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大学入試の英語前置詞を完全攻略する頻出知識と解法
大学入試英語の前置詞問題は、丸暗記ではなく各前置詞が持つ「コアイメージ(空間・接触・方向・分離などの根本概念)」を理解することで、4択文法から長文解釈、英作文まで一貫して即答できるようになります。
前置詞が導く前置詞句は文中で「形容詞句」または「副詞句」のいずれかとして機能するため、文の骨格(SVOC)を崩さずに文構造を正しく見抜く指標としても極めて重要な役割を果たします。
大学入試英語前置詞の基本機能と副詞との識別法
大学入試の長文読解や英文法問題において、前置詞の正確な理解は文構造を把握するための土台となります。前置詞(preposition)は、その名の通り「名詞(または代名詞・動名詞)の前に置かれる詞」であり、後ろに伴う名詞(前置詞の目的語)とセットになって「前置詞句」を形成します。
前置詞句が果たす2つの文法機能
英語の前置詞句が果たす文法機能は、例外なく次の2種類に分類されます。
- 形容詞句:直前の名詞を修飾し、「どのような名詞か」を説明する。文の補語(C)になることもある。
- 副詞句:動詞、形容詞、他の副詞、あるいは文全体を修飾し、時、場所、理由、様態などを表す。文の主要素(S, V, O, C)にはならず修飾語(M)として働く。
次の例文で、前置詞句の機能の違いを確認してください。
The book on the desk belongs to the professor.
(机の上の本はその教授のものです。)
ここでの on the desk は直前の名詞 The book を修飾する形容詞句として機能しています。
She studied in the library for three hours.
(彼女は図書館で3時間勉強した。)
ここでの in the library と for three hours は、いずれも動詞 studied を修飾する副詞句として機能しています。
大学入試で頻出する「前置詞」と「副詞」の品詞的識別
大学入試の文法・整序英作文で受験生が失点しやすいポイントに、「自動詞+前置詞」と「他動詞+副詞」の区別があります。見た目は同じ単語(in, on, off, up, down など)であっても、後ろに名詞を伴っているか、単独で動詞の意味を修飾しているかによって文法ルールが異なります。
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| 分類 | 構造的特徴 | 目的語(代名詞)の位置ルール | 具体例 |
|---|---|---|---|
| 自動詞+前置詞 | 前置詞の後ろに必ず名詞(目的語)が必要 | 前置詞の後ろに置く(挟み込み不可) | listen to it(× listen it to) |
| 他動詞+副詞 | 副詞は動詞を修飾し、動詞が目的語をとる | 代名詞は動詞と副詞の間に挟む | turn it on(× turn on it) |
たとえば、look for(〜を探す)は「自動詞 look +前置詞 for」であるため、代名詞が目的語の場合は look for him となり、look him for とはできません。
一方で、put on(〜を着る)は「他動詞 put +副詞 on」であるため、目的語が代名詞のときは put it on と挟み込む必要があります(名詞の場合は put on the coat も put the coat on も可能です)。
この語順ルールは私大文法や共通テスト形式の整序問題で頻出の急所です。
形容詞句
- 直前の名詞を修飾
- 文の補語(C)になる
副詞句
- 動詞・形容詞等を修飾
- 文の修飾語(M)になる
前置詞句は名詞を修飾する形容詞句か、動詞などを修飾する副詞句の2つに分かれます。
大学入試前置詞のコアイメージ20選と頻出例文
前置詞の日本語訳を1語につき1つずつ丸暗記しても、多様な文脈に対応できません。前置詞の空間的・物理的な「コアイメージ」を捉えることで、抽象的な意味や熟語の派生を論理的に理解できます。大学入試で頻出する主要な20個の前置詞について、そのコアイメージと代表的な入試レベル例文を整理します。
入試最頻出の基本前置詞20選一覧
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| 前置詞 | コアイメージ | 入試頻出の用法・意味 | 例文と日本語訳 |
|---|---|---|---|
| at | 空間・時間の中の「1点」 | 特定の時刻、狭い地点、対象への照準 | He aimed the camera at the bird.(彼はその鳥にカメラを向けた。) |
| in | 枠組み・空間の「内部(包囲)」 | 広がりを持つ場所、年月、状態、着用 | The theory was published in 2010.(その理論は2010年に発表された。) |
| on | 面に対する「接触・支持」 | 線上・面上の位置、特定の日、基礎・継続 | The article was based on scientific facts.(その記事は科学的事実に基づいていた。) |
| to | 目標への「方向と到達」 | 目的地、到達限界、対象、一致 | She devoted her life to helping others.(彼女は他者を助けることに人生を捧げた。) |
| for | 目標への「方向・志向(到達未定)」 | 目的、求心、賛成、交換、理由 | They left for the station early in the morning.(彼らは早朝に駅へ向けて出発した。) |
| from | 起点からの「出発・分離」 | 出発点、原料、識別、原因 | We must distinguish fact from fiction.(私たちは事実と虚構を区別しなければならない。) |
| of | 一部分を構成する「密接な結びつき・分離」 | 所属、所有、同格、分離・剥奪、材料 | The city is deprived of clean water.(その都市は清浄な水を奪われている。) |
| by | すぐ傍にある「近接」 | 近傍、完了期限、手段・方法、単位 | Please submit the assignment by Friday.(金曜日までに課題を提出してください。) |
| with | 人・モノとの「同伴・付帯」 | 同伴、手段(道具)、付帯状況、一致 | He solved the complex problem with ease.(彼はその複雑な問題を容易に解決した。) |
| without | 同伴の否定「欠落・不在」 | 〜なしで、〜がない状態で | We cannot survive without oxygen.(私たちは酸素なしでは生きられない。) |
| about | 周囲に散らばる「周辺・およそ」 | 〜について(漠然とした関連)、概数 | There is something suspicious about his behavior.(彼の行動には何か不審な点がある。) |
| over | 上方を覆う「弧を描く覆い・超過」 | 真上、通過、克服、超過、期間全体 | They discussed the issue over coffee.(彼らはコーヒーを飲みながらその問題を話し合った。) |
| under | 下方に位置する「影響・支配下」 | 真下、支配下、進行中、基準未満 | The bridge is currently under construction.(その橋は現在建設中である。) |
| through | トンネルなどを「通り抜ける貫通」 | 通過、全期間(〜の間中)、手段・媒介 | He succeeded through sheer hard work.(彼はひたむきな努力によって成功した。) |
| into | 外から中への「侵入・変化」 | 内部への進入、変化の結果、熱中 | The caterpillar transformed into a butterfly.(毛虫は蝶へと変態した。) |
| out of | 内部から外部への「脱出・欠乏」 | 外へ、範囲外、動機、材料、不足 | The elevator is currently out of order.(そのエレベーターは現在故障中である。) |
| across | 一方から他方への「横断・交差」 | 横断、向こう側に、〜の至る所で | News of the discovery spread across the country.(その発見の知らせは国中に広まった。) |
| along | 細長い線に沿う「平行進行」 | 〜に沿って、〜の流れに沿って | We walked along the river for hours.(私たちは川に沿って何時間も歩いた。) |
| beyond | 限界や範囲の「向こう側・超越」 | 〜を越えて、〜の能力を超えている | The task was beyond his ability.(その任務は彼の能力を超えていた。) |
| against | 向かい合うものへの「対抗・接触」 | 反対、衝突、〜を背景にして、備えて | They voted against the proposed tax increase.(彼らは提案された増税案に反対票を投じた。) |
それぞれのコアイメージを意識することで、後述する語法や群前置詞の意味も容易に連想できるようになります。
入試で押さえておきたい語句をまとめて確認したいときは、前置詞の英単語の一覧が役立ちます。
次の疑問各前置詞の細かい用法や入試での問われ方まで整理したいときは、大学入試の前置詞対策と用法を解説した記事で確認できます。
混同しやすい前置詞の使い分け基準と比較
入試の4択空所補充問題で最も狙われやすいのが、日本語訳が似通っている前置詞の識別です。出題者の意図を素早く見抜くための明確な基準を比較して解説します。
1. 場所・時間を表す in / at / on の識別
時と場所における in, at, on の選択は、認知する「次元(点・線/面・空間)」に基づきます。
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| 前置詞 | 時間における基準 | 時間の例 | 空間・場所における基準 | 場所の例 |
|---|---|---|---|---|
| at | 特定の「1点(時刻)」 | at 5:00, at noon | 地図上の「地点・狭い場所」 | at the station, at the bus stop |
| on | 特定の「日・曜日(カレンダー上の面)」 | on Monday, on July 4th | 平坦な「表面・線上(接触)」 | on the wall, on the second floor |
| in | 広がりを持つ「期間(包囲)」 | in 2024, in the morning | 広がりや境界のある「空間内部」 | in Tokyo, in the room |
2. 期限・継続を表す by と until の識別
「〜まで」と訳される by と until (till) は、動詞の性質(動作か状態か)によって決定されます。
- by(期限):動作が完了する「最終期限(締切)」を表す。動作動詞(submit, finish, come back など)とともに用いる。
You must return the book by Friday.(金曜日までにその本を返却しなければならない。) - until(継続):その時点まで動作や状態が「ずっと継続すること」を表す。継続動詞・状態動詞(wait, stay, remain など)とともに用いる。
I will wait here until you return.(あなたが戻ってくるまでここでずっと待っています。)
否定文における not ... until ~(〜して初めて…する)は、入試の整序英作文や長文読解で最重要構文の1つです。
He did not realize the truth until yesterday.(彼は昨日になって初めてその真実に気づいた。)
3. 期間を表す during と for の識別
期間を表す「〜の間」の識別は、後ろに来る名詞の種類で判断します。
- during + 特定の期間・出来事を表す名詞(数字は来ない):during the summer vacation, during the meeting
- for + 不特定の長さを表す「数詞・単位名詞」:for three weeks, for two hours, for a long time
4. 範囲を表す between と among の識別
一般に「between は2者の間、among は3者以上の間」と説明されますが、大学入試ではより精密な識別が求められます。
- between:対象が個別に明確に区別・認識されている場合(対象が3つ以上でも個別の関係なら between を使用:treaty between France, Germany, and Italy)。
- among:不特定多数の集団・群衆の中に埋没している場合(popular among students, lost among the crowd)。
by(期限)
- 動作が完了する最終期限を表す
- 動作動詞(submit, returnなど)と使う
- 例: return the book by Friday
until(継続)
- その時点までずっと継続することを表す
- 継続・状態動詞(wait, stayなど)と使う
- 例: wait here until you return
動詞が動作を表すか状態や継続を表すかによって使い分けます。
動詞+A+前置詞+Bの入試頻出語法パターン
大学入試の文法・語法問題において配点比率が高いのが、「動詞+目的語(A)+前置詞+名詞(B)」の定型パターンです。前置詞のコアイメージと動詞の持つ意味分類が合致しているため、カテゴリーごとに論理的に整理して覚えることが得点力に直結します。
1. 分離・剥奪の of(AからBを奪う)
前置詞 of には、母体から切り離す「分離」のイメージがあります。「A(人・場所)からB(モノ・権利)を取り去る」構造をとります。
| 動詞表現 | 意味 | 入試頻出例文 |
|---|---|---|
| rob A of B | AからBを奪う(強奪) | The thief robbed the tourist of his passport. (泥棒は観光客からパスポートを奪った。) |
| deprive A of B | AからB(権利など)を奪う | War deprives innocent children of education. (戦争は罪のない子どもたちから教育を奪う。) |
| clear A of B | AからBを取り除く | The workers cleared the road of snow. (作業員たちは道路から雪を取り除いた。) |
| cure A of B | AのB(病気・悪癖)を治す | The doctor cured him of the rare disease. (医師は彼の珍しい病気を治療した。) |
2. 伝達・通知・想起の of(AにBについて知らせる)
対象との「結びつき・関連」を表す of を用い、「A(人)にB(内容)を認知させる」関係を築きます。
| 動詞表現 | 意味 | 入試頻出例文 |
|---|---|---|
| remind A of B | AにBを思い出させる | This song reminds me of my high school days. (この歌は私に高校時代を思い出させる。) |
| inform A of B | AにBを知らせる・通知する | Please inform us of any change in your address. (住所に変更があった場合はお知らせください。) |
| convince A of B | AにBを納得させる・確信させる | His speech convinced the jury of his innocence. (彼の演説は陪審員に彼の無罪を確信させた。) |
| warn A of B | AにB(危険など)を警告する | The meteorologist warned citizens of the storm. (気象学者は市民に暴風雨の警告を発した。) |
3. 妨害・阻止の from(AがBするのを防ぐ)
「起点からの分離・遠ざけ」を意味する from を用い、「AがB(doing)へ至るのを遮断する」構造です。
| 動詞表現 | 意味 | 入試頻出例文 |
|---|---|---|
| prevent A from doing | Aが〜するのを防ぐ・妨げる | Heavy snow prevented the train from arriving. (豪雪のため列車は時間通りに到着できなかった。) |
| stop A from doing | Aが〜するのを止める | Nothing could stop him from pursuing his dream. (何ものも彼が夢を追うのを止められなかった。) |
| keep A from doing | Aに〜させないようにしておく | The noise kept me from sleeping all night. (騒音のせいで私は一晩中眠れなかった。) |
| discourage A from doing | Aに〜するのを思いとどまらせる | Failure did not discourage her from trying again. (失敗も彼女が再挑戦するのを思いとどまらせなかった。) |
4. 供給・提供の with(AにBを与える)
「同伴・持参」を意味する with を用い、「A(人・場所)にB(モノ・情報)を持たせる・備え付ける」働きをします。
- provide A with B:AにBを供給する(= provide B for A)
The school provides students with laptops.(学校は生徒たちにノートPCを提供する。) - supply A with B:AにBを補給・供給する
They supplied the shelter with food and blankets.(彼らは避難所に食料と毛布を補給した。) - equip A with B:AにBを備え付ける
The laboratory is equipped with state-of-the-art tools.(その実験室は最新設備を備えている。)

大学入試英語で差がつく重要群前置詞一覧
2語以上の単語が組み合わさって1つの前置詞と同じ働きをするものを「群前置詞(句前置詞)」と呼びます。大学入試では、接続詞(後ろに主語+動詞が続く)と群前置詞(後ろに名詞が続く)の識別問題や、空所補充問題で頻出します。論理展開を左右する重要表現を意味別に整理します。
1. 理由・原因を表す群前置詞
| 群前置詞 | 主な意味 | 例文と日本語訳 |
|---|---|---|
| because of | 〜のために、〜が原因で | The flight was delayed because of dense fog. (濃霧のためにその便は遅延した。) |
| due to | 〜に起因して、〜のせいで | The error was due to a system malfunction. (その過失はシステムの故障に起因していた。) |
| owing to | 〜のために(形式張った表現) | Owing to lack of funds, the project was cancelled. (資金不足のためにその事業は中止された。) |
| on account of | 〜の理由で | She stayed home on account of a severe cold. (彼女はひどい風邪のために家にいた。) |
| thanks to | 〜のおかげで、〜のせいで | Thanks to your advice, I passed the entrance exam. (あなたのアドバイスのおかげで入試に合格しました。) |
2. 譲歩・対比を表す群前置詞
| 群前置詞 | 主な意味 | 例文と日本語訳 |
|---|---|---|
| in spite of | 〜にもかかわらず | He went out in spite of the heavy downpour. (彼は猛烈な土砂降りにもかかわらず外出した。) |
| despite | 〜にもかかわらず(1語の前置詞) | Despite his young age, he showed great maturity. (若い年齢にもかかわらず、彼は大いなる成熟を見せた。) |
| with all / for all | 〜があるにもかかわらず | With all his wealth, he is never truly happy. (あれほどの富があるにもかかわらず、彼は決して幸福ではない。) |
| regardless of | 〜にかかわらず、〜を問わず | All applicants are evaluated regardless of age. (すべての応募者は年齢を問わず評価される。) |
| instead of | 〜の代わりに | Use honey instead of refined sugar in cooking. (料理には精製糖の代わりに蜂蜜を使いなさい。) |
3. 関連・基準・目的に関する群前置詞
| 群前置詞 | 主な意味 | 例文と日本語訳 |
|---|---|---|
| according to | 〜によれば、〜に従って | According to the report, renewable energy is growing. (その報告書によれば、再生可能エネルギーは成長している。) |
| in terms of | 〜の観点から、〜の点では | The plan is advantageous in terms of cost. (その計画は費用の観点から有利である。) |
| as for / as to | 〜について言えば、〜に関しては | As for the budget, we need further discussion. (予算について言えば、さらなる議論が必要である。) |
| with regard to | 〜に関して | I have no comments with regard to this issue. (この問題に関して私から申し上げることはありません。) |
| for the purpose of | 〜の目的で | He visited Kyoto for the purpose of studying history. (彼は歴史を研究する目的で京都を訪れた。) |
| in addition to | 〜に加えて | In addition to English, she speaks fluent French. (英語に加えて、彼女は流暢なフランス語を話す。) |
特に despite は1語で前置詞として機能するため、despite of という誤った選択肢を入試問題で選ばないよう注意が必要です。
句動詞の推測法と長文読解での前置詞句把握
入試英語の長文読解や語彙問題では、未見の英熟語(句動詞)に遭遇することがあります。すべてを丸暗記しようとするのではなく、前置詞(または副詞)のコアイメージから動詞の動作方向を推測する思考回路を身につけることが重要です。
句動詞の意味を類推するメカニズム
句動詞は「動詞(基本動作)+前置詞/副詞(方向・状態)」で構成されています。動詞単体の意味が抽象的であっても、前置詞のイメージが組み合わさることで具体的な意味が決まります。
- up(上昇・完了・出現):bring up(育て上げる=上へ引き上げる)、eat up(食べ尽くす=完全に食べきる)、show up(現れる=視野の上に上がってくる)
- down(下降・沈静・停止):calm down(落ち着く=感情を下げる)、break down(故障する=部品が崩れ落ちて機能停止)
- off(分離・離脱・中断):take off(離陸する・脱ぐ=地面や体から離れる)、call off(中止する=予定から切り離す)
- out(内部から外へ・消失・明確化):figure out(理解する=考えて外へ導き出す)、run out of(使い果たす=外へ出尽くす)
長文読解(英文解釈)で修飾関係を見抜く実践ステップ
長文読解で文構造を見失う最大の要因は、前置詞句が長くなり主語(S)と動詞(V)の距離が離れることです。長文を読む際は、以下の手順で前置詞句を処理します。
- 前置詞を発見したら直前で開きカッコ ( を置き、対応する名詞(目的語)の終わりで閉じカッコ ) を閉じる。
- 前置詞句を取り除いた状態で、文の骨格(S, V, O, C)を特定する。
- カッコで括った前置詞句が「直前の名詞を説明している(形容詞句)」のか、「動詞を修飾している(副詞句)」のかを文脈から判定する。
次の複雑な英文で構造把握の手順を確認してください。
The rapid development (of artificial intelligence) (in recent decades) has had a profound impact (on modern industries).
前置詞句をカッコで括ると、文の主骨格は The rapid development [S] has had [V] a profound impact [O](急速な発展は深刻な影響を与えた)であることが明確になります。
(of artificial intelligence) は直前の development を修飾する形容詞句、(in recent decades) は文全体・動詞にかかる副詞句、(on modern industries) は impact の及ぶ先を修飾する形容詞句として機能しています。
前置詞から目的語の終わりまでをカッコに入れる
前置詞句を除きS, V, O, Cを特定する
名詞修飾の形容詞句か動詞修飾の副詞句かを決める
前置詞句をカッコで括り、骨格を特定してから修飾関係を判定します。
次の疑問前置詞と動詞が結びついた頻出イディオムをまとめて覚えたいときは、大学入試の頻出英熟語を整理した一覧が役立ちます。
大学入試の出題形式別対策と実践ミニ演習問題
大学入試の前置詞問題は、受験する大学・試験形式によって問われ方が異なります。形式ごとの特徴を把握した上で、即答力を養うための演習問題に取り組みましょう。
試験形式別の前置詞対策ポイント
- 大学入学共通テスト:独立した文法問題は出題されませんが、グラフ・図表の読み取りや設問文において、前置詞が表す条件(except for, at least など)を正確に把握する読解精度が求められます。
- 私立大学(マーク式・短文文法):動詞語法(rob A of B 型など)、群前置詞の空所補充、語順整序が頻出です。前置詞の定型パターンを反射的に判別できる正確さが勝敗を分けます。
- 国公立大学(記述・和訳・英作文):下線部和訳では前置詞句の修飾先(形容詞句か副詞句か)を誤ると大きな減点対象となります。和文英訳では「〜を妨げる」「〜を供給する」などの日本文を適切な前置詞を伴う語法構文に変換する表現力が必須です。
実践ミニ演習問題(全4問)
空所に入る最も適切な前置詞を1つ選んでください。
第1問(動詞語法)The new evidence finally convinced the police ( ) his innocence.
(A) on (B) of (C) with (D) to
【正解】(B) of
【解説】「convince A of B(AにBを確信させる・納得させる)」という伝達・認知の of を伴う頻出語法です。文意は「その新たな証拠は、最終的に警察に彼の無罪を確信させた」。
Please stay inside the building ( ) the storm completely passes.
(A) by (B) until (C) during (D) since
【正解】(B) until
【解説】動詞が stay(とどまる)という状態の継続を表しているため、継続の限界を示す until が適切です。by は完了期限(動作動詞)に用いるため不適です。文意は「嵐が完全に通り過ぎるまで建物内にとどまってください」。
The heavy traffic prevented the speaker ( ) arriving on schedule.
(A) for (B) at (C) from (D) against
【正解】(C) from
【解説】「prevent A from doing(Aが〜するのを妨げる)」の阻止・分離を表す from の語法です。文意は「激しい交通渋滞のため、講演者は定刻通りに到着できなかった」。
( ) the heavy snow, the train arrived at the destination on time.
(A) Although (B) In spite (C) Despite (D) Because
【正解】(C) Despite
【解説】空所の直後が名詞句(the heavy snow)であるため前置詞が必要です。(A)と(D)は後ろに「S+V」を伴う接続詞なので不可。
(B)は in spite of と of が欠けているため不可。1語で前置詞として譲歩を表す Despite が正解です。文意は「豪雪にもかかわらず、列車は定刻通りに目的地へ到着した」。
グラフや設問の前置詞が表す条件を正確に把握する読解精度が必要。
動詞語法や群前置詞の空所補充・整序で反射的に判別する正確さが重要。
和訳での修飾先判別や、適切な前置詞を用いる和文英訳の表現力が必須。
志望校の出題形式に応じた前置詞の対策ポイントです。
大学入試前置詞を完全攻略する3ステップ勉強法
入試本番までに前置詞を得点源へ引き上げるための学習手順を、3つのステップに分けて解説します。
ステップ1:基本前置詞のコアイメージを視覚的にインプットする
まずは本記事の「頻出前置詞20選」で紹介したように、各前置詞の核となる空間的イメージを頭に定着させます。「at=点」「on=接触」「in=容器の中」「from=起点からの離脱」など、文字だけでなく頭の中で図や矢印を描ける状態を目指してください。
この基礎イメージが定着していると、後から覚える熟語の丸暗記負担が大幅に軽減されます。
ステップ2:動詞の型と群前置詞を機能別に整理して暗記する
次に、入試頻出の動詞語法(「分離の of」「妨害の from」「供給の with」など)をカテゴリーごとに整理します。単語単体ではなく、必ず rob A of B のような構文フレームと短い例文をセットで音読し、口と耳に覚え込ませることが効果的です。
また、due to や in spite of などの群前置詞は、接続詞との品詞識別(後ろが節か名詞か)を常に意識しながら整理します。
ステップ3:文法4択・整序英作文・長文解釈での演習を反復する
インプットした知識を実践問題でアウトプットします。
- 文法・整序演習:文法問題集で前置詞・語法・熟語の分野を集中的に解き、間違えた問題は「なぜその前置詞になるのか」をコアイメージや語法型に立ち返って確認します。
- 長文構造の分析:過去問の長文読解において、SVOCを取りづらい箇所があれば前置詞句をカッコで括り、修飾先(形容詞句か副詞句か)を論理的に検証します。
この3ステップを着実に実践することで、前置詞に対する苦手意識がなくなり、入試本番での確実な得点源へと昇華させることができます。
基本前置詞の核となる空間的イメージを頭に定着させる
動詞の語法型や群前置詞を短い例文とセットで機能別に暗記する
文法4択・整序英作文・長文解釈での演習を反復する
イメージ把握から構文暗記、実践演習へと段階的に進めましょう。
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理解度チェック
Q1. 「他動詞+副詞」で代名詞が目的語のときの語順はどれですか。
- 代名詞を副詞の直後に置く
- 動詞と副詞の間に代名詞を挟む
- 文頭に代名詞を移動させる
- 前置詞の直後に代名詞を置く
答えを見る
正解: B. 動詞と副詞の間に代名詞を挟む
他動詞+副詞の組み合わせでは、代名詞が目的語の場合、turn it onのように動詞と副詞の間に挟むルールがあります。
Q2. 本文の用法に基づき、空所に by が入る英文はどれですか。
- You must return the book ( ) Friday.
- I will wait here ( ) you return.
- He studied ( ) three hours.
- Stay inside ( ) the storm passes.
答えを見る
正解: A. You must return the book ( ) Friday.
byは動作が完了する最終期限を表し、returnのような動作動詞とともに用います。継続を表す文にはuntilを用います。
Q3. 「AにBを思い出させる」を意味する動詞と前置詞の型はどれですか。
答えを見る
正解: B. remind A of B
伝達・通知・想起を表すofを用いた表現で、remind A of Bが「AにBを思い出させる」という意味になります。
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よくある質問
- Q. 前置詞の暗記が苦手です。効率的な覚え方は?
- 日本語訳の丸暗記を避け、空間的な「コアイメージ(点・面・内部・方向など)」をまず理解してください。その上で「動詞+A+前置詞+B」などの定型フレーズを例文ごと音読して覚えると記憶に定着しやすくなります。
- Q. 前置詞と副詞の違いを見分けるコツは?
- 後ろに目的語となる名詞を直接伴っているかどうかが基準です。名詞を伴っていれば前置詞、単独で動詞の意味を修飾していれば副詞です。句動詞で代名詞が挟まる場合は「他動詞+副詞」の組み合わせです。
- Q. 共通テスト英語で前置詞はどのように問われますか?
- 独立した文法問題としては出題されませんが、本文の論理関係や条件(期限、例外、範囲など)を正確に読み解く長文読解の精度として問われます。群前置詞の意味を正確に把握しておくことが不可欠です。
- Q. despite of という表現は文法的に間違いですか?
- 間違いです。despite は単体で前置詞として機能するため of は不要です。in spite of(群前置詞)との混同を狙った引っ掛け問題として大学入試で非常によく出題されます。
- Q. 前置詞の後ろには動詞の原型を置けますか?
- 置けません。前置詞の後ろには名詞相当語句が必要なため、動詞を置く場合は必ず「動名詞(-ing)」にします。ただし to 不定詞の to は前置詞ではなく不定詞を導く助詞であるため原形動詞が続きます。
2026年10月8日更新・モチタン辞典編集部