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助動詞の後ろは動詞の原型?原形のルールと違いを解説
英語の法助動詞(canやwillなど)の直後には、主語や時制にかかわらず必ず「動詞の原形」を置きます。主語がheやsheであっても助動詞や動詞に三単現の-sは付かず、助動詞がcouldなどの過去形になっても直後の動詞は原形のままです。
なお、文法用語としては「原型」ではなく「原形」と表記するのが正式です。
助動詞の後ろは動詞の原形!基本ルールと表記の違い
英語の文法において、can、will、must、may、shouldといった法助動詞の後ろには、必ず「動詞の原形」を置くという絶対の規則があります。文法解説書ではこれを「原形不定詞(bare infinitive)」と呼ぶこともあります。
「原型」と「原形」の違い
検索の際によく「助動詞 動詞の原型」と入力されますが、国語辞典や学校の英語教育における正式な文法用語は「動詞の原形」です。「原型」は製品の試作モデルや原型をとどめないといった文脈で使われる言葉であり、動詞が辞書に載っている元の形を指す場合は「原形」と書くのが正確です。
テストの記述問題などでは「原形」と書くように意識しましょう。
助動詞の後ろに原形が来る絶対原則
助動詞を伴う肯定文の語順は、どのような主語であっても一貫しています。
- I can speak English.(私は英語を話すことができます。)
- They will arrive soon.(彼らはまもなく到着するでしょう。)
- You must follow the rules.(あなたはその規則に従わなければなりません。)
主語が誰であっても、助動詞の直後に置かれる動詞(speak、arrive、follow)は変化せず、辞書の見出し語そのままの形になります。
I can speak English.私は英語を話すことができます。
主語に関わらず、助動詞の直後は常に辞書の見出し語である動詞の原形を置きます。
次の疑問解説に出てきた「原形不定詞」という用語が気になるなら、中学英語で学ぶ原形不定詞の使い方で基礎から確認できます。
助動詞と動詞の違いとは?役割と性質の決定的な差
英語の「動詞」と「助動詞」は、どちらも述語部分を作る重要な単語ですが、その役割と文法的な性質には決定的な違いがあります。
単独で述語になれる動詞・なれない助動詞
一般動詞(play、run、eatなど)やbe動詞(am、is、areなど)は「本動詞」と呼ばれ、主語の具体的な動作や状態そのものを表します。そのため、本動詞は文の中に1つあれば単独で述語として成立します。
一方、助動詞は漢字の通り「動詞を助ける詞」です。話し手の判断、推量、可能性、義務といった「気持ち・ニュアンス」を本動詞に付け加える補助的な役割を担います。そのため、助動詞だけで文を完結させることはできず、必ず後ろに本動詞を伴わなければ意味をなしません。
形が変化するかどうかの違い
本動詞は、主語や時制に合わせて柔軟に形を変えます。例えば動詞playは、主語がheで現在形ならplaysに変化し、過去のことならplayedに変化します。
しかし法助動詞は、主語の人称(1人称・2人称・3人称)や単数・複数によって形を変えることが一切ありません。主語がIであってもheであってもtheyであっても、助動詞自身の語尾に何かが付くことはないという点が、一般動詞との大きな違いです。
本動詞(一般動詞・be動詞)
- 文の中に1つで単独で述語になる
- 動作や状態そのものを表す
- 主語や時制で形が変化する(plays, played)
法助動詞(can, willなど)
- 単独では完結せず後ろに本動詞が必要
- 気持ちやニュアンスを付け加える
- 主語の人称や単複で形を変えない
単独で述語になれるかと、主語や時制で形が変わるかという2点で性質が異なります。
さまざまな助動詞の具体的な使い方を例文で確認したいときは、助動詞の一覧と使い方の例文集を参考にしてください。
助動詞と三単現のs|三人称単数でsが付かない理由
英語学習者から最も多く寄せられる疑問の一つが、「主語がheやsheのとき、三単現の-sはどこへ行くのか」という点です。結論として、助動詞を使う文では、助動詞にも後ろの動詞にも三単現の-sは絶対に付きません。
助動詞自身に -s は付かない
法助動詞は主語の人称変化を受けない文法カテゴリーです。そのため、主語が三人称単数であっても、助動詞の末尾に-sが付くことはありません。
- 誤: He cans speak French.
- 正: He can speak French.(彼はフランス語を話すことができます。)
- 誤: She wills come tomorrow.
- 正: She will come tomorrow.(彼女は明日来るでしょう。)
後ろの動詞にも -s は付かない
普段ならHe speaks French.のように動詞へ-sを付けますが、助動詞が入ると動詞は元の姿である「原形」に戻らなければなりません。
- 誤: He can speaks French.
- 正: He can speak French.
この現象に戸惑う人は、「三単現の-sは、文の中に1つだけ現れる現在形の一般動詞に付くもの」と捉え直すと明快です。助動詞が入った文では、助動詞そのものが時制の枠組みを担うため、直後の動詞は人称や時制の束縛から解放されて「純粋な動詞の原形」になります。したがって、どちらにも-sを付ける必要がなくなります。
法助動詞は主語の人称変化を受けない文法カテゴリーのため-sは付きません。
助動詞が時制を担うため、直後の動詞は人称や時制の束縛から解放され原形になります。
三単現の-sは文に1つだけ現れる現在形の一般動詞に付くものと捉え直せます。
助動詞が入る文では、助動詞自身も直後の動詞も-sを付ける必要がありません。
次の疑問そもそも主語が三人称単数になる条件を整理したいときは、三人称単数の見分け方と動詞のsルールがおさらいに役立ちます。
助動詞の後ろにing形や不定詞toは置ける?
「助動詞の直後に-ingを付けてよいのか」「toは必要なのか」という点も混乱しやすいポイントです。規則を1つずつ整理しましょう。
助動詞の直後に ing 形は直接置けない
助動詞の後ろに、動名詞や現在分詞(-ing)を直接つなぐことはできません。
- 誤: She will coming soon.
- 正: She will come soon.(彼女はまもなく来るでしょう。)
ただし、「助動詞 + be + -ing」という形であれば英語として完全に正しい文になります。この場合も、助動詞willの直後にはbe動詞の原形であるbeが置かれており、「助動詞の後ろは動詞の原形」というルールが厳密に守られています。
助動詞の後ろに to不定詞 は置かないのが原則
基本的な法助動詞の直後には、toを置くことはできません。学校文法で「動詞の原形」と呼んでいるものは、専門的にはtoを伴わない「原形不定詞」だからです。
- 誤: I must to go now.
- 正: I must go now.(私はもう行かなければなりません。)
- 誤: We should to help him.
- 正: We should help him.(私たちは彼を助けるべきです。)
例外的に to がセットになる準助動詞フレーズ
学習者を迷わせる原因は、助動詞と同じような働きをする表現の中に最初からtoが含まれているフレーズ(準助動詞)が存在することです。これらはtoまで含めて1つのセットとして扱いますが、そのtoの後ろに来るのもやはり「動詞の原形」です。
| 表現 | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| have to | 〜しなければならない | I have to leave now.(もう出発しなければなりません。) |
| be able to | 〜することができる | She is able to swim fast.(彼女は速く泳ぐことができます。) |
| ought to | 〜すべきである | You ought to apologize.(あなたは謝罪すべきです。) |
| used to | 以前は〜だった・よく〜した | He used to live here.(彼は以前ここに住んでいました。) |
canやmustの直後にはtoを置かず、have toやbe able toの組み合わせではtoの直後に動詞の原形を置く、と明確に区別してください。

動名詞と不定詞の意味や用法の違いを復習したいときは、不定詞と動名詞の使い分けの例文集が役立ちます。
次の疑問助動詞とあわせて混同しやすいtoの後ろの形は、to不定詞の後ろに来る品詞と形で詳しく整理しています。
助動詞が過去形(couldなど)でも後ろは原形?
助動詞がcouldやwouldのような過去形に変わった際、後ろの動詞まで過去形にしてしまうミスが頻発します。
過去形になっても後ろの動詞は原形のまま
結論として、助動詞が過去形になっても、直後の動詞は必ず「原形」のまま据え置かれます。
- 誤: He could ran fast when he was young.
- 正: He could run fast when he was young.(彼は若いころ速く走ることができました。)
- 誤: I would went there if I had time.
- 正: I would go there if I had time.(時間があればそこへ行ったのですが。)
動詞を過去形にしてはいけない理由
英語では、1つの節の中で「過去であること」を示す標識は1つで十分です。couldやwouldを使った時点で、文全体の時制が過去(または仮定)であることがすでに表現されています。
そのため、後ろに続く動詞まで過去形(ranやwent)にしてしまうと、時制の二重表示となり文法的に破綻します。助動詞がどんな形に変わっても、後ろに従う動詞は原形を保ちます。
助動詞がcouldやwouldになっても直後の動詞は必ず原形のまま据え置かれます。
助動詞の時点で過去が表されているため動詞まで過去形にすると二重表示になります。
He could run fastのように、助動詞過去形+動詞の原形で正しく表現します。
時制の二重表示を防ぐため、助動詞が過去形になっても後ろの動詞は原形を保ちます。
過去の表現や時制の使い分けを詳しく学びたいときは、現在完了・過去形の違いをご覧ください。
助動詞+動詞のよくある間違いパターン比較表
テストや英作文で失点しやすい「助動詞 + 動詞」の典型的な誤答パターンを、正しい表現と対比して確認しましょう。
| 誤った文(NG) | 正しい文(OK) | 間違えやすい理由と解説 |
|---|---|---|
| He cans play tennis. | He can play tennis. | 主語が三人称単数でも助動詞に-sは付けない。 |
| He can plays tennis. | He can play tennis. | 助動詞の後ろの動詞に三単現の-sを付けてしまっている。 |
| I must to finish this work. | I must finish this work. | 法助動詞の直後に不要なtoを入れてしまっている。 |
| She could answered the question. | She could answer the question. | 助動詞が過去形だからと動詞まで過去形にしている。 |
| We will eating dinner soon. | We will eat dinner soon. | 助動詞の直後に-ingを直接置くことはできない。 |
| They must be tired. | — | 正しい文。be動詞の原形beが助動詞の直後に正しく置かれている。 |
理解度チェック!助動詞と動詞の原形に関する練習問題
学んだ知識が定着しているか、以下の練習問題で確認してみましょう。
問題1(適語選択)
空欄に入る最も適切なものを1つ選んでください。
My brother can ( 1. drives / 2. drive / 3. driving ) a car.
【正解】 2. drive
解説: 助動詞canの後ろには動詞の原形が続きます。主語がMy brother(三人称単数)であっても、動詞に-sを付けたdrivesや分詞のdrivingは選べません。
問題2(正誤判定)
次の英文が文法的に正しければ○、誤っていれば正しく直してください。
She should to see a doctor today.
【正解】 誤り(正: She should see a doctor today.)
解説: 法助動詞shouldの後ろには原形不定詞(toのない動詞の原形)を置きます。to seeのtoを削除し、原形のseeにします。
問題3(適語選択)
空欄に入る最も適切なものを1つ選んでください。
When I was a child, I could ( 1. swim / 2. swam / 3. swum ) very well.
【正解】 1. swim
解説: 助動詞couldが過去形であっても、直後に置く動詞は原形のswimです。過去形のswamや過去分詞のswumにしてはいけません。
理解度チェック
Q1. 辞書に載っている動詞の元の形を指す正確な文法用語はどれ?
- 動詞の原型
- 動詞の原形
- 動詞の基形
- 動詞の本形
答えを見る
正解: B. 動詞の原形
製品の試作モデルなどに使う「原型」ではなく、辞書の元の形を指す場合は「原形」と書くのが正確です。
Q2. 主語が三人称単数の肯定文において、文法的に正しい英文はどれ?
答えを見る
正解: C. He can speak French.
助動詞を使う文では、助動詞自身にも直後の動詞にも三単現の-sは付かず、動詞の原形を置きます。
Q3. 助動詞が could など過去形の場合、直後の動詞はどうする?
- 過去完了形にする
- 過去形にする
- 原形にする
- ing形にする
答えを見る
正解: C. 原形にする
助動詞が過去形になっても、時制の二重表示を避けるため、直後の動詞は必ず原形のまま据え置かれます。
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よくある質問
- Q. 助動詞の後ろはなぜ動詞の原形なのですか?
- 法助動詞は話し手の判断や心的態度を表し、時制や法を担います。主語に直接結びつく役割を助動詞が果たすため、後ろの動詞は人称や時制の制約を受けない原形不定詞(動詞の原形)になります。
- Q. 助動詞の直後にbe動詞が来る場合も原形ですか?
- はい、必ず原形のbeになります。主語がheやtheyであっても、He will be happy.のようにisやareではなく原形のbeを置きます。
- Q. 否定文や疑問文でも動詞は原形のままですか?
- はい、原形のままです。否定文のHe cannot swim.や疑問文のCan you come?でも、助動詞を伴う限り動詞は常に原形を保ちます。
- Q. 助動詞を2つ続けて使うことはできますか?
- 英語ではwill canのように法助動詞を2つ重ねて使うことはできません。能力と未来を同時に表したいときは、will be able toのように準助動詞を使って表現します。
2026年10月12日更新・モチタン辞典編集部
can
will
must
should
could
have to