モチタン辞典 › 読みもの › スペイン語 › タガログ語に残るスペイン語の数字

タガログ語とスペイン語の数字一覧と使い分け
フィリピンのタガログ語では、物の個数や人数を数える際にはタガログ語本来の数字(isa, dalawaなど)を使い、時刻やお会計の金額(ペソ)を言う際にはスペイン語由来の数字(uno, dos、時刻ではAla una, Alas dosなど)を使います。
日常会話では100以上の大きな数や電話番号に英語が多用されるため、場面に応じた優先順位を押さえることで効率よく使い分けることができます。
数字の使い分け基準と優先度判定フロー
フィリピンで使われる数字には、オーストロネシア語族に属する「タガログ語本来の数字」、植民地時代に定着した「スペイン語由来の数字」、そして公用語である「英語の数字」の3系統が存在します。現地の会話でどの数字を選ぶべきかは、何を数えているかによって明確に分かれています。
最も重要な基本原則は以下の通りです。
- 個数・人数・回数:タガログ語本来の数字(isa, dalawa, tatlo...)を使用します。
- 時刻・時間帯:スペイン語由来の数字(Ala una(アラ ウナ・1時)、Alas dos(アラス ドス・2時)...)を使用します。
- お金・金額(小額のペソ):スペイン語由来の数字(diyes pesos(ディエスペソス・10ペソ)など)または英語を使用します。
- 100以上の大きな数・年号・電話番号・計算:現代の日常会話では英語(one hundred, twenty-twenty-fourなど)が優先されます。
判断に迷った際は、「時間とお金はスペイン語系、数える対象があるときはタガログ語系、長くて複雑な数字は英語」という優先順位で判断すると、現地で自然に通じます。
タガログ語本来の数字
- 個数(物の数)
- 人数
- 回数
スペイン語由来の数字
- 時刻・時間帯
- 小額のペソ・金額
英語の数字
- 100以上の大きな数
- 年号
- 電話番号・計算
対象によってタガログ語、スペイン語由来、英語の3系統を使い分けます。
1から10の数字対照表と綴りの違い
まずは基本となる1から10の数字です。スペイン語由来の数字は、元のスペイン語の正書法(cuatro(クアトロ・4)など)と、フィリピン現地のタガログ語正書法に合わせた表記(kwatroなど)の両方が見られます。
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| 数字 | タガログ語(カタカナ発音) | スペイン語原綴り(カタカナ発音) | フィリピン表記(タガログ綴り) |
|---|---|---|---|
| 1 | isa(イサ) | uno(ウノ) | uno |
| 2 | dalawa(ダラワ) | dos(ドス) | dos |
| 3 | tatlo(タトロ) | tres(トレス) | tres |
| 4 | apat(アパット) | cuatro(クアトロ) | kwatro |
| 5 | lima(リマ) | cinco(シンコ) | singko |
| 6 | anim(アニム) | seis(セイス) | sais |
| 7 | pito(ピト) | siete(シエテ) | siyete |
| 8 | walo(ワロ) | ocho(オチョ) | otso |
| 9 | siyam(シヤム) | nueve(ヌエベ) | nuwebe |
| 10 | sampu(サンプ) | diez(ディエス) | diyes |
フィリピンでは発音通りにアルファベットを当てる傾向が強いため、cがkに、ci/ceがsi/seに、chがtsに、diezがdiyesへと変化して綴られることが一般的です。意味や発音自体はスペイン語の語源をそのまま保っています。
次の疑問借用語の発音を正しく捉えたいなら、スペイン語本来の数字の発音のコツを押さえておくと聞き取りがスムーズになります。
11から100までの数字の規則と早見表
11以降の数字には、それぞれの言語体系に応じた構成ルールがあります。タガログ語の11から19は、接頭辞「labing-」の後に1の位の数字を接続して作ります。接続する単語の頭文字によって「labin-」「labim-」と音韻変化が生じる点に注意が必要です。
タガログ語の11〜19の構成規則
- 11: labing-isa(ラビンイサ)
- 12: labindalawa(ラビンダラワ)※dの前でlabin-に変化
- 13: labintatlo(ラビンタトロ)※tの前でlabin-に変化
- 14: labing-apat(ラビンアパット)
- 15: labinlima(ラビンリマ)※lの前でlabin-に変化
- 16: labing-anim(ラビンアニム)
- 17: labimpito(ラビンピト)※pの前でlabim-に変化
- 18: labingwalo(ラビンワロ)
- 19: labinsiyam(ラビンシヤム)※sの前でlabin-に変化
タガログ語の20〜100の構成規則
20以降の10の位は、1の位に接尾辞「-mpu」が付く形を基本とします。20はdalawampu、30はtatlumpu、40はapatnapu、50はlimampu、60はanimnapu、70はpitumpu、80はwalumpu、90はsiyamnapu、100はsandaan(またはisang daan)となります。
端数がある場合は「at(〜と)」で繋ぎます(例:21はdalawampu't isa)。
表は横にスクロールできます →
| 数字 | タガログ語本来の数字 | スペイン語原綴り | フィリピン表記(スペイン語系) |
|---|---|---|---|
| 11 | labing-isa | once(オンセ) | onse |
| 12 | labindalawa | doce(ドセ) | dose |
| 13 | labintatlo | trece(トレセ) | trese |
| 14 | labing-apat | catorce(カトルセ) | katorse |
| 15 | labinlima | quince(キンセ) | kinse |
| 16 | labing-anim | dieciséis(ディエシセイス) | disisais |
| 17 | labimpito | diecisiete(ディエシシエテ) | disisiyete |
| 18 | labingwalo | dieciocho(ディエシオチョ) | disiotso |
| 19 | labinsiyam | diecinueve(ディエシヌエベ) | disinuwebe |
| 20 | dalawampu | veinte(ベインテ) | bente |
| 30 | tatlumpu | treinta(トレインタ) | trenta |
| 40 | apatnapu | cuarenta(クアレンタ) | kwarenta |
| 50 | limampu | cincuenta(シンクエンタ) | singkwenta |
| 60 | animnapu | sesenta(セセンタ) | sesenta |
| 70 | pitumpu | setenta(セテンタ) | setenta |
| 80 | walumpu | ochenta(オチェンタ) | otsenta |
| 90 | siyamnapu | noventa(ノベンタ) | nobenta |
| 100 | sandaan | cien / ciento(シエン / シエント) | siyento |
時刻の表現ルールとテンプレート
フィリピンで時刻(〜時)を言う場合、例外なくスペイン語由来の表現が使われます。タガログ語本来の数字で時間を表すことは原則としてありません。
基本の型は「定冠詞の変形 + スペイン語の数字」です。ここで最も注意すべきなのは、1時だけ単数形の「Ala」を使い、2時以降は複数形の「Alas」を使うという規則です。
これはスペイン語の a la una(ア ラ ウナ・1時に)および a las dos(ア ラス ドス・2時に)という前置詞句がそのままタガログ語に定着したためです。
時刻の基本一覧
- 1時: Ala una(アラ ウナ)
- 2時: Alas dos(アラス ドス)
- 3時: Alas tres(アラス トレス)
- 4時: Alas kwatro(アラス クアトロ)
- 5時: Alas singko(アラス シンコ)
- 6時: Alas sais(アラス セイス)
- 7時: Alas siyete(アラス シエテ)
- 8時: Alas otso(アラス オチョ)
- 9時: Alas nuwebe(アラス ヌエベ)
- 10時: Alas diyes(アラス ディエス)
- 11時: Alas onse(アラス オンセ)
- 12時: Alas dose(アラス ドセ)
時間帯の付け足し方
午前や午後を区別する際は、タガログ語の時間帯表現を後ろに添えます。
- 朝(午前): ng umaga(ン ウマーガ)
例: Alas otso ng umaga(朝の8時) - 昼過ぎ(正午〜午後4時頃): ng hapon(ン ハーポン)
例: Alas tres ng hapon(午後の3時) - 夜(午後6時以降): ng gabi(ン ガビ)
例: Alas siyete ng gabi(夜の7時)
1時の表現(単数形)
- 定冠詞は「Ala」を使用
- 例:Ala una(1時)
- スペイン語のa la unaが語源
2時以降の表現(複数形)
- 定冠詞は「Alas」を使用
- 例:Alas dos(2時)
- スペイン語のa las dosが語源
1時のみ単数形のAlaを使い、2時以降はすべてAlasを使います。

時間表現の背景にある文法規則は、スペイン語の冠詞と名詞の性で詳しく学べます。
お金の数え方と買い物実戦フレーズ
市場(パレンケ)、屋台、ジプニー(乗合バス)、個人商店(サリサリストア)などの金銭のやり取りでは、スペイン語由来の数字に「pesos」を付けて金額を伝えることが日常的です。小額決済では特にこの形式が好まれます。
金額の言い方例
- 1ペソ: Piso(ピソ)※1ペソのみ単数形でpisoと言います。
- 5ペソ: Singko pesos(シンコ ペソス)
- 10ペソ: Diyes pesos(ディエス ペソス)
- 20ペソ: Bente pesos(ベンテ ペソス)
- 50ペソ: Singkwenta pesos(シンクウェンタ ペソス)
- 100ペソ: Isang daan(イサン ダアン・タガログ語)または One hundred(英語)
100ペソ以上の紙幣になると、スペイン語系(siyento)よりもタガログ語本来の「isang daan」や英語の「one hundred pesos」が広く使われるようになります。
移動や買い物で使える会話表現
ジプニーの運賃を運転手や前の席の人に手渡す際は、次のように伝えます。
「Bayad po, isa lang.(バヤッド ポ、イサ ラン / 1人分の運賃です)」
※支払う人の人数にはタガログ語の「isa(1)」を使います。
市場で値段を尋ねる際のフレーズです。
「Magkano ito?(マグカーノ イト / これはいくらですか?)」
店員の返答例:「Bente pesos lang.(ベンテ ペソス ラン / 20ペソだよ)」
旅先での支払いや価格交渉に役立つ表現は、買い物のスペイン語会話フレーズをご覧ください。
通貨や支払いにまつわる基本語彙は、お金のスペイン語単語にまとまっています。
人数・個数・回数はタガログ語を使う
金銭や時刻とは対照的に、物の個数、人間の数、行動の回数を表す場合には、タガログ語本来の数字を用いるのが厳格なルールです。これらにスペイン語の数字を使うと不自然に聞こえます。
物や人を数える具体例
- リンゴ3個: tatlong mansanas(タトロン マンサナス)
※名詞に繋ぐリンカー「-ng」が数字の後ろに付きます。 - 客2人: dalawang bisita(ダラワン ビシタ)
- 子供5人: limang bata(リマン バタ)
回数を数える具体例
「〜回」と度数を数えるときは、「beses(回・スペイン語の veces(ベセス・度、回)に由来)」または「ulit(ウリット・タガログ語)」の前にタガログ語数字を置きます。
- 1回: isang beses(イサン ベセス)
- 2回: dalawang beses(ダラワン ベセス)
- 3回: tatlong beses(タトロン ベセス)
単語「beses」自体はスペイン語由来の外来語ですが、修飾する数詞は「dos beses」ではなくタガログ語の「dalawa」を用いる点に言語混交の特徴が表れています。
tatlong beses3回
回数を表すbesesの修飾にはタガログ語本来の数字を用います。
スペイン統治の歴史と現代の英語混用
なぜフィリピンでこれほど深くスペイン語の数字が使われているのかというと、歴史的背景が直接関係しています。フィリピンは1565年から1898年までのおよそ330年間にわたり、スペイン帝国の植民地統治下にありました。
当時の行政機関、教会、商業活動、近代的な時計を用いた時間管理、通貨制度のすべてがスペイン語で運用されていたため、特に「時計の時刻」と「通貨の単位」に関する語彙がフィリピン各言語(タガログ語、セブアノ語など)に深く定着しました。
現代の日常会話における英語混用
1898年の米西戦争を経てアメリカの統治下に入ったフィリピンでは、教育言語として英語が導入されました。その結果、現代のフィリピンではタガログ語と英語が混ざった「タグリッシュ(Taglish)」が日常的に話されています。
実生活での使い分けの傾向は以下の通りです。
- 大きな数字:1,000(isang libo)以上の数値や細かい金額(例: 1,250ペソ)は、現地の人々もタガログ語やスペイン語ではなく英語で「One thousand two hundred fifty」と言うことが大半です。
- 電話番号や住所:桁数が多いため、ほぼ100%英語で数字を読み上げます。
- 日付:タガログ語で「Ika-lima ng Mayo」と言う文脈もありますが、口語では「May 5(メイ ファイブ)」と英語で表現することが一般的です。
したがって、日常会話や旅行においては、複雑な大きな数を無理にタガログ語やスペイン語で覚える必要はなく、英語をそのまま使うのが最も自然かつ実用的です。
次の疑問数字以外の言葉にも残る影響を知りたい方は、タガログ語とスペイン語の関係や語彙の違いもあわせて確認してみてください。
よくある間違いと効率的な学習手順
学習者が直面しやすい誤用と、効率的にマスターするためのポイントをまとめました。
よくある間違いのチェックリスト
- 1時を「Alas una」と言ってしまう:前述の通り、1時のみ単数の Ala una であり、複数形のsは付けません。
- 人数にスペイン語数字を使ってしまう:「2人」を「dos katao」と言うのは誤りで、正しくは「dalawang tao」です。
- 金額の1ペソに「pesos」を付けてしまう:1ペソは「isa piso」や「uno pesos」ではなく、「piso」単体で表すのが自然です。
効率よくマスターする優先順位
すべての数字を一度に覚えようとすると負担が大きくなります。まずは次の順番で学習を進めることを推奨します。
- ステップ1:タガログ語の1〜10(isa〜sampu)を覚える(個数や人数の指定に必須)。
- ステップ2:スペイン語の時刻表現(Ala una, Alas dos...)を覚える(待ち合わせやスケジュールに必須)。
- ステップ3:小額のお金の言い方(bente, singkwentaなど)を覚える(市場や乗り物で必須)。
- ステップ4:100以上の大きな数や複雑な端数は英語(one hundred, five hundredなど)で済ませる。
この手順を踏むことで、最小限の暗記量で現地の日常会話にスムーズに適応できます。
isa〜sampuを覚え個数や人数で使う
Ala unaやAlas dosなど時刻を覚える
benteなど市場や乗り物で使う金額を覚える
100以上や端数はone hundred等で済ませる
優先度の高い基本表現から順に習得し、大きな数は英語を活用します。
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理解度チェック
Q1. 個数や人数、回数を数えるときに使う数字の系統はどれ?
- タガログ語本来の数字
- スペイン語由来の数字
- 英語の数字
- どれを使っても同じ
答えを見る
正解: A. タガログ語本来の数字
物の個数、人間の数、行動の回数を表す場合は、タガログ語本来の数字を用いるのが厳格なルールです。
Q2. フィリピンで時刻の「1時」を表す正しい表現はどれ?
- Alas una
- Ala una
- Alas isa
- Ala isa
答えを見る
正解: B. Ala una
時刻はスペイン語由来の表現を使い、1時のみ単数形の「Ala una」、2時以降は「Alas」を用います。
Q3. 現代の日常会話で電話番号や大きな数を言うときの傾向は?
- タガログ語の数字を使う
- スペイン語の数字を使う
- 英語の数字が優先される
- 手話で表現する
答えを見る
正解: C. 英語の数字が優先される
100以上の大きな数、年号、電話番号、計算などは、現代の日常会話では英語が優先されます。
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よくある質問
- Q. 買い物で英語の数字を使っても通じますか?
- 完全に通じます。フィリピンでは英語が公用語のため、スーパー、コンビニ、モールはもちろん、市場や屋台でも英語の数字(Twenty pesosなど)で全く問題なく買い物ができます。
- Q. なぜ1時だけ「Alas」ではなく「Ala」なのですか?
- スペイン語で時間を表す「a la una(1時に)」という女性単数定冠詞を用いた形が語源だからです。2時以降は複数形になるため「a las dos」となり、タガログ語でもAlas dosになります。
- Q. フィリピンの人は数字をどのように数え分けていますか?
- 個数や人数はタガログ語(isa, dalawa)、時刻と少額の代金はスペイン語系(Alas tres, bente pesos)、計算・日付・電話番号・大きな金額は英語(one, two)と無意識に使い分けています。
- Q. セブ島など他の地域でもスペイン語の数字は使われますか?
- 使われます。セブアノ語(ビサヤ語)などフィリピン国内の他の主要言語でも、時刻やお会計の数字には同様にスペイン語由来の数字が広く定着しています。
2026年10月8日更新・モチタン辞典編集部