モチタン辞典 › 読みもの › 英語の違い・文化 › オランダで英語は通じる?普及率と理由

オランダで英語は通じる?話せる割合や公用語の実態を解説

オランダで英語は通じる?話せる割合や公用語の実態を解説

オランダでは観光・ビジネス・日常生活のほぼすべての場面で英語が問題なく通じます。国民の90%以上(約94〜95%)が英語を話せるバイリンガルであり、非英語圏の英語力ランキングでも世界1位常連の実績を誇ります。公用語はオランダ語ですが、旅行や短期滞在であれば中学レベルの基礎英語だけで快適に過ごせます。

オランダで英語は通じる?話せる割合とランキング

オランダを訪れる旅行者や留学生が最初に驚くのが、街中のどこへ行っても極めて流暢な英語が返ってくる点です。ここでは、客観的なデータをもとにオランダ人の英語力と普及率を見ていきます。

国民の90%以上が英語を話すバイリンガル

各種の国際調査によると、オランダ国民の約94〜95%が「日常会話以上の英語を話せる」と回答しています。若年層だけでなく、60代以上のシニア層や個人商店の店主、駅の清掃員に至るまで、幅広い年代と職種で英語によるコミュニケーションが成立します。

非英語圏でありながら、これほど高い英語普及率を維持している国は世界でも極めて稀です。

世界英語能力指数(EF EPI)で非英語圏1位の常連

世界的な民間教育機関が毎年公表している非英語圏対象の英語能力指数「EF EPI(English Proficiency Index)」において、オランダは毎年のように世界1位、あるいはトップクラスに位置しています。

大学進学率の高さや国際ビジネス拠点が集中している背景もあり、国民全体の平均的な英語運用能力は欧州諸国の中でも群を抜いています。

オランダの公用語は英語ではなく「オランダ語」

これほど英語が普及しているため「オランダは英語圏なのか」「公用語が英語なのか」と誤解されがちですが、国の唯一の公用語はオランダ語(Dutch)です。

憲法や公的制度、行政手続き、初等教育の基本言語はオランダ語であり、法律上の英語圏ではありません。英語はあくまで「極めて高い水準で習得された第2言語(外国語)」という位置づけになります。

モチベア単語と例文をアプリで定着させるなら、単語アプリ「モチタン」単語アプリ「モチタン」なら、ゲームで覚えられます。まちがえた単語は苦手単語帳にまとまります。無料で試す

オランダ人の英語力が高い3つの理由

なぜ母国語がオランダ語であるにもかかわらず、オランダ人はこれほど英語をペラペラと上手に話せるのでしょうか。言語的・環境的・教育的な3つの明確な理由が存在します。

1. オランダ語と英語の言語構造が非常に近い

オランダ語と英語は、ともにインド・ヨーロッパ語族の西ゲルマン語群に属しています。語彙(単語)のスペルや発音、語順などの文法構造が兄弟言語のように似通っています。

例えば、英語の apple(りんご)はオランダ語で appel、英語の house(家)は huis、英語の water(水)は water です。

日本人にとっての韓国語学習のように、文法規則や基本単語の共通点が多いため、オランダ人にとって英語は習得のハードルが極めて低い言語です。

2. 吹き替えなしの字幕文化による豊富なインプット

ドイツやフランス、スペインなどの欧州諸国では、ハリウッド映画や海外ドラマを自国語に吹き替えて放送するのが主流です。一方、オランダでは子どもの頃からテレビアニメや海外映画を吹き替えず、原語(英語)の音声にオランダ語字幕をつけて放送します。

そのため、国民は幼少期から日常的に自然な英語の音やリズムに触れ続けており、リスニング力と発話に対する心理的障壁が自然と取り除かれています。

3. コミュニケーション重視の早期英語教育

オランダでは小学校の早い段階から英語の授業が導入されています。日本の英語教育で長く中心とされてきたような文法偏重・和訳中心の授業ではなく、「相手に自分の意思を伝える」「実社会で会話をする」ことに重点を置いた実践的な教育が行われます。

また、高等教育(大学など)では多くの講義が最初から英語で開講されており、学術・ビジネスの場で英語を道具として使いこなす訓練が自然と積まれています。

オランダ人の英語力が高い3つの理由
🗣️言語構造が非常に近い

英語と西ゲルマン語群で共通点が多く、単語や文法の習得難度が低い。

📺字幕文化でのインプット

海外作品を吹き替えず英語音声+字幕で観るため、日常的に耳が慣れる。

🎓実践重視の早期教育

小学校から会話重視で学び、大学講義も英語で行われるなど実践機会が豊富。

言語の近さ、字幕文化、実践的教育という3つの要因から高い英語力が育まれます。

この記事に出てくる英単語(イラスト・音声つきの辞典ページへ)

次の疑問両言語の共通点について詳しく知りたい方は、オランダ語と英語の文法や単語の比較もあわせて確認してみてください。

場所別の英語通用度とリアルな対応

オランダ国内の具体的な施設や場面ごとに、英語がどの程度通じるのかをまとめました。大都市(アムステルダム、ロッテルダム、ユトレヒトなど)だけでなく、地方都市でも高い水準で通用します。

場所・シーン英語の通用度実際の状況と注意点
空港・スキポール駅100%案内アナウンスや標識を含め、完全に英語で完結可能
ホテル・観光案内所100%スタッフ全員が流暢な英語で対応
一般の鉄道・トラム・バス95%車掌や運転手、窓口係員には英語がそのまま通じる
レストラン・カフェ95%英語メニューが常備されており、注文や会計も英語で対応可能
スーパーマーケット90%店員への質問は英語で通じるが、商品パッケージはオランダ語中心
病院・薬局95%医師・薬剤師ともに高度な英語を話し、医療用語も通じる
市役所などの公的機関80%窓口対応は英語で応じてくれるが、公式書類はオランダ語のみ
地方の個人商店・青果店85%高齢の店主でも簡単な日常英語なら聞き取り・返答が可能

オランダ英語の発音と訛り(アクセント)の特徴

米英のネイティブスピーカーと比べると、オランダ人の英語には少し硬質でハキハキとしたアクセント(訛り)があります。子音をはっきりと発音し、語尾を曖昧にぼかさない傾向があるため、リエゾン(単語同士の音の連結)が多く聞き取りにくいアメリカ英語や、独特のイントネーションがあるイギリス英語に比べ、日本人にとっては単語の区切りが聞き取りやすいと感じるケースが多々あります。

片言の英語に対するオランダ人のリアクション

オランダ人は実用性と効率性を重視する国民性を持っています。相手が外国人であっても、文法の間違いを細かく指摘したり嘲笑したりすることはまずありません。

こちらが片言の英語で要件を伝えれば、必要な情報を簡潔かつ的確に返してくれます。ただし、愛想笑いや過剰な気配りをする文化ではないため、淡々とした対応に見えることがありますが、冷たいわけではなく「対等に事実を伝えている」だけです。

次の疑問現地で耳にする英語の発音が気になるなら、国による英語の訛りや発音の違いを知っておくと聞き取りやすくなります。

英語が通じない・困る具体的な例外シーン

「国民のほとんどが英語を話せる」とはいえ、オランダ国内の公用語がオランダ語である以上、英語だけでは困惑する具体的な例外シーンが存在します。事前に把握しておくことでトラブルを防げます。

1. スーパーマーケットの商品表示とセルフレジ

アルバート・ハイン(Albert Heijn)などの大手スーパーマーケットでは、店員に質問すれば英語で親切に答えてくれます。しかし、棚の値札や商品の原材料表示、賞味期限の表記は原則としてすべてオランダ語です。

特に注意したいのが乳製品で、牛乳(melk)の隣にバターミルク(karnemelk)が並んでおり、買い間違える旅行者が後を絶ちません。また、セルフレジの画面は言語切り替えボタンで English を選択できる店舗が多いものの、一部の機械では初期設定がオランダ語のまま進むことがあります。

2. 鉄道の緊急遅延案内・プラットホームのアナウンス

オランダ鉄道(NS)の主要駅の電光掲示板には英語の補足が出ますが、運行トラブルや運休、ホーム変更が発生した際の緊急自動放送や車内アナウンスは、オランダ語のみで流れることがあります。

周囲の乗客が一斉に電車を降りたり別のホームへ移動し始めたりした場合は、近くの乗客に "Excuse me, what did the announcement say?"(すみません、今のアナウンスは何と言っていましたか?)と英語で尋ねると、親切に教えてもらえます。

3. 道路標識・駐車場のパーキングメーター

レンタカーを運転する際、道路標識の文字情報はオランダ語です。特に注意が必要なのが駐車規制の看板で、駐車禁止時間帯や許可証車両専用スペースの案内は英語が併記されていません。路上のパーキングメーターもオランダ語表示の機械が一部残っています。

4. 行政からの公的レター・税金通知

オランダに移住・留学した場合、税務署(Belastingdienst)や市役所(Gemeente)、健康保険会社から自宅に届く書面や郵便物は、法律によりほぼ100%オランダ語で届きます。

重要な納付期限や手続きの案内を見落とさないよう、スマートフォンのカメラ翻訳アプリを活用して内容を確認する習慣が必須です。

英語だけでは困る4つの例外シーン
🛒スーパーの商品表示

値札や原材料はオランダ語表記。牛乳とバターミルクの誤認に注意。

🚆鉄道の緊急遅延案内

トラブル時の緊急放送はオランダ語のみの場合があり、周囲への確認が必要。

🚗道路標識・パーキング

駐車規制の看板や一部精算機はオランダ語のみで英語併記がない。

✉️行政の公的レター

税務署や市役所からの通知書は法律によりほぼ100%オランダ語で届く。

公用語がオランダ語であるため、生活インフラの一部では現地の言葉への対応が必要です。

オランダで英語は通じる?普及率と理由のイメージ

駅や移動時のトラブルで慌てないために、交通・タクシー・電車の英会話フレーズをあらかじめ確認しておくと安心です。

旅行や移住に必要な英語力と役立つフレーズ

オランダへ行くにあたり、日本人に求められる英語レベルの目安と、現地ですぐに使える実用的な英語フレーズを整理しました。

日本人側の必要英語力:中学レベルの単語・文法で十分

旅行や数日〜数週間の短期滞在であれば、難しい構文や高度な語彙は一切必要ありません。中学で習う基本文法(主語+動詞+目的語の形)と、数字や買い物の基礎単語さえあれば十分に対応できます。オランダ人は英語の理解力が極めて高いため、こちらの拙い英語や単語の羅列からでも意図を汲み取ってくれます。

現地ですぐに使える実用英語フレーズ集

街中や店舗でそのまま使える基本表現です。会話を切り出すときは、まず挨拶を添えるのがマナーです。

知っておくと親切な最低限のオランダ語挨拶

基本は英語で問題ありませんが、現地の言葉で挨拶をすると好印象を持たれます。以下の2語だけでも覚えておくと便利です。

現地ですぐに使える実用英語フレーズ

街中や店舗でそのまま使える基本表現と挨拶を一覧で確認できます。

オランダ語は必要?滞在目的別の判断基準表

「オランダに行くならオランダ語を勉強すべきか、英語だけで良いのか」という疑問は、滞在の目的や期間によって答えが分かれます。以下の表を参考に学習の優先順位を判断してください。

表は横にスクロールできます →

滞在目的・ステータス英語だけで乗り切れるかオランダ語の必要性判断の基準とアドバイス
短期旅行(数日〜数週間)完全に乗り切れる不要中学レベルの英語で十分。オランダ語は挨拶程度で問題なし
大学・大学院留学(1〜3年)学業・生活ともに乗り切れる推奨(基礎レベル)講義は英語で完結するが、現地の学生コミュニティに入るなら少し知ると有利
外資系駐在・フリーランス(1〜2年)生活面はほぼ乗り切れるあると便利日常の買い物や銀行・ネット契約等は英語で可能。行政書類の解読に翻訳アプリが必要
現地企業就職・永住希望(長期定住)生活は可能だがキャリアに壁必須英語のみの求人は限られ、永住権や帰化の申請には公的なオランダ語試験が必須

結論として、旅行者や短期の留学生・滞在者であればオランダ語を事前に無理して習得する必要はありません。まずは通じる英語力をブラッシュアップすることに集中するのが最も効率的なアプローチです。

続けて読む

英語の違い・文化の疑問をすべて見る「オランダ英語」のまとめ

理解度チェック

Q1. オランダの言語環境に関する記述として正しいものは?

  1. 法律上の唯一の公用語はオランダ語である
  2. 国民の約半数は日常会話の英語も話せない
  3. 英語とオランダ語の両方が公用語に定められている
  4. テレビの海外映画は自国語に吹き替えて放送される
答えを見る

正解: A. 法律上の唯一の公用語はオランダ語である
本文では、オランダの法律上の唯一の公用語はオランダ語であり、英語は公用語ではなく第2言語という位置づけであると説明されています。

Q2. 電車で緊急アナウンスの内容を周囲に尋ねる英語表現は?

  1. Do you speak English?
  2. Can I have this one, please?
  3. Excuse me, what did the announcement say?
  4. Could you tell me how to get to the station?
答えを見る

正解: C. Excuse me, what did the announcement say?
本文では、オランダ語のみの緊急アナウンスの意味を近くの乗客に尋ねるフレーズとして、選択肢の英文が紹介されています。

Q3. オランダ滞在時に英語だけで困る具体的な場面はどれ?

  1. 空港やスキポール駅での案内や標識の確認
  2. ホテルや観光案内所でのスタッフへの相談
  3. 大手スーパーでの商品原材料や賞味期限の確認
  4. カフェやレストランでのメニューの注文や会計
答えを見る

正解: C. 大手スーパーでの商品原材料や賞味期限の確認
大手スーパーの店員には英語が通じるものの、棚の値札や商品の原材料表示、賞味期限の表記は原則としてすべてオランダ語であると記載されています。

よくある質問

Q. オランダは英語圏ですか?
いいえ、オランダは英語圏ではありません。国の唯一の公用語はオランダ語です。ただし、国民の90%以上が英語を極めて流暢に話すため、実質的には英語圏に近い感覚で滞在できます。
Q. オランダ人の英語は訛りがあって聞き取りにくい?
オランダ人の英語は子音を明瞭に発音するため、単語の区切りがはっきりしており、日本人にとっては米英ネイティブの英語よりも聞き取りやすいと感じる人が多いです。
Q. 英語が全く話せなくてもオランダ旅行は可能ですか?
中学レベルの英単語や翻訳アプリがあれば十分旅行可能です。オランダ人は英語が通じない旅行者にも寛容で、身振り手振りや翻訳画面を見せれば親切に応じてくれます。
Q. オランダで英語が通じない人はどんな人ですか?
都市部ではほぼ皆無ですが、地方の農村部に住むごく一部の高齢者や、近年他国から移住してきたばかりの非英語話者などの場合は英語が通じにくいことがあります。
Q. オランダ留学では英語だけで授業を受けられますか?
はい、多くの大学で学士・修士課程のプログラムが全編英語で提供されています。ヨーロッパの中でも英語で学位を取得できるコースの数が最も多い国の一つです。

2026年10月12日更新・モチタン辞典編集部