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中国語可能表現の使い分けと可能補語の完全ガイド

中国語可能表現の使い分けと可能補語の完全ガイド

中国語で「できる」を表す可能表現は、後天的スキルなら会(huì)、状況や身体的条件なら能(néng)、規則や許可なら可以(kěyǐ)を使い、動作の結果や実現性を強調したい場合は動詞の後ろに得(de)を挟む可能補語で表します。

日本語の「できる」をそのまま直訳せず、能力の性質や会話の文脈に応じて助動詞と補語を整理することが自然な表現の基本です。

中国語可能表現の全体像と比較対照表

中国語の可能表現は、動詞の前に助動詞を置く形式(会・能・可以)と、動詞の直後に結果補語や方向補語を接続する形式(可能補語)の2系統に分かれます。日本語ではすべて「できる」と一括して表現できるため混同しやすいですが、中国語では可能の根拠がどこにあるかによって厳密に語彙が選ばれます。

まずはそれぞれの根本的なニュアンスと、否定形・疑問形の違いを一覧表で把握してください。

表は横にスクロールできます →

表現形式根本的な意味・条件肯定の例文否定の例文
会
(huì / フゥイ)
学習や練習で身につけた技能我会游泳。
(私は泳げます)
我不会游泳。
(私は泳げません)
能
(néng / ノン)
身体的能力・客観的環境・数量基準他能喝五瓶啤酒。
(彼はビールを5本飲めます)
我今天不能去。
(私は今日行けません)
可以
(kěyǐ / クァイー)
立場・規則・常識に基づく許可・差し支えのなさ这里可以拍照。
(ここは撮影できます)
这里不可以吸烟。
(ここは喫煙禁止です)
可能補語
(動詞+得/不+補語)
動作を行った結果、到達・達成できるか看得懂中文。
(中国語を見て理解できます)
看不懂中文。
(中国語を見て理解できません)

上の表のように、技能の有無なら会、外的な条件や生理的限界なら能、ルールや許可なら可以、動作の結果に対する客観的な実現性なら可能補語を選択します。

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できる中国語!会・能・可以の使い分け基準

日本語の「できる」に対応する3つの助動詞は、何がその動作を可能にしているかという根拠で使い分けます。それぞれの中心的な用法を整理します。

1. 会(huì / フゥイ):後天的なスキル・習得した能力

会は、練習・訓練・学習を通じて初めてできるようになった事柄に使います。外国語、楽器、スポーツ、車の運転、料理などが代表的です。

※発音のポイント:会は第4声です。上から下へ強く息を吐き出して発声します。

2. 能(néng / ノン):身体・環境・数量基準による可能

能は、生来の生理的機能、病気や怪我の回復、天候やスケジュールといった客観的な条件が整っていることを表します。また、一定の数量やレベルに達することを表す場合も能を用います。

3. 可以(kěyǐ / クァイー):規則・立場による許可

可以は、道徳、規則、社会通念、あるいは相手の承認に基づいて「〜してよい」「差し支えない」という許可の可能を表します。

※発音のポイント:可以は第3声+第3声のため、変調ルールにより前の可が第2声(kēに近い音)に変化して発音されます。

3大助動詞の使い分け基準

会(huì)

  • 後天的なスキル・習得した能力
  • 練習や学習を通じて身につけた事柄
  • 例:外国語、楽器、運転、料理

能(néng)

  • 身体・環境・数量基準による可能
  • 生理的機能や怪我の回復
  • 天候や一定の数量水準への到達

可以(kěyǐ)

  • 規則・立場・常識に基づく許可
  • 「〜してよい」「差し支えない」
  • 相手の承認や道徳に基づく可能

可能にする根拠によって会・能・可以を使い分けます。

技能習得のニュアンスをより詳しく学びたいときは、助動詞「会」の意味と使い方が参考になります。

次の疑問可能を表す語だけでなく願望や義務も含めて整理したい方は、「〜したい」等の中国語助動詞の用法も合わせて確認しておくと理解が深まります。

能中国語の用法!条件・能力・一定水準の整理

能は日本語学習者が最も使い分けに悩みやすい助動詞です。文脈によって「能力」「条件」「数量」「丁寧な依頼」という4つの側面を持ちます。

能の4つの重要機能

  1. 生理的・身体的能力:目が見える、耳が聞こえる、怪我から回復して歩けるなど、生まれ持った機能や肉体状態による可能。
  2. 客観的環境・外的条件:時間がある、天候が良い、道具が揃っているなど、外側の条件が整っていることによる可能。
  3. 数量基準・能力の上限:一度にどれくらい食べられるか、どれだけの重さを持てるかなど、数値化できる基準への到達。
  4. 丁寧な依頼・打診:相手に対して「〜していただけますか」と控えめに尋ねる表現。
分類中国語例文日本語訳
生理的能力嗓子疼,不能说话。(Sǎngzi téng, bù néng shuōhuà.)喉が痛くて話せません。
客観条件今天不下雨,能打网球。(Jīntiān bú xiàyǔ, néng dǎ wǎngqiú.)今日は雨が降っていないのでテニスができます。
数量基準他一分钟能游五十米。(Tā yì fēnzhōng néng yóu wǔshí mǐ.)彼は1分間で50メートル泳げます。
丁寧な依頼你能帮我一下吗?(Nǐ néng bāng wǒ yíxià ma?)少し手伝っていただけますか。

同じ「泳ぐ」でも、「泳ぎ方を習って泳げる」なら会游泳ですが、「1000メートル泳げる」「足の痛みが引いて泳げる」という場合は能游泳になります。能力の習得か、発揮できる条件や水準かという視点の切り替えが重要です。

否定と大人の断り方!不能・不可以の使い分け

否定形を誤ると、相手に不快感を与えたり、失礼な物言いになったりすることがあります。各助動詞の否定形の違いと、大人の会話で好まれる表現を学びましょう。

否定形のニュアンスの違い

「不可以」の多用に注意!大人の断りフレーズ

会話で相手のお願いや誘いを断る際に不可以を使うと、親が幼い子どもを叱るような「ダメです!」「許可しません!」という上から目線の響きになります。社会人の会話では、不行(bù xíng)や、婉曲な表現を使うのがマナーです。

断り表現ピンイン・読み適した場面とニュアンス
不太方便bú tài fāngbiàn
(ブー タイ ファンビエン)
「少々都合が悪く…」と角を立てずに断る定番表現。
恐怕不行kǒngpà bù xíng
(コンパー ブー シン)
「恐れ入りますが難しいです」と丁寧に辞退する表現。
可能有点儿困难kěnéng yǒudiǎnr kùnnan
(コーノン ヨウディアル クンナン)
「少し難しいかもしれません」と柔らかく伝える表現。

会話例1:仕事の依頼を丁寧に断る場面

A: 明天下午你能来参加我们的会议吗?
(Míngtiān xiàwǔ nǐ néng lái cānjiā wǒmen de huìyì ma? / 明日の午後、私たちの会議に参加できますか?)
B: 明天下午我刚好有客户要拜访,恐怕不太方便。实在不好意思。
(Míngtiān xiàwǔ wǒ gānghǎo yǒu kèhù yào bàifǎng, kǒngpà bú tài fāngbiàn. Shízài bù hǎoyìsi. / 明日の午後はちょうど来客対応があり、都合がつきそうにありません。大変申し訳ありません。)

中国語の「できる」の使い分けのイメージ

次の疑問相手への配慮や強い制止など「してはいけない」のニュアンスを深掘りしたいなら、中国語の禁止表現「不能・不要・別」の使い分けが参考になります。

助動詞と可能補語の境界線と判定チャート

「能+動詞」と「可能補語(動詞+得/不+補語)」はどちらも可能を表すため、使い分けに迷う学習者が少なくありません。判断のポイントは視点の位置にあります。

視点の違い:前提条件か、動作の結果か

迷ったときの判定フローチャート

言いたい文がどちらに適しているかは、以下の質問を順に辿ることで判断できます。

  1. 問1:技能を学んだ結果としてできるのか?
    → YESなら会+動詞を使用。NOなら問2へ。
  2. 問2:法律・ルール・マナー・許可の問題か?
    → YESなら可以+動詞を使用(禁止は不可以/不能)。NOなら問3へ。
  3. 問3:焦点は「動作前の時間・環境・体力」にあるか?
    → YESなら能+動詞を使用(例:時間があるから行ける)。NOなら問4へ。
  4. 問4:焦点は「動作をした結果、完了・理解・到達できるか」にあるか?
    → YESなら動詞+得/不+補語を使用(例:文字が小さくて見えない、全部食べ切れない)。

例えば、「眼鏡を忘れたので(環境・条件)、黒板の字が見えない」は不能看ではなく、「見ても判別できない(結果)」ため看不见または看不清楚とするのが自然です。

可能表現の判定フローチャート
1問1:技能の習得?

YESなら「会+動詞」を使用。NOなら問2へ進む。

2問2:ルールや許可?

YESなら「可以+動詞」を使用。NOなら問3へ進む。

3問3:動作前の条件?

時間・環境・体力ならYESで「能+動詞」。NOは問4へ。

4問4:動作の結果?

完了・理解・到達できるかどうかなら「動詞+得/不+補語」。

質問を順にたどることで適切な表現形式を判定できます。

次の疑問可能補語だけでなく補語全体の仕組みから体系的に見直したいときは、中国語の補語の総まとめ解説に目を通してみると頭が整理されます。

可能補語の基本公式と会話頻出フレーズ集

可能補語は、日常会話の極めて高い割合を占める重要表現です。基本公式を覚えた上で、頻出の組み合わせを定型句として身につけましょう。

可能補語の基本構文公式

※注意:否定形を作るときは、得をそのまま不に置き換えます。「不+動詞+得+補語」という語順には絶対になりません。

肯定形(〜できる)否定形(〜できない)意味・ニュアンス
看得懂(kànde dǒng)看不懂(kànbu dǒng)見て意味が理解できる/できない
听得懂(tīngde dǒng)听不懂(tīngbu dǒng)聞いて意味が理解できる/できない
听得见(tīngde jiàn)听不见(tīngbu jiàn)(耳に音が入って)聞こえる/聞こえない
吃得完(chīde wán)吃不完(chību wán)全部食べ切れる/食べ切れない
找得到(zhǎode dào)找不到(zhǎobu dào)探して見つけ出せる/見つからない
买得起(mǎide qǐ)买不起(mǎibu qǐ)経済的余裕があって買える/高くて買えない
去得了(qùde liǎo)去不了(qùbu liǎo)事情が許して行ける/都合で行けない

※「了」の発音注意:去不了などの「了」は「le」ではなく「liǎo(リャオ)」と読みます。完了の意味ではなく「完了・実現させることができる」という意味の形態素です。

会話例2:レストランでの注文時のやりとり

A: 这个菜的分量很大,你一个人吃得完吗?
(Zhège cài de fènliàng hěn dà, nǐ yí ge rén chīde wán ma? / この料理はボリュームがありますが、1人で食べ切れますか?)
B: 我现在很饿,一定吃得完。如果吃不完,我可以打包吗?
(Wǒ xiànzài hěn è, yídìng chīde wán. Rúguǒ chību wán, wǒ kěyǐ dǎbāo ma? / 今とてもお腹が空いているので絶対食べ切れます。もし食べ切れなかったら、持ち帰り用に包んでもらえますか?)

目的語の位置とHSK・中検の文法ルール

検定試験の語順整序問題で失点しやすいのが、可能補語文における「目的語(宾语)の配置」です。原則ルールを押さえましょう。

目的語を置く3つのパターン

  1. 動詞+得/不+補語 + 目的語(最も基本的で一般的な語順)
    例:我听不懂中文。(私は中国語が聞き取れません)
  2. 目的語 + 動詞+得/不+補語(目的語を主題化して文頭に出す)
    例:中文我听不懂。(中国語なら、私は聞き取れません)
  3. 動詞 + 目的語 + 動詞+得/不+補語(動詞を繰り返す構文)
    例:他写汉字写得好。(彼は漢字を書くのが上手です ※様態補語との混同に注意)

試験で狙われる引っかけポイント

目的語が特定のもの(代名詞や修飾語のついた長い名詞)である場合、目的語を文頭に置くか、動詞の直後に置くかが問われます。以下の点に注意してください。

可能補語における目的語の配置
目的語の配置形式

補語の後ろ

  • 最も基本的で一般的な語順
  • 動詞+得/不+補語+目的語
  • 例:我听不懂中文。

文頭(主題化)

  • 目的語を前に出して強調
  • 目的語+動詞+得/不+補語
  • 例:中文我听不懂。

動詞の繰り返し

  • 動詞を反復する構文
  • 動詞+目的語+動詞+得/不+補語
  • 例:他写汉字写得好。

可能補語文で目的語を置く3つの基本パターンです。

日本人がやりがちな直訳の誤用添削パターン

日本語の思考回路のまま中国語を作ると、意味は通じてもネイティブにとって違和感のある文になってしまいます。典型的な誤用例を確認しましょう。

誤用例1:「私は明日行けません」

解説:自己都合で予定を断る場合は不能去や去不了を用います。不可以去と言うと「誰かに外出を止められている」ような響きになります。

誤用例2:「納豆は食べられますか?」

解説:食べ物の好き嫌いやアレルギーで食べられるかを尋ねる際は、スキルを問う会ではなく、身体的な許容度を表す能や「食べ慣れている」を表す吃得惯を使います。

誤用例3:「声が小さくて聞こえません」

解説:「聞こえる・聞こえない」は意識して聴取する動作(听)の結果であるため、可能補語の听得见 / 听不见を用いるのが自然です。

中国語可能表現を自然に話す実践トレーニング

文法を理解した後は、反射的に口から正しい可能表現が出るようにトレーニングを行います。以下の3ステップで練習を進めてください。

ステップ1:ペア反復音読で「得」と「不」のリズムを染み込ませる

肯定形と否定形を必ずワンセットで声に出します。可能補語の得(de)と不(bu)は軽く添える軽声に近いトーンで発音するのがリズムよく話す秘訣です。

ステップ2:状況に応じた助動詞の瞬時言い換え練習

1つの動作に対して「能力」「条件」「許可」の3つの文を瞬時に組み立てて声に出します。

ステップ3:相手役を想定した断りフレーズのロールプレイ

誘いや要求に対して、単に「不」で答えるのではなく、大人のクッション言葉を添えて返す実践を行います。「可能有点儿困难」「恐怕不行」を口癖になるまで復唱することで、実際の会話でスマートな対応ができるようになります。

自然に話すための3ステップ
1ステップ1

ペア反復音読で得と不のリズムを染み込ませる。

2ステップ2

能力・条件・許可の3つの文を瞬時に言い換える。

3ステップ3

クッション言葉を添えて断るロールプレイを行う。

基本のリズム習得から実践的な対話まで段階的に進めます。

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中国語の疑問をすべて見る「中国語」のまとめ

理解度チェック

Q1. 学習や練習を通じて習得した技能を表す助動詞はどれですか?

  1. 会
  2. 能
  3. 可以
  4. 得
答えを見る

正解: A. 会
「会」は勉強や練習を通じて後天的に身につけた知識やスキル、やり方を知っていることを表します。

Q2. 「可能補語」の否定形を作る際の正しい語順はどれですか?

  1. 不 + 動詞 + 補語
  2. 動詞 + 不能 + 補語
  3. 動詞 + 不 + 補語
  4. 動詞 + 補語 + 不
答えを見る

正解: C. 動詞 + 不 + 補語
可能補語の否定形は、動詞と補語の間に「不」を挟み込む「動詞 + 不 + 補語」の公式で作ります。

Q3. 可能補語の文法ルールとして、本文で原則禁止とされるのはどれ?

  1. 目的語を文頭に出すこと
  2. 可能補語と一緒に把構文を用いること
  3. 動詞の後ろに直接目的語を置くこと
  4. 否定文に「不」を用いること
答えを見る

正解: B. 可能補語と一緒に把構文を用いること
中国語文法では、可能補語と一緒に「把構文(把+目的語)」を用いることは原則として禁じられています。

よくある質問

Q. 「能」と「可以」の使い分けに迷ったらどうする?
相手に許可を求める疑問文(〜してもいいですか?)では「能」「可以」どちらを使っても自然です。ただし、断る際は「不能(都合・条件で無理)」を使い、「不可以(禁止)」は避けるのが安全です。
Q. 可能補語の疑問文はどう作りますか?
文末に「吗」を付ける方法(看得懂吗?)と、肯定形と否定形を並べる反復疑問文(看得懂看不懂?)の2種類があります。反復疑問文のほうが口語で好まれます。
Q. 「〜不了」の「了」はどう発音しますか?
「le」ではなく「liǎo(リャオ)」と第3声で発音します。「受不了(耐えられない)」「去不了(行けない)」など、実現の可否を表す決まった用法です。
Q. 「能」と可能補語を一緒に使ってもいいですか?
基本的には重複するため併用しません。「能不能看见」のように疑問文で強調される例外はありますが、初心者はどちらか一方のみを使うのが正確です。
Q. 「会」の否定「不会」は「〜のはずがない」の意味もある?
はい。「会」には可能性・推量を表す用法もあり、「他不会来(彼は来ないはずだ)」のように文脈によって技能の否定か推量の否定かが分かれます。

2026年10月15日更新・モチタン辞典編集部