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知覚動詞の使い方|see・hear・feelと原形・ingの違い
知覚動詞とは、目で見る・耳で聞く・肌で感じるなどの感覚を表す動詞です。「知覚動詞+目的語+原形不定詞 / -ing / 過去分詞」の形で、「誰かが〜する・されているのを五感で捉える」状況を表現します。
原形は「動作の一部始終」、-ingは「動作の進行中の一瞬」、過去分詞は「〜される受動」を表すのが鉄則です。本記事でその見分け方と文法規則をマスターしましょう。
- 「知覚動詞+目的語+補語」で五感で捉えた状況を表す構文です
- 補語は、原形(一部始終)、-ing(進行中)、過去分詞(受動)を使い分けます
- 能動態ではtoを付けませんが、受動態にすると原形不定詞の前にtoが復活します
先に読むと分かりやすい: 受動態の作り方と使い方使役動詞(make・have・let・get)の使い方
知覚動詞(see・hear・feel)の使い方とは(結論)
知覚動詞構文は、文型でいう第5文型(S+V+O+C)を作ります。「主語(S)は、目的語(O)が補語(C)するのを、感覚(V)で捉えた」という意味を表します。
補語(C)の位置には、動詞の原形(原形不定詞)、現在分詞(-ing)、過去分詞(-edなど)の3パターンが入り、動作の捉え方によって使い分けます。
| 補語(C)の形 | 意味・ニュアンス | 例文 |
|---|---|---|
| 原形不定詞(do) | 動作の一部始終(最初から最後まで) | I saw him run across the street.(彼が通りを走って渡りきるのを見た) |
| 現在分詞(doing) | 動作の途中・進行中の瞬間 | I saw him running across the street.(彼が通りを走っている最中を見かけた) |
| 過去分詞(done) | 受動(〜されるのを感覚で捉える) | I heard my name called in the crowd.(人混みで自分の名前が呼ばれるのが聞こえた) |
知覚動詞の最大の特徴は、一般的な動詞のように to 不定詞を使わず、補語に「原形不定詞」をそのまま置く点です。知覚した瞬間にその動作が直接五感に飛び込んでくるため、未来や分離のニュアンスを持つ to を挟まないと理解すると納得しやすいです。
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原形と現在分詞の違い:一部始終か進行中か
補語(C)に「原形」を取るか「現在分詞(-ing)」を取るかの違いは、動作を「完了したひとまとまりの事実」として捉えているか、「その最中の一場面」として捉えているかです。
原形を使うと、動作の始まりから終わりまでを見届けたニュアンスになります。例えば Did you see him run like the wind?(彼がものすごい速さで走るのを見た?)では、走るという一連の行為全体を捉えています。
また I saw her fall down the stairs.(彼女が階段から落ちるのを見たよ)のように、一瞬で終わる完了動作も原形不定詞で表すのが自然です。
一方、現在分詞を使うと「その動作の途中のスナップショット」を切り取った描写になります。Did you see them arguing?(彼らが言い争っているのを見た?)では、言い争いの一部始終ではなく、まさに口論している最中を目撃したことを示します。
また I hear the bus coming.(バスが来るのが聞こえる)も、バスが接近している最中の音を捉えています。
原形不定詞(do)
- 動作の始まりから終わりまでの一部始終
- 完了したひとまとまりの事実として捉える
- 一瞬で終わる完了動作にも自然に使える
現在分詞(-ing)
- その動作の途中のスナップショット
- まさに口論している最中などの瞬間を目撃
- バスが接近している最中など進行中の音
動作全体を見届けたか、途中の瞬間を切り取ったかで使い分けます。
過去分詞を使う構文:Oが〜されるのを知覚する
目的語(O)と補語(C)の関係が受動(「Oが〜される」)になる場合は、補語に過去分詞を用います。「知覚動詞 + 目的語(O) + 過去分詞」で、「Oが〜されるのを見る・聞く・感じる」という意味になります。
例えば I heard the song sung in French.(その歌がフランス語で歌われるのを聞いた)では、「歌(O)」が「歌われる(過去分詞)」という受動関係が成り立っています。
日常会話でよく使われる定型表現に make oneself heard(自分の声を届かせる)や hear one's name called(名前を呼ばれるのを聞く)があります。
自分が五感で捉えた対象(O)自身が能動的に動作を行っているなら原形や -ing、対象が他から動作を受けているなら過去分詞を選ぶと正しく判断できます。
I heard the song sung in French.その歌がフランス語で歌われるのを聞いた
目的語と補語の間に受動関係がある場合、補語に過去分詞を用います。
主な知覚動詞一覧とニュアンスの使い分け
知覚動詞には視覚・聴覚・触覚などを表す動詞が含まれます。それぞれの動詞が持つ基本的な性格を整理しておきましょう。
表は横にスクロールできます →
| 分類 | 動詞(発音) | ニュアンス | 例文 |
|---|---|---|---|
| 視覚(自然に入る) | see /siː/ | 自然と目に入る | I saw him run a red light.(彼が赤信号を無視して進むのを見た) |
| 視覚(意識して追う) | watch /wɑːtʃ/ | 動くものをじっと注視する | It's interesting to watch the kids play soccer.(子どもたちがサッカーをするのを見るのは面白い) |
| 視覚・認識 | notice /ˈnoʊ.t̬ɪs/ | 変化や存在に気づく | Have you noticed a lot of people using that new app lately?(最近あの新しいアプリを使っている人が多いのに気づいた?) |
| 聴覚(自然に入る) | hear /hɪr/ | 自然と耳に入ってくる | I heard him use it on a podcast last week.(先週ポッドキャストで彼がそれを使っているのを聞いた) |
| 聴覚(意識して聴く) | listen to /ˈlɪs.ən tuː/ | 耳を傾けて熱心に聴く | I listened to the birds sing in the morning.(朝、鳥たちがさえずるのに耳を傾けた) |
| 触覚・体感 | feel /fiːl/ | 肌や体で直接感じる | Did you feel the floor move?(床が動いたのを感じましたか?) |
look at も知覚動詞として後ろに原形や -ing を取ることができます(例:Look at the cat play with the ball.)。
使役動詞(make・have・let)との共通点と違い
知覚動詞は、使役動詞(make /meɪk/、have /hæv/、let /let/)と文法構造上の強い共通点を持っています。どちらも第5文型(SVOC)を取り、補語に to のない「原形不定詞」を従える構文です。
文法上の構造は同じですが、意味の成り立ちが大きく異なります。使役動詞が「主語が目的語に働きかけて動作をさせる」という因果関係・強制力を表すのに対し、知覚動詞は「主語が外の世界の出来事を五感で受け取る」という受容・観察のプロセスを表します。
また、使役動詞では補語に -ing(現在分詞)を置くことは基本的にありません(have の一部例外を除く)。それに対して知覚動詞は、「原形(一部始終)」と「-ing(進行中)」を自由に使い分けて描写のピントを調整できる点が大きな相違点です。
知覚動詞
- 出来事を五感で受け取る(受容・観察)
- 補語に「原形」と「-ing」の両方を使える
- ピントの調整(一部始終か進行中か)が可能
使役動詞
- 主語がOに働きかけて〜させる(因果・強制)
- 補語に「-ing」を置くことは基本的にない
- make / have / let などの動詞
第5文型で原形をとる共通点に対し、意味の流れと分詞の可否が異なります。
受動態にするとtoが復活する文法規則
知覚動詞の構文を受動態に書き換える際、高校英文法やTOEICで頻出の重要規則があります。能動態では不要だった to が、受動態では「to 不定詞」として必ず復活します。
能動態:They saw him enter the building.
受動態:He was seen to enter the building.(彼は建物に入るのを目撃された)
なぜ to が復活するのでしょうか。能動態では「動詞+目的語+原形」のリズムで境界が明瞭ですが、受動態になると was seen と enter という2つの動詞要素が直結してしまいます。
英語では述語動詞の直後に別の原形動詞が並ぶのを避けるため、つなぎ役として to を補う言語的なメカニズムが働くためです。
ただし、能動態で現在分詞(-ing)や過去分詞を使っていた場合は、受動態にしても to は現れません。そのまま He was seen running away.(彼が逃走しているところが目撃された)の形を維持します。to が復活するのは「原形不定詞」の場合のみである点に注意してください。
能動態(toなし)
- They saw him enter the building.
- 動詞+目的語+原形のリズムで境界が明瞭
- -ingや過去分詞もそのまま置く
受動態(toが復活)
- He was seen to enter the building.
- 動詞要素が直結するのを避けるためtoを補う
- ※-ingや過去分詞の場合はto不要でそのまま
受動態では動詞の連続を避けるため、原形不定詞の前にtoが復活します。
辞典の例文で見る知覚動詞(see・hear・feel)の使い方
| 英文 | 和訳 | ポイント |
|---|---|---|
| It's interesting to watch the kids play soccer. ▶ | 子どもたちがサッカーをするのを見るのは面白い。 | watch O 原形:子どもたちがサッカーをする一部始終を見る |
| Did you see them arguing? ▶ | 彼らが言い争っているのを見た? | see O -ing:彼らが口論している最中を目撃する |
| Did you see him run like the wind? ▶ | 彼がものすごい速さで走るのを見た? | see O 原形:彼がものすごい速さで走る全動作を見る |
| Have you noticed a lot of people using that new app lately? ▶ | 最近あの新しいアプリを使っている人が多いのに気づいた? | notice O -ing:多くの人がアプリを使っている状況に気づく |
| Did you feel the floor move? ▶ | 床が動いたのを感じましたか? | feel O 原形:床が動いたという現象を直接体感する |
| I hear the bus coming. ▶ | バスが来るのが聞こえる。 | hear O -ing:バスがこちらへ近づいてくる進行音を聞く |
| I saw him run a red light. ▶ | 彼が赤信号を無視して進むのを見たよ。 | see O 原形:彼が赤信号を無視して走り抜けるのを見る |
| I heard him use it on a podcast last week. ▶ | 先週ポッドキャストで彼がそれを使っているのを聞いたよ。 | hear O 原形:彼がポッドキャストでそれを使ったのを聞く |
| I saw her fall down the stairs. ▶ | 彼女が階段から落ちるのを見たよ。 | see O 原形:階段から落ちる一連の瞬間的動作を見る |
知覚動詞の後ろに置ける形の一覧表(動詞別の補語パターン)
知覚動詞はどれも同じように原形・現在分詞・過去分詞を取れるわけではありません。動詞の意味や性質によって、後ろに置ける補語(C)の形には制限があります。
主要な知覚動詞がどの形を補語に取れるのかを整理しました。特に smell のように現在分詞しか取らない動詞は、文法問題でも狙われやすい重要ポイントです。
| 知覚動詞 | 原形不定詞 | 現在分詞(-ing) | 過去分詞 | 補語の組み合わせ |
|---|---|---|---|---|
| see(見える) | ○ | ○ | ○ | 全パターン可能 |
| hear(聞こえる) | ○ | ○ | ○ | 全パターン可能 |
| feel(感じる) | ○ | ○ | ○ | 全パターン可能 |
| watch(注視する) | ○ | ○ | × | 能動動作(原形・-ing)のみ |
| listen to(傾聴する) | ○ | ○ | × | 能動動作(原形・-ing)のみ |
| notice(気づく) | ○ | ○ | × | 能動動作(原形・-ing)のみ |
| observe(観察する) | ○ | ○ | × | 能動動作(原形・-ing)のみ |
| smell(においがする) | × | ○ | × | 現在分詞(-ing)のみ |
smell は「においが立ち上っている最中」を感知するため、原形不定詞を取らずに現在分詞を用います。例えば I smell something burning.(何かが焦げているにおいがする)のように表現します。
知覚構文の4択問題を見分ける解法フローチャート
定期テストやTOEICなどの空所補充問題で、知覚動詞の後ろに入る形(原形・to不定詞・現在分詞・過去分詞)を見分けるには、次の2ステップで判定します。
- ステップ1:目的語(O)と補語(C)の意味関係を確認する
目的語が「自ら動作を行う(能動)」ならステップ2へ進みます。目的語が「他から動作を受ける(受動)」関係であれば、迷わず「過去分詞」を選びます。
例文:I heard my name called.(名前が呼ばれるのを聞いた) - ステップ2:能動の場合、動作の捉え方を確認する
能動関係の場合、文脈が「最初から最後までの完了した動作」であれば「原形不定詞」を選びます。「まさにその動作の途中・進行中」であれば「現在分詞(-ing)」を選びます。
例文(一部始終):We watched the sun set.(私たちは日が沈むのを見届けた)
例文(進行中):We watched the sun setting.(私たちは日が沈みかけているところを眺めた)
最も多い失点パターンは、能動態の知覚構文で to 不定詞 を選んでしまうミスです。知覚動詞の能動態では、補語の位置に to 不定詞 を置くことは文法上絶対にありません。
日常会話でそのまま使える知覚動詞の慣用フレーズ
知覚動詞の構文は、資格試験だけでなく日常会話の決まり文句としても頻繁に登場します。ネイティブがよく口にする代表的な慣用表現を押さえておくと、リスニングやスピーキングの幅が広がります。
- I saw it coming.
(こうなることは分かっていたよ / 予測できていたよ)
直訳は「それが近づいてくるのを見た」で、トラブルや悪い結果が事前に予想できた場面で定番の相槌として使われます。 - You could hear a pin drop.
(物音ひとつしないほど静まり返っていた)
「ピンが床に落ちる音すら聞こえるほど静かだった」という比喩で、静寂や張り詰めた緊張感を生き生きと描写するフレーズです。 - I've never seen anyone work so hard.
(あんなに熱心に働く人は見たことがない)
see + 目的語 + 原形不定詞を用いた強い賞賛表現です。 - I felt my heart sink.
(心臓が縮み上がる思いがした / ガッカリして胸がふさがれた)
突然のショックや落胆を身体感覚として表現する慣用句です。
このテーマのよくある疑問
確認問題(5問)
次の空欄に入る最も適切なものはどれですか。「I saw him ( ) across the street.(彼が通りを走って渡りきるのを見た)」
答えと解説
正解: run
知覚動詞構文で「動作の一部始終」を表す場合、補語にはtoを挟まず原形不定詞を置きます。文中の出来事について、動作の最中・進行中の瞬間を切り取って表現している文はどれですか。
答えと解説
正解: Did you see them arguing?
現在分詞(-ing)を使うと、動作の一部始終ではなく、その動作の途中の瞬間を目撃したことを表します。「人混みで自分の名前が呼ばれるのが聞こえた」という意味になるように、( )に入る正しい語を選びなさい。I heard my name ( ) in the crowd.
答えと解説
正解: called
目的語「自分の名前」と「呼ぶ」の間に「名前が呼ばれる」という受動関係があるため、過去分詞を用います。知覚動詞の受動態「He was seen to enter the building.」に関する説明として正しいものはどれですか。
答えと解説
正解: 受動態では動詞要素が直結するのを避けるためtoが復活する
能動態で原形不定詞をとる知覚動詞は、受動態にすると動詞の連続を避けるためto不定詞になります。次の知覚動詞と使役動詞の比較のうち、本文の説明に照らして誤っているものはどれですか。
答えと解説
正解: 使役動詞は五感の受容を表し、知覚動詞は強制力を表す
使役動詞が因果関係・強制力を表し、知覚動詞が五感で受け取る受容・観察のプロセスを表します。
よくある質問
- Q. see O do と see O doing の見分け方は?
- 「動作の一部始終(最初から最後まで)」を見届けたときは原形 do、「動作の真っ最中(一瞬の場面)」だけを切り取って見かけたときは doing を使います。迷ったら進行の意味が強く意識されているかどうかで判断してください。
- Q. listen to や look at も知覚動詞ですか?
- はい、知覚動詞として扱われます。前置詞を含んだ句動詞ですが、「listen to + O + 原形 / -ing」や「look at + O + 原形 / -ing」の形で同様にSVOC構文を作ることができます。
- Q. feel like 〜 も知覚動詞構文ですか?
- いいえ、異なります。「feel like -ing(〜したい気がする)」や「feel like 名詞(〜のような気がする)」は熟語表現です。知覚動詞構文の feel は「feel + O + 原形 / -ing / 過去分詞」の第5文型を取ります。
- Q. 能動態の知覚動詞で to 不定詞を使ってはいけないのはなぜですか?
- 英語の to は本来「〜へ向かう」という方向性や未来への隔たりを表す前置詞から派生しています。一方、知覚動詞は「目にした」「耳にした」という直接の知覚体験をその場で捉える表現であるため、時間的な隔たりを感じさせる to を挟まず、原形不定詞や現在分詞を直接つなぎます。
- Q. smell はなぜ補語に原形不定詞を取れないのですか?
- smell(においを感知する)は、においが空間に漂っている状態を嗅覚で捉える動詞です。原形不定詞が表す「動作の開始から終了までの一部始終」という概念がにおいの知覚にはなじまないため、常に進行中の情景を表す現在分詞(-ing)と組み合わせて使用されます。
2026年9月25日更新・モチタン辞典編集部
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