モチタン辞典 › 読みもの › 発音 › 英語の「R」の発音の仕方とコツ

英語 r の発音のコツと舌の位置
英語のR(接近音 [ɹ])を発音する最大の原則は、舌先を口内のどこにも接触させず、喉の奥側へ引くか軽く反らせた状態を維持して声を響かせることです。
日本語のラ行のように舌先で上あごを弾く動作や、舌先を激しく振動させる巻き舌とは構造が根本から異なります。唇を丸めて小さな「ぅ」を言う構えから声を出すだけで、誰でも自然なRの音を鳴らすことができます。
英語rの発音における舌の位置と動かし方
英語の子音/r/は、音声学では歯茎接近音([ɹ])に分類されます。接近音とは、発音器官同士を近づけて狭まりを作りますが、摩擦音のような激しい摩擦を起こさず、かつ完全に閉鎖もしない音です。
日本語話者が最も誤解しやすい「巻き舌(舌尖ふるえ音 [r])」とは異なり、舌を激しく回転させたり振動させたりする必要はありません。
舌の動かし方には2つの基本タイプがある
英語圏の母語話者をX線やMRIで観察した音声研究において、Rを発音するときの舌の形状は主に2種類に分かれることが確認されています。どちらの動かし方でも生じる音響的特徴に大きな差異はないため、ご自身にとって動かしやすい方を選択してください。
- 反舌タイプ(Retroflex):舌先を軽く持ち上げて上あごの後方(硬口蓋から軟口蓋にかけての境目付近)へ向けます。ただし、舌先は上あごの天井に触れてはいけません。舌の中央部がくぼみ、スプーンのような形状になります。
- 後退集中タイプ(Bunching):舌先を持ち上げるのではなく、舌全体を奥歯の方へぎゅっと引き込み、舌の後部(後舌面)を上あごの奥(軟口蓋)に向けて盛り上げます。このとき舌先は下あごの内側に落ちていても構いません。
どちらのタイプにも共通する条件は、「舌先が上あごの天井や前歯の裏に触れないこと」と「舌の両側面が上の奥歯の内側に軽く触れて気流の通り道を中央に絞ること」の2点です。舌全体を筋肉でわずかに緊張させ、喉の奥の空間を狭める意識を持つと、英語特有の太くこもったRの響きが生まれます。
反舌タイプ
- 舌先を軽く持ち上げ上あご後方に向ける
- 舌先は上あごの天井に触れない
- 舌の中央部がくぼみスプーン状になる
後退集中タイプ
- 舌全体を奥歯の方へ引き込む
- 舌の後部を軟口蓋に向けて盛り上げる
- 舌先は下あごの内側に落ちていてもよい
反舌と後退集中のどちらを選んでも音響的な差異はありません。
英語発音rとLおよび日本語ラ行の違い
英語のRが難しく感じられる背景には、日本語の「ラ行」が英語のRともLとも異なる調音構造を持っている点があります。3つの音の仕組みを物理的に整理することで、口の中で何が起きているのかを明確に区別できます。
表は横にスクロールできます →
| 音の種類 | 舌先の接触 | 調音位置と動かし方 | 気流の抜け道 |
|---|---|---|---|
| 英語のR [ɹ] | どこにも接触しない | 舌を奥へ引く、または反らせる | 舌の中央の狭まりを通る |
| 英語のL [l] | 上前歯の付け根に密着する | 舌先で口の中央を完全に塞ぐ | 舌の両脇から息が抜ける |
| 日本語のラ行 [ɾ] | 歯茎を素早く弾く(瞬間接触) | 上前歯の裏付近を1回叩いて離す | 閉鎖が解けた瞬間に息が出る |
日本語の「ラ行」は歯茎弾き音([ɾ])と呼ばれ、舌先で上の歯茎を一瞬叩いて音を出します。この動作を英語のRのつもりで行ってしまうと、ネイティブスピーカーの耳にはL、あるいはDに近い音として認識されます。
一方、英語のLは舌先を上前歯の付け根の歯茎に強く押し当てたまま声を出し、舌の両脇から呼気を通す側面接近音です。Rでは舌先が空中に浮いたままであるのに対し、Lでは舌先が固定されているという対照的な違いがあります。
次の疑問Rだけでなく対比となるL側の舌の使い方も詳しく知りたいときは、英語のLの発音と舌の位置のコツで口の動かし方を整理できます。
発音rのコツと物理的な矯正ドリル
単語の中でRを綺麗に出すための手順として役立つのが、「小さな『ぅ』から始める」アプローチです。専門用語では「唇音化(R-labialization)」と呼ばれる現象で、語頭のRを発音する際、英語話者の唇は自然に前へ突き出されて丸まります。
今日から音が出る3ステップ手順
- 唇を突き出す:口笛を吹くときのように唇を前へ尖らせ、直径1〜2センチほどの丸い開きを作ります。
- 舌を引いて準備する:舌先を上の前歯から離し、喉の奥へ向かって2センチほど引きます。舌の両端が上の奥歯に軽く触れている状態を作ります。
- 「ぅ」の構えから声を出す:唇を突き出したまま小さな声で「ぅ」と喉を鳴らし、その喉の響きを維持したまま次の母音へ唇を開きます。red であれば「ぅred」、right であれば「ぅright」のように発音します。
どうしても舌が上あごにくっつく人のための矯正ドリル
長年の日本語の癖により、ラ行のように舌先が上あごを叩いてしまう場合は、物理的な制約を口に与える練習が有効です。
- 割り箸を横にくわえる練習:割っていない清潔な割り箸を左右の糸切り歯(犬歯)のあたりで軽く横にくわえます。割り箸の下に舌先を置き、割り箸を越えて舌先が上にあがらないように意識しながら run や rabbit と発声します。物理的に舌先が上あごへ届かなくなるため、舌を奥に引く感覚が身につきます。
- 喉仏に手を当てる練習:喉仏のあたりに指先を当て、あくびをするときのように喉の奥を大きく広げます。低音でうなり声を出すように「アー」と声を出しながら舌を徐々に奥へ引き込みます。喉の奥にこもるような響きへ音が変化したポイントが、Rの正しい調音位置です。
口笛を吹くように唇を前へ尖らせる
舌先を前歯から離し喉奥へ引く
小さな声で「ぅ」と鳴らし次の母音へ
唇を突き出して準備し「ぅ」の構えから母音へと繋げます。
舌の動かし方をステップ順に確認したいときは、英語のRの発音のコツと練習法を参考にしてください。
単語内の位置で変化する英語rの発音
英語のRには、子音として働く場合と、母音と結びついて母音そのものを変化させる(母音のR、またはR性母音)場合があります。置かれる位置によって音の出し方を意識することが大切です。
語頭のR(子音のR)
単語の先頭に位置するRは、唇を丸めて突き出し、舌を奥に引き込んだ状態から次の母音へと勢いよく解放します。日本語の「ウ」よりも唇の緊張を強めにするのがポイントです。
- red(赤い):[rɛd] — 「ぅred」のように唇を尖らせて入ります。
- right(正しい/右):[raɪt] — light と異なり、舌先を歯の裏につけずに始めます。
- room(部屋):[ruːm] — 唇が二重に丸まるため、より深い響きになります。
語中のR(子音結合と母音のR)
子音の直後にRが続く場合(train, free, great など)は、最初の子音の調音準備と同時に舌を奥へ引いておく必要があります。train では t を発音する段階ですでに舌先を引いているため、息の摩擦が強まり「チュ」に近い音として聞こえます。
一方、母音の直後にRが続く bird, girl, turn などの [ɜːr] 音は、口を半開きにしたまま舌を奥へ引いて維持する持続音です。唇を尖らせる必要はなく、口内の奥で音を反響させます。
語尾のR(アメリカ英語とイギリス英語の差異)
単語の終わりにあるRでは、地域による体系の違いが明確に現れます。
- car(車):アメリカ英語では舌を奥に強く引いて [kɑːr] と母音の終わりまでRを響かせます(R音性アクセント)。イギリス標準発音(容認発音)では舌を引かず、単に母音を伸ばして [kɑː] と発音します(非R音性アクセント)。
- water(水):アメリカ英語では語尾の -er を [wɔːtər] としっかりR化させますが、イギリス英語では曖昧母音 [wɔːtə] のまま舌を動かしません。
語頭のR
- 子音のR
- 唇を丸めて突き出す
- 次の母音へ勢いよく解放
語中のR
- 子音結合(train等)
- 母音のR(bird等)
- 口内奥で音を反響
語尾のR
- 米:奥に引く(car)
- 英:母音を伸ばすのみ
語頭・語中・語尾によって舌や唇の動かし方が変化します。

次の疑問語尾のRを発音しない地域差や規則を押さえたいときは、イギリス英語のRの発音ルールを合わせて確認すると理解が深まります。
r発音とL発音のミニマルペア単語比較
RとLの発音を1箇所変えるだけで単語の意味が全く変わる最小対立対(ミニマルペア)を練習することは、発音器官の使い分けを体感する最も効果的な手法です。
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| Rの単語 | 意味 | Lの単語 | 意味 |
|---|---|---|---|
| rice | 米・ご飯 | lice | シラミ(複) |
| right | 正しい・右 | light | 光・軽い |
| read | 読む | lead | 導く・鉛 |
| arrive | 到着する | alive | 生きている |
| pray | 祈る | play | 遊ぶ・演奏する |
| crown | 王冠 | clown | ピエロ・道化師 |
| berry | ベリー・果実 | belly | 腹・お腹 |
文脈で使い分ける対比フレーズ練習
単語単位だけでなく、対照的な文を交互に発音して舌の動きを定着させます。
- I love eating white rice.(私は白米を食べるのが好きです。)
舌先をどこにも触れずに rice を発音します。 - The light was very bright.(その明かりはとても明るかった。)
light では舌先を上の歯茎に押し当て、bright では b の直後に舌を奥へ引きます。 - They will arrive at six.(彼らは6時に到着する予定です。)
arrive の音節境界で舌を上あごに当てないように注意します。 - He is still alive.(彼はまだ生きている。)
alive では -live の瞬間に舌先がしっかり上の前歯裏を捉えます。
難関単語girlとworldを攻略するステップ
日本人の英語学習者にとって最難関とされるのが、母音のR音とLの音が隣接する girl や world、あるいはRとLが連続する really などの単語です。舌を奥へ引いた状態から一瞬で前歯の裏へ移動させる必要があるため、段階的に分解して練習します。
girl の3ステップ攻略法
- g の位置を確認する:舌の奥を上あごにつけて破裂させ「グ」の音を作ります。
- -ir- の音を響かせる:口を軽く開けたまま舌全体を喉の奥へ引き、「アー」と「オー」の中間のような低いこもり声([ɜːr])を出します。舌先は浮かせたままです。
- -l へ舌先を跳ね上げる:こもり声を伸ばした状態から、舌先だけを素早く上前歯の付け根の歯茎へ「ペタッ」と貼り付けます。接触した瞬間に息を止め、音を完了させます。
「グ・アー(舌奥)・ル(舌前)」とスローモーションで音を繋ぐ練習を行い、徐々に速度を上げてひとまとまりの音にします。
world の4ステップ攻略法
- w で唇をすぼめる:強い「ウ」の口を作ります。
- -or- で舌を奥へ引く:girl の -ir- と同じく、舌先を浮かせたまま喉の奥で音を反響させます([wɜːr])。
- -l で舌先を歯茎に当てる:奥にあった舌先を上の歯茎へ移動させて接触させます。
- -d で破裂させる:舌先が歯茎についた状態のまま息を溜め、舌先を離して「ドゥ」と弾きます。
really の攻略法
really [ˈrɪəli] では、語頭のRで舌を奥へ引いてから母音 [ɪə] を経て、最後の -ly で舌先を上の歯茎へ前進させます。「ぅrear」と言った後に、軽く「lee」を付け足す感覚で発音すると舌の絡まりを防ぐことができます。
舌の奥を上あごにつけて破裂させる
舌全体を喉奥へ引き低いこもり声を出す
舌先を上前歯付け根に貼り付け息を止める
奥へ引いた舌先を最後に前歯の付け根へ跳ね上げて音を完了させます。
フレーズ練習とリンキングにおけるrの発音
単語単体でRが発音できるようになっても、文の中で前後の単語と連結(リンキング)すると舌の動きが乱れがちです。英語のRは、後ろに母音が続く場合に前の音と自然に繋がる性質を持っています。
語尾のRと次の母音の連結(Linking R)
語尾がRで終わる単語の直後に母音で始まる単語が来ると、単語の切れ目がなくなり、ひとつの単語のように繋がって発音されます。
- far away → [ˌfɑːr əˈweɪ](ファ・ラウェイ)
far の語尾のRが away の語頭母音と結びつき、舌を奥に引いた状態から次の母音へスムーズに移行します。 - for example → [fər ɪɡˈzæmpəl](フォ・リグザンポー)
for のRがそのまま example の「イ」へと連結します。 - here and there → [ˌhɪər ən ˈðɛər](ヒァ・ラン・ゼァ)
here の語尾Rが and の曖昧母音を巻き込みます。
実践フレーズトレーニング
以下の日常表現を使って、流れるような文章の中で舌をどこにも触れさせない感覚を維持する練習を行いましょう。
- Are you ready to order?(ご注文の準備はよろしいですか?)
Are, ready, order と3つのRが含まれます。それぞれの母音の前で舌先が上あごを叩かないように意識します。 - The train arrived early this morning.(その列車は今朝早く到着しました。)
train(子音結合)、arrived(語中R)、early(母音RとLの連続)が連続する総合的な練習文です。 - Water is running in the river.(川に水が流れています。)
すべての単語にR音が含まれています。リズムを崩さずに低音の響きを保ちます。
フレーズを実際のやり取りで自然に使うための手順は、英会話の総合ガイドで詳しく解説しています。
音声入力を用いた客観的セルフチェック手順
独学で発音練習を行う際、自分の出した音が正しくRとして成立しているかを客観的に判断するには、スマートフォンの音声入力機能を活用するのが実用的です。
音声入力による判定プロトコル
- 言語設定を英語に変更する:端末のキーボードや検索バーの音声入力言語を「英語(米国)」または「英語(英国)」に設定します。
- ミニマルペアを単体で吹き込む:まず red と発声し、画面に red と表示されるかを確認します。もし led や head と誤認識された場合、舌先が上あごを叩いてLになっているか、息の圧力が不足している可能性があります。
- 文章の中で吹き込む:単語単体で認識されたら、次は文単位でテストします。
・"Turn right at the light."(その信号を右に曲がってください)
この文を一息で吹き込み、right と light が正確に識別されてテキスト化されるかを検証します。 - 誤認識の傾向を分析する:
・Rを言ったつもりがLと認識される場合 → 舌先が上あごに当たっています。唇を突き出し、舌を意図的に後ろへ引き下げてください。
・Rを言ったつもりがWと認識される場合 → 唇の丸めが強すぎる一方で、喉の奥の緊張と舌の引き込みが足りていません。喉仏を下げる意識で低い音を響かせてください。
音声入力言語を英語(米国/英国)にする
red等のミニマルペアを単体で吹き込む
Turn right at the light.等を吹き込む
LやWへの誤認識傾向から調音を修正する
単語から文へと段階的に吹き込み認識の誤りから原因を分析します。
発音を定着させてスムーズに話すための練習手順は、英語のスピーキング練習法で紹介しています。
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理解度チェック
Q1. 英語のRを発音する際、舌の位置として正しい条件は?
- 舌先で上の歯茎を一瞬叩く
- 舌先を上前歯の付け根に密着させる
- 舌先を上あごの天井や前歯裏に触れさせない
- 舌を激しく回転させて振動させる
答えを見る
正解: C. 舌先を上あごの天井や前歯裏に触れさせない
英語のRは、反舌・後退集中のどちらのタイプでも舌先を天井や前歯裏に触れさせないことが共通条件です。
Q2. 記事で紹介された、語頭のRを発音しやすくするコツは?
- 唇を横に強く引いて発音する
- 息を完全に止めてから破裂させる
- 舌先を割り箸の上に乗せて持ち上げる
- 小さな「ぅ」のように唇を突き出して始める
答えを見る
正解: D. 小さな「ぅ」のように唇を突き出して始める
語頭のRでは唇音化が起きるため、口笛を吹くように唇を丸めて突き出し、小さな「ぅ」から入る手順が有効です。
Q3. 「白米を食べるのが好き」を表す、Rの発音練習文はどれ?
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正解: A. I love eating white rice.
米を表す単語はRではじまる「rice」であり、舌先をどこにも触れずに発音する練習文として挙げられています。
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よくある質問
- Q. 英語のRは巻き舌にするべきですか?
- 巻き舌にする必要はありません。英語の標準的なRは舌を振動させる音ではなく、舌先を口内のどこにも触れさせずに奥へ引く接近音です。巻き舌にすると英語本来の音から遠ざかります。
- Q. Rを発音するとき舌はどこにも触れませんか?
- 舌先は上あごや前歯の裏に絶対に触れてはいけません。ただし、舌の奥の両側面が上の奥歯の内側に軽く触れるのは正常な調音動作であり、気流を中央に絞るためにむしろ推奨されます。
- Q. 小さな「ぅ」を言うのは大人の会話でも有効?
- 有効です。英語母語話者も語頭のRでは無意識に唇を丸めて突き出す唇音化を行っています。慣れてくれば予備動作を目立たせず一瞬で構えられるようになります。
- Q. Rの発音ができると聞き分けも向上しますか?
- 向上します。自らの調音器官で「舌を接触させないR」と「接触させるL」の音響的・物理的差異を体感できるようになると、脳が音の境界を認識しやすくなり、リスニング力も高まります。
- Q. イギリス英語を学ぶ場合も舌を奥に引きますか?
- 語頭の red や母音前の right ではアメリカ英語と同様に舌を引きます。ただし語尾の car や子音前の bird では舌を引かず母音を伸ばすため、負担は少なくなります。
2026年10月6日更新・モチタン辞典編集部
red
right
rice
girl
world
really