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個人情報の英語表現と使い分け

「個人情報」を英語で表す場合、最も一般的で自然な表現は personal information です。ITシステムや欧州法規では personal data、情報セキュリティや米国法規では PII(Personally Identifiable Information) が定着しています。

一方、private information は個人の私生活や秘密というニュアンスが強くなるため、一般的な顧客情報には用いません。文脈に合った正確な使い分けを押さえましょう。

個人情報の英語表現と使い分け

個人情報の英語表現まとめ

「個人情報」を指す英語には複数の言い方があり、使用する場面や法規制によって標準的な語彙が異なります。まずは日常会話から法務文書まで幅広く用いられる主要4表現の違いを整理します。

英語表現主な使用分野ニュアンス・特徴
personal information日常会話、一般的なビジネス、利用規約最も標準的で汎用性が高い。氏名、住所、電話番号などを幅広く含む。
personal dataITシステム、EU法(GDPR)、技術文書電子的・機械的に処理・蓄積されるデータとしての側面を強調する。
PII(Personally Identifiable Information)情報セキュリティ、米国法(NIST等)、監査特定の個人を直接・間接に識別できる情報。厳密な定義に基づく専門用語。
private informationプライベートな私事、プライバシーの話題他人に知られたくない私生活の秘密や内輪の話。規約文言言としては不適切。

日常の会話やWebサイトの一般的な文脈では personal information を選べば誤解を生む心配はありません。ただし、システム開発や海外法規への対応では、対象とする地域や文書の種類に応じて personal data や PII を正確に選定する必要があります。

次の疑問基本となる単語自体のつづりや語源を確認したいときは、インフォメーションの正しいスペルと意味もあわせてご覧ください。

主要4表現の定義と使い分け

1. personal information(最も汎用的な標準語)

personal information は、生存する個人に関する情報全般を指す最も基本の英語表現です。氏名、生年月日、住所、電話番号、メールアドレスなど、特定の個人と結びつく情報すべてを包含します。一般企業のWebサイト、カスタマーサポート、案内文書など、幅広い文脈で用いられます。

We will not disclose your personal information to any third party without your consent.
当社はお客様の同意なしに個人情報を第三者へ開示いたしません。

2. personal data(IT・法務・EU基準)

personal data は、コンピュータシステムやデータベースに格納され、機械的に処理・分析・管理される情報を指す際に好まれます。特に欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)では、公式の法約語として personal data が一貫して採用されています。

システムの設計書やデータ移行計画、データベース設計の仕様書などでもこの語が標準的です。

The new system securely encrypts all customer personal data in the database.
新しいシステムはデータベース内のすべての顧客個人データを安全に暗号化します。

3. PII / Personally Identifiable Information(米国のセキュリティ基準)

PII は Personally Identifiable Information の頭字語で、日本語では「個人識別情報」と訳されます。米国国立標準技術研究所(NIST)のガイドライン(NIST SP800-122)をはじめ、米国の法制度やサイバーセキュリティ、コンプライアンス監査の現場で標準的に用いられる専門用語です。

単独で個人を特定できる情報(氏名や社会保障番号など)だけでなく、他の情報と組み合わせることで個人を特定できる情報も含みます。

Organizations must implement robust security controls to protect PII against unauthorized access.
組織は不正アクセスから個人識別情報(PII)を保護するため、強固なセキュリティ管理策を導入しなければなりません。

4. private information(使用時に注意が必要な表現)

private information は、「私生活に関わる個人的な事柄」や「非公開にしておきたい秘密情報」を意味します。日記の内容、個人の信条、家庭内の事情といったプライベートな秘密を指す語であり、企業がサービス提供のために収集・管理する「顧客の氏名や住所」を指す言葉としては適していません。

利用規約やプライバシーポリシーに private information と書くと、「企業が個人のプライベートな秘密を収集している」という不自然な語感を与えてしまうため避けるのが賢明です。

You should never share your private information with strangers online.
インターネット上で見知らぬ人に私的な秘密情報を教えてはいけません。

センシティブ情報:Sensitive Personal Information(SPI)

人種、信条、病歴、犯罪歴など、不当な差別や偏見を生むおそれがある特に配慮を要する個人情報は、Sensitive Personal Information(SPI) や sensitive personal data、または日本の個人情報保護法における「要配慮個人情報」に相当する概念として扱われます。

これらは一般的な個人情報よりも厳格な管理が法令上義務付けられています。

The processing of sensitive personal data requires explicit consent under data protection regulations.
センシティブな個人データの処理には、データ保護規則のもとで明示的な同意が必要です。

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文法注意:不可算名詞のルール

日本の英語学習者やビジネスパーソンが極めて頻繁に犯す間違いが、personal informations のように information に複数形の -s を付けてしまう誤用です。

information は不可算名詞(数えられない名詞)

英語の information は不可算名詞(uncountable noun)です。どれほど大量の個人情報や複数人分の情報であっても、文法上は単数扱いとなり、末尾に -s を付けることはできません。また、冠詞の an を直接前に付けることも誤りです。

個別の項目(氏名や生年月日などの1つひとつ)を数えたい場合は、助数詞を用いて a piece of personal information(1件の個人情報)や items of personal information(複数の個人情報項目)と表現します。

data は集合名詞・複数扱いと単数扱い

一方、personal data の data は、歴史的にはラテン語 datum の複数形ですが、現代のビジネス英語や技術文書では「集合名詞」として単数扱い・複数扱いの双方が用いられます。

GDPRなどの公的文書では複数扱い(personal data are processed)とされる傾向がありますが、一般的なビジネスでは単数扱い(personal data is stored)も広く認められています。

informationとdataの文法規則

personal information

  • 不可算名詞(数えられない)
  • 末尾に -s は付けられない
  • 冠詞 an を直接付けられない
  • 1件なら a piece of を使う

personal data

  • 歴史的には datum の複数形
  • 現代では集合名詞として扱う
  • GDPR等では複数扱いが優勢
  • 一般ビジネスでは単数扱いも可

informationの不可算ルールとdataの単複の扱いを確認しましょう。

次の疑問名詞の数え方で迷いやすい単語としては、experienceの可算・不可算の使い分けもあわせて確認しておくと理解が深まります。

実務頻出の動詞コロケーション集

実務で個人情報について英語で話す・書く際は、組み合わせる動詞(コロケーション)を正しく選ぶことが大切です。現場で頻出する動詞の組み合わせを用途別に整理しました。

操作・状況英語コロケーション意味
取得・収集collect personal information個人情報を収集・取得する
取得・収集obtain personal information(同意や手続きを経て)個人情報を入手する
入力・登録enter personal informationフォーム等に個人情報を入力する
入力・登録input personal informationシステムに個人情報を打ち込む
取り扱い・処理handle personal information個人情報を取り扱う・管理する
取り扱い・処理process personal data個人データを電算処理・加工・利用する
保護・管理protect personal information個人情報を保護する
保護・管理safeguard personal data個人データを脅威から厳重に守る
保管・保存store personal information個人情報を保管・保存する
開示・提供disclose personal information個人情報を外部に開示する
開示・提供transfer personal data個人データを(第三者や海外へ)移転する
削除・破棄delete personal information個人情報を削除する
削除・破棄erase personal data個人データを消去する(忘れられる権利等)
漏洩・流出suffer a personal data breach個人データの漏洩事故に見舞われる
漏洩・流出leak personal information個人情報を(不注意や故意で)漏洩させる

「情報漏洩」を表す英語表現

個人情報の漏洩事故について言及する際、ニュースや公式プレスリリースでは leak よりも data breach(データ侵害・漏洩)という語が公的用語として用いられます。

leak は「内部からの意図的なリーク」や「うっかり漏れ」の響きを持つ一方、breach は「セキュリティ侵害による漏洩事故」全般を指す法的な標準語です。

The company reported a major personal data breach affecting over 10,000 users.
その会社は1万人以上の利用者に影響を及ぼす重大な個人データ漏洩を報告しました。

「個人情報」の英語表現のイメージ

Web同意文・規約用テンプレート

海外向けWebサイト、問い合わせフォーム、会員登録画面などでそのまま使用できる「個人情報の取り扱いに同意する」チェックボックスおよび案内文の定型フレーズ集です。

チェックボックス用の短いフレーズ(UI・フォーム向け)

問い合わせフォーム・登録画面に添える注記文

The personal information you provide will be used solely for the purpose of responding to your inquiry.
ご提供いただいた個人情報は、お問い合わせへの回答目的のみに使用いたします。

We are committed to protecting your personal information in accordance with our Privacy Policy.
当社はプライバシーポリシーに基づき、お客様の個人情報を確実に保護することをお約束いたします。

Please do not include sensitive personal information such as credit card numbers or passwords in this form.
本フォームにはクレジットカード番号やパスワードなどのセンシティブな個人情報を記入しないでください。

Web同意文の定型フレーズ
📄ポリシーへの同意

I have read and agree to the Privacy Policy.(推奨形式)

⚙️データ処理への同意

I agree to the processing of my personal data.

🤝情報取扱いへの同意

I agree to the handling of my personal information.

📤送信によるみなし同意

By submitting this form, you agree to our Privacy Policy.

WebフォームやUIで用いられる同意文の主な表現パターンです。

ビジネスメールで使える実用例文集

海外の取引先や顧客とのメールのやり取りで、個人情報の送付・受領・確認を行う際の具体的な英文メール文例です。

例文1:個人情報の送付を依頼するメール

Subject: Request for personal information for account setup
件名:アカウント設定のための個人情報ご提出のお願い

Dear Mr. Smith,
スミス様

To complete your registration, we kindly ask you to provide the required personal information via the secure link below. Please rest assured that all submitted personal data will be encrypted and stored safely.
ご登録手続きを完了するため、以下の安全なリンクより必要な個人情報をご入力いただけますようお願いいたします。

ご提出いただいたすべての個人データは暗号化され、安全に保管されますのでご安心ください。

Best regards,
よろしくお願いいたします。

例文2:個人情報の削除依頼に対応するメール

Subject: Confirmation of personal data deletion
件名:個人データ削除完了のご案内

Dear Ms. Davis,
デイビス様

We have processed your request to delete your personal information from our database. All records associated with your account have been permanently erased in compliance with applicable data protection laws.
データベースからお客様の個人情報を削除する手続きを完了いたしました。

該当のアカウントに関連するすべての記録は、適用されるデータ保護法令に従って恒久的に消去されました。

Sincerely,
敬具

例文3:個人情報漏洩インシデントの報告・謝罪文

We deeply apologize for any concern caused by the recent personal data breach. We have taken immediate corrective measures to enhance our security infrastructure and prevent any reoccurrence.
先般発生した個人データ漏洩事故により、多大なるご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。

当社はセキュリティ基盤を強化し、再発を防止するための是正措置を速やかに講じました。

個人情報管理メールの業務フロー
1提出依頼

安全なリンクから登録用情報の提出を求める

2暗号化・保管

提出された個人データを安全に保管・暗号化

3削除要請受付

顧客からデータベース上の情報削除依頼を受ける

4完全消去・通知

法令に準拠して消去し完了通知を送付する

本文例文に見る、個人情報の提出依頼から削除完了通知までの流れです。

実務で役立つ定型表現をさらに確認したいときは、ビジネスの例文集が参考になります。

国際法規制による用語の基準

グローバル法務や多国籍ビジネスでは、準拠する法律の管轄区域によって選ぶべき術語が法的に定められています。日本法、EU法、米国法の主要な対比を整理します。

表は横にスクロールできます →

地域・法規制主要法令・基準公式・標準用語概要と留意点
日本個人情報保護法Personal Information / Act on the Protection of Personal Information (APPI)日本の法令公式英訳。法定義上の「個人情報」には personal information、「個人データ」には personal data が充てられる。
EU(欧州)一般データ保護規則(GDPR)Personal Data / General Data Protection Regulation (GDPR)EU法では原則として personal data を統一使用。IPアドレスやCookie識別子も広義の個人データに含まれる。
米国(連邦・州)NIST SP800-122 / CCPA(カリフォルニア州)PII (Personally Identifiable Information) / Personal Information連邦セキュリティ基準では PII、カリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)等では Personal Information を定義。

日本の「個人情報保護法」の公式英訳

日本の法律名である「個人情報保護法」の正式な英語名称は Act on the Protection of Personal Information であり、国際的にも APPI という略称で広く知られています。法務文書やコンプライアンス規程で日本法に言及する際は、この正式名称を使用します。

Our compliance guidelines are fully aligned with the Act on the Protection of Personal Information (APPI) of Japan.
当社のコンプライアンスガイドラインは、日本の個人情報保護法(APPI)に完全に準拠しています。

理解度チェック

Q1. EUの一般データ保護規則(GDPR)で一貫して採用される公式の法約語はどれですか?

  1. personal information
  2. personal data
  3. PII
  4. private information
答えを見る

正解: B. personal data
EUの一般データ保護規則(GDPR)では、公式の法約語として personal data が一貫して採用されています。

Q2. 「重要な個人情報の1項目」を表す文法的に正しい英語表現はどれですか?

  1. an important personal information
  2. important personal informations
  3. an important piece of personal information
  4. an important piece of personal informations
答えを見る

正解: C. an important piece of personal information
information は不可算名詞のため -s や冠詞 an を直接付けられず、個別の項目を数えるには a piece of を用います。

Q3. 公式リリース等でセキュリティ侵害による漏洩事故全般を指す公的な標準語はどれですか?

  1. data breach
  2. data leak
  3. private information
  4. information loss
答えを見る

正解: A. data breach
leak がうっかり漏れ等の響きを持つのに対し、breach はセキュリティ侵害による漏洩事故全般を指す公的・法的な標準語です。

よくある質問

Q. 「個人情報」の英語で一番無難な表現は?
日常会話や一般的なビジネスでは personal information が最も無難で確実です。世界中で通じ、不自然な語感を与える心配がありません。
Q. personal informations と複数形にできますか?
できません。information は不可算名詞(数えられない名詞)のため、常に単数形で扱います。項目を数えたい場合は pieces of personal information と表します。
Q. private information は使ってはいけませんか?
個人の私生活の秘密を指す日常会話なら問題ありませんが、企業の規約やフォームで顧客情報として使うと「他人の私事に干渉している」響きになるため避けてください。
Q. 日本の「個人情報保護法」は英語で何と言いますか?
公式英訳は Act on the Protection of Personal Information です。国際ビジネスや法務の場では略称の APPI も広く認知されています。
Q. 「個人情報漏洩」を英語で何と言いますか?
公式な事故報告やビジネスでは personal data breach や data breach が標準的です。不注意による日常的な情報漏れには leak of personal information も使われます。

2026年9月28日更新・モチタン辞典編集部

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