モチタン辞典 › 読みもの › 発音 › 和英辞典の発音記号の見方

和英辞典の発音記号一覧と正しい読み方
和英辞典で引いた英単語の発音記号は、母音や子音の正確な調音位置や音の強弱を示しています。小型の簡易辞書では紙幅の都合で省略されることがありますが、中型以上の和英辞典や音声再生対応のオンライン辞書には国際音声記号(IPA)を基本とする約45種類の発音記号が記載されています。
記号ごとの舌や唇の位置、アクセントの規則を理解すれば、英和辞典を引き直す手間なく正確な発音で音読やスピーキングができます。
和英辞典の発音記号の有無と辞書の選び方
日本語から英単語を検索する際、訳語のスペルだけでなく発音記号が併記されているかどうかは、スピーキング力を伸ばすうえで極めて重要です。和英辞典の種類によって発音記号の収録方針は大きく異なります。
一般的な小型のポケット版辞書では、携帯性や紙幅を優先して発音記号が省略されているケースが少なくありません。一方、学習用の中型・大型和英辞典や、代表的なオンライン辞書・辞書アプリでは、訳語のすぐ後ろに発音記号がしっかりと明記されています。
表は横にスクロールできます →
| 辞書の種別 | 発音記号の掲載 | 音声再生機能 | 主な用途・特徴 |
|---|---|---|---|
| 中型・大型和英辞典(紙) | あり | なし(別売・付録等の場合あり) | 用例が豊富で語法や語の使い分け、発音記号が網羅されている |
| 小型・ポケット判和英辞典(紙) | 一部省略または非掲載 | なし | 携帯性重視のため、訳語のスペル確認にとどまることが多い |
| 学習用オンライン辞書・Webサービス | あり | あり | 見出し語ごとに発音記号が載り、米音・英音の音声をワンクリックで確認できる |
| スマートフォン辞書アプリ | あり | あり(オフライン対応が多い) | 発音記号の確認と音声再生が手軽に行え、学習効率が高い |
日本語から英単語を引いたあと、発音を調べるためにわざわざ英和辞典を引き直す手間を省くには、最初から訳語に発音記号が記載されている中型以上の和英辞典やオンライン辞書を活用するのが合理的です。
次の疑問どの辞書なら記号が見やすいか迷うときは、英語発音記号付き辞書おすすめで自分に合う1冊を探せます。
母音の発音記号一覧と口の形
英語の母音は、日本語の「ア・イ・ウ・エ・オ」の5種類よりもはるかに細かく分かれています。和英辞典に記載される主要な短母音、長母音、二重母音の記号と代表的な単語は以下の通りです。
短母音と長母音の一覧
| 記号 | 音の特徴・口の形 | 代表単語の例 |
|---|---|---|
| /æ/ | 口を「エ」の形に横に広げながら「ア」と発音する音 | cat(猫)、apple(リンゴ) |
| /ʌ/ | 口をあまり開けず、喉の奥から短く「ア」と発声する音 | cup(カップ)、sun(太陽) |
| /ɑː/ | 口を縦に大きく開けて喉の奥から「アー」と伸ばす音 | father(父)、heart(心) |
| /ə/ | 唇や舌の力を抜き、曖昧に弱く発する「ア」または「エ」の音(シュワ) | camera(カメラ)、about(約) |
| /i/ / /ɪ/ | 「エ」を発音するような口の開きで短く発する「イ」の音 | sit(座る)、milk(牛乳) |
| /iː/ | 唇を左右にしっかりと引き、強く長く伸ばす「イー」の音 | seat(座席)、keep(保つ) |
| /ʊ/ | 唇をすぼめすぎず、力を抜いて発する短い「ウ」の音 | book(本)、foot(足) |
| /uː/ | 唇を前に突き出して丸め、しっかりと伸ばす「ウー」の音 | food(食べ物)、blue(青) |
| /e/ | 日本語の「エ」よりも少し口を横に広げて短く発する音 | pen(ペン)、desk(机) |
| /ɔː/ | 口を縦に楕円形に開け、喉の奥から長めに発する「オー」の音 | water(水)、call(呼ぶ) |
| /ɜːr/ | 唇を突き出さず、舌先を口蓋に向けながら響かせる「アール」の音 | bird(鳥)、word(言葉) |
二重母音の一覧
二重母音は、1つ目の音を強く長めに発音し、2つ目の音へ滑らかに移行させながら弱めるのが特徴です。
| 記号 | 音の特徴 | 代表単語の例 |
|---|---|---|
| /eɪ/ | 「エ」から始まって軽く「ィ」に移行する音 | make(作る)、name(名前) |
| /aɪ/ | 「ア」から始まって軽く「ィ」に移行する音 | time(時間)、like(好む) |
| /ɔɪ/ | 「オ」から始まって軽く「ィ」に移行する音 | boy(少年)、voice(声) |
| /oʊ/ / /əʊ/ | 「オ」から始まって口をすぼめ「ゥ」に移行する音 | go(行く)、hope(望む) |
| /aʊ/ | 「ア」から始まって口をすぼめ「ゥ」に移行する音 | now(今)、house(家) |
| /ɪər/ | 「イ」から始まって曖昧母音へと移行する音 | here(ここ)、dear(親愛なる) |
| /eər/ | 「エ」から始まって曖昧母音へと移行する音 | hair(髪)、chair(椅子) |
日本語を母語とする学習者が特に混同しやすいのは /æ/、/ʌ/、/ɑː/、/ə/ の違いです。和英辞典で単語を見つけた際は、母音の記号を確認し、口の縦横の開きや緊張度を意識することが大切です。
英語の発音は、話して直してもらおう。会話アプリ「モチスピ」英語を話して練習できる会話アプリ。話すたびに、発音・文法・自然さをその場で直してもらえます。無料で試す
子音の発音記号一覧と調音のポイント
英語の子音は、声帯が振動する「有声音」と、声帯が振動せず息の摩擦や破裂だけで音を出す「無声音」に明確に分かれます。和英辞典に載っている子音記号の調音位置と特徴を整理します。
表は横にスクロールできます →
| 分類 | 無声音(息のみ) | 有声音(声帯振動) | 代表単語の例 |
|---|---|---|---|
| 破裂音(閉鎖音) | /p/, /t/, /k/ | /b/, /d/, /ɡ/ | pat(軽くたたく) / bat(バット) tie(結ぶ) / die(死ぬ) coat(コート) / goat(ヤギ) |
| 摩擦音 | /f/, /θ/, /s/, /ʃ/, /h/ | /v/, /ð/, /z/, /ʒ/ | fan(扇) / van(ワゴン車) think(考える) / this(これ) see(見る) / zoo(動物園) ship(船) / measure(測る) |
| 破擦音 | /tʃ/ | /dʒ/ | church(教会) / judge(裁判官) |
| 鼻音 | — | /m/, /n/, /ŋ/ | sing(歌う)の語尾は /ŋ/ |
| 側音・接近音 | — | /l/, /r/, /w/, /j/ | light(光) / right(右) wet(濡れた) / yet(まだ) |
日本人が苦手としやすい子音の調音法
- /θ/ と /ð/: 上下の前歯の間に舌先を軽く挟み、その隙間から息を出す(有声なら声を混ぜる)。日本語の「サ行」や「ザ行」のように舌を歯茎につけないことがポイントです。
- /l/ と /r/: /l/ は舌先を上前歯の付け根の歯茎にしっかり押し当てて音を出します。対して /r/ は舌先をどこにも触れさせず、舌の両側面を上奥歯につけて中央に空間を作ります。
- /f/ と /v/: 上の前歯を下唇の内側に軽く当て、その隙間から息を吹き出します。日本語の「ハ行」や「バ行」のように唇同士を合わせないよう注意します。
/θ/ と /ð/
- 上下の前歯の間に舌先を挟む
- 隙間から息を出す(有声は声)
- 日本語のサ行・ザ行と異なる
/l/ と /r/
- /l/は舌先を上前歯の付け根へ
- /r/は舌先をどこにも触れない
- /r/は舌両側面を上奥歯につける
/f/ と /v/
- 上の前歯を下唇の内側に当てる
- 隙間から息を吹き出す
- 日本語のハ行・バ行と異なり唇を合わせない
日本人が混同しやすい3組の子音について、口や舌の使い方の違いを比較します。
アクセント記号の見方と音の強弱
和英辞典の発音記号には、文字の上部や下部に小さな縦線などの記号が添えられています。これらは「強勢(アクセント)」を表す記号であり、どの音節を強く・高く発音すべきかを示しています。
第1強勢と第2強勢
- 第1強勢(第一アクセント): ˈ
発音記号の音節の左上に置かれます。その単語の中で最も強く、長めに、やや高めのピッチで発音する音節を示します。例: present(名詞・贈り物)は /ˈpreznt/ となり、最初の音節を最も強く読みます。 - 第2強勢(第二アクセント): ˌ
発音記号の音節の左下に置かれます。第1強勢ほど強くはありませんが、弱化させずに一定の強さを持って発音する音節を示します。長い単語や複合語によく見られます。例: information(情報)は /ˌɪnfərˈmeɪʃn/ と表記され、第2音節の前に第2強勢、第3音節の前に第1強勢が置かれます。
英語は強勢が置かれる音節と置かれない音節の差が激しい言語です。強勢のない音節は /ə/ や /ɪ/ のように弱く短く発音されるため、和英辞典を引いた際はスペルだけでなく強勢の位置を必ず確認してください。
音節に置かれる記号によって、発音する強さ・ピッチの高さが3段階に分かれます。

和英辞典のカッコや斜体表記の意味
和英辞典を引いていると、発音記号の一部が丸カッコ ( ) で囲まれていたり、イタリック体(斜体)で印刷されていたりすることがあります。これらは「省略可能な音」や「弱化音」を意味しています。
カッコや斜体が表す具体的な現象
- 母音や子音の脱落(省略可能音)
日常会話や自然な発話スピードにおいて、発音しても省略してもよい音を示します。
例: camera の発音記号が /ˈkæm(ə)rə/ と記載されている場合、2番目の /ə/ を発音して「キャメラ」としても、省略して「キャムラ」と発音しても正しいことを意味します。 - 成節子音(母音を伴わない子音)
pencil(鉛筆)が /ˈpens(ə)l/ や /ˈpensl/ と表記される場合、末尾の /l/ が母音なしで単独で音節を形成できる(成節子音となる)ことを表しています。 - アメリカ英語における r の響き(r音化)
一部の辞書では /ɑː(r)/ や /ɔː(r)/ のように (r) が付記されています。これは、イギリス英語では母音を長く伸ばすだけで発音しない一方、アメリカ英語では舌を引いて「r」の響きを加えることを示しています。
和英辞典でカッコや斜体を見かけた場合、「話すスピードや地域によって発音が変わる柔軟な箇所である」と捉えると理解しやすくなります。
cameraのように発音しても省略してもよい音
pencilのように母音なしで単独で音節を作る子音
英音では伸ばし、米音ではrの響きを加える箇所
和英辞典の発音記号に含まれるカッコや斜体が示す柔軟な発音のポイントです。
発音記号の表記体系と米音・英音の差異
辞書によって発音記号の見た目が微妙に異なる理由には、採用している表記体系の違いと、アメリカ英語(米音)・イギリス英語(英音)の違いの2つがあります。
表記体系の違い(IPAと従来の辞書方式)
現代の和英辞典の多くは、言語学の標準規格である国際音声記号(IPA)をベースにしています。しかし、歴史的に英語教育の現場では、学習者の使いやすさを考慮した独自の記号方式(簡略化された方式や特定の音声学者の考案した方式)が用いられてきました。
- IPAベースの現代方式: 現在の主要な中型和英辞典やWeb辞書で最も広く採用されている方式。記号の汎用性が高く、世界中の辞書と互換性があります。
- 従来の学習用辞書方式: 特殊な記号を一般的なアルファベットで代用したり、長母音のコロン /ː/ を省略して文字自体の違いで音の長短を表したりする方式です。
アメリカ英語とイギリス英語の発音差
多くの和英辞典では、米音と英音で発音が分かれる単語について、両方の記号を並べて記載しています。
表は横にスクロールできます →
| 単語 | アメリカ英語(米音) | イギリス英語(英音) | 主な相違点 |
|---|---|---|---|
| water(水) | /ˈwɑːtər/ または /ˈwɔːtər/ | /ˈwɔːtə/ | 米音は語尾の r を発音し、t が母音に挟まれて有声化(フラップT)しやすい。英音は語尾の r を発音しない。 |
| box(箱) | /bɑːks/ | /bɒks/ | 米音では大きく開いた「ア」に近い音になるが、英音では唇を丸めた円唇母音「オ」の音になる。 |
| can't(〜できない) | /kænt/ | /kɑːnt/ | 米音では口を横に広げた /æ/、英音では口を縦に開けた長い /ɑː/ になる。 |
自分がどちらの英語(北米標準かイギリス標準か)を習得したいかに応じて、和英辞典に並記されている記号のどちらを基準にするか決めておくのがおすすめです。
次の疑問イギリス英語ならではの音のルールをもっと深く確認したいときは、イギリス英語の発音記号一覧が役立ちます。
和英辞典を活用した発音習得の3ステップ
日本語から調べた英単語をカタカナ英語にせず、そのままスムーズにスピーキングへ結びつけるための実践的な学習手順を紹介します。
ステップ1:和英辞典でスペルと発音記号を同時に確認する
「〜を解決する」と調べた際、訳語の solve を見るだけでなく、発音記号 /sɑːlv/(米)または /sɒlv/(英)を必ず確認します。カタカナの「ソルブ」ではなく、母音の調音位置と語尾の /v/ の唇の使い方を記号から読み取ります。
ステップ2:アクセントの置かれた母音を意識して発声する
長い単語(例: participate /pɑːrˈtɪsɪpeɪt/)の場合、第1強勢のある /tɪ/ を最も高く強く発音し、前後の音節を脱落しない程度に弱く発音します。音の強弱にコントラストをつけることで、英語特有のリズムが生まれます。
ステップ3:例文の中で音声と記号を照らし合わせて音読する
単語単体だけでなく、和英辞典に掲載されている例文を声に出して読みます。
オンライン辞書やアプリであれば、音声ボタンを押してネイティブスピーカーの音声を聴き、記号通りの音が出ているか耳で確かめながらシャドーイングを行います。このワークフローを習慣化すれば、英和辞典を引き直す無駄な時間を完全に省くことができます。
スペルと同時に発音記号を確認し調音位置を把握
アクセントのある母音を強く、他を弱く発声
例文で音声と記号を照らし合わせてシャドーイング
日本語から引いた英単語をカタカナ英語にせず正しく身につける3つのステップです。
続けて読む
理解度チェック
Q1. 発音記号の左上に置かれる「 ˈ 」は何を表しますか?
- 省略してもよい母音
- 第2強勢(第二アクセント)
- 第1強勢(第一アクセント)
- 声帯を振動させない無声音
答えを見る
正解: C. 第1強勢(第一アクセント)
第1強勢は記号の左上に置かれ、単語の中で最も強く、長めに発音する音節を示します。
Q2. 発音記号の一部が丸カッコで囲まれている場合、何を意味しますか?
- 必ず強調して発音すべき音
- 省略してもよい音
- イギリス英語特有の母音
- 声帯を振動させる有声音
答えを見る
正解: B. 省略してもよい音
丸カッコや斜体表記は、日常会話等で発音しても省略してもよい音などを意味します。
Q3. 記事のステップ3で音読の例文として挙げられている英文は?
- We need to solve this problem quickly.
- I want to solve this difficult problem.
- She solved the problem very quickly.
- We can solve that big problem soon.
答えを見る
正解: A. We need to solve this problem quickly.
ステップ3では「We need to solve this problem quickly.」が例文として示されています。
よくある質問
- Q. 和英辞典に発音記号が載っていないときは?
- 小型の和英辞典では省略されていることが多いため、中型以上の和英辞典や音声再生機能付きの学習用オンライン辞書・辞書アプリを利用するのが最も確実です。
- Q. 発音記号の「ə」はどう読めばいいですか?
- シュワ(曖昧母音)と呼ばれる音で、唇や舌の力を完全に抜き、口をわずかに開けて喉から弱く「ア」と「エ」の中間のような音を短く出します。
- Q. 発音記号を見てもカタカナ発音になる原因は?
- 母音の口の形や子音の息の出し方が日本語の50音に置き換わっているためです。強勢の有無や無声音の息の摩擦を記号通りに再現する意識が重要です。
- Q. 米音と英音の発音記号はどちらを覚えるべき?
- 目的によりますが、日本で一般的なアメリカ英語を目指すなら米音表記を基準にし、イギリス英語や国際英語を重視するなら英音表記を基準に統一すると混乱しません。
2026年10月9日更新・モチタン辞典編集部