲・頻度など也(yě / 〜もまた)
否定詞打ち消し不(bù / 〜しない)
助動詞願望・可能・必然など想(xiǎng / 〜したい)
前置詞句介詞 + 名詞跟他(gēn tā / 彼と)
動詞句動詞 + 目的語去中国(qù Zhōngguó / 中国へ行く)

完成した文:我也想跟他去中国。(Wǒ yě xiǎng gēn tā qù Zhōngguó / 私も彼と一緒に中国へ行きたいです。)

否定文の場合:我不想跟他去中国。(Wǒ bù xiǎng gēn tā qù Zhōngguó / 私は彼と一緒に中国へ行きたくありません。)

配置で迷わないための判断フロー

複雑な文を作る際や検定試験の並び替え問題脈では、次のステップで語順を決定します。

  1. 動詞と目的語(述賓構造)を確定する:文の中心となる動作と対象を結びつけます(例:去中国)。
  2. 前置詞句(介詞 + 名詞)を作る:「誰と」「どこで」「何を使って」をまとめます(例:跟 + 他 = 跟他)。
  3. 前置詞句を動詞の直前に配置する:[跟他]+[去中国]。
  4. 助動詞を前置詞句の前に置く:「希望・能力」を表す語は前置詞句より前に配置します(例:想 + 跟他去中国)。
  5. 否定詞と副詞を文頭寄りに添える:副詞 + 否定詞の順で助動詞の前に置きます(例:也 + 不 + 想跟他去中国)。

※例外として、副詞の一部(時間副詞の已经など)や否定詞が特定の強調構文で前置詞の直前に置かれることもありますが、基本学習および中検・HSK4級〜5級レベルでは上記の原則がそのまま適用されます。

修飾語が重なるときの語順決定手順
1述賓構造を確定

中心となる動詞と目的語を結びつけます(例:去中国)。

2前置詞句を作る

介詞と名詞を組み合わせます(例:跟 + 他 = 跟他)。

3動詞の直前に配置

前置詞句を動詞句の直前に置きます(例:[跟他]去中国)。

4助動詞を前置

希望や能力を表す語を前置詞句の前に配置(例:想+跟他去中国)。

5否定詞・副詞追加

副詞+否定詞の順で文頭寄りに添えます(例:也+不+想跟他去中国)。

動詞句を起点に、前置詞句や助動詞・副詞を外側へ重ねて語順を決めます。

次の疑問前置詞と一緒に使う頻度が高い「也」や「都」の配置に迷ったら、中国語の是・就・也・都の使い方で基本の語順をおさらいできます。

場所・時間・起点を表す重要前置詞(在・从・到・离)

場所や時間を表す前置詞は、日常会話や資格試験で最も頻出するカテゴリです。それぞれの意味と使い方を例文とともに確認しましょう。

1. 在(zài):〜で、〜において(場所・時点)

動作が行われる場所や、出来事が発生する時点を提示します。

2. 从(cóng):〜から(空間・時間の起点)

移動の出発地点、時間の始まり、事柄の発端を表します。

3. 到(dào):〜まで、〜へ(空間・時間の到達点)

移動の目的地や、時間の終了地点を表します。しばしば 从〜到…(〜から…まで)の組み合わせで用いられます。

4. 离(lí):〜から(空間・時間の隔たり・距離)

二者間の「へだたり」を測る基準点を表します。後ろには距離や時間を表す表現が続きます。从 が「〜から移動する」という動的な起点を表すのに対し、离 は静的な「距離・間隔」を表す点で異なります。

起点・距離を表す「从」と「离」の違い

从(cóng)

  • 空間や時間の動的な起点を表す
  • 「〜から移動する・始まる」意味合い
  • 从上海坐高铁来北京などの文で使う

离(lí)

  • 2者間の静的な距離・間隔を表す
  • 「〜からへだたっている」基準点を示す
  • 我家离公司很近などの文で使う

どちらも日本語で「〜から」と訳されますが、動的か静的かで使い分けます。

最も基礎となる前置詞の詳しい用例は、中国語の前置詞「在」の意味と使い方で確認できます。

対象・相手を表す重要前置詞(给・对・跟・和・替)

人や対象に向けた働きかけを表す前置詞は、意味の重なりが多く混同しやすい分野です。コアイメージを掴んで正確に使い分けましょう。

対象を表す前置詞のコアイメージ一覧

表は横にスクロールできます →

前置詞中心的な意味コアイメージ典型的な接続動詞
给(gěi)〜に、〜のために利益や物が相手へ移動・伝達する打电话、发邮件、买、做
对(duì)〜に対して、〜にとって矢印が一方的に対象へ向く说、好、感兴趣、热情
跟(gēn)〜と、〜から相手と並ぶ・向かい合って相互作用见面、商量、借、学
和(hé)〜と対等に並置する(跟とほぼ同義)一起、谈话、讨论
替(tì)〜の代わりに、〜に代わって相手の立場や役目を代行する拿、办、谢谢、操心

各前置詞の代表例文

给 の例文:

对 の例文:

跟 の例文:

替 の例文:

中国語の前置詞(介詞)の使い方まとめのイメージ

それぞれのニュアンスの差をさらに詳しく学びたい方は、対象・相手を表す「跟・对・给・向」をご覧ください。

方向を表す前置詞の使い分け(向・往・朝)

「〜へ」「〜に向かって」と方向を表す 向(xiàng)、往(wǎng)、朝(cháo)の3つは、日本語訳が同じになるため混乱を招きやすい前置詞です。後ろに来る名詞の種類や、組み合わせられる動詞の性質に違いがあります。

向・往・朝の比較一覧表

表は横にスクロールできます →

項目向(xiàng)往(wǎng)朝(cháo)
移動の方向○(使える)○(最適)○(使える)
視線・体の向き○(使える)×(使えない)○(最適)
対象(人代名詞)○(人・組織・抽象概念)×(原則として人は不可)△(具体的な人に限定)
動作の抽象性具体的動作・抽象的動作の両方具体的な空間移動のみ具体的な身体動作のみ
動詞の後ろに置く用法○(走向、看向など)○(开往、寄往など)×(動詞の後ろには置けない)

使い分けのポイント

1. 往(wǎng):純粋な空間移動
進路や移動の行き先を示します。後ろには方角(東、前)や場所名詞が来ます。「人」を後ろに置くことはできません。

2. 朝(cháo):体の向きや視線の方向
動作を行うときの物理的な「顔や体の向き」「視線」を表します。移動そのものよりも、その方角を向いて何らかの動作を行う場面で使われます。

3. 向(xiàng):具体的方向から抽象的な目標・相手まで最も幅広い
空間の方向だけでなく、学習の対象、挨拶や謝罪の相手、未来への目標など抽象的な文脈でも自由に使えます。

手段・根拠・目的を表す重要前置詞(用・按・为)

日常会話やビジネスシーンでは、道具・基準・理由を表す前置詞も欠かせません。

1. 用(yòng):〜で、〜を使って(道具・手段・材料)

動作を実行するための手段や言語、ツールを指定します。

2. 按 / 按照(àn / ànzhào):〜に従って、〜に基づいて(根拠・基準)

規則、計画、指示、標準などを基準として動作を行う際に使います。

3. 为 / 为了(wèi / wèile):〜のために(目的・動機・受益者)

为了(wèile)は「目的」を提示し、文頭に置かれることが多くあります。一方、为(wèi)は「対象のために」という受益者を表す前置詞としても多用されます。

手段・根拠・目的を表す3つの前置詞
状況を補う前置詞

用(道具・手段)

  • 用筷子吃饭
  • 用汉语写报告

按/按照(根拠・基準)

  • 按照计划进行调查
  • 按规定不能拍照

为/为了(目的・受益者)

  • 为了提高汉语水平
  • 为你感到骄傲

動作の道具・基準・動機を指定する代表的な前置詞の分類です。

動詞と前置詞の見分け方と結果補語の境界線

在、到、给 などの語は、前置詞だけでなく「本動詞」や「結果補語」としても機能します。文構造を正しく見抜くための境界線を整理しましょう。

動詞と前置詞の見分け方

ひとつの文の中に他に本動詞があるかどうかを確認します。

「前置詞句 + 動詞」と「動詞 + 結果補語」の違い

学習者が最も迷いやすいのが、在 や 到 が動詞の前にある場合と、後ろにある場合の差異です。

表は横にスクロールできます →

形式文法構造文の力点・意味例文
在 + 名詞 + 動詞前置詞フレーズ(状語)動作を行う「場所の枠組み」を提示我在桌子上写字。
(机の場所で文字を書く)
動詞 + 在 + 名詞結果補語動作の結果、目的物が「その場所に着地・定着」する我把名字写在桌子上。
(名前を書いた結果、机に残る)
到 + 名詞 + 動詞前置詞フレーズ(状語)移動した先で動作を行う他到图书馆借书。
(図書館に行って本を借りる)
動詞 + 到 + 名詞結果補語動作が目的地や特定の時点に「到達」する飞机飞到了北京。
(飛行機が飛んで北京に到達した)

動作の結果として人や物がどこかに落ち着く動詞(住、放、停、写、送など)は、在 や 到 を後ろに伴って結果補語を作りやすい特徴があります。

日本人がやりがちな前置詞の誤用パターンと添削例

日本語の助詞感覚や英語の前置詞感覚に引っ張られると、不自然な中国語になりがちです。代表的な間違いと正しい表現を対比して確認しましょう。

誤用例1:英語のように前置詞句を文末に配置してしまう

誤用例2:日本語の「〜から」をすべて「从」にしてしまう

「私の家は駅から遠い」と言いたいとき、日本語の「〜から」に引きずられて 从 を使うミスが非常に多く見られます。

誤用例3:方向の「往」の後ろに人代名詞を置いてしまう

誤用例4:助動詞を前置詞句の後ろに置いてしまう

HSKや中国語検定の並び替え問題で迷わない解法テクニック

HSKや中国語検定の筆記試験には、単語を正しい語順に並び替える問題が必ず出題されます。前置詞が含まれる問題文を正確かつ迅速に解くための3ステップテクニックを紹介します。

ステップ1:前置詞を見つけたら、直後の名詞とセットにして「カッコ」で囲む

問題文の中に 在、从、给、对、跟、被、把 などの前置詞を発見したら、意味上ペアになる名詞・代名詞を探してひとつの塊としてマークします。

ステップ2:残りの単語から「文の主幹(主語・動詞・目的語)」を組み立てる

前置詞句を一旦脇に置くことで、文全体の骨組みが明確に見えてきます。

ステップ3:前置詞句を述語の直前に挿入する

組み立てた主幹の述語(動詞・形容詞)の直前に、ステップ1で囲んだ前置詞句を挿入します。

実践練習問題

問題:次の語群を並び替えて正しい中国語文を作りなさい。
[ 讨论 ] [ 跟 ] [ 想 ] [ 我 ] [ 老师 ] [ 这个问题 ]

  1. 前置詞句の確定:[跟]+[老师]= (跟老师)
  2. 主幹の確定:主語[我]+ 述語動詞[讨论]+ 目的語[这个问题]
  3. 助動詞の配置:[想]は前置詞句の前に置く
  4. 結合:我 + 想 + 跟老师 + 讨论 + 这个问题。

正解:我想跟老师讨论这个问题。(Wǒ xiǎng gēn lǎoshī tǎolùn zhè ge wèntí. / 私は先生とこの問題について議論したいです。)

並び替え問題を解く3ステップ
1前置詞句をマーク

前置詞と直後の名詞をセットにしてカッコで囲みます。

2文の主幹を決定

残った単語から主語・動詞・目的語などの骨組みを組み立てます。

3述語直前に挿入

完成した主幹の動詞や形容詞の直前に前置詞句を配置します。

前置詞句をひとまとめにして骨組みから組み立てる解法手順です。

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中国語の疑問をすべて見る「中国語」のまとめ

理解度チェック

Q1. 中国語の前置詞フレーズを置く位置として正しいものはどれ?

  1. 文末の目的語の後ろに置く
  2. 基本的に動詞述語の前に置く
  3. 主語の直前かつ文頭に必ず置く
  4. 否定詞や副詞の直前に必ず置く
答えを見る

正解: B. 基本的に動詞述語の前に置く
中国語の前置詞フレーズは、基本的に動詞述語の前に置いて連用修飾語として機能させます。

Q2. 「私の家は駅から遠い」を表す正しい中国語文はどれ?

  1. 我家从车站很远。
  2. 我家离车站很远。
  3. 我家里车站很远。
  4. 我家到车站很远。
答えを見る

正解: B. 我家离车站很远。
二者間の空間的・時間的な「距離や隔たり」を述べる場合、前置詞は「从」ではなく「离」を用います。

Q3. 方向を表す「往」の特徴として、本文の説明に合致するものは?

  1. 後ろに人代名詞を置くことができる
  2. 動詞の後ろに置くことができない
  3. 具体的な空間移動のみを表す
  4. 視線や顔の向きを表すのに最適である
答えを見る

正解: C. 具体的な空間移動のみを表す
「往」は純粋な空間移動を示し、後ろに人は置けず、具体的な空間移動のみに使われます。

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よくある質問

Q. 中国語の前置詞は文末に置くことができますか?
置けません。英語では「Look at」のように前置詞句が動詞の後ろや文末に来ることがありますが、中国語では原則として動詞の前に「前置詞 + 名詞」の形で置きます。
Q. 「和」と「跟」の前置詞としての違いは何ですか?
「〜と(一緒に)」を表す場合、意味や使い方に大きな違いはありません。「和」は書き言葉でも話し言葉でも使われる標準的な表現で、「跟」は主に話し言葉で好まれます。
Q. 否定詞「不」や「没」は前置詞の前と後ろのどちらに置きますか?
原則として前置詞句の前に置きます。「我不跟他去(私は彼と行かない)」のように[否定詞 + 前置詞 + 名詞 + 動詞]の語順になります。
Q. 「在」が文中に2回出てくる文があるのはなぜですか?
動詞「在(いる・ある)」や進行の副詞「在(〜している)」と、前置詞「在(〜で)」が共存するためです。「我在家在看书」のように前置詞と副詞で重なる場合があります。

2026年9月26日更新・モチタン辞典編集部