モチタン辞典 › 読みもの › 中国語 › 中国語の経験を表す「过」の使い方

したことがある中国語の表現|動詞+过の使い方と疑問・否定
中国語で「〜したことがある」という過去の経験を伝えるときは、動詞 + 过(guò / 軽声 guo)を使います。否定は「不」ではなく没(有)+ 動詞 + 过、疑問は文末に吗または没有を添えるだけで完成します。
「〜したことがある」中国語の基本公式と発音ルール
中国語で過去の経験「〜したことがある」を表現したいときは、動詞の直後にアスペクト助詞の 过(guo)を置きます。これが経験を表す最も基本的かつ重要な文型です。
基本公式:動詞 + 过
英語の現在完了形(have + 過去分詞)に近いニュアンスを持ちますが、中国語では動詞の後ろに 过(guo)を付け足すだけなので語順は非常にシンプルです。
- 我看过这部电影。(Wǒ kàn guo zhè bù diànyǐng. / 私はこの映画を見たことがあります。)
- 他去过中国。(Tā qù guo Zhōngguó. / 彼は中国へ行ったことがあります。)
- 我们吃过北京烤鸭。(Wǒmen chī guo Běijīng kǎoyā. / 私たちは北京ダックを食べたことがあります。)
発音のポイント:助詞の「过」は軽声で読む
漢字の「过」は本来第4声(guò)ですが、動詞の後ろに付いて「〜したことがある」という経験を表す助詞として使われる場合は、基本的に軽声(guo)として軽く短く添えるように発音します。
前の動詞にアクセントを置き、过(guo)は力を抜いて添える感覚で発音すると、ネイティブらしい自然なイントネーションになります。
我看过这部电影。私はこの映画を見たことがあります。
動詞の直後に軽声の「过」を置くだけで経験を表す文が作れます。
肯定・否定・疑問の作り方と「不」が使えない理由
経験表現を使いこなすために、肯定文、否定文、疑問文の3つの基本パターンを整理しましょう。特に否定形では初心者が間違えやすい注意点があります。
1. 肯定文:動詞 + 过
基本公式どおり、動詞の直後に 过(guo)を置きます。目的語がある場合は 过(guo)の後ろに置きます。
- 我学过中文。(Wǒ xué guo Zhōngwén. / 私は中国語を勉強したことがあります。)
2. 否定文:没(有)+ 動詞 + 过(※「不」は不可)
「〜したことがない」と過去の経験を否定する場合は、動詞の前に 没(méi)または 没有(méiyǒu)を置きます。文末の 过(guo)はそのまま残します。
- 我没去过台湾。(Wǒ méi qù guo Táiwān. / 私は台湾へ行ったことがありません。)
- 他没有吃过纳豆。(Tā méiyǒu chī guo nàdòu. / 彼は納豆を食べたことがありません。)
ここで最大の注意点は、「不(bù)」を使って否定することはできないという点です。「不」は現在の習慣、未来の意志、主観的な拒絶を否定する語です。一方、客観的事実や過去の経験の有無を否定する際には必ず 没(有)(méiyǒu)を用います。したがって「我不去过」や「我不吃过」は文法的に完全な誤りです。
3. 疑問文:「〜过吗?」と「〜过没有?」の2大パターン
「〜したことがありますか?」と経験を尋ねる疑問文には、主に2通りの言い方があります。
- パターンA(吗を使う):動詞 + 过 + 目的語 + 吗?
你吃过火锅吗?(Nǐ chī guo huǒguō ma? / 火鍋を食べたことがありますか?) - パターンB(没有を使う反復疑問文):動詞 + 过 + 目的語 + 没有?
你吃过火锅没有?(Nǐ chī guo huǒguō méiyǒu? / 火鍋を食べたことがありますか、まだありませんか?)
どちらも日常会話で非常によく使われます。パターンBの「没有?」で終える形は、口語で親しみやすい自然なニュアンスを持ちます。
肯定文
- 動詞 + 过 + 目的語
否定文(不は不可)
- 没(有) + 動詞 + 过
疑問文
- 〜过 + 目的語 + 吗?
- 〜过 + 目的語 + 没有?
肯定・否定・2種類の疑問文の基本語順とルールです。
次の疑問経験の否定で使う「没有」の感覚をより深めたいなら、中国語の経験態「過」の使い方で基本の型を復習してみましょう。
日常会話で超頻出!「動詞+过」の鉄板フレーズ一覧
旅行や自己紹介、日常会話で頻出する「動詞 + 过」の組み合わせを一覧にまとめました。肯定形と否定形をセットで覚えておくと、会話ですぐに使えます。
表は横にスクロールできます →
| 動詞 | 肯定形(〜したことがある) | 否定形(〜したことがない) | 日本語の意味 |
|---|---|---|---|
| 去(qù / 行く) | 去过(qù guo) | 没去过(méi qù guo) | 行ったことがある / 行ったことがない |
| 吃(chī / 食べる) | 吃过(chī guo) | 没吃过(méi chī guo) | 食べたことがある / 食べたことがない |
| 看(kàn / 見る・読む) | 看过(kàn guo) | 没看过(méi kàn guo) | 見たことがある / 見たことがない |
| 听(tīng / 聞く) | 听过(tīng guo) | 没听过(méi tīng guo) | 聞いたことがある / 聞いたことがない |
| 买(mǎi / 買う) | 买过(mǎi guo) | 没买过(méi mǎi guo) | 買ったことがある / 買ったことがない |
| 来(lái / 来る) | 来过(lái guo) | 没来过(méi lái guo) | 来たことがある / 来たことがない |
| 住(zhù / 泊まる・住む) | 住过(zhù guo) | 没住过(méi zhù guo) | 泊まったことがある / 住んだことがない |
| 做(zuò / する・作る) | 做过(zuò guo) | 没做过(méi zuò guo) | したことがある / したことがない |
これらのフレーズは、後ろに名詞を続けるだけで多彩な会話文が作れます。例えば 没听过这首歌(Méi tīng guo zhè shǒu gē. / この歌を聞いたことがない)、买过这件衣服(Mǎi guo zhè jiàn yīfu. / この服を買ったことがある)のように応用可能です。
文型に当てはめて語彙を増やしたいときは、基本動詞の中国語単語を参考にしてください。
会話で聞かれたときの自然な返答パターン
相手から「〜过吗?(〜したことありますか?)」と質問されたとき、どのように返答すべきでしょうか。教科書的な一言返答だけでなく、ネイティブがよく使う自然な相づちや補足を身につけましょう。
肯定の返答
最もシンプルには動詞を繰り返して 去过(Qù guo. / 行ったことあります)や 吃过(Chī guo. / 食べたことあります)と答えます。より丁寧・自然に返答するバリエーションは以下の通りです。
- 去过。(Qù guo. / 行ったことがあります。)※最も簡潔で自然
- 去过一次。(Qù guo yí cì. / 1回行ったことがあります。)
- 去过很多次。(Qù guo hěn duō cì. / 何回も行ったことがあります。)
- 对,吃过。很好吃!(Duì, chī guo. Hěn hǎochī! / はい、食べたことがあります。とても美味しいですよ!)
否定の返答と「还没〜呢」の活用
否定で返すときは、単に 没去过(Méi qù guo. / 行ったことありません)と答えるだけでも十分通じますが、「まだないけれど、いつかしてみたい」という前向きな気持ちを伝える返答が会話を弾ませます。
- 没去过。(Méi qù guo. / 行ったことがありません。)
- 还没有。(Hái méiyǒu. / まだありません。)
- 还没去过呢。(Hái méi qù guo ne. / まだ行ったことがないんですよ。)
- 一直想去,但还没去过。(Yìzhí xiǎng qù, dàn hái méi qù guo. / ずっと行きたいと思っているのですが、まだ行ったことがありません。)
副詞の 还(hái / まだ)と語気助詞の 呢(ne)を組み合わせた 还没〜呢(hái méi ... ne)を使うと、「まだ〜していないけれど、これから機会があれば」という柔らかいニュアンスを出せます。
肯定の返答
- 去过。(簡潔で自然)
- 去过一次。(回数を添える)
- 去过很多次。(経験豊富)
- 对,吃过。很好吃!(感想をプラス)
否定の返答
- 没去过。(簡潔に否定)
- 还没有。(まだないと答える)
- 还没去过呢。(柔らかいニュアンス)
- 一直想去,但还没去过。(意欲を伝える)
質問に対して肯定・否定それぞれ状況に合わせて使い分けます。

旅行や雑談ですぐ使える!2往復ミニ会話ダイアログ
旅行先や友人との雑談でそのまま使えるリアルな会話例を2つ紹介します。イントネーションを意識しながら声に出して練習してみましょう。
会話例1:旅行先での経験を話す(台湾旅行の話題)
A: 你去过台湾吗?
(Nǐ qù guo Táiwān ma? / 台湾へ行ったことがありますか?)
B: 去过两次。那里的夜市非常热闹!你去过没有?
(Qù guo liǎng cì. Nàlǐ de yèshì fēicháng rènao! Nǐ qù guo méiyǒu? / 2回行ったことがあります。あそこの夜市はとても賑やかですよ!あなたはいったことがありますか?)
A: 我还没去过呢。下个月打算去看看。
(Wǒ hái méi qù guo ne. Xià ge yuè dǎsuàn qù kànkan. / 私はまだ行ったことがないんです。来月行ってみようと思っています。)
B: 太好了!祝你玩得开心!
(Tài hǎo le! Zhù nǐ wán de kāixīn! / それはいいですね!楽しんできてください!)
会話例2:食べ物の好みを話す(四川料理の話題)
A: 你吃过地道的麻婆豆腐没有?
(Nǐ chī guo dìdao de mápó dòufu méiyǒu? / 本場の麻婆豆腐を食べたことがありますか?)
B: 没吃过,听说非常辣,是真的吗?
(Méi chī guo, tīngshuō fēicháng là, shì zhēn de ma? / 食べたことがありません。とても辛いと聞きましたが、本当ですか?)
A: 是的,又麻又辣,不过特别香。下次我们一起去吃吧!
(Shì de, yòu má yòu là, búguò tèbié xiāng. Xià cì wǒmen yìqǐ qù chī ba! / ええ、痺れる辛さですが、すごく香ばしいですよ。今度一緒に行きましょう!)
B: 好啊,我很想尝试一下!
(Hǎo a, wǒ hěn xiǎng chángshì yíxià! / いいですね、ぜひ試してみたいです!)
「过(経験)」と「了(完了)」の違いと比較表
日本人学習者が最も混乱しやすい文法ポイントが、助詞の 过(guo)と 了(le)の使い分けです。どちらも日本語では「〜した」と訳されることがあるため混同されますが、中国語では明確に意味が異なります。
根本的なイメージの違い
- 过(経験):過去にその動作が行われた事実があり、すでにその状態は終了・リセットされている(今はもうその場にいない、現在は別の状態)。
- 了(完了・変化):動作が完了し、その結果や状態が現在まで影響を及ぼしている。
シチュエーション別比較表
| 中国語の文 | 日本語訳 | 実際の状況・ニュアンス |
|---|---|---|
| 他去了中国。(Tā qù le Zhōngguó.) | 彼は中国へ行った(行っている)。 | 今も中国に滞在中である(ここにはいない)。 |
| 他去过中国。(Tā qù guo Zhōngguó.) | 彼は中国へ行ったことがある。 | 過去に訪問したことがあり、現在はすでに帰国している。 |
| 我吃了早饭。(Wǒ chī le zǎofàn.) | 私は朝ご飯を食べました。 | 今朝の朝食を済ませた状態(今はお腹が空いていない)。 |
| 我吃过那种点心。(Wǒ chī guo nà zhǒng diǎnxin.) | 私はあのお菓子を食べたことがある。 | 過去の人生で食べた経験があるという事実を述べている。 |
| 他谈了恋爱。(Tā tán le liàn'ài.) | 彼は恋人ができた(交際を始めた)。 | 現在進行形で恋愛関係にある状態。 |
| 他谈过恋爱。(Tā tán guo liàn'ài.) | 彼は恋愛をしたことがある。 | 過去に交際経験がある(現在は別れている可能性がある)。 |
このように、「いま現在の状態に直結しているかどうか」が判断基準です。現在その動作の状態が続いていない過去の純粋なエピソードを語る際は、必ず 过(guo)を選びましょう。
完了の助詞との詳しい使い分けは、中国語の経験態「过」と過去形の違いで解説しています。
会話を広げる応用副詞「从来没」「曾经」
基本的な「動詞 + 过」に特定の副詞を組み合わせることで、「一度も〜したことがない」「かつて〜したことがある」といった感情や深みのある表現が可能になります。
1. 从来没(有) + 動詞 + 过(今まで一度も〜したことがない)
从来(cónglái / これまで、従来)を否定文の前に置くと、「生まれてから今まで一度も〜したことがない」という強い否定や驚きを表現できます。
- 我从来没去过欧洲。(Wǒ cónglái méi qù guo Ōuzhōu. / 私は今まで一度もヨーロッパに行ったことがありません。)
- 我从来没有听过这种事。(Wǒ cónglái méiyǒu tīng guo zhè zhǒng shì. / こんな話、今まで一度も聞いたことがありません。)
日常会話で「そんなの初めて聞いた!」「一度も経験がないよ」と強調したいときに重宝するフレーズです。
2. 曾经 + 動詞 + 过(かつて/以前〜したことがある)
曾经(céngjīng / かつて、以前)を動詞の前に添えると、文章語や改まった会話で「過去のある時期に〜したことがある」という回想のニュアンスを深めることができます。
- 我曾经在上海住过一年。(Wǒ céngjīng zài Shànghǎi zhù guo yì nián. / 私はかつて上海に1年間住んだことがあります。)
- 他们曾经一起工作过。(Tāmen céngjīng yìqǐ gōngzuò guo. / 彼らはかつて一緒に働いたことがあります。)
履歴書や自己紹介、昔の思い出を振り返るスピーチなどで活用できる表現です。
日本人がやりがちな3大NGミスと正しい言い換え
日本語の感覚のまま中国語を組み立てると、不自然な間違いを犯しやすくなります。初心者が特につまずきやすい3つの誤用パターンを確認しておきましょう。
NG例1:「不」で経験を否定してしまう
先述の通り、経験の否定には絶対に 没(méi)または 没有(méiyǒu)を使います。頭の中で「〜ない=不」と直訳してしまう癖を直し、「過去の経験がない=没(有)」とセットで口慣らししておきましょう。
NG例2:「有」を無駄に挟んでしまう
- ✕ 我有去过中国。(台湾など一部方言表現を除く標準語)
- ◯ 我去过中国。(Wǒ qù guo Zhōngguó. / 私は中国へ行ったことがあります。)
英語の「have done」に引きずられて「有(yǒu)+動詞+过」と言ってしまう人がいますが、中国の標準語(普通話)では肯定文で 有(yǒu)を動詞の前に挟む必要はありません。単に 动词 + 过 とするだけで完了します。
NG例3:「了」と「过」を同時に重ねてしまう
- ✕ 我去了过法国。
- ◯ 我去过法国。(Wǒ qù guo Fǎguó. / フランスに行ったことがあります。)
「過去形だから了も付けよう」と考えて重ねてしまう間違いです。経験を表す助詞は 过(guo)単独で成立するため、動詞の直後に「了过」と並べることはできません。
経験の否定は「不」ではなく必ず「没(有)」を使う
英語 have の感覚で「有去过」とせず動詞+过にする
過去形を重ねて「去了过」とせず过単独で表す
直訳や英語の引きずりによる3つの間違いに注意しましょう。
理解度チェック
Q1. 「〜したことがある」という経験を表す助詞「过」の発音は?
- 第1声で長く伸ばして読む
- 第2声で語尾を上げて読む
- 第4声で強く発音する
- 軽声として軽く短く添える
答えを見る
正解: D. 軽声として軽く短く添える
助詞の「过」は、本来は第4声ですが、経験を表す際は軽声で軽く短く添えるように発音します。
Q2. 「台湾へ行ったことがない」を正しく表した中国語はどれ?
- 我不去过台湾。
- 我没去过台湾。
- 我从来不去台湾。
- 我没去了台湾。
答えを見る
正解: B. 我没去过台湾。
経験の否定には「不」ではなく「没(有)」を用います。「没(有)+動詞+过」の形が正解です。
Q3. 「过」と「了」の違いに関する説明として本文に合うものは?
- 「过」は状態が現在まで影響し続けている
- 「过」はすでに状態が終了・リセットされている
- 「了」は過去の純粋なエピソードだけを表す
- 「了」と「过」は動詞の後ろに重ねて併用できる
答えを見る
正解: B. 「过」はすでに状態が終了・リセットされている
「过」はその状態がすでに終了・リセットされている過去の経験を表し、「了」は結果が現在に影響している状態を表します。
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よくある質問
- Q. 「去过」と「去了」の違いは何ですか?
- 「去过」は過去に行った経験があり現在は戻っていることを意味します。「去了」は動作が完了した結果、現在も目的地に滞在している(ここにはいない)ことを表します。
- Q. 否定文で「没有」の「有」は省略できますか?
- はい、省略可能です。「没去过」と「没有去过」はまったく同じ意味で、日常会話では1音節の「没去过」のほうがテンポよく頻繁に使われます。
- Q. 「过」の声調は第4声と軽声のどちらですか?
- 経験を表すアスペクト助詞の「过」は軽声(guo)で発音します。前の動詞をしっかり発音し、「过」は短く軽く添えるように発声するのがコツです。
- Q. 「〜回したことがある」と回数を言うには?
- 動詞+过の後ろに動量詞を置きます。「去过两次(2回行ったことがある)」「看过一次(1回見たことがある)」のように「動詞 + 过 + 回数」の語順になります。
- Q. 「看过」と「听过」はどんな場面で使いますか?
- 「看过」は映画や本、観光地などを見た経験に、「听过」は音楽や噂話、名前を聞いたことがある経験に使われます。日常の雑談で非常に重宝する動詞です。
2026年9月26日更新・モチタン辞典編集部