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句動詞の自動詞と他動詞の見分け方と語順ルール

句動詞の自動詞と他動詞の見分け方と語順ルール

句動詞の自動詞と他動詞の違いは、句動詞全体として「直後に目的語(名詞)を必要とするかどうか」で決まります。さらに、後ろにくっつく語(小辞)が「副詞」なら目的語を間に挟むことができ、「前置詞」なら直後に目的語を置くため間に挟むことはできません。

特に「他動詞+副詞」型では、目的語が it や them などの人称代名詞の場合、必ず間に挟まなければならない絶対的な語順規則が存在します。

句動詞における自動詞と他動詞の基本定義

英語の単一動詞と同じく、句動詞(動詞+副詞/前置詞)にも自動詞と他動詞の明確な区別が存在します。句動詞を正しく使いこなすための第一歩は、句動詞というまとまり全体が目的語を必要とするかどうかを把握することです。

自動詞の句動詞

目的語を取らず、その句動詞だけで意味が完結する表現です。後ろに直接名詞を置くことはできません。

他動詞の句動詞

動作の対象となる目的語(名詞・代名詞)を必ず必要とする表現です。文の中に目的語が欠落すると文法的に不完全になります。

このように、「何・誰を?」という対象が必要なものが他動詞の句動詞、対象が不要で動作そのものを表すものが自動詞の句動詞です。

次の疑問句動詞と似た表現にイディオムがありますが、違いに迷うなら句動詞と熟語の違いを整理した解説で境界線を確認できます。

小辞が副詞か前置詞かで語順が変わる仕組み

句動詞を学ぶ際に最も混乱しやすいのが、「目的語を間に挟めるのか、挟めないのか」という語順の問題です。この語順の可否を決定づけているのが、動詞の後ろに付く小辞(particle)が副詞なのか前置詞なのかという品詞の違いです。

小辞が「副詞」の場合(分離可能)

副詞は本来、文のさまざまな位置に柔軟に置くことができる品詞です。そのため、「動詞+副詞」で他動詞の働きをする句動詞では、目的語を動詞と副詞の間に挟む語順(分離)が文法的に許容されます。

小辞が「前置詞」の場合(分離不可)

英文法の鉄則として、「前置詞の後ろには必ず目的語が置かれなければならない」という規則があります。前置詞と目的語は固く結びついているため、前置詞の前に目的語を割り込ませることは絶対にできません。

「自動詞+前置詞」は句全体で他動詞のように働きますが、小辞が前置詞である以上、目的語を挟むことは構造上不可能です。この違いを理解すると、丸暗記に頼らず語順を判断できるようになります。

小辞の品詞による語順の違い

小辞が「副詞」

  • 柔軟に置けるため分離可能
  • turn on the switch(可)
  • turn the switch on(可)

小辞が「前置詞」

  • 直後に目的語が必須で分離不可
  • look for the answer(可)
  • look the answer for(不可)

小辞が副詞なら分離可能ですが、前置詞の場合は後ろに目的語が必須のため分離できません。

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次の疑問前置詞の直前に入る要素や位置関係をさらに深掘りしたいときは、動詞と前置詞の間に置く語順のルールも参考になります。

句動詞の4パターン分類マトリクス

英語の句動詞は、構成要素と目的語の取り方によって以下の4つのパターンに整理できます。この分類表を押さえることで、あらゆる句動詞の文法的な振る舞いが一目で分かります。

表は横にスクロールできます →

分類パターン小辞の性質目的語の有無挟み込みの可否代表例
① 自動詞+副詞副詞不要(自動詞)挟む目的語がないwake up, get up, break down
② 他動詞+副詞副詞必要(他動詞)可能(代名詞は必須)pick up, turn on, give up
③ 自動詞+前置詞前置詞必要(他動詞相当)不可(必ず直後に置く)look for, listen to, wait for
④ 他動詞+副詞+前置詞副詞+前置詞必要(他動詞相当)不可(末尾の前置詞直後)put up with, look forward to

それぞれのパターンの構造と具体的な使い方を、例文とともに順番に確認していきましょう。

さまざまな表現をまとめて確認したいときは、句動詞の英単語一覧が参考になります。

パターン①「自動詞+副詞」目的語を取らない句動詞

パターン①は、動詞に副詞が結びつき、句全体として目的語を一切取らないタイプです。主語自身の動作や状態の変化を表します。

代表的な表現と例文

このパターンの句動詞は目的語を取らないため、「目的語を挟むか・後ろに置くか」で悩む必要はありません。直後に名詞を置きたい場合は、別途前置詞を補う必要があります(例: wake up to the sound「音で目を覚ます」)。

句動詞の自動詞・他動詞の見分け方のイメージ

パターン②「他動詞+副詞」と代名詞の挟み込み規則

パターン②は、「他動詞+副詞」の組み合わせで目的語を取る句動詞です。このグループは分離可能(separable)であり、目的語が名詞か代名詞かによって厳格な配置ルールが存在します。

名詞が目的語の場合:挟んでも後ろでもよい

目的語が普通名詞の場合は、副詞の後ろに置いても、動詞と副詞の間に挟んでも文法的に同等です。

人称代名詞が目的語の場合:必ず間に挟まなければならない

目的語が it, them, him, her, me, us などの人称代名詞の場合、必ず動詞と副詞の間に挟まなければなりません。副詞の後ろに置くと文法エラーになります。

なぜ代名詞は必ず間に挟むのか?

英語には「既知の軽い情報(代名詞など)は前寄りに置き、新しく重い情報(具体的な名詞など)は文末寄りに置く」という情報構造の原則(エンド・ウェイトの原則)があります。

また、人称代名詞はアクセントを持たない「弱音」であるため、文末に単独で置くと発音のリズムが崩れます。そのため、強く発音される副詞の前に代名詞を滑り込ませて pick it up[ピッキラップ]と発音する習慣が定着しています。

他動詞+副詞の目的語ルール

名詞が目的語

  • 挟んでも後ろでもよい
  • picked up the trash(正)
  • picked the trash up(正)

代名詞が目的語

  • 必ず間に挟まなければならない
  • picked it up(正解)
  • picked up it(文法エラー)

目的語が名詞なら前後どちらでも置けますが、人称代名詞の場合は必ず間に挟みます。

代名詞を挟む実例をさらに確認したいときは、群動詞(句動詞)の語順と代名詞の位置の例文集が役立ちます。

パターン③「自動詞+前置詞」分離不可の句動詞

パターン③は、単体では自動詞として働く動詞に「前置詞」が結びつき、2語セットで他動詞相当の働き(前置詞句動詞)をするタイプです。このグループは分離不可(inseparable)です。

代表的な表現と例文

「自動詞+前置詞」の注意点

「look for 全体で他動詞のような意味になる」と説明されることが多いため、「他動詞なら目的語を挟めるのでは?」と混同しがちです。しかし、小辞が前置詞である以上、前置詞の直後に目的語が来なければなりません。名詞であっても代名詞であっても、絶対に間に挟むことはできないと覚えておきましょう。

次の疑問前置詞を必要とする動詞の組み合わせに迷うなら、自動詞・他動詞と前置詞の使い分け方を押さえておくと判別がスムーズです。

パターン④「他動詞+副詞+前置詞」3語からなる句動詞

パターン④は、3語以上で構成される句動詞(群動詞)です。動詞の後ろに「副詞+前置詞」が連結し、全体として1つの他動詞のように振る舞います。

代表的な表現と例文

語順のルール

末尾の語が to や with などの前置詞であるため、パターン③と同様に完全分離不可です。名詞・代名詞を問わず、必ず句動詞全体の直後に目的語を配置します。

文脈で自動詞にも他動詞にもなる句動詞

単一の動詞に自動詞・他動詞の両方の用法があるのと同様に、1つの句動詞が意味や文脈によって自動詞としても他動詞としても使われるケースがあります。

take off(離陸する/脱ぐ)

give up(あきらめる/〜を手放す)

grow up / work out

文脈から「動作の対象(目的語)が必要な意味か」を見極めることが判断のポイントです。

文脈による働きの違いに慣れるには、自動詞と他動詞の違いと見分け方の例文集で用例に触れるのがおすすめです。

辞書記号から句動詞の性質を読み取る手順

辞書を引いた際、その句動詞が自動詞か他動詞か、目的語を挟めるのかどうかを確認するための具体的な手順を解説します。

1. 自動詞記号と他動詞記号を確認する

2. 目的語の表記位置(語順)を確認する

多くの英和辞典や英英辞典では、句動詞の見出しや用例で以下のような表記ルールを採用しています。

辞書を引いた際は、単に日本語訳を見るだけでなく、something や somebody がどこに配置されているかをチェックすると、正しい語順が一発で把握できます。

辞書記号から語順を見抜く手順
1自他記号の確認

[自][vi]なら目的語なし、[他][vt]なら目的語を必要とする。

2表記位置の確認

somethingなどの目的語が挟める表記か、直後のみかを確認する。

3語順ルールの判定

間に挟む表記なら分離可能、直後のみなら前置詞のため分離不可と判断。

自他の記号を確認したあと、目的語を示す語の位置から分離の可否を判定します。

学習者が陥りやすい語順の間違いワースト3

句動詞の語順で学習者が犯しやすい典型的な間違いワースト3と、その修正方法をまとめました。

第1位:代名詞を副詞の後ろに置いてしまうミス

第2位:前置詞の句動詞で目的語を挟んでしまうミス

第3位:自動詞の句動詞の直後に目的語を直接置いてしまうミス

語順の間違いワースト3
⚠️1位: 代名詞を後ろに置く

他動詞+副詞型で発生。代名詞itは副詞の後ろでなくthrew it awayと挟む。

🚫2位: 前置詞型で挟み込む

look afterのように小辞が前置詞なら、直後に名詞を置き分離させない。

❌3位: 自動詞型に直接目的語

run awayなどの目的語不要な型には直接名詞を置かず前置詞fromを補う。

学習者が間違えやすい句動詞の語順パターンと正しい修正方法です。

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英文法の疑問をすべて見る「英語自動詞他動詞」のまとめ

理解度チェック

Q1. 「他動詞+副詞」で目的語が代名詞の場合の語順ルールは?

  1. 副詞の後ろに置かなければならない
  2. 動詞と副詞の間に必ず挟む
  3. 文頭に移動させなければならない
  4. 挟んでも後ろに置いてもどちらでもよい
答えを見る

正解: B. 動詞と副詞の間に必ず挟む
目的語が人称代名詞の場合、必ず動詞と副詞の間に挟む必要があります。副詞の後ろに置くと文法エラーになります。

Q2. 次のうち、英文法として正しい文はどれですか?

  1. I am looking it for.
  2. She turned off it.
  3. I cannot put up with it.
  4. We waited him for.
答えを見る

正解: C. I cannot put up with it.
put up withのような3語からなる句動詞は完全分離不可のため、末尾の前置詞の直後に目的語を置く形が正解です。

Q3. 「自動詞+前置詞」の句動詞の特徴として正しいものは?

  1. 前置詞の前に目的語を挟むことができる
  2. 目的語を一切取らずに意味が完結する
  3. 名詞の目的語だけ間に挟むことができる
  4. 句全体で他動詞相当だが分離はできない
答えを見る

正解: D. 句全体で他動詞相当だが分離はできない
「自動詞+前置詞」は句全体で他動詞相当の働きをしますが、前置詞の直後に目的語が必要なため間に挟むことはできません。

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よくある質問

Q. 句動詞の見分け方は何ですか?
後ろに直接「何を・誰を」にあたる名詞が必要なら他動詞、不要なら自動詞です。目的語を取る場合、小辞が副詞なら挟むことができ、前置詞なら挟めません。
Q. pick up it はなぜ間違いですか?
pick up は「他動詞+副詞」型で、it のような人称代名詞は必ず動詞と副詞の間に挟む規則があるためです。弱音の代名詞を文末に置かない音韻上の理由もあります。
Q. 自動詞+前置詞は他動詞ですか?
動詞単体としては自動詞ですが、前置詞とセットになることで句全体として他動詞相当の働きをします。ただし前置詞の性質上、目的語を間に挟むことはできません。
Q. 前置詞か副詞か見分ける方法は?
後ろに名詞を伴わないと成立しないものが前置詞(look for 名詞)、名詞がなくても単独で位置や方向を表せるものが副詞(turn on, wake up)です。
Q. 3語の句動詞は目的語を挟めますか?
挟めません。put up with や look forward to などの3語句動詞は最後の語が前置詞であるため、名詞・代名詞を問わず必ず全体の直後に目的語を置きます。

2026年10月9日更新・モチタン辞典編集部