モチタン辞典 › 読みもの › 中国語 › 中国語「是・就・也・都」の使い方

中国語の重要副詞・動詞の基礎と語順ルール解説
中国語の文づくりの基本は「主語+副詞+助動詞+動詞+目的語」の語順を厳守することです。副詞(就・才・都・也・只など)は動詞の直前に配置されて動作の時期・範囲・話し手の語気を決め、動詞(是・在・到など)が文の骨組みを作ります。
中国語の基本語順公式と副詞の配置ルール
中国語は英語と同様にSVO(主語+動詞+目的語)を基本骨格とする言語ですが、修飾語の配置に関しては日本語に極めて近い特徴を持っています。その大原則が「修飾する言葉(連用修飾語・状語)は、修飾される動詞や形容詞の前に置く」というルールです。
副詞や助動詞(能願動詞)の位置を正確に覚えることが、自然な中国語を組み立てる第一歩となります。
文の組み立て基本公式
中国語の平叙文において、副詞・助動詞・動詞が並ぶ際の基本構造は以下の順序に固定されています。
- 主語 + [副詞] + [助動詞] + [前置詞句(介詞句)] + [動詞] + [目的語]
たとえば、「私たちは明日ここで彼に会うことができる」という文を組み立てる場合、時間副詞や助動詞、場所を表す前置詞句が動詞の前に整然と配置されます。
この例文では、主語(我们)の直後に時間名詞(明天)、副詞(也)、助動詞(能)、前置詞句(在这里)、動詞+結果補語(见到)、目的語(他)の順に並んでいます。副詞は動詞や前置詞句よりも前に置かれ、動作が成立する条件や話し手の主観的な判断を動詞に付け加える役割を果たします。
副詞を配置する位置の例外と原則
副詞の配置位置には、主に動詞の直前に置くパターンと、文頭(主語の前)に置くことができるパターンの2種類があります。
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| 分類 | 代表的な副詞 | 配置可能な位置 | 例文 |
|---|---|---|---|
| 主語の後ろに限定される副詞 | 也(〜も)、都(すべて)、就(すぐに)、才(やっと) | 主語 + [副詞] + 動詞 | 他们也都去。(彼らもみんな行きます。) |
| 主語の前にも置ける副詞 | 其实(実は)、原来(もともと)、大概(たぶん) | [副詞] + 主語 + 動詞、または 主語 + [副詞] + 動詞 | 其实我不知道。(実は私は知りません。) |
範囲や同調を表す 也(yě / 〜も)や 都(dōu / すべて)、時間の進み具合を表す 就(jiù / すぐに)や 才(cái / やっと)は、主語の前に置くことはできません。
必ず「主語の後ろ、動詞述語の前」に置く必要があります。一方、文全体の語気や話し手の推測を示す語気副詞などは、文頭に配置して文全体を修飾することができます。
我们明天也能在这里见到他。私たちは明日もここで彼に会うことができます。
修飾語(副詞・助動詞・前置詞句)は動詞の前に順番通りに並べます。
時間の副詞「就」「才」「剛」の使い分け
中国語の時間副詞のなかで、学習者が最も頻繁に遭遇し、かつ混同しやすいのが 就(jiù / すぐに・早くも)と 才(cái / やっと・遅くも)、そして 刚(gāng / たった今)です。これらは物理的な時間そのものを示すだけでなく、事態に対する話し手の心理的な評価を表します。
「就」と「才」の対比関係
就 と 才 は対極のニュアンスを持っています。就 は「時間が早い、動作がスムーズに進む、数量が少ない」と感じているときに用いられます。一方、才 は「時間が遅い、動作に手間や時間がかかる、数量が多い」と感じているときに用いられます。
| 項目 | 就(jiù) | 才(cái) |
|---|---|---|
| 基本ニュアンス | 早い、順調、あっという間 | 遅い、困難、手間取った |
| 日本語訳の例 | 早くも、すぐに、もう | やっと、ようやく、遅くも |
| 完了の助詞「了」の接続 | 文末に 了(le)を伴いやすい | 文末に完了の 了(le)を置くことはできない |
| 時間表現との組み合わせ | 八点就来了。(8時にはもう来ていた。) | 八点才来。(8時になってやっと来た。) |
この2語の最も重要な文法規則は、完了を表すアスペクト助詞 了(le)との共起関係です。就 は事態が速やかに実現したことを肯定的に捉えるため、文末に 了 を伴って「他七点就到了。(彼は7時にもう着いた)」のように使います。これに対し、才 を使った文末には完了の 了 を置くことができません。「他七点才到。(彼は7時になってやっと着いた)」が正しく、「他七点才到了」とするのは典型的な誤用です。
「刚」と「刚才」の違いと動詞接続
「たった今〜したばかり」を表す語には、副詞の 刚(gāng / たった今)と、時間名詞の 刚才(gāngcái / さっき・先ほど)があります。品詞が異なるため、語順に明確な制限が生じます。
- 副詞「刚」:動詞の直前に置く。主語の前に置くことはできない。
例文:我刚吃完饭。(Wǒ gāng chī wán fàn. / 私はご飯を食べたばかりです。) - 時間名詞「刚才」:名詞であるため、主語の前にも後ろにも置ける。
例文:刚才我去洗手间了。(Gāngcái wǒ qù xǐshǒujiān le. / さっき私はお手洗いに行きました。)
例文:我刚才去洗手间了。(Wǒ gāngcái qù xǐshǒujiān le. / 私はさっきお手洗いに行きました。) - 剛好(刚好):「ちょうど都合よく」という副詞・形容詞。
例文:你来得刚好。(Nǐ lái de gānghǎo. / あなたはちょうど良いところに来ました。)
副詞「刚」
- 意味:たった今
- 品詞:副詞
- 動詞の直前に置く
- 主語の前には置けない
時間名詞「刚才」
- 意味:さっき・先ほど
- 品詞:時間名詞
- 主語の前にも後ろにも置ける
品詞の違いにより、動詞の直前に限定されるか文頭にも置けるかが決まります。
次の疑問時間以外にも多彩なニュアンスを持つ「就」を使いこなしたいときは、中国語「就」の使い方・意味で用法の全体像を整理できます。
「都」「也」「只」の語順規則と重複時の並び順
動作の主体の範囲や同調関係を規定する副詞である 都(dōu / すべて)、也(yě / 〜も)、只(zhǐ / 〜だけ)は、日常会話で頻出する反面、複数を同時に使う際の順序に厳格なルールが存在します。
基本語順ルール:「也 + 都」と「也 + 只」
1つの文の中でこれらの副詞が重なる場合、配置順序は必ず固定されます。日本語の語感(〜もすべて、〜もまた〜だけ)と同じ順序で配置されるため、日本語の語順を意識すると迷いません。
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| 組み合わせ | 語順パターン | 例文 | 意味 |
|---|---|---|---|
| 也 + 都 | 主語 + 也 + 都 + 動詞 | 我们也都同意。 | 私たちも全員同意します。 |
| 也 + 只 | 主語 + 也 + 只 + 動詞 | 我也只会说一点儿。 | 私も少ししか話せません。 |
| 都 + 只 | 主語 + 都 + 只 + 動詞 | 他们都只买了一本书。 | 彼らは全員1冊しか本を買いませんでした。 |
「都也」や「只也」という語順は中国語の統語論上、許容されません。常に包括的な同調を示す 也 が一番外側(左側)に位置し、その後に総括の 都 や限定の 只 が続きます。
「都」の総括対象は前にある言葉
都(dōu)を使用する際に絶対に外せない文法規則は、「都 が総括する対象は、必ず 都 より前に存在しなければならない」という点です。日本語の「みんな〜を食べる」に引きずられて目的語を総括しようとする場合、語順の変更(目的語の前置)が必要になります。
- 正:这些苹果,我都吃了。(Zhèxiē píngguǒ, wǒ dōu chī le. / これらのリンゴを、私は全部食べました。)
- 誤:我都吃了这些苹果。(※会話で用いられることもありますが、規範文法では「苹果」が 都 の前にある必要があります。)
- 正:他们都去中国。(Tāmen dōu qù Zhōngguó. / 彼らはみんな中国へ行きます。「他们」が前にあり正しい形。)
限定を表す「只」と動詞の組み合わせ
副詞 只(zhǐ)は動作の範囲を「それだけに限定する」役割を持ちます。後ろには動詞述語が続き、数量詞句や目的語を伴うことが一般的です。
- 我只想休息。(Wǒ zhǐ xiǎng xiūxi. / 私はただ休みたいだけです。)
- 他只喝咖啡,不喝茶。(Tā zhǐ hē kāfēi, bù hē chá. / 彼はコーヒーだけを飲み、お茶は飲みません。)
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「是」「在」「到」の用法と重要副詞の共起パターン
判断を表す 是(shì)、存在や所在を表す 在(zài)、移動や到達を表す 到(dào)は、中国語の中で最も使用頻度が高い基本動詞です。これらの動詞の前に重要副詞が置かれることで、会話の細やかなニュアンスが生まれます。
最重要動詞3選の基本機能
- 是(shì):主語と述語の関係を同等・帰属として結ぶ(A=Bの関係)。
例文:他是老师。(Tā shì lǎoshī. / 彼は先生です。) - 在(zài):人や物が特定の場所に存在すること、または特定の状態にあることを表す。
例文:他在办公室。(Tā zài bàngōngshì. / 彼はオフィスにいます。) - 到(dào):移動の目的地や到達点に向かう動作を表す。
例文:我到了车站。(Wǒ dào le chēzhàn. / 私は駅に着きました。)
副詞 × 是・在・到 共起パターン早見表
重要副詞と3つの動詞が結合した際に、どのような意味合いを表現できるかを整理しました。
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| 副詞 | 動詞「是」との結合 | 動詞「在」との結合 | 動詞「到」との結合 |
|---|---|---|---|
| 就(jiù) | 就是(まさに〜である / そうだ) | 就在(まさに〜にある / すぐそこにいる) | 就到(すぐに到着する) |
| 才(cái) | 才是(〜こそが真に〜である) | 才在(〜になってやっと〜にいる) | 才到(今やっと着いた) |
| 都(dōu) | 都是(みんな〜である / どれも〜だ) | 都在(みんな揃って〜にいる) | 都到(全員到着する) |
| 也(yě) | 也是(〜も同様に〜である) | 也在(〜もまた〜にいる) | 也到(〜も到着する) |
| 只(zhǐ) | 只是(単に〜にすぎない / ただし) | 只在(〜にしかいない) | 只到(〜までしか行かない) |
特に 就是(jiùshì)や 只是(zhǐshì)は、動詞句を超えて接続詞や強調表現としても発展した重要な語彙です。「这就是我的家。(これこそが私の家です)」「我只是问问。(単にちょっと聞いてみただけです)」のように、副詞と動詞の組み合わせがひとつの定型表現として日常会話に浸透しています。
是(shì)
- 主語と述語を同等で結ぶ
- A=Bの関係を表す
在(zài)
- 特定の場所に存在する
- 特定の状態にある
到(dào)
- 移動の目的地に向かう
- 到達点へ向かう動作
判断の「是」、存在の「在」、移動・到達の「到」の基本役割の分類です。

多機能語「在」「到」の品詞見分け方フロー
在 と 到 は、文中の位置によって動詞、前置詞(介詞)、補語、あるいは副詞として機能が変化します。品詞を見分けることができないと、文全体の構造や動作の主従関係を見誤る原因になります。
「在」の品詞判定ルール
在(zài)は文中の配置と後ろに続く語の種類によって品詞が決まります。
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| 品詞 | 文構造・位置 | 機能 | 例文 |
|---|---|---|---|
| 本動詞 | 主語 + 在 + 場所 | 「〜にいる/ある」という述語 | 妈妈在家。(お母さんは家にいます。) |
| 前置詞(介詞) | 主語 + [在 + 場所] + 本動詞 | 後続の動詞の動作場所を提示 | 我们在图书馆学习。(私たちは図書館で勉強します。) |
| 副詞 | 主語 + 在 + 動詞句 | 動作の進行中(〜している最中) | 他在看书。(彼は本を読んでいるところです。) |
| 結果補語 | 動詞 + 在 + 場所 | 動作の着地点や定着場所を示す | 请坐在椅子上。(椅子の上に座ってください。) |
「到」の品詞判定ルール
到(dào)も同様に、文中の出現位置を基準に判定します。
- 本動詞(到着する/行く):後ろに他の本動詞を伴わず、単独で述語となる。
例文:飞机到了。(Fēijī dào le. / 飛行機が到着しました。)
例文:我明天到北京。(Wǒ míngtiān dào Běijīng. / 私は明日北京へ行きます。) - 前置詞(介詞・〜へ/〜まで):目的地や時間を導き、文の主述語動詞の前に置かれる。
例文:我们到学校去开会。(Wǒmen dào xuéxiào qù kāihuì. / 私たちは学校へ行って会議をします。) - 結果補語(到達する・至る):他の動詞の後ろに直結し、動作の結果その対象や目標に届いたことを示す。
例文:我听到了声音。(Wǒ tīngdào le shēngyīn. / 声が聞こえました。)
例文:走到了终点。(Zǒudào le zhōngdiǎn. / ゴールまで歩いて着きました。)
次の疑問動詞だけでなく前置詞としての働きも深く整理したいなら、中国語の前置詞の使い方まとめで介詞全体の語順ルールを確認しておくと安心です。
副詞・助動詞・動詞を見分ける比較基準
語順で迷う最大の要因は、「副詞」と「助動詞(能願動詞)」の境界線が曖昧になることです。どちらも動詞の前に置かれますが、文法的な振る舞いは根本的に異なります。中国語文法における厳密な判定基準は以下の3点です。
品詞識別マトリックス
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| 文法機能・テスト項目 | 副詞(很・也・都・就など) | 助動詞(能・想・要・可以など) | 一般動詞(吃・去・看・是など) |
|---|---|---|---|
| 反復疑問文(A不A形式)を作れるか | 不可(×也 buyers, ×很不仅) | 可能(能不能、想不想) | 可能(去不去、吃不吃) |
| アスペクト助詞(了・着・过)を取れるか | 不可(×很了、×也过) | 不可(原則として取れない) | 可能(吃了、看着、去过) |
| 単独で質問の返答(述語)になれるか | 不可(単独使用できない) | 可能(能、可以、想) | 可能(去、吃、有) |
| 程度副詞(很・非常)の修飾を受けられるか | 不可 | 一部可能(很想、很愿意) | 一部の心理動詞を除き不可 |
反復疑問文(A不A)を用いた簡単な識別法
ある単語が「副詞」なのか「助動詞」なのか判断に迷ったときは、その単語を「A不A」の形にして疑問文が作れるかどうかを試してください。
- 助動詞「想」の場合:「你想不想去?(Nǐ xiǎng bu xiǎng qù? / あなたは行きたいですか?)」という文が成立するため、助動詞です。
- 助動詞「能」の場合:「能不能帮我?(Néng bu néng bāng wǒ? / 手伝ってもらえますか?)」という文が成立するため、助動詞です。
- 副詞「也」「都」の場合:「你也不也不去?」「你都不都不去?」という表現は文法上一切作れません。反復疑問文を作れない語は純粋な副詞と判定できます。
また、質問に対する応答として「副詞」を1語だけで発音することはできません。「你明天去吗?(明日行きますか?)」と聞かれた場合、動詞「去。」や助動詞「想去。」で答えることはできますが、副詞「也。」や「就。」だけで返答することは不可能です。
カテゴリ別重要副詞&日常会話の基本動詞一覧
HSKや日常会話で必須となる重要副詞を機能カテゴリ別に分類し、あわせて文の軸となる基本動詞をまとめました。
頻出カテゴリ別副詞一覧
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| カテゴリ | 副詞(簡体字) | ピンイン | 意味と用法 |
|---|---|---|---|
| 否定 | 不 / 没(没有) | bù / méi (méiyǒu) | 不(意志・未来の否定、習慣の否定) / 没(過去の動作の未発生・未完了) |
| 程度 | 很 / 非常 / 太 / 最 | hěn / fēicháng / tài / zuì | とても / 非常に / あまりに〜すぎる / 最も(動詞や形容詞を修飾) |
| 時間 | 马上 / 已经 / 一直 / 曾经 | mǎshàng / yǐjīng / yìzhí / céngjīng | すぐに / すでに / ずっと引き続いて / かつて(かつての経験) |
| 頻度 | 又 / 再 / 常常 / 总是 | yòu / zài / chángcháng / zǒngshì | また(過去の重複) / また(未来の重複) / よく・しばしば / いつも・常に |
| 範囲 | 全 / 一共 / 仅仅 | quán / yígòng / jǐnjǐn | すべて・全面的に / 全部で・合計して / わずかに・単に |
| 語気 | 一定 / 难道 / 到底 / 也许 | yídìng / nándào / dàodǐ / yěxǔ | 必ず・きっと / まさか〜ではあるまいか / いったい全体 / もしかすると |
会話の核となる最重要動詞一覧
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| 動詞 | ピンイン | 意味 | 実用例文 |
|---|---|---|---|
| 看 | kàn | 見る、読む、診る | 看电影 / 看书(映画を見る/本を読む) |
| 吃 | chī | 食べる | 吃中国菜(中華料理を食べる) |
| 喝 | hē | 飲む | 喝茶 / 喝酒(お茶を飲む/お酒を飲む) |
| 去 | qù | 行く(話者から離れる) | 去学校(学校へ行く) |
| 来 | lái | 来る(話者に近づく) | 来我家(私の家に来る) |
| 买 | mǎi | 買う | 买东西(買い物をする) |
| 说 | shuō | 言う、話す、語る | 说中文(中国語を話す) |
| 做 | zuò | する、作る、従事する | 做饭 / 做工作(ご飯を作る/仕事をする) |
| 想 | xiǎng | 思う、〜したい、恋しく思う | 想你 / 想去旅游(あなたを恋しく思う/旅行に行きたい) |
| 要 | yào | 〜が要る、〜するつもりだ | 我要一杯水(水が一杯欲しいです) |
日本人がやりがちな典型誤用パターンと修正法
日本語母語話者が無意識に直訳して生じる誤用には共通のパターンがあります。副詞の配置ルールや共起制限を理解することで、これらの誤りを未然に防ぐことができます。
誤用例1:「才」を使った文の末尾に「了」を置く
- NG文:我昨天晚上十二点才睡觉了。
- 正しい文:我昨天晚上十二点才睡觉。(Wǒ zuótiān wǎnshang shí'èr diǎn cái shuìjiào. / 私は昨夜12時になってやっと寝ました。)
- 修正ポイント:副詞 才(cái)は「遅い」「困難である」という不満や未完了感の語気を帯びるため、完了の実現を表す 了(le)と衝突します。動作が過去のことでも文末に 了 を付けてはいけません。
誤用例2:「也」や「都」を文頭に置く
- NG文:也都我们同意这个意见。
- 正しい文:我们也都合意这个意见。(Wǒmen yě dōu tóngyì zhège yìjiàn. / 私たちも全員この意見に賛成です。)
- 修正ポイント:日本語の「全員私たちも」という口語表現に引っ張られて副詞を文頭に出してはいけません。主語(我们)をまず置き、その後に「也 + 都」の順で動詞述語の前に配置します。
誤用例3:「又」と「再」の混同
- NG文:欢迎你明天又来。
- 正しい文:欢迎你明天再来。(Huānyíng nǐ míngtiān zài lái. / 明日またお越しになるのを歓迎します。)
- 修正ポイント:同じ「また」でも、又(yòu)はすでに発生した事象(過去・既定事項)の繰り返しに使われます。未来に向けた「また〜する」には必ず 再(zài)を使用します。
誤用例4:副詞を動詞の後ろに置いてしまう
- NG文:我看书常常。
- 正しい文:我常常看书。(Wǒ chángcháng kàn shū. / 私はよく本を読みます。)
- 修正ポイント:英語の頻度副詞(oftenなど)の感覚で動詞の後ろに副詞を配置するミスです。中国語の副詞は常に「動詞の前」に置きます。
遅さ・未完了感を表す才の文末に了は置けない。
主語の前に副詞を出さず主語+也+都の順にする。
過去の重複は又、未来の重複には再を使う。
英語と異なり中国語の頻度副詞は動詞の前に置く。
直訳による語順の乱れや助詞「了」の誤用に注意しましょう。
瞬発力を鍛えるパターンプラクティス&演習問題
知識として理解した語順を、実際の会話で0.5秒で口から出せるようにするための変換トレーニングです。日本語のニュアンスに対応する副詞と動詞を的確に選び、文を完成させてください。
日本語から1秒で変換する短文ドリル
- 彼らはみんなもう帰りました。
→ 他们都已经回去了。(Tāmen dōu yǐjīng huíqù le.) - 私もコーヒーしか飲みません。
→ 我也只喝咖啡。(Wǒ yě zhǐ hē kāfēi.) - 彼は8時にやっと駅に着きました。
→ 他八点才到车站。(Tā bā diǎn cái dào chēzhàn. ※文末に「了」をつけない) - 彼女は5時にはもう来ていました。
→ 她五点就来了。(Tā wǔ diǎn jiù lái le.) - 私の父はちょうど今出勤したところです。
→ 我爸爸刚去上班。(Wǒ bàba gāng qù shàngbān.)
空欄補充問題(穴埋め)
文脈に最も適する副詞を[ ]内から1つ選んで空欄に入れなさい。
[ 就 / 才 / 也 / 都 / 只 ]
問1:你不用担心,这件事情我一个人( )能做好。
正解:就(jiù)
解説:「私1人だけで(あっさり・簡単に)やり遂げられる」という容易さを強調するため、就 が適切です。
問2:大家( )到了,会议可以开始了。
正解:都(dōu)
解説:主語が「みんな(大家)」という複数を指しており、全員の到達を総括するため 都 を用います。
問3:你怎么现在( )来?我们等了你一个小时!
正解:才(cái)
解説:1時間も待たされて「どうして今頃になってやっと来たのか」と話し手が遅さを非難・強調しているため、才 が正解です。
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理解度チェック
Q1. 副詞「就」と「才」の文法規則に関する記述で正しいものは?
- 「才」を使った文末には完了の「了」を置けない
- 「就」を使った文末には「了」を置くことができない
- 「才」は時間が早いと感じる時に用いられる
- 「就」と「才」はどちらも主語の前に置くことができる
答えを見る
正解: A. 「才」を使った文末には完了の「了」を置けない
本文によると、「才」は文末に完了の「了」を置くことができず、「就」は文末に「了」を伴いやすいと説明されています。
Q2. 「也」「都」「只」が1つの文で重なる時の正しい語順は?
- 主語 + 都 + 也 + 動詞
- 主語 + 只 + 也 + 動詞
- 主語 + 也 + 都 + 動詞
- 主語 + 只 + 都 + 動詞
答えを見る
正解: C. 主語 + 也 + 都 + 動詞
本文では「都也」や「只也」は許容されず、包括的な同調を示す「也」が一番左側に位置するため「也+都」や「也+只」の順になると解説されています。
Q3. 中国語の「副詞」と「助動詞」の識別基準として正しいものは?
- 副詞は「A不A」の反復疑問文を作ることができる
- 助動詞は単独で質問の返答になることができる
- 副詞はアスペクト助詞「了」を後ろに取ることができる
- 助動詞は主語の前に置くことができる
答えを見る
正解: B. 助動詞は単独で質問の返答になることができる
本文の品詞識別マトリックスによると、副詞は単独で質問の返答になれませんが、助動詞は単独で返答(述語)になることが可能です。
よくある質問
- Q. 「就」と「才」の基本的な違いは何ですか?
- 「就」は動作や事態が早い・順調・あっという間であることを表し、文末に完了の「了」を伴うことができます。一方、「才」は時間が遅い・手間取る・やっとの思いで達成したことを表し、過去の出来事であっても文末に「了」を置くことはできません。
- Q. 「也」と「都」が重なるときの語順は決まっていますか?
- 必ず「也+都+動詞」の順番になります。例えば「私たちも全員行きます」は「我们也都合去」となります。「都也」という順序で並べることは中国語文法上できません。
- Q. 「只」と「就」はどのように使い分ければよいですか?
- 「只」は「〜だけ」という範囲の限定を表し、他の選択肢を排除します。「就」は数量詞の前で「わずか〜だけ」と少なさを強調したり、動作の早さや事実の確認を表します。単なる対象の限定なら「只」、少なさや早さに視点があるなら「就」を使います。
- Q. 動詞の「在」と前置詞の「在」はどう見分けますか?
- 文の中に他に本動詞があるかどうかで見分けます。「他在家」のように他の動詞がなければ「在」自体が動詞(〜にいる)です。「他在家看书」のように後ろに別の動詞(看书)がある場合、「在」は前置詞(〜で)として機能しています。
- Q. 副詞と助動詞の一番わかりやすい見分け方は?
- 「A不A」という反復疑問文を作れるかどうかが最も確実な見分け方です。助動詞は「能不能」「想不想」のように反復疑問を作れますが、副詞(也、都、很など)は「也不也」「都不都」のような形を作ることができません。
2026年9月24日更新・モチタン辞典編集部