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関係代名詞の省略ルールと見抜き方
英語の関係代名詞は、目的格(whom, which, that)であれば基本的にいつでも省略できます。一方、主格の関係代名詞は原則として省略できません。
文中で関係代名詞が省略されると「名詞+主語+動詞」という独特の並びが現れます。この基本パターンさえ把握しておけば、長文読解でもリスニングでも迷わず構造を捉えられます。
- 目的格の関係代名詞は基本的にいつでも省略でき、「名詞+主語+動詞」の語順になります。
- 節の主語となる主格の関係代名詞は、文の構造が崩れるため原則として省略できません。
- 前置詞が直前にある場合は省略できませんが、前置詞を節の末尾に残せば省略可能です。
先に読むと分かりやすい: 関係代名詞(who・which・that)の使い方
関係代名詞の省略ルールとは(結論)
関係代名詞の省略に関する基本規則は単純です。関係代名詞節の中で目的語の働きをしている「目的格」は省略できます。一方、節の中で主語の働きをしている「主格」は原則として省略できません。
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| 格 | 関係代名詞節内の役割 | 省略の可否 | 例文 |
|---|---|---|---|
| 目的格 | 動詞や前置詞の目的語 | 省略できる | the phone you bought(あなたが買った携帯) |
| 主格 | 節内の主語 | 原則不可 | the phone that broke(壊れた携帯) |
| 所有格 | 名詞の修飾(whose) | 省略不可 | a boy whose dog died(犬を亡くした少年) |
日常会話や現代英語の文章では、目的格の関係代名詞(whom, which, that)は省略されるのが一般的です。例えば How's the phone you bought?(買った携帯はどう?)のように、関係代名詞を置かない形のほうが自然に響きます。
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省略の見抜き方と「接触節」の仕組み
関係代名詞が省略された文を見抜く最大の目印は、「名詞 + 主語 + 動詞」という語順の衝突です。英語では、名詞の直後に接続詞なしで別の名詞や代名詞が続くことは基本的にありません。名詞の直後に唐突に別の主語と動詞が現れたら、そこに目的格の関係代名詞が隠れていると判断できます。
英文法では、関係代名詞を使わずに名詞の直後へ節を直接つなげるこの構造を「接触節(contact clause)」と呼びます。関係代名詞という接着剤を用いず、名詞と節が直接接触しているように見えるためです。
- I found a jacket I like.(気に入ったジャケットが見つかりました)
- This candidate is the best we have.(この候補者は現時点での選択肢の中では最良です)
- I'll prepare the data they need.(彼らに必要なデータを用意します)
上記の文では、jacket や best、data という名詞の直後に I や we、they といった主語が続いています。この切れ目を瞬時に見抜くことが、読解スピードを高める鍵となります。
I found a jacket I like.気に入ったジャケットが見つかりました
名詞の直後に主語と動詞が直接続く構造を見抜きます。
主格関係代名詞は省略できる?2つの例外
主格の関係代名詞(who, which, that)は、原則として省略できません。主格を省略すると、文全体の動詞と関係代名詞節の動詞が区別できなくなり、文構造が崩れてしまうためです。ただし、口語表現を中心に以下の2つの明確な例外が存在します。
1. there is / there are に続く主格の省略
There is 構文で導入された名詞を修飾する場合、日常会話では主格の who や that が省略されることがよくあります。
There's a man wants to see you.(あなたに会いたがっている男性がいます)
正統な文法体系では There's a man who wants to see you. ですが、くだけた会話では主格が省かれます。
2. 主格補語として機能する場合
関係代名詞が節内で「be動詞の補語(C)」になっている場合も省略が起こり得ます。
He is not the man he was.(彼は以前の彼ではない)
この文では the man (that) he was の that が省略されています。主語ではなく補語を表すため、省略しても文構造の混乱が起きにくいため許容されます。
会話で名詞を修飾するwhoやthatが省かれる
節内で主格補語として機能する場合に省略される
原則省略できない主格も、特定の構文や補語では例外的に省かれます。
前置詞+関係代名詞は省略できるか
関係代名詞が前置詞の目的語になっている場合、前置詞の位置によって省略の可否が決まります。結論として、前置詞が関係代名詞の前にある場合は省略できません。一方、前置詞を節の末尾に残す場合は省略が可能です。
| 構造 | 省略 | 文の例 |
|---|---|---|
| 前置詞 + 関係代名詞 | 不可 | This is the house in which I lived. |
| 関係代名詞 … 前置詞 | 可能 | This is the house I lived in. |
in which や to whom のように「前置詞+関係代名詞」がセットで前に出ている形は極めてフォーマルな語順です。この形から関係代名詞だけを抜き取って This is the house in I lived. とすることは文法上できません。
日常会話では、前置詞を後ろに残したまま関係代名詞を省略する This is the house I lived in.(ここが私の住んでいた家です)という表現が圧倒的に多く使われます。
リスニングで省略を聞き取る2つのコツ
リスニングにおいて関係代名詞の省略を聞き取るには、日本語の語順に訳し戻さず、英語の語順通りに意味を肉付けしていく意識が不可欠です。聞き取りのポイントは次の2点です。
1. 名詞の直後の「主格代名詞」の音変化を捉える
関係代名詞が省かれた接触節では、名詞の直後に I, you, he, they などの代名詞が続きます。代名詞は弱く発音されるため、直前の名詞の語尾とつながる(リエゾンする)傾向があります。
例えば the cake I made は /ðə keɪk aɪ meɪd/ と発音され、cake の /k/ と I の /aɪ/ が結びついて「ケイカイ」のように聞こえます。名詞の後ろに母音から始まる代名詞が滑り込んでくる音のリズムに耳を慣らしましょう。
2. 「名詞に説明を足す」リズムに慣れる
From the moment I met you, I knew.(会った瞬間からそう思っていた)という文では、the moment(その瞬間)と言い切った直後に I met you(私があなたに会った)という具体的な説明が切れ目なく乗っかります。
名詞を聞いた瞬間に「どんな?」と受けて後続節を待ち構える姿勢がリスニングを容易にします。
直前の名詞の語尾と代名詞がつながる音を捉える
名詞を聞いた直後に「どんな?」と後続節を待つ
音のつながりと、名詞に説明を足す語順の意識がポイントです。
実践:関係代名詞の省略を使った英作文トレーニング
関係代名詞の省略を自由に使えるようになるには、会話で頻出する「名詞+主語+動詞」の組み合わせを丸ごと口に馴染ませるのが効果的です。特に日常会話では関係代名詞をわざわざ発音しないほうが流暢に聞こえます。
まずは以下の3つの典型パターンで反復練習を行ってください。
- 全量・最上級の名詞+接触節
This is all the money I have.(これしか持っていません)
all や最上級(the best など)の直後は関係代名詞 that を省略するのが極めて自然です。 - 依頼・疑問文での接触節
Can you point out the clauses you want revised?(どの条項を直してほしいか指摘していただけますか?)
ビジネスでも the clauses (that) you want revised のように軽快に省略されます。 - 日常動作の目的語+接触節
Do you want to see the cake I made?(私が作ったケーキ、見たい?)
「修飾する語」の後ろに余計な接続語を挟まず、そのまま「誰が・どうした」を続ける感覚を身につけてください。
全量・最上級の名詞
- all the money I have
- the best we have
依頼・疑問文
- clauses you want revised
日常動作の目的語
- the cake I made
英作文で口に馴染ませたい関係代名詞の省略パターンです。
辞典の例文で見る関係代名詞の省略ルール
| 英文 | 和訳 | ポイント |
|---|---|---|
| This is all the money I have. ▶ | これしか持ってないよ。 | all the money に I have が直接続く典型的な目的格の省略。 |
| Yes, thanks. I found a jacket I like. ▶ | はい、ありがとうございます。気に入ったジャケットが見つかりました。 | 名詞 jacket の直後に S+V(I like)が続く接触節の形。 |
| From the moment I met you, I knew. ▶ | 会った瞬間からそう思っていた。 | the moment に I met you が続く時を表す関係詞節の省略。 |
| How's the phone you bought? ▶ | 買った携帯はどう? | the phone に you bought が続く会話で最も多用される省略表現。 |
| Do you want to see the cake I made? ▶ | 私の作ったケーキ、見たい? | cake I made のように名詞と主格代名詞が連続して発音される例。 |
| This candidate is the best we have. ▶ | この候補者は現時点での選択肢の中では最良です。 | 最上級 the best の後に we have が直接続くビジネス頻出表現。 |
| Can you point out the clauses you want revised? ▶ | どの条項を改めてほしいか指摘してもらえますか? | clauses に you want が続くビジネス文書での省略例。 |
| I'll prepare the data they need. ▶ | 彼らに必要なデータを用意します。 | data they need の並びで代名詞 they が直結する見抜きやすい例。 |
「関係代名詞+be動詞」の省略ルールと受動態・分詞の後置修飾
主格の関係代名詞(who / which / that)は原則として単独での省略ができません。しかし、直後に be動詞 が続く場合は、「関係代名詞 + be動詞」を2語セットで同時に省略することができます。
この省略が起きると、名詞の後ろに受動態の「過去分詞」や進行形の「現在分詞」が直接残ります。これは中学校で学習する「分詞の後置修飾」と文法的にまったく同じ構造です。
| 構文パターン | 元の英文(関係代名詞あり) | 省略後の英文(分詞の後置修飾) |
|---|---|---|
| 受動態(過去分詞) | The book which was written in English is useful. | The book written in English is useful.(英語で書かれたその本は役に立ちます) |
| 進行形(現在分詞) | The boy who is playing soccer is my brother. | The boy playing soccer is my brother.(サッカーをしている少年は私の弟です) |
| 前置詞句・形容詞句 | The pictures which are on the desk are mine. | The pictures on the desk are mine.(机の上にある写真は私のものです) |
受動態の文で which is や which was を省いても意味が崩れないのは、残された過去分詞そのものが「〜された」という受動の意味を名詞に補えるためです。英文読解で「名詞 + 過去分詞/現在分詞」を見かけたら、間に 「関係代名詞 + be動詞」 が隠れていると捉えましょう。
目的格でも省略できない2つの例外(カンマ・前置詞)
目的格の関係代名詞は基本的に自由に省略できますが、文法上絶対に省略が認められない例外が2つ存在します。試験や英文作成で減点されやすい重要ポイントです。
1. カンマを伴う非制限用法(継続用法)
先行詞の後ろにカンマを置き、補足説明を加える「非制限用法(継続用法)」では、たとえ目的格であっても whom や which を省略できません。
He lent me his car, which I returned yesterday.
(彼は私に車を貸してくれましたが、その車は昨日返却しました)
この文の which を取り除いて He lent me his car, I returned yesterday. とすることはできません。カンマで一旦文が区切られるため、関係代名詞を省くと接続関係が失われてしまうからです。
2. 前置詞が直前に置かれている場合
関係代名詞が前置詞の目的語になっているとき、「前置詞 + 関係代名詞」 の順序になっている場合は省略できません。
| 前置詞の位置 | 省略の可否 | 例文 |
|---|---|---|
| 関係代名詞の直前 | 省略不可 | This is the town in which I was born.(ここが私の生まれた町です) |
| 節の文末 | 省略可能 | This is the town I was born in.(ここが私の生まれた町です) |
in which から which だけを取り除いて This is the town in I was born. とすることはできないため、省略したいときは前置詞を文末へ移動させる必要があります。
長文読解で省略を見抜く手順と接続詞thatとの見分け方
英文を前からスムーズに読むには、「名詞 + S + V」の並びを見た瞬間に正しく構造を把握する手順が役立ちます。次の3ステップで判別しましょう。
- 名詞の直後に主語・動詞が続いているか確認する:名詞の直後に別の名詞や代名詞が現れたら、修飾の切れ目と判断します。
- 節内の動詞または前置詞の「目的語(O)」が欠落しているか探す:他動詞の後ろや前置詞の後ろにあるはずの名詞が抜けていれば、目的格の省略が確定します。
- 欠落した位置に直前の名詞を補って意味を確かめる:抜けている箇所に先行詞を当てはめ、自然な文意が成立するか検証します。
ここで初心者がつまずきやすいのが、接続詞 that の省略との混同です。どちらも「S + V」が後ろに続きますが、節の完全性で見分けられます。
| 項目 | 関係代名詞 that の省略 | 接続詞 that の省略 |
|---|---|---|
| 直前の単語 | 名詞(先行詞) | 動詞(know, think など) |
| 後ろに続く節 | 不完全な文(目的語などが欠落) | 完全な文(必要な要素が揃っている) |
| 例文 | The report you wrote is great.(あなたが書いた報告書は素晴らしい) | I know you wrote the report.(あなたがその報告書を書いたことを知っています) |
you wrote の後ろに目的語がなければ関係代名詞の省略、the report まで揃っていれば接続詞の省略です。
日常会話とフォーマル英語での省略の使い分け基準
目的格の関係代名詞は「常に省略しなければならない」わけではありません。文脈や媒体に応じて省略の頻度が明確に異なります。
日常会話やカジュアルな電子メールでは、テンポよく情報を伝えるために省略するのが最も自然です。あえて that や which を残すと、やや堅苦しく大げさな響きを与えることがあります。
一方、学術論文、公的文書、ビジネス契約書などでは、あえて関係代名詞(特に that や which)を残す傾向があります。関係代名詞を明示することで文の主語・動詞の境目がはっきりし、誤読や解釈の食い違いを防げるためです。特に先行詞と修飾節が長い場合は、関係代名詞を明記したほうが構造を正確に伝えられます。
このテーマのよくある疑問
確認問題(5問)
関係代名詞の省略について、本文の記述と一致するものはどれですか。
答えと解説
正解: 節内で目的語の働きをする目的格の関係代名詞は省略できる
目的格の関係代名詞は基本的にいつでも省略できます。所有格は不可、主格には例外があり、前置詞が前にある形での省略はできません。空所に何も語を入れずにそのまま文をつなぐ(関係代名詞を省略する)ことができる英文はどれですか。
答えと解説
正解: I found a jacket [ ] I like.
a jacket I like は目的格の関係代名詞が省略された接触節です。前置詞の直後や主格、所有格は省略できません。関係代名詞が省略された「接触節」に関する説明として最も適切なものはどれですか。
答えと解説
正解: 関係代名詞を使わずに名詞の直後へ直接節をつなげる構造のこと
接触節は、関係代名詞を使わずに「名詞+主語+動詞」のように名詞の直後へ節を直接つなげる構造を指します。次の文のうち、文法的に誤っているものはどれですか。
答えと解説
正解: This is the house in I lived.
前置詞+関係代名詞の形から関係代名詞だけを抜き取って This is the house in I lived. とすることはできません。原則として省略できない主格の関係代名詞が、例外的に省略されるケースとして本文で挙げられているものはどれですか。
答えと解説
正解: 節内で be 動詞の補語(C)として機能する場合
主格が省略できる例外として「There is / There are 構文の後」と「節内で be 動詞の補語として機能する場合」の2つが挙げられています。
よくある質問
- Q. 主格の関係代名詞はなぜ省略できないのですか?
- 主格の関係代名詞を省略すると、関係節の動詞が文全体の動詞と混同され、誰が何をしたのか文構造の識別が極めて難しくなるためです。
- Q. 関係代名詞 that はどんなときでも省略できますか?
- 目的格として使われている that は自由に省略できます。ただし、主格の that や、直前にカンマがある非制限用法の that は省略できません(そもそも that は非制限用法では使えません)。
- Q. 前置詞が文末にあれば、関係代名詞は必ず省略できますか?
- はい。前置詞の目的語となる関係代名詞(whom, which, that)は、前置詞を節の末尾に置く形であれば常に省略可能です。会話ではむしろ省略する形が一般的です。
- Q. 関係代名詞が省略されている文と、接続詞 that が省略されている文はどうやって見分けますか?
- 直前の単語と、後ろに続く節が完全かどうかで判定します。直前が名詞で、後ろの節から目的語が抜けている(不完全な文)場合は関係代名詞の省略です。一方、直前が動詞(think, believe など)で、後ろに必要な要素がすべて揃っている(完全な文)場合は接続詞 that の省略です。
- Q. 「関係代名詞+be動詞」の省略と中学で習う「分詞の後置修飾」は別のものですか?
- 文法的にはまったく同じ現象です。例えば The letter written in English(英語で書かれた手紙)は、過去分詞 written による後置修飾と説明されることもあれば、The letter which was written in English から which was がセットで省略された形と説明されることもあります。
2026年9月24日更新・モチタン辞典編集部
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