モチタン辞典 › 読みもの › 中国語 › 中国語の助詞「着(zhe)」の使い方

中国語の「著」の意味と発音・文法と「着」との違い
中国語の「著」は、台湾や香港などの繁体字圏で使われる漢字で、中国本土の簡体字「着」と同じ文字です。動詞の直後に軽声「zhe」で置くアスペクト助詞として最も頻出で、「〜している(状態の持続)」や「〜しながら(付帯状況)」を表します。
また、著作の「zhù」や着火の「zháo」など複数の発音を持つ多音字でもあります。
簡体字「着」と繁体字「著」の対応関係と基本情報
中国語を学ぶ際、学習する地域やテキストの字体によって「着」と「著」のどちらを見かけるかが異なります。中国本土で使われる簡体字では着(zhe / ㄓㄜ˙)と書きますが、台湾や香港で使われる繁体字(台湾華語)では著(zhe / ㄓㄜ˙)と書きます。
表記が異なるだけで、アスペクト助詞としての意味や文法上の機能はまったく同一です。
中国本土の簡体字体系では、「著作」「顕著」などの単語には「著」を使い、持続助詞や「着火」などの用法には「着」を使い分ける原則があります。一方で繁体字圏では、助詞も著作もすべて「著」という字に統合して表記するのが一般的です。
表は横にスクロールできます →
| 字体区分 | 表記例(助詞) | 表記例(著作) | 発音(助詞) |
|---|---|---|---|
| 簡体字(中国本土) | 门开着 | 著作 | zhe |
| 繁体字(台湾・香港) | 門開著 | 著作 | zhe / ㄓㄜ˙ |
したがって、台湾のドラマや繁体字の書籍で看著や等著と書かれていても、簡体字の看着や等着とまったく同じ意味として解釈して問題ありません。
次の疑問「着」と「著」のように字体で形が変わる漢字をまとめて知りたいときは、簡体字と繁体字の違い一覧表でよく使う文字を整理できます。
助詞「著(zhe)」の3大基本構文と使い方
アスペクト助詞としての著(zhe / ㄓㄜ˙)は、動詞の直後に置かれ、「動作の完了後に残った状態の持続」や「ある動作を伴いながら別の動作を行う状況」を示します。試験や日常会話で必ず押さえるべき構文パターンは以下の3つです。
1. 状態の持続(主語 + 動詞 + 著 + 目的語)
動作そのものではなく、その動作が行われた結果の状態がそのまま続いていることを表します。
- 門開著。(Mén kāi zhe. / ㄇㄣˊ ㄎㄞ ˙ㄓㄜ)
ドアが開いている(開いた状態が続いている)。 - 他穿著一件黑色的外套。(Tā chuān zhe yí jiàn hēisè de wàitào. / ㄊㄚ ㄔㄨㄢ ˙ㄓㄜ ㄧˊ ㄐㄧㄢˋ ㄏㄟ ㄙㄜˋ ㄉㄜ˙ ㄨㄞˋ ㄊㄠˋ)
彼は黒い上着を着ている(身につけている状態)。 - 窗戶關著。(Chuānghu guān zhe. / ㄔㄨㄤ ㄏㄨ˙ ㄍㄨㄢ ˙ㄓㄜ)
窓が閉まっている。
2. 動作の付帯状況・同時並行(V1 + 著 + V2)
2つの動詞を並べ、前方の動作(V1)をした状態のまま、後方の動作(V2)を行うことを表します。日本語の「〜しながら…する」「〜したまま…する」に相当します。動作の重点は後ろのV2にあります。
- 我們站著聊天。(Wǒmen zhàn zhe liáotiān. / ㄨㄛˇ ˙ㄇㄣ ㄓㄢˋ ˙ㄓㄜ ㄌㄧㄠˊ ㄊㄧㄢ)
私たちは立ったままおしゃべりをする。 - 請坐著等一下。(Qǐng zuò zhe děng yíxià. / ㄑㄧㄥˇ ㄗㄨㄛˋ ˙ㄓㄜ ㄉㄥˇ ㄧˊ ㄒㄧㄚˋ)
座ってお待ちください。 - 他笑著說沒關係。(Tā xiào zhe shuō méi guānxi. / ㄊㄚ ㄒㄧㄠˋ ˙ㄓㄜ ㄕㄨㄛ ㄇㄟˊ ㄍㄨㄢ ˙ㄒㄧ)
彼は笑いながら大丈夫だと言った。
3. 存在文(場所詞 + 動詞 + 著 + 人・物)
ある場所に人や物が「〜してある」「〜している」という静止状態を客観的に描写する文型です。目的語には特定の人や物(「這」「那」が付く名詞)ではなく、不特定の人や物を置く文法規則があります。
- 桌上放著一本書。(Zhuō shàng fàng zhe yì běn shū. / ㄓㄨㄛ ㄕㄤˋ ㄈㄤˋ ˙ㄓㄜ ㄧˋ ㄅㄣˇ ㄕㄨ)
机の上に本が1冊置いてある。 - 牆上掛著一張地圖。(Qiáng shàng guà zhe yì zhāng dìtú. / ㄑㄧㄤˊ ㄕㄤˋ ㄍㄨㄚˋ ˙ㄓㄜ ㄧˋ ㄓㄤ ㄉㄧˋ ㄊㄨˊ)
壁に地図が1枚掛けてある。 - 門口站著一個陌生人。(Ménkǒu zhàn zhe yí gè mòshēngrén. / ㄇㄣˊ ㄎㄡˇ ㄓㄢˋ ˙ㄓㄜ ㄧˊ ㄍㄜˋ ㄇㄛˋ ㄕㄥ ㄖㄣˊ)
入り口に見知らぬ人が1人立っている。
動作完了後の結果の状態が継続していることを表す。
V1の動作をした状態のままV2を行う(〜しながら)。
場所に人や物が〜してあるという静止状態を描写する。
動詞の直後に置かれる「著」の代表的な3構文です。
アスペクト助詞をはじめとする表現を整理したい方は、中国語の助詞一覧と使い分けをご覧ください。
「著」の否定文と疑問文の作り方・語順ルール
助詞著(zhe / ㄓㄜ˙)を用いた文を否定文や疑問文にする際には、固有の規則があります。特に否定詞の選択を誤りやすいため注意が必要です。
否定文のルール:必ず「沒(沒有)」を用いる
助詞「著」の文を否定する場合、動詞の前に沒(méi / ㄇㄟˊ)または沒有(méiyǒu / ㄇㄟˊ ㄧㄡˇ)を置きます。習慣や意志を否定する「不」は原則として使えません。
| 文型 | 中国語例文 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| 肯定文 | 門開著。 | ドアが開いている。 |
| 否定文(正) | 門沒開著。 / 門沒有開著。 | ドアは開いていない。 |
| 否定文(誤) | 門不開著。(非文) | — |
存在文の否定では、動詞の後ろの「著」を取り除くことも多く見られます。例えば桌上沒放著書(机の上に本は置かれていない)のほか、単に桌上沒放書と言うことも自然です。
疑問文のルール:反復疑問文と「嗎」疑問文
疑問文を作る場合、文末に疑問助詞の嗎(ma / ˙ㄇㄚ)を付ける形式か、文末に沒有(méiyǒu / ㄇㄟˊ ㄧㄡˇ)を置く形式が標準的です。
- 門開著嗎?(Mén kāi zhe ma? / ㄇㄣˊ ㄎㄞ ˙ㄓㄜ ˙ㄇㄚ)
ドアは開いていますか。 - 他穿著西裝沒有?(Tā chuān zhe xīzhuāng méiyǒu? / ㄊㄚ ㄔㄨㄢ ˙ㄓㄜ ㄒㄧ ㄓㄨㄤ ㄇㄟˊ ㄧㄡˇ)
彼はスーツを着ていますか。 - 牆上掛著畫沒有?(Qiáng shàng guà zhe huà méiyǒu? / ㄑㄧㄤˊ ㄕㄤˋ ㄍㄨㄚˋ ˙ㄓㄜ ㄏㄨㄚˋ ㄇㄟˊ ㄧㄡˇ)
壁に絵が掛かっていますか。
中国語の発音は、話して直してもらおう。会話アプリ「モチスピ」中国語を話して練習できる会話アプリ。話すたびに、発音・文法・自然さをその場で直してもらえます。無料で試す
「正在」と「著」の違いを具体例で徹底比較
日本語話者が最も混同しやすいのが、副詞正在(zhèngzài / ㄓㄥˋ ㄗㄞˋ)と助詞著(zhe / ㄓㄜ˙)の違いです。どちらも日本語では「〜している」と訳されることが多いですが、表している状況が根本的に異なります。
| 比較項目 | 正在 + 動詞(動作の進行) | 動詞 + 著(状態の持続) |
|---|---|---|
| 焦点 | 「いま動作を行っている最中」 | 「動作を終えた結果の状態が継続中」 |
| 服の着用 | 他正在穿衣服。(まさに服に袖を通している) | 他穿著衣服。(服をすでに身につけている) |
| ドアの開閉 | 他正在開門。(ドアノブを回して開けようとしている) | 門開著。(ドアが開いたままの状態) |
| 眼鏡 | 他正在戴眼鏡。(手で眼鏡を顔にかけている動作) | 他戴著眼鏡。(眼鏡をかけた顔の状態) |
「服を着ている」という日本語を中国語にする際、今まさに更衣室で着替えている動作中なら他正在穿衣服となり、服を着た姿で街を歩いている状態なら他穿著衣服となります。
この2つは同時に組み合わせて他正穿著一件紅色的毛衣(彼はちょうど赤いセーターを着ている)のように「状態の持続を強調」する表現として使われることもあります。

台湾華語や日常会話で頻出する「著」の慣用表現
助詞としての規則的な用法のほかに、日常会話や台湾華語のやり取りで決まり文句として使われる表現が多数あります。
- 聽著!(Tīng zhe! / ㄊㄧㄥ ˙ㄓㄜ)
「よく聞きなさい!」「いいかい、聞いてくれ」と相手の注意を強く引く表現です。 - 慢著!(Màn zhe! / ㄇㄢˋ ˙ㄓㄜ)
「待った!」「ちょっと待ちなさい」と相手の行動を制止する際に使われます。台湾華語の会話やドラマでよく登場します。 - 走著瞧!(Zǒu zhe qiáo! / ㄗㄡˇ ˙ㄓㄜ ㄑㄧㄠˊ)
「今に見ていろ」「どうなるか見てみようじゃないか」という捨て台詞や忠告の慣用句です。 - 忙著〜(máng zhe / ㄇㄤˊ ˙ㄓㄜ)
「〜で忙しい」「〜に追われている」。例:他忙著準備考試。(彼は試験の準備に追われている。) - 急著〜(jí zhe / ㄐㄧˊ ˙ㄓㄜ)
「焦って〜する」「急いで〜しようとする」。例:你別急著走。(そんなに急いで帰ろうとしないで。)
「よく聞きなさい!」と相手の注意を強く引く表現。
「待った!」「ちょっと待ちなさい」と行動を制止する。
「今に見ていろ」という捨て台詞や忠告の慣用句。
「〜で忙しい」「焦って〜する」と状況や心理を表す。
日常会話やドラマで頻出する決まり文句のまとめです。
実践的なやり取りを幅広く学びたいときは、中国語会話の総合ガイドを参考にしてください。
次の疑問台湾での自然な言い回しや大陸との構文の違いをもっと深く学びたいときは、台湾華語の文法と普通話の違いを確認してみてください。
多音字「著」の4つの発音と意味の使い分け一覧
漢字の「著」は、文脈や意味によってピンインが4通りに変化する代表的な多音字です。台湾華語や繁体字テキストを読む際には、以下の4つの発音を明確に区別して覚える必要があります。
表は横にスクロールできます →
| ピンイン・注音 | 意味のカテゴリー | 代表的な単語・用例 | 日本語訳 |
|---|---|---|---|
| zhe(ㄓㄜ˙) | アスペクト助詞 | 看著、坐著、拿著 | 見ている、座っている、持っている |
| zhù(ㄓㄨˋ) | 著述・書物・顕著 | 著作、名著、顯著 | 著作、名著、顕著(著しい) |
| zháo(ㄓㄠˊ) | 結果補語(到達・目的達成)・点火 | 睡著了、找著了、著火 | 眠りについた、見つかった、火がつく |
| zhuó(ㄓㄨㄛˊ) | 着手・定着・衣服をつける | 著手、著急(台湾華語)、著重 | 着手する、焦る、重点を置く |
簡体字圏では、zhù以外の発音(zhe, zháo, zhuó)は原則として「着」の字体で書かれます。繁体字圏ではすべて「著」と書かれるため、前後の文脈から品詞を見極めて正しく発音し分ける力が求められます。
声調や音の出し方を基礎から整えたい場合は、中国語の発音のコツも役立ちます。
日本人がやりがちなNG誤用例と理解度チェック問題
日本語の感覚のまま「著」を使うと、不自然な文を作ってしまうことがあります。典型的な間違いパターンを確認しましょう。
よくあるNG誤用パターン
- NG例1(瞬間動詞に付けてしまう):
✕ 我買著票。
◯ 我買了票。(私はチケットを買った。)
解説:「買う(買)」「死ぬ(死)」「行く(去)」のような瞬間的な動作・移動動詞には「状態の持続」を表す助詞「著」を単独で接続できません。動作の完了には了(le)を用います。 - NG例2(付帯状況の語順の逆転):
✕ 我們聊天著站。
◯ 我們站著聊天。(私たちは立ったままおしゃべりをする。)
解説:「V1+著+V2」の構文では、主要な目的となる動作(おしゃべり)がV2に来ます。手段・様態(立った姿勢)がV1となります。
理解度チェック問題
空欄に入る最も適切な語を( )から選んでみてください。
- 這張照片(正在 / 掛著)牆上。
正解:掛著(壁に写真が掛かっているという存在・状態を表すため) - 他在房間裡(正在 / 著)看書。
正解:正在(本を読んでいる動作の進行中を表すため) - 孩子們(跑著 / 跑步著)去學校。
正解:跑著(離合詞「跑步」の全体ではなく、単音節動詞「跑」の直後に著を置くため)
瞬間動詞への接続
- ✕ 我買著票(瞬間動詞に単独接続不可)
- ◯ 我買了票(動作完了には「了」を使う)
- 「買う」「死ぬ」「行く」などは不可
付帯状況の語順
- ✕ 我們聊天著站(語順の逆転)
- ◯ 我們站著聊天(V1+著+V2)
- 手段・姿勢がV1、主要動作がV2に来る
日本語の感覚で間違えやすい瞬間動詞と語順の注意点です。
続けて読む
理解度チェック
Q1. 助詞「著」を用いた文を否定形にする際の正しいルールは?
- 動詞の前に「不」を置く
- 動詞の前に「沒(沒有)」を置く
- 文末に「不」を付ける
- 「著」を「非」に変える
答えを見る
正解: B. 動詞の前に「沒(沒有)」を置く
助詞「著」の文を否定する場合、動詞の前に「沒」または「沒有」を置きます。「不」は原則として使えません。
Q2. 「動作の付帯状況(V1+著+V2)」の正しい語順はどれ?
- 我們聊天著站。
- 我們聊天站著。
- 我們著站聊天。
- 我們站著聊天。
答えを見る
正解: D. 我們站著聊天。
様態となる動作(V1)の直後に「著」を置き、主要な動作(V2)を後ろに続けます。「立ったまま話す」は「站著聊天」です。
Q3. 「副詞『正在』」と「助詞『著』」の焦点の違いはどれ?
- 正在は動作の完了、著は過去を表す
- 正在は未来の予定、著は願望を表す
- 正在は動作の進行、著は状態の持続を表す
- 正在は禁止を表し、著は動作の進行を表す
答えを見る
正解: C. 正在は動作の進行、著は状態の持続を表す
「正在」はいま動作を行っている最中(動作の進行)に、「著」は動作を終えた結果の状態が継続していることに焦点を当てます。
よくある質問
- Q. 中国語の「著」と「着」はどちらを覚えるべき?
- 学ぶ地域や目的によります。中国本土の標準語(普通話・HSK)を目指すなら簡体字の「着」、台湾華語(TOCFL)や香港の繁体字を学ぶなら「著」を基本として覚えます。文法ルールは同一です。
- Q. 助詞の「著」はなぜ軽声で発音するのですか?
- アスペクト助詞(了・著・過)は実質的な名詞・動詞の意味を持たない文法的な付属語であるため、前の動詞に添えて軽く短く発音する「軽声(zhe)」に弱化します。
- Q. 「著」の前に「在」を同時に使ってもよいですか?
- 「他在穿著大衣」のように、状態の持続をいっそう強調する構文としてネイティブスピーカーが会話で重ねて用いることは可能です。ただし動作そのものを指す場合は「他在穿大衣」を用います。
- Q. 「睡著了」の「著」はなぜ「zhe」と読まないの?
- 「睡著(shuìzháo)」の「著」は助詞ではなく結果補語で、「眠りに入るという目的が達成された」ことを表すため第2声の「zháo」と発音します。簡体字では「睡着了」と書きます。
2026年9月25日更新・モチタン辞典編集部