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TOEFLの個人受験と団体受験の違いを比較

TOEFLの個人受験と団体受験の違いを比較

TOEFLの個人受験はTOEFL iBT、団体受験はTOEFL ITPを指します。両者の最大の違いは測定技能とスコアの公式効力です。個人受験のiBTは英語圏の大学・大学院進学に通用する4技能(読む・聞く・話す・書く)の公式テストであるのに対し、団体受験のITPは学校や企業が学内評価・クラス分けのために実施する3技能(聞く・文法・読む)の内部テストであり、個人での直接申し込みや正規の海外留学出願には原則として利用できません。

TOEFL個人受験と団体受験の違い一覧

英語能力測定試験であるTOEFL(Test of English as a Foreign Language)には複数のテスト形態が存在しますが、一般的に「個人受験」と呼ばれるものはTOEFL iBT(Internet-based Test)を指し、「団体受験」と呼ばれるものはTOEFL ITP(Institutional Testing Program)を指します。

双方は名前こそ同じTOEFLを冠しているものの、開発の目的、受験者の申し込み経路、試験会場、測定される英語力、そして取得したスコアの対外的な通用度が大きく異なります。まずは両試験の全体像を以下のスペック比較表で確認してください。

項目個人受験(TOEFL iBT)団体受験(TOEFL ITP Level 1)
テストの正式名称TOEFL iBT テストTOEFL ITP テスト
受験の形態個人が直接申し込んで受験大学・高校・企業等の団体が一括申込
測定される技能4技能(Reading, Listening, Speaking, Writing)3技能(Listening, Structure and Written Expression, Reading)
受験方式専用会場のコンピュータ(または自宅受験)所属団体の教室(マークシート紙試験またはPC版)
試験の所要時間約2時間約2時間(マークシート回収等を除く)
スコアの表示範囲0〜120点(各セクション0〜30点)310〜677点(3セクション換算点の合計×10÷3)
公式スコア票の発行ETSより公式スコアレポートが発行される団体宛に個人成績表(スコアレポート)が送付される
海外大学・大学院への出願原則利用可能(世界基準の認定スコア)原則不可(協定校交換留学などの一部例外を除く)
受験料の負担水準米ドル建て決済のため高額(個人全額負担)団体一括実施のため比較的安価(団体補助がある場合も)

過去にはペーパー形式の公式試験であるTOEFL PBT(Paper-based Test)や、初期のコンピュータ形式であるTOEFL CBT(Computer-based Test)が個人向けに実施されていましたが、これらは世界的にすでに終了しています。

現在、個人が公式スコアを取得するために申し込めるTOEFLの主流はTOEFL iBTのみです。なお、最新の日程・料金は実施団体の公式サイトで確認してください。

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測定技能と試験形式の決定的な違い

TOEFL iBTとTOEFL ITPの学習対策を立てるうえで、最も意識しなければならないのが「測定するスキルの構成」と「解答インターフェース」の乖離です。

TOEFL iBT:PCでアウトプット力まで測る4技能試験

個人受験のTOEFL iBTは、英語圏の高等教育機関で講義を聞き、文献を読み、ディスカッションに参加し、レポートを執筆できるかを総合的に判定する試験です。そのため、インプット能力(受容スキル)だけでなく、高度なアウトプット能力(発信スキル)が試されます。

すべての操作がコンピュータ上で完結し、スピーキングでは明確な発音や論理構成、ライティングではタイピング速度とアカデミックな語彙運用がスコアに直結します。

TOEFL ITP:文法と読解・聴解を測るマークシート試験

一方、団体受験のTOEFL ITP(Level 1)は、過去に公式テストとして使われていたTOEFL PBTの問題用紙を再構成した試験プログラムです。スピーキングとライティングのアウトプットセクションが存在せず、マークシート方式による選択問題で構成されています。

TOEFL ITPは「正しい英文法を見抜く力」「短時間で大量の英文を読んで正解を選ぶ処理能力」が重視されるため、日本の大学受験英語やTOEIC L&Rの学習経験がある学習者にとって取り組みやすい特徴があります。

iBTとITPの試験形式と技能の違い

TOEFL iBT(個人受験)

  • PCで4技能(R・L・S・W)を測定
  • マイク録音やキーボード入力のアウトプットあり
  • 大学の講義やレポート執筆の総合力を判定

TOEFL ITP(団体受験)

  • マークシートで3技能(L・文法・R)を測定
  • スピーキングとライティングはなし
  • 文構造の正誤や下線部エラー指摘問題が出題

PCで4技能を測るiBTと、マークシートで3技能を測るITPの違いです。

次の疑問出題形式だけでなく語彙の傾向も知りたい方は、iBTとITPの英単語レベル比較と対策を参考に語彙対策を進めましょう。

toefl itp 個人受験は申し込めるのか

TOEFL iBTの受験料は米ドル建てで設定されており、為替相場によっては日本円換算で数万円台と非常に高額になります。そのため、「同じTOEFLなら、受験料がはるかに安いTOEFL ITPを個人で申し込んで受験したい」と考える学習者が少なくありません。

結論から申し上げますと、TOEFL ITPを個人が直接申し込んで受験することは一切できません。裏ワザや一般向け公開会場受付のような抜け道も存在しません。

個人申し込みができない制度上の仕組み

TOEFL ITPは、主催者である米国の教育測定組織ETS(Educational Testing Service)と日本の運営窓口が、「法人(大学・大学院・短期大学・高等学校・語学教育機関・一般企業・官公庁など)」との間でのみ契約を結び、テストキットを貸し出す形態をとっています。

受験資格は「その団体に所属している構成員(学生、教職員、社員など)」に限定されており、所属していない一般人が枠を買い取って受験することは利用規約により厳格に禁じられています。

団体受験の主な実施目的

学校や企業がTOEFL ITPを実施する目的は、外向けの資格証明ではなく、組織内における英語能力の測定や配置にあります。

もし所属している大学や企業がTOEFL ITPの実施スケジュールをアナウンスしている場合は、学内の掲示板、ポータルサイト、または教務課・国際交流センター等の案内を通じて申し込む必要があります。学外の一般公開試験ではないため、実施の有無や実施回数も各所属団体の裁量に委ねられています。

公式スコアの効力と目的別の選び方

試験を受ける目的によって、個人受験(TOEFL iBT)を受けるべきか、団体受験(TOEFL ITP)で済むのかが明確に分かれます。誤った試験を受験してしまうと、準備期間と受験料が無駄になってしまうため、自身の目標と照らし合わせて選択してください。

目的別:受けるべきテストの判定チャート

  1. 海外の大学・大学院への正規留学(学位取得)を目指す場合
    → TOEFL iBT(個人受験)が必須です。北米をはじめとする世界の高等教育機関は、出願書類として公式スコアレポート(Official Score Report)の提出を求めており、TOEFL ITPは出願書類として原則受理されません。
  2. 日本の大学に在籍したまま行く学内協定校の交換留学
    → 大学の募集要項を要確認。学内選考の段階ではTOEFL ITPのスコアで応募できるケースが多々あります。ただし、留学先の協定校側が最終受入条件としてTOEFL iBTのスコア提出を義務付けている場合は、学内選考通過後にiBTを受験しなければならないことがあります。
  3. 国内大学院(修士課程・博士課程)の入試
    → 研究科の募集要項を精査。文系・理系を問わず、英語試験の代わりにTOEFLスコアの提出を認める大学院が増えています。「TOEFL iBTのみ可」とする研究科がある一方で、「TOEFL ITP(学内実施含む)のスコア提出も可」としている研究科も存在します。
  4. 就職活動・転職活動でのアピール
    → TOEFL iBTまたはTOEIC L&Rを推奨。日本の採用市場ではTOEICが主流ですが、外資系企業や総合商社など英語発信力を重視する企業ではTOEFL iBTの4技能スコアが高く評価されます。履歴書にTOEFL ITPの点数を書くこと自体は不可能ではありませんが、「学内試験の点数」と見なされることがあり、一般的な知名度や説得力はiBTに劣ります。

国内大学院入試における「ITP利用」の見極め方

国内の大学院入試を検討している場合、志願票を提出する前に大学院入試要項(Application Guidelines)の英語試験要件を注意深く確認してください。

要項内に「TOEFLの公式スコア(Official Score Report)に限る」や「ETSより直送されたスコアのみ有効」と記載されている場合は、個人受験のTOEFL iBTしか使えません。

これに対して、「本学が実施したTOEFL-ITPの成績票も提出可」「TOEFL-ITPのInstitutional Score Report原本を同封すること」と明記されている場合は、団体受験のスコアが正式な出願資料として認められます。

目的別:受けるべきテストの選び方
受験目的

TOEFL iBTが必須・推奨

  • 海外大学・大学院への正規留学
  • 外資系・商社等への就活アピール
  • iBTのみ指定の国内大学院入試

TOEFL ITPで対応可能な場合あり

  • 学内協定校の交換留学選考
  • ITP提出可の国内大学院入試
  • 学内のクラス分けや単位認定

進路やアピール先に応じた受験すべきテストの分類です。

TOEFLの個人受験と団体受験違いのイメージ

所属大学のITPを留学に流用できるかのチェック項目

大学生が直面しやすい疑問が、「大学で受験させられたTOEFL ITPのスコアを使って、希望する留学プログラムに参加できるかどうか」です。流用の可否を判定するための確認手順を整理しました。

流用可否を見極める3つのチェックポイント

ITPスコアの留学流用チェックリスト

学内のITPスコアを留学出願に使えるか確認するための3つの手順です。

iBTとITPのスコア換算とレベルの目安

TOEFL iBT(0〜120点満点)とTOEFL ITP Level 1(310〜677点満点)は配点体系が全く異なります。国際的な言語能力指標であるCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)を基準とした、両テストおよび他の主要英語試験との対比目安は次の通りです。

表は横にスクロールできます →

CEFRTOEFL iBTTOEFL ITP(Level 1)英検(目安)TOEIC L&R(参考)
C1(上級・実務運用)95〜120点627〜677点1級945点〜990点
B2(中上級・留学基準)72〜94点543〜626点準1級785点〜940点
B1(中級・日常運用)42〜71点460〜542点2級550点〜780点
A2(初中級・基礎力)—337〜459点準2級225点〜545点

表から分かる通り、多くの英語圏大学が正規学部留学のボーダーラインとして設定する「iBT 80点前後」は、ITPではおおむね「550点〜570点前後」に相当します。また、難関大学や大学院が要求する「iBT 100点前後」は、ITP換算で「600点〜620点以上」が目安となります。

難易度と受験時の体感的な違い

「ITPのほうが点数を取りやすい」と耳にすることがありますが、これはITPの試験問題自体の難易度が低いという意味ではありません。ITPのリーディングやリスニングで出題される語彙や学術内容は、かつてPBTで使われていた本物のアカデミック問題であり、インプットの要求水準は十分にハイレベルです。

「取り組みやすい」と感じられる主な理由は、SpeakingとWritingが課されないため「英語を組み立てて発話・記述する精神的負荷がない」こと、および文法セクションが知識の暗記で得点源にしやすいことに起因します。

アウトプットが苦手な人ほど、iBTよりもITPで高めの換算スコアを出しやすい傾向にあります。

出題頻度の高い語句をまとめて確認したいときは、TOEFL英単語一覧が役立ちます。

安価なITPをiBTの練習として受けるメリットと注意点

高額なTOEFL iBTを何度も受験するのは経済的な負担が大きいため、「大学で安く受けられるTOEFL ITPを模試代わりに力試しとして受験してもよいか」という疑問を持つ学習者は大勢います。この活用法には明確なメリットとデメリットが存在します。

ITPを練習台にするメリット

ITPを模試代わりにする際の注意点・デメリット

ITPをiBT模試代わりにする要点整理
📚学術英語と長文リスニング

学術語彙に慣れ講義トークを聞く集中力訓練になる

🔍弱点文法の早期発見

文法問題で読解や作文に必要な基礎の抜け漏れを把握

⚠️話す・書く力は測定不可

iBT配点の半分を占める発信スキルは全く測れない

💻受験環境と操作感の違い

紙と画面では速度感が異なるためPC模試も必須

ITPをiBTの練習台として活用する際のメリットと注意点です。

ペーパー版とデジタル版の違い

近年、学内や社内で実施されるTOEFL ITPにおいて、「紙のマークシートで受けるペーパー版」だけでなく、「PCやタブレットを使用して解答するデジタル版」が導入されるケースが増加しています。これらは受験媒体が異なるだけで、テストとしての名称はどちらも同じTOEFL ITPです。

項目TOEFL ITP(ペーパー版)TOEFL ITP(デジタル版)
解答方法紙の問題冊子とマークシートPC等の画面上でマウス操作・クリック
リスニング音声教室内スピーカーまたは個別CDPCに接続した個別ヘッドセット
試験の進行試験監督のアナウンスで一斉に開始・終了画面上のタイマーに従い各自で進行
結果の確認後日、印刷された成績表が郵送・配付受験終了直後に画面上で推定スコア確認可能
出題セクションL(聴解)、文法、R(読解)の3科目ペーパー版と同じ3科目(4技能ではない)

学内でデジタル版が指定された場合でも、スピーキングやライティングが追加されるわけではありません。試験内容はマークシート版と同様に3技能の客観式問題です。

ただし、リスニングが個別ヘッドセットで聴けるため周囲の反響音に邪魔されにくいメリットがある一方、画面上で英文を読むことに慣れていないとリーディングで疲労を感じやすい点に留意してください。

次の疑問各セクションの時間配分や問題数を詳しく把握したいときは、TOEFL ITPの試験時間と構成で全体の流れを確認しておくと安心です。

参考書の買い間違いを防ぐ選び方

TOEFLの学習を始める際に最も頻発するトラブルが、「自分が受けるべきテストとは異なる種類の対策本を誤って購入してしまうミス」です。書店の棚やオンライン通販サイトには、装丁がよく似たTOEFL対策本が並んでいます。

書籍タイトルにある記号の確認手順

参考書を選ぶ際は、表紙や商品説明文の「3文字のアルファベット」を必ず確認してください。

中高生向けテストとの混同にも注意

このほか、小中高生を対象としたTOEFL PrimaryやTOEFL Juniorといった試験シリーズも出版されています。大学や社会人の英語学習者が「TOEFL」という単語だけで検索して誤購入しないよう、対象年齢とテスト種別を必ず確かめましょう。

※ 試験日・申込期限・料金などは年度や回によって変わります。最新の情報は、各試験・サービスの実施団体の公式サイトでご確認ください(この記事の最終確認日: 2026年10月12日)。

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TOEFL・IELTSの疑問をすべて見る「TOEFL」のまとめ

理解度チェック

Q1. 個人受験のTOEFL iBTでのみ測定される技能の組み合わせはどれ?

  1. ListeningとReading
  2. SpeakingとWriting
  3. StructureとReading
  4. ListeningとSpeaking
答えを見る

正解: B. SpeakingとWriting
iBTは4技能を測定しますが、ITPにはスピーキングとライティングのアウトプットセクションが存在しません。

Q2. 団体受験のTOEFL ITPを受験する方法として正しいものはどれ?

  1. 公式窓口から個人で直接申し込む
  2. 所属する大学や企業等を通じて申し込む
  3. 一般向けの公開会場受付から申し込む
  4. 海外の大学院へ直接申請して申し込む
答えを見る

正解: B. 所属する大学や企業等を通じて申し込む
ITPは法人契約で実施されるため個人での直接申込は一切できず、所属する団体を通じて申し込む必要があります。

Q3. 海外大学への正規留学で原則提出が求められるOfficial Score Reportを発行する試験は?

  1. TOEFL ITP デジタル版
  2. TOEFL ITP ペーパー版
  3. TOEFL iBT テスト
  4. TOEFL CBT テスト
答えを見る

正解: C. TOEFL iBT テスト
海外大学・大学院への正規留学出願では、世界基準の公式スコアが発行されるTOEFL iBTが原則必須とされています。

よくある質問

Q. TOEFLの個人受験と団体受験はどちらが難しい?
試験の総合的な難易度は個人受験(TOEFL iBT)のほうが圧倒的に高くなります。スピーキングとライティングが課され、PC上で論理的な発信力を求められるためです。インプット(読解・聴解)のみで文法知識が活かせるITPのほうが取り組みやすい構造です。
Q. TOEFL ITPを個人で受ける裏ワザはある?
個人で直接申し込んで受験する裏ワザは一切ありません。TOEFL ITPは学校や企業等の団体単位でのみ契約・実施されるテストプログラムであり、その団体に所属する学生や従業員のみが受験を許可されています。
Q. TOEFLのスコアに有効期限はある?
TOEFL iBT、TOEFL ITPともに、スコアの有効期間は受験日から「2年間」と定められています。留学出願や大学院入試に提出する際は、出願締切日時点で有効期間内のスコアレポートであるかを確認してください。
Q. ITPのスコアは就活の履歴書に書いてもいい?
履歴書に書くこと自体は可能です。その際は「TOEFL ITP ○○点(団体受験)」と正確に記載してください。ただし、企業の採用現場ではTOEIC L&Rや4技能を測定するTOEFL iBTのほうが認知度・評価ともに高いのが実情です。
Q. TOEFL PBTというテストは今でも受けられる?
公式試験としてのTOEFL PBT(ペーパーテスト)はすでに世界的に終了しています。現在、紙のマークシート形式で受けられるTOEFLは、過去問を再構成して学校・企業内で実施されているTOEFL ITP(団体受験)のみです。

2026年10月12日更新・モチタン辞典編集部