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「仕方ない」を伝えるビジネス英語|失礼にならない表現と例文
ビジネス英語で「仕方ない」を伝える際、学校で習う It can't be helped. は無責任や諦めに聞こえるため使いません。
外的要因による不可抗力には It is beyond our control.、相手のミスを受け入れるなら These things happen. のように状況に応じて言い換えます。
ビジネスでは単に諦める姿勢を示すのではなく、必ず次の打開策を添えて伝えるのが基本姿勢です。
ビジネスでIt can't be helpedが避けられる理由
英語の授業で「仕方がない」の訳語として It can't be helped. を習った記憶がある方も多いのではないでしょうか。しかし、実際のビジネスシーンでこの表現が使われることはほとんどありません。
無責任・諦めに聞こえるリスク
It can't be helped. は受動態の構造になっており、「誰がどのような行動を取った結果なのか」という主語や責任の所在が曖昧になります。
そのため、英語圏のビジネス環境では「自分たちには何の改善努力もできないと諦めている」「問題に対して投げやりで無責任である」という非常に消極的なニュアンスを与えてしまいます。
日本語の「仕方ない」との構造の違い
日本語の「仕方がない」は、天災などの不可抗力、相手のミスの受容、残念な結末の受け入れなど、文脈に応じて1語で幅広い意味をまかなえます。しかし英語では、以下の3つのどの状況であるかによって選ぶべき語句が完全に異なります。
- 外的要因や不可抗力による諦め
- 相手のミスやトラブルに対する寛容・許容
- 自らのミスや不足に対する責任対応(※開き直りは厳禁)
ビジネスでは感情的に諦めるのではなく、「客観的に見て外的要因であること」を論理的に説明するか、「起きた事態を受け止めて次の策を打つ」という姿勢を示す必要があります。
日本語の「仕方ない」
- 1語で幅広い文脈に対応可能
- 不可抗力や相手のミスも包括
- 残念な結末の受容にも使える
英語のビジネス対応
- 不可抗力・許容・責任で語を区別
- 受動態は無責任・諦めに聞こえる
- 外的要因の説明や次の策の提示が必須
英語では状況に応じて語句を厳密に使い分ける必要があります。
状況・ニュアンス別「仕方ない」使い分け一覧表
ビジネスで使える「仕方ない」に相当する英語表現を、対象やフォーマル度別に整理しました。状況に最適なフレーズを選ぶ目安として活用してください。
表は横にスクロールできます →
| 英語表現 | 主な対象・場面 | フォーマル度 | ニュアンス |
|---|---|---|---|
| It is beyond our control. | 取引先・社内全体(不可抗力) | 高(公式文書・商談) | 当事者の努力では防げない外的要因 |
| It is out of our hands. | 取引先・同僚(権限外の事態) | 中〜高(メール・会議) | 管轄や権限の範囲を超えている |
| It is unfortunate, but... | 取引先・社内(残念な結果の受容) | 高(公式メール・報告) | 遺憾であるが事実として受け入れる |
| These things happen. | 部下・同僚・取引先(相手の失敗) | 中(口頭・チャット) | 誰にでもあることだと寛容に許す |
| Don't worry about it. | 部下・同僚(相手の過失へのフォロー) | 中〜低(会話・社内連絡) | 気に病む必要はないと安心させる |
| It is what it is. | 同僚・親しい仕事仲間(現状追認) | 低〜中(口頭の雑談・内輪) | 起きてしまった現実は変えられない |
不可抗力を示すフォーマル表現:制御不能を伝える
悪天候、システム障害、輸送のストライキ、第三者機関の決定など、自社の過失ではなく防ぎようがなかった事態に対して「不可抗力のため仕方ない」と伝えるフォーマル表現です。
beyond our control
beyond our control は、ビジネスで最も標準的に使われる「不可抗力(私たちの管理範囲を超えている)」を意味するフレーズです。法的な契約書や公式な顧客対応メールでも頻出します。
例文:
Due to severe weather conditions, the shipment delay is beyond our control.
(悪天候のため、配送の遅延は当社の制御が及ばない不可抗力によるものです。)
例文:
We apologize for the inconvenience, but this server outage is beyond our control.
(ご不便をおかけして申し訳ございませんが、このサーバー障害は当社の管理が及ばない事象によるものです。)
out of our hands
out of our hands は「手元を離れている=自社の裁量や対応可能な範囲を超えている」というニュアンスを持ちます。手続きが外部機関に移った際などに適しています。
例文:
Once the application is submitted to the authorities, the timeline is out of our hands.
(当局への申請書類の提出後は、承認までの日程は当社の権限では対応いたしかねます。)
beyond our control
- 当社の管理範囲を超えている
- 悪天候やサーバー障害などに使用
- 契約書や顧客対応メールの標準表現
out of our hands
- 当社の裁量や対応範囲を超えている
- 手続きが外部機関に移った際などに適す
- 申請提出後の日程対応などに使用
自社の管理範囲か、権限や手続きの管轄外かで表現を選びます。
残念だが受け入れるフォーマル表現:客観的に事実を認める
競合他社にコンペで敗れた場合や、予算削減によってプロジェクトが中止になった場合など、「残念だが、現状を受け入れるほかない」という場面で使える表現です。
It is unfortunate, but...
感情的な落胆を直接的にぶつけるのではなく、「客観的に残念である」という冷静な認識を示す表現です。but の後に前向きな次の一手を続ける構文が標準的です。
例文:
It is unfortunate that the project was cancelled, but we learned valuable lessons from it.
(プロジェクトの中止は誠に残念ですが、私たちはそこから貴重な教訓を得ました。)
例文:
While it is unfortunate that we could not reach an agreement, we appreciate your time and consideration.
(合意に至らなかったことは残念でなりませんが、ご検討のお時間をいただきましたことに感謝いたします。)
There is little we can do about...
「現在の状況に対して、私たちができることは極めて限られている」という事実を淡々と伝える表現です。感情的にならず、現実的なリソース配分を判断する際に使います。
例文:
There is little we can do about the raw material price increase at this moment.
(現時点におきましては、原材料価格の高騰に対して私たちが取れる手段は極めて限られております。)

状況に合わせて気持ちを伝える言い方は、「残念」は英語で何て言う?でも確認できます。
次の疑問事実を受け止めるだけでなく相手へ共感を示したいときは、「残念だね・もったいない」の英語表現が参考になります。
相手を責めずに許す配慮表現:ミスを受け止める
同僚や部下がミスをした際や、取引先の担当者が手違いを謝罪してきた際に、「誰にでもあることです(仕方ありませんよ)」と寛容さを示して安心させる表現です。
These things happen.
「仕事ではそういうことも起こり得る」というニュアンスで、相手の落ち度を責めずに受け入れる定番フレーズです。相手の心理的負担を和らげたい場面に最適です。
例文:
These things happen, so please don't be too hard on yourself. Let's fix it together.
(こういうことは起こるものですから、あまりご自身を責めないでください。一緒に修正しましょう。)
Don't worry about it. / No harm done.
軽微なミスで業務に重大な損害が出ていない場合に、「気にする必要はありませんよ(実害はありません)」と伝える口語表現です。
例文:
Don't worry about it at all. We still have plenty of time before the deadline.
(まったく気になさらないでください。締め切りまではまだ十分な時間があります。)
例文:
No harm done. Thank you for flagging the error so quickly.
(実害はありませんので大丈夫ですよ。迅速にエラーを報告していただき助かりました。)
口語「It is what it is」の許容範囲と注意点
洋画や海外ニュースで非常によく使われる It is what it is. ですが、ビジネスシーンでの使用には注意が必要です。
使ってもよい場面
It is what it is. は「起きてしまった現実は現実として受け止めよう」「済んだことを嘆いても始まらない」という達観したニュアンスを持ちます。同僚同士の会話や、チーム内のくだけたブレインストーミングで、起きたトラブルを受け止めて切り替える際には自然に使えます。
例文:
Well, it is what it is. Let's focus on the next step.
(まあ、起きてしまったことは仕方がない。次のステップに集中しよう。)
ビジネスメールや顧客対応では避けるべき理由
フォーマルなビジネスメールや顧客への謝罪・説明の場で It is what it is. を使うと、「そういうものだから我慢しろ」「どうでもいい」という投げやりで冷淡な態度に受け取られる恐れがあります。
改まった文脈では、必ず It is beyond our control. などの論理的で丁寧な表現を選んでください。
使ってもよい場面
- 同僚同士の口頭の雑談
- チーム内のブレインストーミング
- 現実を受け止めて次に切り替える時
避けるべき場面
- フォーマルなビジネスメール
- 顧客への謝罪や説明の場
- 投げやりで冷淡な態度に見える恐れ
内輪での切り替えには使えますが、公式な場面では避ける必要があります。
対面での自然なやり取りを深めたい方は、英会話の総合ガイドを参考にしてください。
次の疑問同僚との雑談やフランクな会話で使えるくだけた言い回しは、仕方ない・しょうがないの英語スラングで詳しく整理しています。
「仕方ない」で終わらせない!次の行動へ繋げる接続表現
ビジネスにおいて「仕方ない」と伝える際、最も重要な作法は「そこで話を終わらせないこと」です。問題を受け止めた直後に、前向きな代替案や次の一手へ繋げるプロフェッショナルな接続フレーズを身につけましょう。
Having said that...(そうは言っても/それを踏まえた上で)
不本意な状況を受け入れつつ、自社の努力を続ける姿勢を示す際に最も重宝する接続表現です。
例文:
The component shortage is beyond our control. Having said that, we are exploring alternative suppliers to minimize the delay.
(部品不足は不可抗力によるものです。
そうは言っても、遅延を最小限に抑えるため代替サプライヤーの確保を進めております。)
Moving forward... / Going forward...(今後は/次に向けて)
過去の事態の議論を切り上げ、視点を未来のアクションへ向けさせる標準的な表現です。
例文:
It is unfortunate that the bid was unsuccessful. Moving forward, let's analyze the client's feedback for the next opportunity.
(入札が不調に終わったことは残念ですが、今後は次の機会に向けてクライアントのフィードバックを分析しましょう。)
In light of this situation...(この状況を鑑みて)
起きた事態を前提として、具体的な代替プランを提示する際の導入表現です。
例文:
In light of this situation, we would like to propose an updated delivery schedule.
(この状況を鑑みまして、改定した納品スケジュールをご提案いたしたく存じます。)
そうは言っても。状況を受け入れつつ努力を続ける姿勢を示す際に使います。
今後は/次に向けて。過去の議論を切り上げ、視点を未来へ向ける標準表現です。
この状況を鑑みて。起きた事態を前提として具体的な代替案を提示します。
事態を受け入れた後に前向きな次の一手を提示するフレーズです。
ビジネスメール実践テンプレート2選
実際の業務で頻出する「納期遅延の受け入れ」と「仕様変更の受諾」のメールテンプレートです。状況を受け入れつつ、前向きに業務を進める文面としてそのまま活用できます。
テンプレート1:相手側の納期遅延を受け入れるメール
Dear Mr. Smith,
Thank you for letting us know about the production delay.
We fully understand that this issue was beyond your control due to the global logistics disruption. These things happen, so please do not be too concerned.
Having said that, we will adjust our internal schedule accordingly. Could you please send us the revised delivery date by Friday?
Sincerely,
Taro Yamada
訳:スミス様、製造遅延についてご連絡いただきありがとうございます。世界的な物流の混乱によるものであり、貴社の制御が及ばない事態であったことは十分に理解しております。
こうしたことは起こるものですので、あまりご心配なさらないでください。それを踏まえ、当社側の社内スケジュールを調整いたします。金曜日までに改定後の納品日をお知らせいただけますでしょうか。敬具 山田太郎
テンプレート2:顧客からの急な仕様変更要請を受け入れるメール
Dear Ms. Davis,
Thank you for your email regarding the design modification.
While it is unfortunate that we have to discard the preliminary drafts, we recognize that market trends require this change.
Moving forward, our team will prioritize updating the blueprints to stay on track with the final launch date.
Best regards,
Hanako Suzuki
訳:デイビス様、デザイン修正に関するメールをありがとうございます。初期ドラフトを破棄せざるを得ないことは残念ですが、市場の動向を踏まえればこの変更が必要であると認識しております。今後は、最終ローンチ日に間に合わせるため、設計図の更新を最優先で進めてまいります。敬具 鈴木花子
よくある間違い・避けるべきNGフレーズ
「仕方ない」という意図で発した言葉が、相手に失礼や冷淡な印象を与えてしまう代表的なNGフレーズを紹介します。
I don't care. / Whatever.
「(結果がどうあれ)気にしていない」「どちらでも構わない」という意味ですが、ビジネスでは極めて不作法で投げやりな言葉遣いになります。決して使わないように注意してください。
Nothing can be done.
「できることは何もない」という意味ですが、努力の放棄や門前払いの印象を強く与えます。「現時点で取り得る手段が限られている」と言いたい場合は、There is very little we can do under the current circumstances. のように緩和した表現を用います。
Forget about it.
親しい友人同士であれば「気にするな」という意味で使えますが、ビジネスの場では文脈によって「その話はもうやめろ」と相手を突き放す冷たい響きを持ちます。安心させたい場面では Please don't worry about it. と丁寧に伝えましょう。
気にしていない・どうでもいいと聞こえ、極めて不作法で投げやりになります。
努力放棄の印象を与えるため、There is very little we can do...等で緩和します。
その話はもうやめろと突き放す響きがあるため、Please don't worry...を使います。
投げやりや冷淡に聞こえる表現を避け、適切な表現に言い換えます。
失礼のない表現を幅広く身につけたいときは、ビジネス英語で使う単語一覧【1426語】が役立ちます。
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理解度チェック
Q1. ビジネスでIt can't be helpedが避けるべきとされる理由は?
- 文法的な誤りを含んでいるため
- 無責任や諦めのニュアンスを与えるため
- 相手のミスを強く非難する響きになるため
- カジュアルすぎて若者言葉に聞こえるため
答えを見る
正解: B. 無責任や諦めのニュアンスを与えるため
主語や責任の所在が曖昧になり、改善努力を諦めている、無責任であるといった消極的なニュアンスを与えるためです。
Q2. 自社の努力では防げない「不可抗力」を伝える表現は?
答えを見る
正解: B. It is beyond our control.
beyond our controlは、自社の管理範囲を超えた不可抗力を表す標準的なフォーマル表現です。
Q3. 相手のミスに対して「誰にでもあることだ」と許容する表現は?
- These things happen.
- It is what it is.
- Nothing can be done.
- Forget about it.
答えを見る
正解: A. These things happen.
These things happen.は、仕事で起こり得る失敗を受け止め、相手の落ち度を責めずに許容する表現です。
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よくある質問
- Q. It can't be helpedは絶対に使ってはダメですか?
- 文法的な誤りではありませんが、消極的で無責任な印象を与えるためビジネスでは基本的に避けます。不可抗力ならIt is beyond our control、受け入れるならIt is unfortunate, but...と言い換えるのが一般的です。
- Q. 相手のミスに対して「仕方ない」と英語で慰めるには?
- 相手を責めずにフォローしたい場合は、These things happen.(こういうことは起こるものです)や Please don't worry about it.(気になさらないでください)が適しています。
- Q. It is what it isはビジネスで失礼になりますか?
- 同僚との口頭の会話や内輪の場では許容されますが、クライアント向けのメールや改まった商談では投げやりに聞こえるため失礼にあたります。改まった場では使わないのが安全です。
- Q. 天候や輸送遅延など自然要因での「仕方ない」は何と言いますか?
- It is beyond our control(私たちの制御が及ばない)が最も標準的なフォーマル表現です。不可抗力による遅延を顧客や取引先に伝える公式文面でよく用いられます。
- Q. 「仕方ない」と英語で伝えた後、どう話を続ければいいですか?
- Having said that...(そうは言っても)や Moving forward...(次に向けて)などの接続表現を使い、代替案や次のスケジュール調整など前向きな打開策を続けて提案します。
2026年10月9日更新・モチタン辞典編集部