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英語で入学できるドイツの大学と出願の条件

英語で入学できるドイツの大学と出願の条件

ドイツの大学には、ドイツ語力ゼロの英語のみで入学・受講・卒業できるプログラムが数多く存在します。多くの公立大学では留学生であっても原則として授業料が不要ですが、学士課程での英語プログラムは全体の数パーセントにとどまり、修士課程に比べると選択肢が限られます。

日本の高校卒業資格から直接出願するには一定の条件があるため、要件の正しい把握が不可欠です。

英語で入学できるドイツの大学の現実と特徴

ドイツの高等教育機関では、国際化の一環として英語のみで完結する学位課程International Programmes(インターナショナル・プログラムズ)が多数開設されています。講義、試験、論文執筆のすべてを英語で行うため、出願時点でドイツ語の語学証明を一切求められないコースも少なくありません。

学士課程と修士課程の選択肢の差

英語で開講されるプログラムの数は、取得を目指す学位レベルによって大きく異なります。学士(学部)課程では、依然としてドイツ語開講の講義が全体の9割以上を占めており、英語のみで取得できる学位は全体の数パーセントと極めて希少です。

一方で、修士(大学院)課程になると英語開講プログラムの割合が跳ね上がり、工学、IT、自然科学、国際ビジネスなどを中心に豊富な選択肢が用意されています。

したがって、学部課程での英語進学は競争率が高くなりやすい傾向にあります。学歴や語学の要件を満たす難度を考慮し、「学士課程は日本や他国で学び、修士課程から学費無料のドイツ公立大学院へ英語で進学する」というルートも費用対効果の高い有力な戦略となります。

学士課程と修士課程の英語プログラム比較

学士(学部)課程

  • 英語のみで修了できる学位は数パーセントと極めて希少
  • 講義の9割以上が依然としてドイツ語開講
  • 英語での進学枠は少なく競争率が高くなりやすい傾向

修士(大学院)課程

  • 英語開講プログラムの割合が跳ね上がり選択肢が豊富
  • 工学、IT、自然科学、国際ビジネスなどが中心
  • 日本などで学士取得後に進学する費用対効果の高い戦略

学士課程と修士課程における英語プログラムの割合と戦略の違いです。

大学院への進学を具体的に検討したい方は、ドイツ大学院の学費無料英語プログラム留学を参考にしてください。

次の疑問英語で履修できる専攻の傾向や学生生活の全体像は、ドイツの大学を英語で学ぶ留学の基本で詳しく解説しています。

英語で学べる大学一覧とUni・FHの違い

ドイツの高等教育機関は、学問・基礎研究を重視するUniversität(ウニヴェルジテート/総合大学)と、産業界と直結した実践的教育を行うFachhochschule(ファッハホーホシューレ/応用科学大学、略称FH)またはTechnische Hochschule(テヒニッシェ・ホーホシューレ/工科応用科学大学、略称TH)に大別されます。

総合大学(Universität)と応用科学大学(FH)の比較

表は横にスクロールできます →

分類教育の方向性英語プログラムの傾向向いている進路
総合大学(Uni)基礎研究、理論の探求、学術的アプローチ自然科学、データサイエンス、国際関係学など大学院進学、研究機関、研究開発職
応用科学大学(FH/TH)実践演習、企業インターンシップ必修応用工学、IT技術、実践ビジネス、デザインなど現地企業への就職、実務エキスパート

日本での知名度は総合大学が高い傾向にありますが、学士課程で英語プログラムを探す場合、実践的な応用科学大学(FH)の方が英語専攻を開設している事例が多く、狙い目となるケースが多々あります。

英語プログラムを開設している代表的な大学の例

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出願に必要な英語スコアの基準と証明方法

英語プログラムへの出願では、ドイツ語能力の代わりに公的な英語資格試験のスコア提出が義務付けられます。ドイツの大学院や学部入試は筆記試験による一発勝負ではなく、提出書類の数値に基づく厳格な書類審査で行われます。

求められる基準スコアの目安

試験種別一般的な出願基準ライン競争率の高い専攻・難関大学
TOEFL iBT80点〜90点程度95点〜100点以上
IELTS(Academic)6.0〜6.5程度7.0以上

工学やITなどの理系専攻ではIELTS 6.0以上、TOEFL iBT 80点以上を最低出願基準とする大学が多く見られます。一方、国際ビジネス、人文学、社会科学系ではディスカッションや論文執筆の比重が高いため、IELTS 6.5〜7.0以上、TOEFL iBT 90〜100点以上を足切りラインとして設定する傾向があります。

募集要項に記載されている点数は「最低出願資格」であり、満たしていれば必ず合格できるわけではありません。基準を上回るスコアを確保することが、書類選考を有利に進める前提となります。

日本の学歴と大学入学資格(アビトゥア)の壁

ドイツの大学へ出願する際、日本人志願者が最も直面しやすい関門が、ドイツの大学入学資格であるAbitur(アビトゥーア/大学入学資格)と同等と認められるかどうかの学歴判定です。

ドイツの高校生が12〜13年かけて修了する教育課程と、日本の初等・中等教育制度の年数・教育内容に差異があるため、日本の普通高校を卒業しただけでは直接入学の要件を満たさない場合があります。

学歴要件と進学ルートの整理

現在の学歴状況ドイツ大学への直接出願資格進学に必要なルート
日本の普通高校卒業直接入学資格を満たさない場合あり大学入学共通テストの特定成績、または準備課程を経由
日本の大学で1〜2年修了同系統専攻への直接出願資格を取得可能大学での単位取得実績をもとに直接出願
日本の大学を卒業(学士取得)あらゆる系統への直接出願資格を満たす修士課程への直接出願、または他専攻の学士へ直接出願

準備課程(Studienkolleg)を経由する選択肢

日本の高校卒業資格のみで直接入学の要件に届かない場合、Studienkolleg(シュトゥーディエンコレーク/大学準備課程)に約1年間在籍し、最終試験であるFeststellungsprüfung(フェストシュテリングスプリューフング/大学入学資格確定試験)に合格するルートがあります。

ただし、準備課程の多くはドイツ語で授業が行われるため、英語のみで受講できる準備課程の枠は極めて限られている点に注意が必要です。

英語で学位が取れるドイツの大学ガイドのイメージ

出願条件の全体像を詳しく把握したいときは、ドイツの大学留学ガイドと条件が役立ちます。

DAADを活用した確実な英語コース検索手順

確実かつ効率的に英語プログラムを探すためには、DAAD(デーアーアーデー/ドイツ学術交流会)が提供する公式データベースの活用が不可欠です。民間の仲介サイトに頼らず、すべての公認プログラムを網羅した公式情報から絞り込みを行います。

データベースでの絞り込みステップ

  1. DAAD公式サイトのInternational Programmes(国際プログラム検索ページ)にアクセスする。
  2. 「Course Type」でBachelor's degree(学士課程)またはMaster's degree(修士課程)を選択する。
  3. 「Course Language」の項目で必ずEnglish onlyにチェックを入れる(「English and German」を選ぶとドイツ語の高度な資格が要求されます)。
  4. 「Field of Study」で工学、情報科学、経済学などの希望分野を指定して検索を実行する。
  5. 表示された大学の詳細ページで、学期ごとの授業料(Tuition fees)の有無、出願締め切り、最低英語スコア、出願窓口を確認する。

ドイツの大学の多くは、外国人志願者の出願資格事前審査を一元管理する機関uni-assist(ウニアシスト)を導入しています。志望校がuni-assist経由の提出を義務付けているか、大学独自のポータルサイトで直接受け付けているかについても、各プログラムの募集要項で確認してください。

DAADでの英語コース検索手順
1サイトへアクセス

DAAD公式サイトの国際プログラム検索ページを開く

2学位レベルを選択

Course Typeで学士課程または修士課程を選ぶ

3使用言語を指定

Course Languageで必ずEnglish onlyにチェックを入れる

4専攻分野を指定

Field of Studyで工学や経済学などの希望分野を指定する

5詳細情報の確認

授業料の有無、出願締切、英語基準、出願窓口を確認する

公式データベースを活用して英語学位プログラムを絞り込む流れです。

学費無料の仕組みと例外・学生生活の実費

ドイツの公立大学は、税金によって高等教育が支えられているため、原則として留学生に対しても授業料が無料です。ただし、完全無償で生活できるわけではなく、義務付けられた費用や制度上の例外が存在します。

授業料の例外とセメスターフィーの仕組み

公立大学の学費無料原則には地域ごとの例外があります。バーデン=ヴュルテンベルク州の公立大学では、EU圏外からの留学生に対して1学期あたり所定の授業料を義務付けています。また、バイエルン州のミュンヘン工科大学のように、独自の規則により非EU国籍の留学生から授業料を徴収する方針へ移行した大学もあります。

授業料が無料の大学であっても、毎学期Semesterbeitrag(ゼメスターバイターク/セメスターフィー・学生諸費)の納付が必須です。これは学籍登録料、学生自治会費、学生食堂の運営補助費に加え、管轄地域の公共交通機関が乗り放題になるSemesterticket(ゼメスターチケット)が含まれる費用であり、学期ごとに必ず支払います。

閉鎖口座(ブロックアカウント)の開設義務

ドイツの学生ビザや滞在許可を取得・更新するためには、現地での1年間の生活費を自力で賄える証明としてSperrkonto(シュペルコント/閉鎖口座、ブロックアカウント)の開設が必要です。

この専用口座に規定の生活費を一括で事前預金し、入国後は毎月定められた上限額ずつしか引き出せない仕組みになっています。最新の日程・料金は実施団体の公式サイトで確認してください。

学費と学生生活にかかる費用の要点
🏛️公立大学の授業料

原則無料だが州や一部大学で留学生に学費を課す例外あり

🎫セメスターフィー

毎学期納付が必須で乗り放題交通チケットや自治会費を含む

💳閉鎖口座の預金

ビザ取得のため1年分の生活費を一括で事前預金する口座

公立大学の学費無料原則と実際に必要となる費用のまとめです。

現地での手続きや暮らしで使う語彙は、留学・海外生活のドイツ語単語で確認できます。

ドイツ語ゼロで進学するメリットと生活の現実

英語のみで進学する場合、渡航前の語学学習期間を大幅に短縮でき、英語圏に比べて極めて安価に国際水準の教育を受けられる大きなメリットがあります。一方で、大学の外に出た際の生活面や就職活動では明確な課題が存在します。

学生生活と行政手続きの現実

大学内の事務手続きや講義は英語で完結しますが、一歩キャンパスを出ると事情が異なります。現地の外国人局(ビザ発給機関)、住民登録を行う役所、現地の銀行、民間の住宅契約では、公的文書や対応がドイツ語のみである場面が多々あります。

学生同士の交流は英語で問題なく行えますが、トラブル対応や部屋探し、日用品の買い物などを円滑に行うためには、渡航後速やかに日常会話レベルのドイツ語を習得する努力が求められます。

英語のみによるアルバイトと就職の可能性

学生ビザに付帯する規定の範囲内で就労が可能ですが、カフェや小売店などの一般的な接客アルバイトはドイツ語能力が必須とされる傾向にあります。英語のみで就労できる職種は、フードデリバリー配達員、英語対応のコールセンター、多国籍スタートアップ企業でのインターンなどに限定されます。

卒業後の就職においても、ソフトウェア開発や高度なデータサイエンス職、一部の大手多国籍企業では英語のみで採用される道が存在します。しかし、現地の一般的な中堅企業やクライアント対応を伴う職種では、ビジネスレベルのドイツ語力が依然として重視されます。

ドイツ国内での長期的なキャリア形成を視野に入れるなら、在学中にドイツ語を並行して学ぶ姿勢が不可欠です。

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出願に必要な書類一覧と合否・渡航ステップ

ドイツの大学入試は、提出された書類の厳格な審査によって決定されます。面接試験が課される一部の選考を除き、書類の不備や提出遅れは即座に不合格につながるため、綿密な準備が求められます。

主な出願書類チェックリスト

出願から現地到着までの手続きの流れ

  1. DAAD検索で志望校と専攻を決定し、出願締め切り日と要件を確認する。
  2. IELTSまたはTOEFLを受験し、基準スコア以上の証明書を取得する。
  3. 出身校から英文証明書を取り寄せ、必要に応じて認証手続きを行う。
  4. uni-assistまたは大学の専用ポータルを通じて願書と書類を提出する。
  5. 合格通知書Zulassungsbescheid(ツーラッスングスベシャイト)を受領する。
  6. 閉鎖口座を開設して所定金額を送金し、学生用の公的健康保険に加入する。
  7. ドイツ大使館で学生ビザを申請し、渡航・現地での住民登録と大学登録を完了する。
主な出願書類チェックリスト

ドイツの大学出願時に必要となる主な提出書類の一覧です。

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英語の違い・文化の疑問をすべて見る「ドイツ英語」のまとめ

理解度チェック

Q1. DAADの検索で英語のみの課程を絞り込む指定はどれ?

  1. Course TypeでAll degreeを選ぶ
  2. Course LanguageでEnglish onlyを選ぶ
  3. Course LanguageでEnglish and Germanを選ぶ
  4. Tuition feesでFree onlyを選ぶ
答えを見る

正解: B. Course LanguageでEnglish onlyを選ぶ
DAADのデータベースでは、「Course Language」の項目で必ず「English only」にチェックを入れて検索します。

Q2. ドイツの大学の学費や費用に関する記述として正しいものは?

  1. 公立大学は全土の全大学で例外なく完全無料である
  2. セメスターフィーは希望者のみが支払う任意の費用である
  3. 無料の大学でも毎学期セメスターフィーの納付が必要である
  4. 閉鎖口座は事前預金なしで誰でも無料で開設できる
答えを見る

正解: C. 無料の大学でも毎学期セメスターフィーの納付が必要である
授業料が無料の大学であっても、学籍登録料や交通機関のチケットなどが含まれるセメスターフィー(Semesterbeitrag)の納付が毎学期必須です。

Q3. 日本の普通高校卒業後の直接出願に関する注意点はどれ?

  1. 日本の高卒資格だけで無条件にあらゆる専攻へ出願できる
  2. 直接入学資格を満たさない場合があり準備課程等が必要になる
  3. 英語プログラムなら高卒資格の判定は一切行われない
  4. 日本の大学を1年修了しても出願資格には影響しない
答えを見る

正解: B. 直接入学資格を満たさない場合があり準備課程等が必要になる
日独の教育年数等の差異から高校卒業だけでは直接入学の要件を満たさない場合があり、共通テストの成績や準備課程(Studienkolleg)の経由が必要です。

よくある質問

Q. ドイツ語力ゼロでも本当に大学に入学できますか?
英語開講の学位プログラムであれば、ドイツ語力ゼロでも出願・入学が可能です。ただし、役所での住民登録やビザ手続き、日常生活ではドイツ語が必要となる場面が多いため、渡航前後の基礎学習をおすすめします。
Q. 英語プログラムに落ちた場合の対策はありますか?
私立大学の英語コースへの併願、学歴要件を補う準備課程の受講、あるいは日本国内の大学で学士を取得した後に選択肢が大幅に増えるドイツ公立大学院(修士課程)へ再挑戦するルートが有効な選択肢となります。
Q. 日本の高校からドイツの大学へ直接進学できますか?
高校卒業資格単独では直接入学資格を満たさない場合があります。大学入学共通テストで特定科目の基準点を取得しているか、日本の大学で1〜2年以上の単位を修得していることが直接出願の前提条件となるケースが一般的です。
Q. ドイツの大学卒業後、英語のみで現地就職できますか?
ITエンジニアやデータ分析、多国籍スタートアップ企業では英語のみで採用される例があります。ただし、現地企業の多くは日常業務でドイツ語を求めるため、在学中にドイツ語力を高めておく方が就職先の選択肢は格段に広がります。

2026年10月12日更新・モチタン辞典編集部