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使役動詞と知覚動詞の使い分けと文法規則一覧

使役動詞と知覚動詞の使い分けと文法規則一覧

使役動詞と知覚動詞の最大の共通点は、第5文型(S + V + O + C)において補語(C)の位置にtoのない「原形不定詞」を置く点にあります。使役動詞(make, have, let)は相手に何かをさせる動作を表し、知覚動詞(see, hearなど)は五感で捉えた状況を表します。

使役動詞知覚動詞の一覧とSVOCの共通ルール

英語の授業や参考書で「使役動詞」と「知覚動詞」が一緒に扱われるのは、どちらも第5文型(S + V + O + C)をとり、原則として補語(C)に原形不定詞(do)を配置する特殊な動詞グループだからです。

通常の動詞(want, tell, ask など)は want + O + to do のように to 不定詞を用いますが、使役動詞や知覚動詞では to が脱落した原形を用います。

まずは代表的な動詞と、補語(C)にとることができる形の一覧を確認しましょう。

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動詞の分類主な動詞補語(C)にとる形主な意味
使役動詞make原形不定詞(do)(強制的に)Oに〜させる
使役動詞have原形不定詞(do)、過去分詞(done)(当然の義務・依頼として)Oに〜してもらう
使役動詞let原形不定詞(do)(許可・放置して)Oに自由に〜させる
準使役動詞getto 不定詞(to do)、過去分詞(done)(説得・働きかけて)Oに〜させる
準使役動詞help原形不定詞(do)、to 不定詞(to do)Oが〜するのを手伝う
知覚動詞(視覚)see, watch, look at, notice原形不定詞(do)、現在分詞(doing)、過去分詞(done)Oが〜するのを/しているのを/されるのを見る
知覚動詞(聴覚)hear, listen to原形不定詞(do)、現在分詞(doing)、過去分詞(done)Oが〜するのを/しているのを/されるのを聞く
知覚動詞(触覚・その他)feel原形不定詞(do)、現在分詞(doing)、過去分詞(done)Oが〜するのを/しているのを/されるのを感じる

第5文型(SVOC)を正しく捉えるための基本原則は、「O(目的語)と C(補語)の間に主語+述語(ネクサス関係)が成立している」と見抜くことです。

たとえば I saw him run.(私は彼が走るのを見た)という文では、him と run の間に He runs. という「主語+動詞」の関係が存在します。

使役動詞や知覚動詞を理解する際は、常に「O が C する(能動)」のか「O が C される(受動)」のかを確認する習慣をつけてください。

次の疑問補語(C)に置ける要素やSVOCの基本構造を改めて見直したいときは、第5文型(SVOC)の基本ルールを確認すると理解が深まります。

使役動詞の使い分けと強制力のグラデーション

使役動詞とは「人に〜させる」「人に〜してもらう」という意味を表す動詞です。日常会話や試験で最も重要なのは、動詞ごとに相手に対する「強制力」や「心理的距離感」が異なる点です。

相手の意志を無視して無理やりやらせるのか、仕事として当然やってもらうのか、本人の希望を許すのかによって動詞を選び分ける必要があります。

強制力の比較(グラデーション)

使役の強さは概ね以下の順序で変化します。

make(強制 100%) > have(当然・依頼 50%) > get(説得・努力 30%) > let(許可・放置 0%)

各動詞の詳しい用法と例文

使役動詞の強制力の違い
◀ 許可・放置 0%強制 100% ▶
let本人の希望を許す・放任する
get説得や働きかけによってさせる
have当然の依頼・手配としてしてもらう
make本人の意志に関係なく無理やりさせる

動詞によって相手への強制力や心理的距離感が4段階に分かれます。

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知覚動詞の補語使い分け(原形・現在分詞・過去分詞)

知覚動詞とは、見る・聞く・感じるなど感覚器(五感)を通して外界の状況を認識する動詞です。知覚動詞の補語(C)には、原形不定詞(do)、現在分詞(doing)、過去分詞(done) の3種類の形が入ります。試験で正解を選ぶためには、動作の進行度合いと態(能動・受動)を正確に見極める必要があります。

do(原形)と doing(現在分詞)の違い:時間の切り取り方

原形不定詞(do)と現在分詞(doing)は、どちらも「O が〜する」という能動関係で使われますが、捉えている情景が異なります。

例文でニュアンスの違いを確認しましょう。

例文A:I saw the boy cross the street.(私はその少年が通りを渡り切るのを見た。)
解説:少年が渡り始めてから反対側へ着くまでの過程全体を見ていたことを示します。

例文B:I saw the boy crossing the street.(私はその少年が通りを渡っているところを見かけた。)
解説:少年が道路の真ん中を歩いている一瞬の場面を目撃したことを示し、渡り切ったかどうかには焦点を当てていません。

done(過去分詞)の役割:OとCの受動関係

補語(C)に過去分詞(done)が入るのは、目的語(O)と補語(C)の関係が受動(O が〜される)である場合です。

例文:I heard my name called in the crowd.(人混みの中で私の名前が呼ばれるのが聞こえた。)
解説:目的語である「私の名前(my name)」は自ら呼ぶのではなく「誰かに呼ばれる(受動)」側なので、過去分詞 called を用います。

I heard someone call my name.(能動:原形)と言い換えることができます。

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補語の形OとCの関係知覚の内容・ニュアンス例文
do(原形不定詞)能動(Oがする)動作の一部始終、または動作の完了We watched the sun set.(太陽が沈む一部始終を見た。)
doing(現在分詞)能動(Oがする)動作が進行中の瞬間、一コマWe saw smoke rising from the roof.(屋根から煙が立ち上っているのを見た。)
done(過去分詞)受動(Oがされる)動作が加えられることShe felt her shoulder touched.(彼女は肩を触られるのを感じた。)
知覚動詞の補語の使い分け

原形不定詞(do)

  • 能動関係(Oが〜する)
  • 動作の一部始終や事実全体
  • 例:boy cross the street(渡り切る)

現在分詞(doing)

  • 能動関係(Oが〜する)
  • 進行中の1コマ・瞬間を目撃
  • 例:boy crossing(渡っている最中)

過去分詞(done)

  • 受動関係(Oが〜される)
  • OとCの間に受動の関係が成立
  • 例:name called(名前が呼ばれる)

動作の全体か瞬間か、または受動関係かによって補語の形を選び分けます。

次の疑問補語に入る doing と done のニュアンスの違いで迷う場合は、現在分詞と過去分詞の使い分け基準を押さえておくと安心です。

have/get + O + 過去分詞の3つの意味と使い分け

使役動詞の have や get の後ろに「目的語(O)+過去分詞(done)」が続く構文は、文脈によって大きく3つの意味に分かれます。高校英語や各種試験で頻出の構文ですので、3つの意味の区別を整理しておきましょう。

1. 使役「〜してもらう/〜させる」

専門家や他人に依頼して、目的の動作を行わせる表現です。目的語(O)には「物」が来ることが一般的です。

2. 被害「〜される(災難に遭う)」

主語の意図に反して、不利益や損害を被った状況を表します。主語が自ら望んだわけではない文脈で判断します。

3. 完了「〜してしまう/〜し終える」

自分が主導して物事を終わらせてしまう、または準備を整えることを表します。

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分類意味見分け方の基準代表的な例文
使役〜してもらう主語が意図して業者や他人に依頼しているI had my watch fixed.(時計を直してもらった。)
被害〜される主語の意図しない災難・損害が生じているHe had his passport stolen.(パスポートを盗まれた。)
完了〜してしまう期限までに特定の状態を完成させるI will get the work done soon.(すぐにその仕事を終わらせます。)
使役動詞と知覚動詞の違いのイメージ

特に使用頻度が高い表現は、使役動詞haveの使い方と意味で詳しく解説しています。

受動態でto不定詞が復活する理由と書き換えルール

能動態の文(make + O + do や see + O + do)を受動態に書き換える際、消えていた to が再び現れて be made to do や be seen to do の形になります。多くの学習者が丸暗記で済ませてしまいがちな箇所ですが、英語の統語構造における明確な理由があります。

なぜ能動態ではtoが消え、受動態では復活するのか

能動態で使役動詞や知覚動詞が原形をとるのは、「主語の働きかけと目的語の動作が直結している(時間差がない)」という直接性を表すためです。to 不定詞の to は本来、前置詞の to と同一起源であり、「これから先の方向・未来への到達」という心理的・時間的隔たりを含みます。

使役や知覚のように「主語が見た瞬間に相手が動いている」「主語が強く働きかけてその場ですぐ動かす」という直接的な動作では、隔たりを意味する to が邪魔になるため削ぎ落とされ、原形不定詞が用いられます。

しかし受動態に変換すると、目的語(O)が文頭へ移動して主語になり、動詞部分は be made や be seen のように「be 動詞 + 過去分詞」へと変化します。

もしここで原形のまま後ろに続けると、He was made clean the room. のように、過去分詞(準動詞)の直後に原形動詞(clean)が衝突してしまい、文構造が極めて不明瞭になります。

英語には「動詞や準動詞が何の接続もなく唐突に連続することを嫌う」という原則があるため、境界線を示す目印(マーカー)として to を復活させ、He was made to clean the room. とするのです。

主要動詞の受動態書き換えパターン

能動態と受動態でのtoの有無

能動態(make + O + do)

  • 働きかけと動作に時間差がない
  • 隔たりを表すtoが脱落する
  • 例:They made him practice...

受動態(be made to do)

  • 過去分詞と原形動詞の衝突を防ぐ
  • 境界線を示すマーカーとしてtoが復活
  • 例:He was made to practice...

受動態では動詞の衝突を防ぐ目印としてto不定詞が復活します。

表現ごとのニュアンスの差を整理したいときは、不定詞と分詞の使い分け方を参考にしてください。

次の疑問特に試験で頻出する make の書き換え手順を重点的に確認したいときは、makeの受動態の作り方と注意点が役立ちます。

迷わず解ける3ステップ解答フローチャート

入試や資格試験で使役動詞・知覚動詞の選択問題が出題された際、迷わずに正しい形を導き出すための判断手順を3ステップで整理しました。

ステップ1:動詞の性質(使役動詞・知覚動詞・準使役動詞)を確認する

空欄の前にある述語動詞を特定します。

ステップ2:目的語(O)と補語(C)の主述関係(能動か受動か)を判定する

「O が C する」のか、「O が C される」のかを考えます。

ステップ3:動詞の種類と文脈に合わせて形を決定する

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動詞能動(一部始終・事実)能動(進行中の一コマ)受動(Oが〜される)受動態への書換
make原形(do)—過去分詞(done)※稀be made to do
have原形(do)—過去分詞(done)受動態不可
let原形(do)——be allowed to do
getto 不定詞(to do)—過去分詞(done)—
知覚動詞原形(do)現在分詞(doing)過去分詞(done)be seen to do
補語を見極める3ステップ手順
1述語動詞の確認

使役・知覚・get・helpを特定

2主述関係の判定

受動ならdone、能動なら次へ進む

3文脈で形を決定

使役はdo、getはto do、知覚は状況で選択

動詞の種類、OとCの主述関係、文脈の順に確認して正しい形を導きます。

実戦練習問題と詳しい解説(空所補充・整序)

理解度を確認するために、実際の試験で頻出の形式を用いた練習問題に挑戦してみましょう。

問題1(空所補充)

次の英文の空所に入る最も適切な語を選びなさい。

1. The teacher had each student (  ) a short presentation in front of the class.
(A) give
(B) to give
(C) given
(D) gave

2. I looked out the window and noticed a stranger (  ) around my neighbor's house.
(A) loitered
(B) loitering
(C) to loiter
(D) to be loitering

3. The criminal was seen (  ) into the black sedan by several witnesses.
(A) get
(B) got
(C) to get
(D) to have got

4. It took me almost twenty minutes to get the printer (  ) properly.
(A) work
(B) to work
(C) worked
(D) working

問題2(並び替え問題)

日本文の意味に合うように、カッコ内の語句を正しく並び替えなさい。

1. 彼女は騒音の中で自分の声を届かせることができなかった。(1語不要)
She couldn't make ( hear / herself / to hear / heard ) above the loud noise.

2. 私たちは先週、自宅の屋根をペンキで塗り直してもらった。
We ( painted / had / house / our / roof / the / of ) last week.

解答と解説

問題1の解説

1. 正解:(A) give
使役動詞 had が使われており、目的語 each student と動詞 give の関係は「各生徒が発表を行う」という能動関係です。使役動詞 have + O の後ろには原形不定詞が続くため、(A) が正解です。訳:先生は各生徒に教室の前で短い発表を行わせた。

2. 正解:(B) loitering
動詞 noticed は知覚動詞です。見知らぬ人物(a stranger)が「うろついている(loitering)」という進行中の情景を目撃したことを表すため、現在分詞の (B) が最適です。

知覚動詞の補語に to 不定詞は使えません。訳:窓の外を見ると、見知らぬ人が隣の家の周りをうろついているのに気づいた。

3. 正解:(C) to get
文全体が was seen と受動態になっています。知覚動詞 see の能動態では原形不定詞をとりますが、受動態に書き換える際は to 不定詞が復活するため、(C) の to get が正解です。訳:その犯人が黒いセダンに乗り込むところが数人の目撃者によって見られた。

4. 正解:(B) to work
動詞に get が使われています。プリンター(the printer)が正常に「作動する(work)」という能動関係です。

get + O が能動の動作をとる場合、原形ではなく to 不定詞を置くルールがあるため、(B) が正解です。訳:プリンターを正常に作動させるのに20分近くかかった。

問題2の解説

1. 正解:herself heard(不要語:to hear または hear)
完成文:She couldn't make herself heard above the loud noise.
解説:「自分の声を聞いてもらう(自分自身を他人に聞かれる状態にする)」という頻出の慣用表現 make oneself heard を用います。

herself と動詞の関係が「聞かれる(受動)」であるため、過去分詞 heard を配置します。

2. 正解:had the roof of our house painted
完成文:We had the roof of our house painted last week.
解説:「屋根をペンキで塗り直してもらった」という使役の表現です。

have + O + 過去分詞 の構文を用います。目的語となるのは「私たちの家の屋根(the roof of our house)」であり、屋根は「塗られる(painted)」側であるため、末尾に過去分詞 painted を配置します。

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理解度チェック

Q1. 強制力が最も強く、無理やり行動を起こさせる使役動詞は?

  1. let
  2. have
  3. make
  4. get
答えを見る

正解: C. make
使役の強さは「make>have>get>let」の順で、makeは相手に強制的に行動を起こさせます。

Q2. 知覚動詞の補語(C)に現在分詞を用いるのはどんな時?

  1. 動作の一部始終全体を認識した時
  2. 動作が進行中の一瞬・最中を切り取った時
  3. 主語が相手を説得して行動させた時
  4. OとCの間に受動関係が成立している時
答えを見る

正解: B. 動作が進行中の一瞬・最中を切り取った時
知覚動詞でdoing(現在分詞)を用いると、動作が行われているその瞬間や進行中の1コマを表します。

Q3. 「彼は真夜中まで練習させられた」を表す正しい英文は?

  1. He made practice until midnight.
  2. He was made practice until midnight.
  3. He was made to practice until midnight.
  4. He was made practicing until midnight.
答えを見る

正解: C. He was made to practice until midnight.
使役動詞makeを受動態にする際、動詞の連続を防ぐ目印としてtoが復活しbe made to doとなります。

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よくある質問

Q. 使役動詞と知覚動詞の違いは何ですか?
使役動詞は「相手に〜させる」という使役・指示の行為を表し、知覚動詞は「五感で捉える」という認識を表します。文法上はどちらも補語に原形不定詞をとる共通点があります。
Q. なぜgetは原形不定詞をとらないのですか?
getは本来「働きかけてある状態へ到達させる」動詞であり、動作への移行・到達を表すto不定詞と結びつく性質を持つため、get + O + to doの形をとります。
Q. 知覚動詞でdoとdoingのどちらを使うべきですか?
動作の「始まりから終わりまでの一部始終」を捉えた場合は原形(do)を、動作の「最中・進行している一瞬」を切り取って捉えた場合は現在分詞(doing)を使います。
Q. letの受動態はなぜbe allowed toなのですか?
英語の文法規則上、letは受動態(be let to do)の形を作らない習慣があるため、同じ「許可する」という意味を持つallowを用いてbe allowed to doと言い換えます。
Q. helpの後ろはtoが必要ですか?
help + O + do(原形)と help + O + to do(to不定詞)のどちらも文法的に正しく使用できます。現代英語ではtoを省略した原形を用いる傾向が強くなっています。

2026年9月24日更新・モチタン辞典編集部

関係する文法let・make・haveの使役表現使役動詞(make・have・let・get)の使い方知覚動詞(see・hear・feel)の使い方