モチタン辞典 › モチタン中国語辞典 › モチタン中国語文法辞典 › 指示代名詞「这・那」と場所・方向詞

中国語の指示詞「这・那」と「这里・那里・这儿・那儿」
中国語の指示代名詞は、話し手に近い「これ・ここ」を指す近称の这(zhè/これ)・这里(zhèlǐ/ここ)と、離れた「あれ・そこ・あそこ」を指す遠称の那(nà/あれ)・那里(nàlǐ/あそこ)の2系列に分かれます。
日本語の「これ・それ・あれ」という3項対立とは異なり、中国語は2項対立です。場所を表す語尾「-儿」と「-里」の使い分けや、方位詞と名詞を組み合わせた場所表現の作り方を整理して身につけましょう。
- 中国語の指示詞は近称「这」と遠称「那」の2つで、名詞を修飾する時は「指示詞+量詞+名詞」にします
- 場所を指す語は「-里」と北方で好まれる「-儿」があり、「这里/这儿」や「那里/那儿」を使います
- 「在」の後ろには場所の表現が必要で、普通名詞には方位詞を、人には「人+这儿/那里」を補います
先に読むと分かりやすい: 中国語の語順のルール判断動詞「是」の用法と基本構造
近称「这」と遠称「那」の使い分け
中国語の指示詞は、物理的・心理的な距離に基づいて近称の这(zhè/これ)と遠称の那(nà/あれ・それ)の2種類に大別されます。日本語の「それ」に該当する独立した単語はなく、相手の近くにある事物や、会話ですでに出た話題であっても、自分の領域外であれば基本的に那(nà)を用います。
単独で主語になるほか、名詞を直接修飾する連体詞としても機能します。ただし、名詞を修飾する際は「指示詞+量詞+名詞」の語順が原則です。
这是什么?
これは何ですか?
那是一本书。
あれは1冊の本です。
日常会話では、这(zhè)は口語で这(zhèi)、那(nà)は那(nèi)と発音される頻度が高くなります。どちらの発音も文法上の意味や役割に違いはありません。
近称:这(zhè / zhèi)
- 意味は「これ」
- 物理的・心理的に近い事物
- 話し手の領域内にあるもの
遠称:那(nà / nèi)
- 意味は「あれ・それ」
- 物理的・心理的に離れた事物
- 相手の近くや会話の話題も含む
物理的・心理的な距離や領域によって「这」と「那」を使い分けます。
場所を指す「这里・这儿」と「那里・那儿」
場所を指す場合は、指示詞の後ろに場所化の接尾辞を付けます。「ここ」は这里(zhèlǐ)または这儿(zhèr)、「あそこ・そこ」は那里(nàlǐ)または那儿(nàr)です。
这里(zhèlǐ)と这儿(zhèr)の意味や文法機能は完全に同一です。違いは地域的な好みにあり、北京を中心とする北方地域では児化を伴う这儿(zhèr)・那儿(nàr)が多く使われ、上海や台湾などの南方地域では这里(zhèlǐ)・那里(nàlǐ)が好まれます。どちらを使ってもすべての中国語圏で問題なく通じます。
那儿有很多外国留学生。
あそこには多くの外国人留学生がいます。
疑問詞で場所を尋ねる「どこ」も同様に、哪里(nǎlǐ)と哪儿(nǎr)の2つの形が存在します。
ここ(近称)
- 这里(主に南方)
- 这儿(主に北方)
そこ・あそこ(遠称)
- 那里(主に南方)
- 那儿(主に北方)
どこ(疑問)
- 哪里(主に南方)
- 哪儿(主に北方)
指示詞や疑問詞に接尾辞を付け、北方(児化)と南方で言い方が分かれます。
事物・不定・時間を指す指示詞の用法
指示詞は具体的な物体だけでなく、抽象的な事柄や時間を指す文脈でも頻繁に用いられます。直前に述べられた発言や出来事全体を受ける場合、話し手が心理的に身近に捉えているときは这(zhè)、一歩引いて客観的に捉えるときは那(nà)を選びます。
また、「指示詞+量詞」の組み合わせによって、具体的な対象を限定します。
「这时候(zhè shíhou/この時)」「那时候(nà shíhou/あの時・その時)」のように時間を指す名詞と結びつく表現も定型句として多用されます。
这个人 很 热情。この人はとても親切です。
指示詞で具体的な対象を限定する際は、間に量詞を挟むのが原則です。
基本方位詞と場所表現の作り方
中国語で位置や空間を表すには、方位詞を用います。代表的な単音節の方位詞は上(shàng/上)、下(xià/下)、前(qián/前)、后(hòu/後ろ)、里(lǐ/中)、外(wài/外)です。これらに「-面(-mian)」「-边(-bian)」を付けると独立した方位名詞になります。
| 方位詞 | 接尾辞付きの形 | 日本語の意味 |
|---|---|---|
| 上(shàng) | 上面/上边 | 上、表面 |
| 下(xià) | 下面/下边 | 下、下方 |
| 前(qián) | 前面/前边 | 前、前方 |
| 后(hòu) | 后面/后边 | 後ろ、後方 |
| 里(lǐ) | 里面/里边 | 中、内部 |
| 外(wài) | 外面/外边 | 外、外部 |
普通名詞を場所表現に変えるには、「名詞+方位詞」の語順で並べます。例えば「机」は桌子(zhuōzi)ですが、「机の上」という場所にするには桌子上(zhuōzi shang)と後ろに方位詞を添えます。
「在」を使った場所文の実践パターン
介詞(前置詞)または動詞の在(zài/〜にある・〜で)の後ろには、必ず場所を表す語句(処所語)を置くという厳格な文法規則があります。国名や都市名、学校(xuéxiào/学校)などの施設名は単独で処所語になりますが、一般の名詞や人を置く場合は方位詞や指示詞を補う必要があります。
人称代名詞や人の名前を在(zài)の直後に置くことはできません。人のいる場所を表す場合は、「人+这儿/那里」の形を作ります。
我的手机在老师那里。
私のスマートフォンは先生のところにあります。
このように、「名詞+方位詞」または「名詞+場所指示詞」の組み合わせによって、文法的に正しい処所語が完成します。
確認問題(5問)
次の空欄に入る語として最も適切なものはどれですか?「( )个人很热情。」
答えと解説
正解: 这
名詞を修飾して具体的な対象を限定する際は「指示詞(这/那)+量詞+名詞」の語順になります。中国語の指示詞「这」と「那」に関する説明として、本文に照らして正しいものはどれですか?
答えと解説
正解: 日常会話の口語では「这」が zhèi、「那」が nèi と発音される頻度が高い
口語では这はzhèi、那はnèiと発音される頻度が高くなりますが、意味や役割に違いはありません。「本は机の上にあります」という意味の正しい中国語文はどれですか?
答えと解説
正解: 书在桌子上。
普通名詞を場所表現に変えるには「名詞+方位詞」の語順にするため、「桌子上」とします。中国語で「どこ」と場所を尋ねる疑問詞のペアとして正しいものはどれですか?
答えと解説
正解: 哪里 と 哪儿
疑問詞で「どこ」と場所を尋ねる表現には、哪里(nǎlǐ)と哪儿(nǎr)の2つがあります。「私のスマートフォンは先生のところにあります」という文として、文法的な誤りを含むものはどれですか?
答えと解説
正解: 我的手机在老师。
在の直後に人を直接置くことはできず、「人+这儿/那里」の形にして処所語を作る必要があります。
よくある質問
- Q. 「这儿」と「这里」はどう使い分ければいいですか?
- 意味や文法上の違いはありません。北方出身者は「这儿」、南方出身者は「这里」を好む地域差です。学習者自身は発音しやすいどちらか一方を一貫して使えば問題ありません。
- Q. 日本語の「それ」は中国語でどう言いますか?
- 中国語には「それ」専用の単語がありません。話し手から離れた位置にあるものや、文脈上の話題は遠称の「那」で表します。自分の手元や身近な話題であれば「这」を用います。
- Q. 「在教室」と「在教室里」の違いは何ですか?
- 「教室」自体が建物を指すため「在教室」でも通じますが、室内という空間の内部を明確に示す場合は方位詞を伴う「在教室里」が自然です。特に机や箱など一般名詞の場合は方位詞が必須です。
2026年9月29日更新・モチタン辞典編集部
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