モチタン辞典 › モチタン英文法辞典 › 使役動詞(make・have・let・get)の使い方

使役動詞の使い方とニュアンスの違い
使役動詞は「〜に…させる」を表す動詞で、主に make(強制)、have(当然の依頼)、let(許可)、get(説得して〜させる)の4つを用います。
原則として make / have / let は「目的語+原形不定詞」、get は「目的語+to不定詞」の形をとります。ニュアンスと構文の違いを理解することが正確な運用の第一歩です。
- 使役動詞は「人に〜させる」を表し、make・have・let・getを強制力等で使い分けます
- make・have・letは動詞の原形を取りますが、getだけはto不定詞を後ろに置きます
- 目的語が動作をされる関係の時は過去分詞を使い、makeを受動態にするとtoが復活します
先に読むと分かりやすい: 受動態の作り方と使い方let・make・haveの使役表現
使役動詞の使い方とは(結論)
使役動詞は「人や物に何らかのアクションを起こさせる」働きをします。代表的な4つの動詞は、相手に対する強制力の強さや関係性によって明確に使い分けられます。
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| 動詞 | 後ろに続く形 | ニュアンス | 意味 |
|---|---|---|---|
| make | 目的語 + 動詞の原形 | 強制(選択の余地なし) | 無理やり〜させる |
| have | 目的語 + 動詞の原形 | 依頼・業務上の当然 | (当然のこととして)〜してもらう |
| let | 目的語 + 動詞の原形 | 許可・放任(望み通り) | 〜させてあげる、自由に〜させる |
| get | 目的語 + to 不定詞 | 説得・働きかけ・苦労 | 説得して〜させる、何とか〜してもらう |
最大の注意点は、get だけが後ろに to 不定詞を取るという点です。他の3語(make / have / let)は原形不定詞(動詞の原形)を取ります。
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make・have・let・getのニュアンスの違い
4つの使役動詞の意味の違いを詳しく確認します。
1. make:強い強制力
相手の意志に関係なく、力ずくや義務として行動させます。また感情の変化を引き起こす無生物主語構文でも頻出します。
例:My boss made me work overtime.(上司は私に残業させた)
例:You make me feel better.(あなたは私の気持ちを楽にしてくれる)
2. have:正当な権利や依頼
対価を払う関係(店員・専門職など)や上下関係に基づき、相手がやって当然の行動を求めるときに使います。
例:Have her call me back.(彼女に折り返し電話をかけさせてください)
3. let:許可を与える
相手が「やりたい」と望んでいることを妨げずに許可します。
例:Please let me finish.(最後まで話させてください)
4. get:説得・努力して動かす
依頼や説得、工夫を重ねて相手にその行動を取らせます。自然発生的ではなく、働きかけが必要です。
例:I got him to clean his room.(私は彼を説得して部屋を掃除させた)
make
- 強い強制力・義務
- 相手の意志に関係なく行動させる
- 感情変化の無生物主語でも使用
have
- 正当な権利や依頼に基づく
- やって当然の行動を求める
- 店員・専門職などへの依頼
let
- 許可を与える・妨げない
- 相手が望む行動をさせる
- 「〜させてあげる」のニュアンス
get
- 説得や工夫を重ねて動かす
- 働きかけ・努力が必要
- 後ろに to 不定詞を取る
相手への強制力や関係性によって4つの使役動詞を使い分けます。
目的語が「される」ときは過去分詞
使役動詞の後ろに来る目的語が自ら動作を行う「能動」ではなく、動作を「受ける(される)」関係にある場合は、動詞の原形ではなく過去分詞を置きます。
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| 形 | 関係 | 例文 | 和訳 |
|---|---|---|---|
| have + 物 + 過去分詞 | 物に〜を施してもらう | I had my hair cut. | 髪を切ってもらった |
| get + 物 + 過去分詞 | 物を〜の状態にする | I'll stay late to get it done. | 終わらせるために残業します |
I cut my hair. と言うと「自分で自分の髪を切った」という意味になります。美容師などに頼んで切ってもらった場合は、I had my hair cut. または I got my hair cut. と表現します。
なお、have + 目的語 + 過去分詞 には「〜してもらう(使役)」だけでなく、「〜される(被害)」の意味もあります。
例:He had his wallet stolen.(彼は財布を盗まれた)
使役動詞を受動態にするときのto
使役動詞の能動態では「原形不定詞」を用いていた文を受動態(〜させられる)に書き換える際、消えていた to が復活するという重要な規則があります。
| 態 | 構造 | 例文 |
|---|---|---|
| 能動態 | make + O + 原形 | They made him wait.(彼らは彼を待たせた) |
| 受動態 | be made to 不定詞 | He was made to wait.(彼は待たされた) |
受動態で使用できる使役動詞は原則として make のみです。「〜せざるを得なかった」という意味で be made to do は多用されます。
have や let は通常、受動態の構文では使いません。許可の受動(〜することを許される)を表す場合は be allowed to do を代わりに用います。
例:We were allowed to enter the room.(私たちは入室を許可された)
They made him wait.(make+O+原形)
himが主語になり、動詞はbe madeに変化
He was made to wait.(be made to 不定詞)
受動態に書き換える際、消えていたtoが復活します。
準使役動詞helpの使い方
help /help/ は「〜が…するのを手伝う」という意味を持つ準使役動詞です。目的語の後に「動詞の原形(原形不定詞)」と「to 不定詞」のどちらを置いても構いません。
| 形式 | 例文 | 使われ方の傾向 |
|---|---|---|
| help + O + 原形 | She helped me carry the luggage. | 口語・日常会話(米語で主流) |
| help + O + to 不定詞 | She helped me to carry the luggage. | やや改まった文章表現(イギリス英語に多い) |
現代の日常会話では to を省略した原形を用いる形式が圧倒的に一般的です。また、目的語を省略して help do(〜するのに役立つ)の形で直接動詞の原形を続けることもできます。
例:This tool helps save time.(この道具は時間の節約に役立つ)
日常会話で頻出する使役動詞の定番フレーズ
日常会話やビジネスシーンにおいて、使役動詞は定型表現として頻繁に登場します。丸ごと覚えておくと実用性が高まります。
let を使った頻出表現
- Let me know.(知らせてください/教えてね)
例:Let us know if anything changes.(何か変更があればお知らせください) - Let me check.(確認させてください)
- Let me see.(ええと、どれどれ)
- Let me introduce you to my friend, Tom.(友人のトムを紹介させてください)
make・get を使った頻出表現
- make it(都合がつく、間に合う)
使役の構造から派生した慣用句です。 - get it done(それを終わらせる)
仕事をやり遂げるときに使います。
「知らせてください/教えてね」の意味で頻出。
「確認させてください」と相手に伝える表現。
「都合がつく、間に合う」を表す慣用句。
「それを終わらせる」と仕事をやり遂げる表現。
会話やビジネスで頻繁に登場する定型表現をまとめました。
辞典の例文で見る使役動詞(make・have・let・get)の使い方
| 英文 | 和訳 | ポイント |
|---|---|---|
| Let me help you. ▶ | 手伝いましょうか。 | let+me+原形「〜させて」の提案 |
| Let me introduce you to my friend, Tom. ▶ | 友人のトムを紹介させてください。 | let me 原形で丁寧に自己の行動を切り出す表現 |
| I'll stay late to get it done. ▶ | 終わらせるために残業します。 | get+目的語+過去分詞「終わった状態にする」 |
| Have her call me back. ▶ | 彼女に折り返し電話をかけてもらってください。 | have+人+原形「当然のこととして〜させる」 |
| You make me happy. ▶ | あなたは私を幸せにする | make+目的語+形容詞「人を〜な状態にする」 |
| Let me know. ▶ | 教えてください。 | let+目的語+原形「知らせる」の最頻出定型句 |
| Let us know if anything changes. ▶ | 何か変更があればお知らせください。 | let+us+原形の依頼構文 |
| Please let me finish. ▶ | 最後まで話させてください。 | let me 原形で「邪魔せず〜させて」を表す |
使役動詞の文法構造(SVOC)と原形不定詞になる理由
英語の使役動詞は、すべて第5文型(SVOC)の構造をとります。「主語(S)の働きかけによって、目的語(O)が補語(C)の動作を行う」という関係になり、O と C の間には「主語と述語」のような意味上の関係が成り立ちます。
文法学習で多くの人が疑問に感じるのが「なぜ make、have、let の後ろには to 不定詞ではなく原形不定詞が続くのか」という点です。その理由は、主語の働きかけと目的語の動作の間に「時間的な隔たり(距離感)がない」からです。
本来、前置詞から生まれた to には「これからある方向へ向かう」という矢印のイメージがあり、主語の働きかけから実際の動作までに時間的な間隔や心理的な距離が生じます。しかし、make(強制)、have(当然の依頼)、let(許可)の3つは、主語が促した瞬間に相手の動作が直接的・同時に発生します。そのため、時間差を表す to を挟まず、直接的な原形不定詞が用いられます。
一方、get は相手を説得したり手を尽くしたりするプロセスを経るため、働きかけから行動までの間に時間的なズレが存在します。この「到達点に向かう時間差」があるため、get だけは後ろに to 不定詞を必要とします。
言いたい日本語から選ぶ使役動詞の使い分け
日本語の「〜してもらう」「〜させる」という言葉に引きずられて使役動詞を選ぶと、相手に失礼な印象を与えてしまう恐れがあります。人間関係や状況に応じた適切な表現の選び方を整理します。
| 言いたいこと | 適した動詞・表現 | 例文 |
|---|---|---|
| 対価を払ってプロに頼む | have / get + 物 + 過去分詞 | I need to have my car repaired.(車を修理してもらわないといけない。) |
| 同僚や部下に業務として頼む | have + 人 + 原形 | I will have my staff send the file.(スタッフからファイルを送らせます。) |
| 説得して何とかやってもらう | get + 人 + to do | I got my brother to lend me some money.(弟を説得してお金を貸してもらった。) |
| やりたがっているのを許す | let + 人 + 原形 | She let her children play outside.(彼女は子どもたちを外で遊ばせてあげた。) |
| 目上の人に丁寧にお願いする | 使役動詞ではなく ask や依頼文 | Could you please review this report?(この報告書をご確認いただけますでしょうか。) |
使役動詞には基本的に「自分が相手をコントロールして行動を起こさせる」というニュアンスが含まれます。そのため、上司や取引先などの目上の人に対して make や have、get を使うと高圧的に響くため、使役動詞ではなく ask + 目的語 + to do や丁寧な疑問文(Could you...? など)を用いるのがマナーです。
試験で狙われる使役動詞の空所補充・判別手順
高校英語の定期テストやTOEICなどの試験では、使役動詞の後ろに入る動詞の形(原形・to do・過去分詞)を見分ける問題が頻出します。迷ったときは次の2ステップで判定すると確実に正解を導けます。
- ステップ1:目的語(O)と直後の動詞の関係が「能動」か「受動」かを確認する
目的語が「自らその動作を行う(能動)」ならステップ2へ進みます。目的語が「〜される(受動)」関係の場合は、動詞が何であっても基本的に過去分詞(done)を選びます(例:have my phone repaired)。 - ステップ2:能動の場合、使役動詞の種類と文の態を確認する
能動態の文で make / have / let なら原形不定詞を選び、get なら to 不定詞 を選びます。ただし、文全体が受動態(be made)になっている場合は、消えていた to が復活するため to 不定詞 が正解になります。
| 主動詞 | 目的語との関係 | 後ろに続く形 | 正解の形 |
|---|---|---|---|
| make / have / let | 能動(Oが自らする) | 動詞の原形 | 原形不定詞 |
| get | 能動(Oが自らする) | to + 動詞の原形 | to 不定詞 |
| have / get | 受動(Oが〜される) | 過去分詞 | 過去分詞(-edなど) |
| be made(受動態) | 能動(〜させられる) | to + 動詞の原形 | to 不定詞 |
このテーマのよくある疑問
確認問題(5問)
「私は彼を説得して部屋を掃除させた」という意味になるように、空所に入る最も適切な語を選びなさい。 I got him ( ) his room.
答えと解説
正解: to clean
使役動詞のgetは「説得・努力して動かす」を表し、目的語の後にto不定詞を取るためto cleanが正解です。使役動詞を含む次の文のうち、文法的に正しいものを1つ選びなさい。
答えと解説
正解: He had his wallet stolen.
have+目的語+過去分詞で「〜される(被害)」を表せます。makeは原形をとり、letは通常受動態にできません。「He was made to wait.」の日本語訳として最も適切なものを1つ選びなさい。
答えと解説
正解: 彼は待たされた。
makeの受動態「be made to do」は「〜させられる(〜せざるを得なかった)」という意味を表します。次の文の空所に入る語として、本文の解説に基づき不適切なものを1つ選びなさい。 She helped me ( ) the luggage.
答えと解説
正解: carried
準使役動詞helpは、目的語の後に「動詞の原形」または「to 不定詞」のどちらかを置くことができます。次の文中の下線部(A)〜(D)のうち、誤っている箇所を1つ選びなさい。 I (A) cut my hair, (B) so my hair (C) was cut by (D) a barber.
答えと解説
正解: (A)
I cut my hair.は自分で切った意味になります。美容師等に切ってもらった場合はI had [got] my hair cut.とします。
よくある質問
- Q. makeとhaveの決定的な違いは何ですか?
- 強制力の有無です。makeは相手の意志を無視して「無理やり〜させる」強制力を持ちます。一方haveは、業務上の依頼や店員への注文など「相手が引き受けて当然の状況で〜してもらう」場合に使います。
- Q. getだけなぜto不定詞を使うのですか?
- 歴史的・文法的にgetは本来使役動詞ではなく「説得してその状態へ導く」到達点(to)を伴う動作動詞だからです。そのため「get + 目的語 + to 不定詞」の形をとります。
- Q. let me knowはなぜ使役動詞なのですか?
- let(許可する)+ me(私)+ know(知る)という「私に知ることを許してください」が直訳の構造だからです。転じて相手に負担をかけずに「知らせてください」と依頼する定番表現になっています。
- Q. 目上の人に「〜してもらう」と言いたいとき、使役動詞を使っても大丈夫ですか?
- 原則として使役動詞(make, have, let, get)は使わないのが適切です。使役動詞には「話し手が相手をコントロールして動かす」という響きがあるため、目上の人に対して使うと失礼にあたります。目上の人に依頼したい場合は、ask + 目的語 + to do や、Could you please...? などの丁寧な依頼表現を用いましょう。
- Q. 使役動詞を使った文を否定文にするにはどうすればよいですか?
- 「〜させない」と主動詞を否定する場合は、通常通り助動詞を伴って否定します(例:My father doesn't let me drive.「父は私に運転させてくれない」)。一方、「〜しないようにさせる」と目的語の動作を否定したい場合は、原形不定詞や to 不定詞の直前に not を置きます(例:The doctor made him not drink alcohol.「医師は彼に酒を飲まないようにさせた」)。日常会話では主動詞自体を否定する形が多く使われます。
2026年9月25日更新・モチタン辞典編集部
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