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日本語から韓国語になった言葉一覧と歴史・使われ方
日本語から韓国語になった言葉は、明治期に日本で作られ公用語として定着した「近代日製漢字語」、植民地期に生活へ入り込み今では俗語・口語として残る「日本語音の語彙」、そして現代のアニメなどを通じて流入した「若者・サブカルチャー用語」の3つに大別されます。
社会や経済などの概念語は公の場でも標準語として使われますが、日本語の発音がそのまま残る生活用語は公的な場面や検定試験では固有語への言い換えが求められます。
日本語から韓国語になった言葉の全体像と3大分類
韓国語の語彙を見渡すと、日本語と発音や意味が極めて近い単語が数多く存在します。これらが生まれた背景は時代ごとに異なり、現代の韓国社会における単語の位置づけや許容度も大きく分かれます。
日本語由来の語彙を正しく理解し使い分けるためには、まず流入の時期と背景による以下の3つのカテゴリーを把握することが不可欠です。
- 近代日製漢字語(19世紀末〜20世紀初頭):明治期の日本で西洋の学術・制度・概念を翻訳するために造語された漢字語です。朝鮮半島にも導入され、現在では韓国の公教育、学術、法報道などで標準語として完全に定着しています。
- 生活用語・日常俗語(20世紀前半の植民地期):日本統治時代に生活の現場へ持ち込まれた単語です。日本の発音がそのままハングル表記されたものが多く、料理名、大工道具、服飾、日常のくだけた俗語として残存しています。
- 現代サブカルチャー・流行語(1990年代後半以降):日本の漫画、アニメ、インターネット文化の普及に伴って、若い世代を中心に受容された比較的新しい借用語です。主にオンラインコミュニティや口語で好んで用いられます。
このように、「日本語から入った言葉」と言っても、公式な場で使ってよいものと、避けるべきスラングがあるため、文脈に応じた区別が必要です。
時代背景ごとに流入した語彙の種類と現代での位置づけの違いです。
日本語と韓国語の関わりや学び方を広く知りたい方は、日本語から韓国語の総合案内をご覧ください。
標準語として定着した近代日製漢字語の一覧
明治時代の日本で、西洋の思想や科学技術、社会制度を導入する際に漢訳された概念語(和製漢字語)は、当時の知識人や公的文書を通じて朝鮮半島にも広まりました。これらは現代韓国でも標準漢字語として正式に認められており、テレビニュース、大学の講義、公的文書などで日常的に用いられています。
これらの単語は、韓国固有の漢字音(韓国漢字音)で発音されますが、言葉の組み合わせや概念そのものは日本発祥です。中国発祥の古典的な漢字語とは異なり、近代的な抽象概念を表現している点が大きな特徴です。
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| 韓国語(ハングル) | 発音(カタカナ表記) | 元の日本語 | 分野・補足 |
|---|---|---|---|
| 사회 | サフェ | 社会 | 社会科学全般の基礎概念 |
| 경제 | キョンジェ | 経済 | 「経世済民」の略を近代概念に転用 |
| 철학 | チョラッ | 哲学 | 西周(にしあまね)による造語 |
| 과학 | クァハッ | 科学 | 西洋の「science」の訳語 |
| 자유 | チャユ | 自由 | 仏教用語を英語「freedom/liberty」の訳に転用 |
| 권리 | クォンリ | 権利 | 法学・政治学の権利概念 |
| 대통령 | テトンリョン | 大統領 | 国家元首の訳語 |
| 개인 | ケイン | 個人 | 英語「individual」の訳語 |
| 물리 | ムルリ | 物理 | 物理学の学問名 |
| 입학식 | イパッシッ | 入学式 | 近代学校制度に伴う用語 |
これらの語彙は韓国の国語辞典にも標準語として掲載されており、日本語由来であることを意識せずに使われるほど深く定着しています。
次の疑問漢字語の成り立ちや文字の仕組みを根本から理解したいときは、ハングルと漢字語の仕組みと違いを合わせて確認してみてください。
日常会話や俗語に残る日本語音の単語一覧
生活文化や食事、現場作業に関する言葉の中には、日本語の音そのまま、あるいは韓国語の音韻に合わせて変化した形で残っているものがあります。これらは標準語ではなく俗語(은어・속어)として扱われることが多く、親しい間柄の日常会話や市場、工事現場などで耳にします。
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| 韓国語(俗語) | 発音 | 元の日本語 | 標準語での正しい言い換え |
|---|---|---|---|
| 오뎅 | オデン | おでん | 어묵(オムッ:魚肉練り製品) |
| 와리바시 | ワリバシ | 割り箸 | 나무젓가락(ナムジョッカラッ) |
| 다마네기 | タマネギ | 玉ねぎ | 양파(ヤンパ) |
| 사시미 | サシミ | 刺身 | 회(フェ) |
| 기스 | キス | 傷(きず) | 흠집(フムッチプ)/ 상처(サンチョ) |
| 가라 | カラ | 空(から・偽物) | 가짜(カッチャ)/ 거짓(コジッ) |
| 쿠사리 | クサリ | 腐り(小言を食らう) | 핀잔(ピンジャン)/ 꾸중(クジュン) |
| 시마이 | シマイ | 仕舞い(終わり) | 마무리(マムリ)/ 끝(ックッ) |
| 단도리 | タンドリ | 段取り(準備・手配) | 준비(チュンビ)/ 채비(チェビ) |
| 요지 | ヨジ | 楊枝(つまようじ) | 이쑤시개(イスシゲ) |
なお、구두(クドゥ:靴)や 가방(カバン:鞄)のように、生活用品の一部は外来語として国立国語院の標準語に認定されている例外もありますが、上の表にある単語の多くは公的な場では推奨されません。
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現代のサブカルチャーやネット流行語から借用された言葉
日本の現代文化、特にアニメ、漫画、ゲーム、アイドル文化の影響により、1990年代以降に韓国のインターネット掲示板やSNSを通じて広まった言葉もあります。これらは若者言葉やインターネットミームとして活用されています。
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| 韓国語 | 発音 | 元の日本語 | 意味・韓国での使われ方 |
|---|---|---|---|
| 오타쿠 / 오덕후 | オタク / オドッコ | オタク | 何かに熱中する人。短縮形덕후(トッコ)としても定着 |
| 츤데레 | チュンデレ | ツンデレ | 普段は冷淡だが内面は優しい性格を表す表現 |
| 모에 | モエ | 萌え | サブカルチャーで強い愛着や好意を抱く感情 |
| 흑역사 | フギョッサ | 黒歴史 | 日本のアニメ発祥の語。消し去りたい恥ずかしい過去 |
| 간지 | カンジ | 感じ(格好いい) | 간지 난다(スタイルが良い、イケている)の形で流行 |
| 뿜었다 | プモッタ | 吹いた(笑った) | ネット掲示板で笑いを堪えきれずに吹き出すこと |
| 야매 | ヤメ | 闇(やみ) | 非正規のやり方、無資格の施術、いい加減な処置 |
この分野の単語は、アニメファン層を越えて一般のバラエティ番組やウェブドラマの字幕などでも演出として多用されています。

日本と韓国で意味や使い方が変化した言葉の比較
日本語から韓国語へ伝わる過程で、元の日本語とは微妙にニュアンスがズレたり、品詞が変わったり、日本で作られた「和製英語」が韓国独自の使い方を獲得した例があります。直訳の感覚で使うと意図が正しく伝わらないことがあるため注意が必要です。
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| 単語 | 韓国語の表記と発音 | 韓国での意味・ニュアンス | 日本での元のニュアンスとの違い |
|---|---|---|---|
| スキンシップ | 스킨십(スキンシプ) | 恋人や家族間の身体的接触全般 | 和製英語。韓国でも標準的な心理・日常語として広く定着 |
| プロミス | 프로미스(プロミス) | 約束(主に若者言葉・楽曲など) | 韓国語では日常会話より装飾的表現や歌詞で使われる |
| シチュエーション | 시추에이션(シチュエイション) | 状況、コントのようなおかしな場面 | バラエティ番組などで「妙な場面」を強調する俗語感がある |
| ワンショット | 원샷(ウォンシャッ) | お酒の一気飲み | 和製英語の「一気」に相当。英語本来の「一杯」とは異なる |
| アタリ | 아타리(アタリ) | 見当、予想、当たり | 主に年配層や現場で「見当をつける」意味で使われる俗語 |
| サラ | 사라(サラ) | 皿(大皿) | 飲食店などで特定の盛り付け皿を指す業界用語・俗語 |
特に 스킨십(スキンシプ:スキンシップ)や 더치페이(トチペイ:割り勘/ダッチアカウントに由来)などの和製英語は、日本から入った表現でありながら、現在では韓国の辞書にも載るほど日常的な語彙として機能しています。
英語から取り入れられた語彙について詳しく知りたいときは、韓国語の外来語!英語由来の単語一覧も参考になります。
韓国社会における日本語借用語の扱いと国語純化運動
韓国では、言語の独自性と歴史的背景から、言語政策を担う機関である国立国語院(국립국어원)が中心となって「国語純化(국어순화)」を進めてきました。これは、日本語の残滓とされる表現や過度な外国語を、分かりやすい固有語や伝統的な標準漢字語に言い換える運動です。
公の場での自粛と放送基準
韓国の地上波放送局では、審議規定により日本語の単語や俗語をそのまま発言することが制限されています。バラエティ番組などで出演者がうっかり口にした場合、テロップで標準的な韓国語に修正されたり、記号で伏字にされたりすることが一般的です。
学習者が判断すべき実践基準
韓国語を学ぶにあたり、どの言葉をどの場面で使ってよいかを判断するための基準は以下の通りです。
- いつでも使ってよい語(標準語・近代日製漢字語):사회(社会)、경제(経済)、문화(文化)などの学術・制度用語。また、가방(鞄)、구두(靴)のように純化対象から外れ標準語として定着した生活語。TOPIK(韓国語能力試験)の作文や面接でも問題なく使用できます。
- 親しい間柄の口語のみで許容される語(俗語・サブカル語):오덕후(オタク)、츤데레(ツンデレ)、간지(格好良さ)。カジュアルな会話やSNSでは自然ですが、公的な場や試験では減点の対象となります。
- 原則として言い換えるべき語(生活現場の日本語音俗語):와리바시、오뎅、다마네기、기스など。年配層や市場では通じますが、若い世代には通じない場合があり、改まった場では教養に欠けると判断される可能性があります。必ず標準語である 나무젓가락、어묵、양파、흠집 を使います。
公の場で使える標準語から言い換えるべき俗語までの3段階の基準です。
日本語由来ではない「音が似ているだけの言葉」の見分け方
日本語と韓国語には、発音や意味がそっくりであるにもかかわらず、日本語からの借用ではない単語が多数存在します。これらを混同しないように整理しておくことが、語彙力を高める上で極めて重要です。
1. 古代中国から両国へ別々に伝わった共通漢字語
日本語の「音読み」と韓国語の「漢字音」は、どちらも古代から中世にかけて中国大陸から伝来した漢字の音をベースにしています。そのため、元から中国にあった漢字語は発音が非常に似ています。
これらは日本が作った言葉ではなく、漢文古典に由来する共有語彙です。
2. 偶然の一致による固有語
漢字語ではなく、それぞれの言語が独自に持っている固有語でありながら、偶然にも発音と意味が似ているケースがあります。
判断に迷ったときは、「その単語を構成する漢字を分解して説明できるか」「近代以前の文献に登場するか」を確認すると、近代の借用語なのか古典的漢字語なのかを見分けることができます。
共通漢字語(中国由来)
- 古代中国から日韓へ別々に伝来
- 漢文古典に由来する共有語彙
- 例:기분(気分)、약속(約束)
- 漢字音の体系が似ているため同音に
固有語(偶然の一致)
- 各言語が独自に持っている語彙
- 語源的な直接のつながりはない
- 例:바보(愚か者)と日本語のばか
- 近代以前の文献や漢字の有無で判別
日本語からの借用語と混同しやすい、古代中国由来の語と固有語の違いです。
次の疑問日本語と音が似ていて暗記しやすい語彙をもっと増やしたい方は、日本語から覚える韓国語基本単語集で語彙の土台を固められます。
韓国ネイティブの会話で使われる日本語由来語の例文
韓国のネイティブスピーカーが親しい友人同士の会話や職場のくだけた場面で、日本語由来の俗語をどのように使っているのか、実際の会話例を紹介します。
例文1:友人の車に傷を見つけたとき(기스:傷)
A: 야, 차 문 쪽에 기스 났는데? 어디 긁혔어?
(おい、車のドアのところに傷ついてるけど? どこか擦ったの?)
B: 아, 진짜네. 주차하다가 긁었나 봐.
(あ、本当だ。駐車するときに擦ったみたいだ。)
例文2:仕事や作業を終わらせるとき(시마이:仕舞い)
A: 오늘 분량은 여기까지 하고 대충 시마이하자.
(今日のノルマはここまでにしてみんなで終わりにしよう。)
B: 좋아요. 정리하고 밥 먹으러 가요.
(いいですね。片付けてご飯食べに行きましょう。)
例文3:ネットや若者の日常会話(덕후:オタク)
A: 너 요즘도 그 밴드 공연 보러 다녀?
(お前、最近もあのバンドのライブ見に行ってるの?)
B: 완전 성공한 덕후잖아, 나. 다음 주 공연도 가.
(完全に成功したオタクだよ、私。来週のライブも行くよ。)
これらの表現は親近感を表す効果がある反面、ビジネスメールや目上の人に対する敬語表現の中では絶対に使わないよう配慮しましょう。
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理解度チェック
Q1. 近代日製漢字語の特徴として、本文の説明に合致するものは?
- 明治期の日本で西洋の概念を翻訳するために造語された
- 古代中国から直接朝鮮半島に伝来した古典的な言葉である
- 公教育や法報道などの改まった場では使用が禁止されている
- 日本の発音がそのままハングル表記され俗語として残った
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正解: A. 明治期の日本で西洋の概念を翻訳するために造語された
近代日製漢字語は明治期に西洋の概念を翻訳するために造られた語で、現在も公教育や法報道で標準語として定着しています。
Q2. 生活現場の日本語音俗語「기스」の標準語の言い換えは?
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正解: B. 흠집
本文の対比表において、「기스(傷)」の標準語での正しい言い換えとして「흠집」や「상처」が挙げられています。
Q3. 公の場や試験における日本語借用語の扱いとして正しい記述は?
- 「오덕후」などのサブカル語は試験で使っても減点されない
- 「가방」や「구두」は純化対象であり公の場では使えない
- 「사회」などの近代日製漢字語は公的な場や試験で使える
- 「와리바시」などの生活俗語はビジネスの場で推奨される
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正解: C. 「사회」などの近代日製漢字語は公的な場や試験で使える
「사회」などの近代日製漢字語は標準語として定着しており、試験の作文や面接などの公的な場でも問題なく使用できます。
よくある質問
- Q. なぜ韓国語には日本語由来の言葉が多いのですか?
- 近代化の過程で日本が西洋の概念を翻訳した漢字語(社会、哲学など)を取り入れたこと、統治期に生活用語が定着したこと、現代のポップカルチャー交流の3つの歴史的背景があるためです。
- Q. 「オデン」や「サシミ」は韓国で使っても通じますか?
- 日常会話や大衆食堂では通じますが、俗語的な扱いです。公的な場や丁寧な会話では、標準語である「オムッ(어묵)」や「フェ(회)」を使うのが適切です。
- Q. TOPIK(韓国語能力試験)の作文で使ってよい語は?
- 「社会」「経済」などの近代日製漢字語は標準語なので自由に使えます。しかし「기스(傷)」「오뎅(おでん)」などの日本語音の俗語は減点対象になるため、必ず標準固有語を使います。
- Q. 「約束(ヤッソッ)」も日本から入った言葉ですか?
- いいえ。「約束」は古代中国の漢文古典に由来する伝統的な漢字語です。日本語から韓国語へ伝わった語ではなく、共通の漢字文化圏として音が似ている単語です。
- Q. カバンやクドゥ(靴)も言い換える必要がありますか?
- いいえ。「가방(鞄)」や「구두(靴)」は日本語由来ですが、韓国の国立国語院によって標準語として正式に認定されているため、日常会話でも公の場でもそのまま使えます。
2026年10月12日更新・モチタン辞典編集部