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with 動名詞は誤り?付帯状況の正体と分詞の見分け方
結論から申し上げますと、「〜しながら」という付帯状況を表す際に「with + 動名詞(doing)」という形を用いるのは文法的に誤りです。付帯状況で使われる -ing の正体は動名詞ではなく「現在分詞」であり、正しい構文は「with + 目的語(O) + 補語(C)」です。
結論:付帯状況のwithに動名詞は続かない!正体は分詞
英語を学習していると、「〜しながら」と表現したいときに「with doing」と書いてしまいそうになることがあります。しかし、付帯状況の構文において with の直後に動名詞を単独で置く形は存在しません。
正しくは「with + 名詞(O) + 分詞(C)」という語順をとります。この位置に来る -ing は、名詞として機能する動名詞ではなく、前の名詞の状態を説明する「現在分詞(形容詞相当の働き)」です。
まずは、誤った英文と正しい英文を見比べてみましょう。
- 誤り:He was listening to the lecture with taking notes.
- 正しい:He was listening to the lecture, taking notes.(分詞構文を用いる場合)
- 正しい:He was listening to the lecture with his pen moving fast.(付帯状況の with を用いる場合:「ペンを素早く動かしながら」)
一般の前置詞としての with の後ろに名詞や動名詞が置かれることはあります(例:He started with washing his hands.「彼は手を洗うことから始めた」)。
しかし、この場合の with は「〜を使って」「〜から」という手段や起点を表す通常の用法であり、「主文の動作と同時に別の状況が起きている」ことを表す付帯状況ではありません。
付帯状況を表したいときは、「with + 目的語 + 補語」の枠組みを意識することが正確な英語への第一歩です。
He was listening to the lecture with his pen moving fast.彼はペンを素早く動かしながら講義を聴いていた。
withの直後に動名詞は置かず、目的語の後に補語となる分詞を続けます。
動名詞と分詞の違いを比較!混同しやすい3表現の文法マップ
英語の -ing には「動名詞」と「現在分詞」の2種類があり、形が全く同じであるため多くの学習者が混同します。特に付帯状況の with や分詞構文を学ぶ際に、品詞の働きを混同していると文構造を見失ってしまいます。
動名詞と現在分詞の本質的な違いは、文中で果たす「品詞の役割」にあります。
- 動名詞:動詞の性質を残しながら文中で「名詞」として働く。主語(S)、動詞の目的語(O)、前置詞の目的語(O)、補語(C)になる。
- 現在分詞:動詞の性質を残しながら文中で「形容詞」や「副詞相当」として働く。名詞を修飾したり、補語(C)になったり、文全体を修飾する分詞構文を作ったりする。
学習者が迷いやすい「付帯状況」「通常の動名詞」「分詞構文」の3つの違いを下表で整理しました。
表は横にスクロールできます →
| 表現パターン | -ing の品詞 | 文法的な役割 | 例文 |
|---|---|---|---|
| 付帯状況(with O C) | 現在分詞(C) | 直前の名詞(O)の状態を説明する補語 | with the baby smiling(赤ちゃんが微笑みながら) |
| 前置詞 + 動名詞 | 動名詞(O) | 前置詞の目的語になる名詞句 | thank you for helping me(助けてくれてありがとう) |
| 分詞構文 | 現在分詞 | 主文の動詞や節全体を修飾する副詞節相当 | Walking down the street, I met Ken.(通りを歩いているとき…) |
このように、同じ -ing でも置かれている文法上の位置と働きが異なります。付帯状況の with O C における -ing は、with の目的語ではなく、目的語(O)の様子を述べる補語(C)として働いているため、動名詞ではなく現在分詞なのです。
次の疑問-ingの形を見かけたときに迷わず品詞を特定したいなら、現在分詞と動名詞の見分け方で判断の手順を整理しておくと安心です。
付帯状況「with O C」の基本構造とCに入る5パターン
付帯状況を正しく使いこなすための核となる知識が「with + O + C(OがCの状態で/OをCにして)」という基本公式です。
この構文の最大の特徴は、O と C の間に「O is C(OがCである)」という主述関係(ネクサス)が成立している点です。第5文型(SVOC)の O と C の関係が、そのまま前置詞 with の後ろに組み込まれていると考えると理解しやすくなります。
補語(C)の位置には、現在分詞だけでなく、状態を表すことができるさまざまな品詞・語句が入ります。主に以下の5パターンが存在します。
1. 現在分詞(doing):能動的な動作・進行中
Oが自ら何かを行っている進行中の状況を表します。
- She sat on the bench with her dog sleeping beside her.(彼女は犬を隣で眠らせたまま、ベンチに座っていた。)
- He listened to the radio with the music playing in the background.(彼は音楽が流れている状態で、ラジオを聞いていた。)
2. 過去分詞(done):受動的な状態・完了
Oが動作を受ける関係にある状態を表します。
- He stood there with his arms folded.(彼は腕を組んだ状態でそこに立っていた。)
- She listened to the story with her eyes closed.(彼女は目を閉じたままその話を聞いた。)
3. 形容詞:継続的な状態
分詞を使わず、形容詞そのものでOの状態を表現します。
- Don't speak with your mouth full.(口に物をほおばったまま話してはいけません。)
- He slept with the window open.(彼は窓を開けたまま眠った。)
4. 副詞:位置やオン・オフの状態
身につけている状態や、スイッチの開閉などを副詞で表します。
- He walked in the room with his hat on.(彼は帽子をかぶったまま部屋に入ってきた。)
- She left the house with the television on.(彼女はテレビをつけっぱなしにして家を出た。)
5. 前置詞句:場所や位置関係
前置詞が導くまとまりが補語として機能します。
- The teacher entered the room with a book under his arm.(先生は本を小脇に抱えて教室に入ってきた。)
- She sat quietly with tears in her eyes.(彼女は目に涙を浮かべながら静かに座っていた。)
分詞
- 現在分詞(能動・進行)
- 過去分詞(受動・完了)
その他の品詞
- 形容詞(継続状態)
- 副詞(オン・オフなど)
O is Cの関係を保ちながら、文脈に応じた品詞が補語(C)に配置されます。
現在分詞か過去分詞か?迷わない2ステップ判定法
試験問題や英作文で最もつまずきやすいのが、「Cの位置に現在分詞(-ing)と過去分詞(-ed)のどちらを入れるべきか」という選択です。丸暗記に頼らず、次の2つのステップに従って判断してください。
ステップ1:OとCを取り出して「主語 + 動詞」の文を作る
with を除外し、目的語(O)を主語に、補語(C)を動詞にした独立した文を頭の中で組み立てます。
ステップ2:Oが自発的に行う(能動)か、受ける(受動)かを判別する
- 「Oが自ら〜する」能動関係が成り立つ場合 → 現在分詞(-ing)
- 「Oが〜される」「他者によって〜された状態」受動関係が成り立つ場合 → 過去分詞(-ed)
具体例で確かめてみましょう。
例題1:with her hair ( waving / waved ) in the wind
- ステップ1:Her hair + wave(髪が風になびく)
- ステップ2:髪が「自らなびいている(能動的動作)」ため、進行を表す能動関係です。
- 判定:waving が正解となります。
例題2:with his legs ( crossing / crossed )
- ステップ1:His legs + cross(足が組まれる)
- ステップ2:足は本人の意思によって「組まれる対象」です。足自身が自発的に他者を組むわけではありません。
- 判定:crossed が正解となります。
身体の部位(eyes, legs, arms)が過去分詞になる理由
多くの英語学習者が「目を閉じるのも、足を組むのも自分の意思なのだから能動(-ing)ではないのか」と疑問を抱きます。
英語の発想では、心や意志を持つ主体は「人間自身(主語)」であり、目(eyes)、腕(arms)、足(legs)などの身体部位は「脳の指令によって動かされる客体(道具)」として認識されます。
したがって、「足は組まれる」「目は閉じられる」という受動の関係になり、with eyes closed や with arms crossed のように過去分詞が使われます。
反対に、身体の一部であっても「自発的に流れる涙」などは with tears streaming down her cheeks(涙を頬に流しながら)のように現在分詞が用いられます。
Oを主語、Cを動詞にした文を頭の中で組み立てる
Oが自ら行うか動作を受けるかを確認する
能動なら現在分詞-ing、受動なら過去分詞-edを選ぶ
OとCで「主語+動詞」の文を作り、能動か受動かで分詞を判断します。

分詞の用法をもっと確認したいときは、分詞の使い方の例文集を参考にしてください。
「when 動名詞」の誤解を解く!接続詞つき分詞構文の正体
「with 動名詞」と並んでよく検索される疑問に「when doing の -ing は動名詞なのか」というものがあります。これも結論からお伝えすると、動名詞ではなく「接続詞の意味を明確にした分詞構文」です。
英語の分詞構文は、通常は接続詞(when, while, if, because など)を取り除いて作成します。しかし、接続詞を省略すると「時」「理由」「条件」「譲歩」のどの意味なのか文脈から読み取りにくくなる場合があります。そこで、意味をはっきり伝えるために接続詞を意図的に残す用法が発達しました。
- 元の副詞節:When you cross the street, be careful.
- 通常の分詞構文:Crossing the street, be careful.(意味が曖昧になりやすい)
- 接続詞を残した分詞構文:When crossing the street, be careful.(通りを横断するときは注意しなさい)
この When crossing を見て、「接続詞 when の後ろに動名詞が来ている」と誤解してしまう学習者が少なくありません。しかし、接続詞の本来の後続要素は「主語 + 動詞(節)」です。
接続詞の直後に動名詞を単独で置く規則はありません。主語(you)と be動詞(are)が省略された結果、現在分詞が残った構造であると理解するのが正確です。
| 接続詞つき分詞表現 | 元の文構造 | 日本語の意味 |
|---|---|---|
| When driving | When (you are) driving | 運転するときは |
| While walking | While (he was) walking | 歩いている間に |
| Although exhausted | Although (she was) exhausted | 疲れ果てていたけれども |
したがって、「when doing」の正体は動名詞ではなく現在分詞を用いた分詞構文です。文法問題で品詞を問われた際は、迷わず分詞と答えられるように整理しておきましょう。
動名詞の副詞的用法は存在する?分詞構文との違いを整理
文法を調べている過程で「動名詞の副詞的用法」という言葉を見聞きしたことがあるかもしれません。しかし、現代の標準英語文法において「動名詞の副詞的用法」というカテゴリーは原則として存在しません。
動名詞(gerund)は、動詞を「名詞」として機能させるための文法形式です。名詞である以上、果たす役割は以下のいずれかに限られます。
- 主語(S):Reading books is fun.(本を読むことは楽しい)
- 他動詞の目的語(O):I enjoy playing tennis.(テニスをすることを楽しむ)
- 前置詞の目的語(O):He is good at speaking English.(英語を話すことが得意だ)
- 補語(C):My hobby is collecting coins.(私の趣味は硬貨を集めることだ)
文全体や動詞を修飾して「〜しながら」「〜のとき」といった副詞的な意味を単独で表すことができる -ing は、動名詞ではなくすべて「分詞構文(現在分詞)」です。
学習者が「動名詞が副詞の働きをしている」と錯覚してしまう主な原因は、前置詞とセットになった動名詞句(例:in doing「〜する際に」、by doing「〜することによって」、on doing「〜するとすぐに」)にあります。
これらの表現では、doing 自体は前置詞の目的語(名詞)として働いています。「前置詞 + 名詞」のカタマリ全体が副詞句として機能しているだけであり、動名詞単独で副詞になっているわけではありません。動名詞は名詞、副詞的に働く -ing は分詞、と明確に区別してください。
次の疑問文全体の副詞として働く分詞構文と動名詞の違いを明確にしたいときは、分詞構文と動名詞・分詞の違いで構造を確認できます。
なぜ「without doing」は使えて「with doing」は不自然なのか
鋭い学習者の方なら、「without doing(〜することなく)という表現は辞書にも載っているのに、なぜ対義語であるはずの with doing は使えないのか」と疑問に思うはずです。
この違いが生じる理由は、with と without の語法および前置詞としての意味の担い方にあります。
without は単一の前置詞として「否定的な状況・動作の欠如」を表すことができます。英語には「〜することなく」を簡潔に表す便利な接続詞や分詞構文が少ないため、without + 動名詞 という形が副詞的な状況補足として広く定着しました。
- He passed by without noticing me.(彼は私に気づくことなく通り過ぎた。)
- She left the room without saying a word.(彼女は一言も言わずに部屋を出て行った。)
一方、肯定の「〜しながら」を表す手段として、英語にはすでに強力で簡潔な表現体系が存在します。それが「分詞構文(doing ...)」と「付帯状況の構文(with + O + C)」です。
わざわざ with doing と言わなくても、同一主語の動作であれば分詞構文(, doing ...)を使えば表現できます。また、主文の主語とは異なるもの(手、足、他者、背景の物など)の状態を添えたい場合は、対象を明示する with O C を使えば曖昧さなく伝わります。
したがって、肯定の付帯状況で「with doing」を用いるのは構文的に重複・不完全であり、英語の語法として不自然とみなされるのです。
否定(動作の欠如)
- without doing が定着
- 簡潔な代替表現が少ない
- 例:without noticing me
肯定(付帯状況)
- 分詞構文(doing)で十分
- 別主語なら with O C を使用
- with doing は重複となり不自然
肯定の状況描写には分詞構文やwith O Cがあるため、with doingは不要です。
入試・TOEICによく出る付帯状況の頻出表現&実戦問題
付帯状況の with O C は、定期試験・大学入試・TOEICなどの資格試験において非常に頻出の文法事項です。まずは、そのまま覚えるだけで即座に役立つ頻出イディオム表現を一覧で確認しましょう。
| 英語表現 | 日本語訳 | 補語(C)の分類 |
|---|---|---|
| with eyes closed | 目を閉じて | 過去分詞 |
| with legs crossed | 足を組んで | 過去分詞 |
| with arms folded | 腕を組んで | 過去分詞 |
| with music playing | 音楽が流れている状態で | 現在分詞 |
| with tears falling | 涙を流しながら | 現在分詞 |
| with night coming on | 夜のとばりが降りてくる中 | 現在分詞 |
| with the window open | 窓を開けたまま | 形容詞 |
| with the engine running | エンジンをかけたまま | 現在分詞 |
| with a cap on | 帽子をかぶったまま | 副詞 |
実戦確認問題
理解度を確認するために、空欄に当てはまる最も適切な語句を以下の選択肢から選んでみましょう。
問1:He was sitting under the tree with his eyes ( ).
A. close B. closing C. closed D. to close
問2:The girl was walking along the path with her dog ( ) behind her.
A. follow B. following C. followed D. to follow
問3:Don't leave the room with the lights ( ).
A. in B. on C. at D. over
解答と解説
問1の解答:C. closed
解説:目的語(O)である his eyes と補語(C)の動詞 close の関係を考えます。「目は閉じられる」という受動関係(His eyes are closed)が成立するため、過去分詞の closed が適切です。
問2の解答:B. following
解説:目的語 her dog と動詞 follow(ついていく)の関係を考えます。「犬が自発的についていく」という能動関係(Her dog is following)が成り立つため、現在分詞の following が正解です。
問3の解答:B. on
解説:明かりがついている状態を表す副詞は on です。with the lights on で「明かりをつけっぱなしにして」という意味の決まり文句になります。
実践的な表現をさらに確認したいときは、付帯状況の withの例文集が役立ちます。
理解度チェック
Q1. 付帯状況の構文「with O C」における-ingの文法的な働きは何ですか?
- 前置詞withの目的語となる動名詞
- 直前の名詞(O)の状態を説明する現在分詞
- 文全体を修飾する動名詞の副詞的用法
- 接続詞が省略された動名詞節
答えを見る
正解: B. 直前の名詞(O)の状態を説明する現在分詞
付帯状況のwith O Cにおける-ingは、動名詞ではなく直前の名詞(O)の様子を説明する現在分詞(補語)です。
Q2. 付帯状況「with O C」の補語(C)として文法的に誤っている英文はどれですか?
- He was listening to the lecture with his pen moving fast.
- She sat on the bench with her dog sleeping beside her.
- He was listening to the lecture with taking notes.
- She listened to the story with her eyes closed.
答えを見る
正解: C. He was listening to the lecture with taking notes.
付帯状況の構文においてwithの直後に動名詞を単独で置く「with doing」という形は存在せず、誤りです。
Q3. 英語の発想において「legs」などの身体部位が過去分詞(crossed等)と結びつく理由は何ですか?
- 身体部位は脳の指令で動かされる客体(道具)と認識されるため
- 身体部位は自発的に動作を行う能動の主体であるため
- 名詞と補語の間に主述関係が成立しないため
- 身体の動作には動名詞しか使えない規則があるため
答えを見る
正解: A. 身体部位は脳の指令で動かされる客体(道具)と認識されるため
英語の発想では身体部位は意志を持つ主体ではなく動かされる客体(道具)と認識されるため、「足は組まれる」という受動関係になります。
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よくある質問
- Q. with doingは一切使えないのですか?
- 付帯状況「〜しながら」としては使えません。ただし「He began with introducing himself.(自己紹介から始めた)」のように、通常の手段や起点を示す前置詞withに動名詞が続く用法は存在します。
- Q. 付帯状況のwithは省略できますか?
- 独立分詞構文(名詞 + 分詞)の形にすればwithを省くことは可能です。ただし、現代英語では意味関係や状況描写を明確にするため、会話でも文章でもwithを明示するのが一般的です。
- Q. while doingとwhen doingの違いは?
- どちらも接続詞を残した分詞構文です。while doingはある程度の時間の幅がある「動作の継続中」に重きを置き、when doingは「〜する時」という条件やタイミングを明確にする際に好まれます。
- Q. with O CのOに代名詞が来る時の形は?
- 前置詞withの目的語であるため、目的格(him, her, them, us など)を用います。例えば「彼が立っている状態で」であれば「with him standing」となります。
- Q. 動名詞の意味上の主語と付帯状況の違いは?
- 動名詞の意味上の主語は「with his doing」のように所有格や目的格を直前に置く形ですが、前置詞句全体として名詞の枠組みになります。付帯状況は「O is C」の関係を描写する副詞句である点が根本的に異なります。
2026年9月25日更新・モチタン辞典編集部
関係する文法withとwithoutの使い方分詞(現在分詞・過去分詞)の使い方付帯状況の with(with+名詞+分詞)