モチタン辞典 › 読みもの › 英文法 › 中学英語で最も難しい単元と攻略法

中学英語の難しい単元とラスボス攻略法
中学英語の「ラスボス」と呼ばれる一番難しい単元は、日本語と語順が逆転する関係代名詞と分詞の後置修飾です。一方で、高校入試やその後の英語力全体を左右する「最も大事な文法」は、中学1・2年で習うbe動詞と一般動詞の区別、4つの品詞、そして不定詞です。
難しい単元で点数を落とす原因の大半は、語順規則の理解不足と基礎的な文型知識の抜けにあります。
中学英語の難しい単元ランキングTOP5
中学3年間で学習する文法の中で、多くの学習者がつまずきやすい難所を難易度順に整理しました。抽象度の高さや、日本語の語順との乖離が大きい単元ほど上位に入ります。
表は横にスクロールできます →
| 順位 | 単元名 | 主な学習時期 | つまずく根本的な理由 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 関係代名詞 | 中3後半 | 日本語と修飾の語順が真逆になり、文構造の把握が難しいため |
| 2位 | 現在完了形 | 中3前半 | 日本語にない「過去と現在のつながり」の感覚が掴みにくいため |
| 3位 | 分詞の後置修飾 | 中3後半 | 2語以上で名詞を後ろから修飾する英語特有の配置に混乱するため |
| 4位 | 不定詞の3用法 | 中2後半 | 同じ形(to + 動詞の原形)で名詞・形容詞・副詞の3役に化けるため |
| 5位 | 受動態 | 中2〜中3 | 主語と目的語の位置関係の入れ替えや過去分詞の不規則変化に迷うため |
表の上位にある単元は、単独の知識だけで解くことができません。中1・中2で学んだ基礎文法が土台として組み合わさっているため、複合的な難しさがあります。
全体の傾向を把握したい方は、つまずきやすい英文法ランキングも参考になります。
中学英語のラスボスが関係代名詞である理由
中学英語で「ラスボス」として立ちはだかるのが、3年間の集大成として登場する関係代名詞と分詞の後置修飾です。これらが難しい最大の原因は、文法規則の細かさではなく、「日本語と英語における名詞修飾の向きの決定的な違い」による高い認知負荷にあります。
日本語の前置修飾と英語の後置修飾
日本語では、どんなに修飾語が長くなっても必ず「名詞の前」から説明します。対して英語では、修飾語が2語以上のまとまりになると「名詞の後ろ」に回して説明するという厳格な規則(後置修飾)があります。
日本語の感覚のまま左から右へ読もうとすると、頭の中で語順の組み立て直しが発生し、処理が追いつかなくなります。
関係代名詞の2大パターンと構造の把握
中学英語で必須となる主格と目的格の関係代名詞は、文の骨組み(主語・動詞・目的語)を捉える力が求められます。
- 主格(後ろに動詞が続く):I know the girl who plays tennis.(私はテニスをするその少女を知っています。)
- 目的格(後ろに主語+動詞が続く):This is the book which Ken bought yesterday.(これはケンが昨日買った本です。)
主格では関係代名詞の直後に動詞が置かれ、目的格では直後に「主語+動詞」が置かれます。先行詞(修飾される名詞)を確定させ、修飾のカタマリがどこからどこまでかを正しく区切る訓練が不可欠です。
日本語(前置修飾)
- 修飾語が長くても名詞の前から説明
- 例:[公園で走っている] 少年
- 修飾語が先に来て名詞が後に置かれる
英語(後置修飾)
- 2語以上の修飾語は名詞の後ろに配置
- 例:The boy [who is running...]
- 名詞が先に来て修飾語が後ろから説明
修飾語が2語以上になると日本語と英語で修飾の向きが逆になります。
現在完了形がつまずきやすい理由と見分け方
中3の序盤で習う現在完了形(have / has + 過去分詞)は、日本語の時制感覚と合致しないためにつまずく生徒が急増する単元です。
過去形と現在完了形の決定的な違い
過去形は「過去のある一時点の出来事」を表すだけで、今どうなっているかは触れません。一方、現在完了形は「過去に起きたことが、今この瞬間にも影響を及ぼしている状態」を表します。
- 過去形:I lost my key.(私は鍵をなくしました。※今見つかったかどうかは不明)
- 現在完了形:I have lost my key.(私は鍵をなくしてしまいました。※今も手元にない状態が続いている)
現在完了の3用法を見分けるキーワード
現在完了形には3つの用法(完了・結果、経験、継続)がありますが、文脈だけで悩むのではなく、一緒に使われる副詞を手がかりに見分けるのが確実です。
表は横にスクロールできます →
| 用法 | 主な意味 | 目印となる代表的な語句 | 例文 |
|---|---|---|---|
| 完了・結果 | 〜したところだ、〜してしまった | already, just, yet | He has already finished his homework.(彼はすでに宿題を終えました。) |
| 経験 | 〜したことがある | ever, never, before, once | Have you ever visited Kyoto?(あなたは今までに京都を訪れたことがありますか。) |
| 継続 | (ずっと)〜している | since, for, How long | They have lived here for ten years.(彼らは10年間ここに住んでいます。) |
時制の基準が「今」にあるため、yesterday や last week、疑問詞の When など、過去の一時点を限定する言葉とは一緒に使えないという規則も重要です。
過去形
- 過去のある一時点の出来事を表す
- 今どうなっているかは触れない
- 例:I lost my key.(今は不明)
現在完了形
- 過去の出来事が今にも影響している
- 時制の基準が現在にある
- 例:I have lost my key.(今もない)
現在完了形は過去の出来事が現在の状態に影響している点を表します。
学年別のつまずき単元一覧と新難所
中学英語のつまずきは、中3の難関単元で突如発生するわけではありません。中1から中3まで、各段階で明確な脱落ポイントが存在します。
中1の難所:一般動詞・be動詞の混同と三人称単数
最初の大きな関門は、be動詞(am, is, are)と一般動詞の使い分けです。疑問文や否定文を作るときに Do you are〜? や I don't a student. のような混同が起こります。
さらに、主語が三人称単数かつ現在形のときに動詞の語尾に -s / -es を付けるルール、助動詞 can の登場による動詞の原形化など、基本的な述語のルールが最初の分岐点です。
中2の難所:不定詞・助動詞・比較
中2では英文の構造が拡張されます。特に不定詞(to + 動詞の原形)は、名詞的用法(〜すること)、形容詞的用法(〜するための)、副詞的用法(〜するために、〜して)の3つに枝分かれし、品詞の意識がない学習者を混乱させます。
さらに must や should などの助動詞、-er / -est や more / most を使い分ける比較表現も重なり、暗記事項が増加します。
中3の難所と新学習指導要領で加わった新文法
中3では前述の現在完了形、分詞の後置修飾、関係代名詞が次々に登場します。これらに加え、現行の学習指導要領では高校から中学へ降りてきた単元があります。
- 仮定法過去の一部:現在の事実と異なる願望を表す表現(例:I wish I had a car.「車を持っていればいいのに」)
- 原形不定詞を伴う表現:help + 人 + 動詞の原形(人が〜するのを手伝う)など
これらの追加により、中3の文法密度は以前よりも高まっています。

次の疑問各学年で文法がどの順序で積み重なるかを把握したいときは、中学英語の文法単元・習う順番を確かめておくと見通しが立ちます。
中学英語で一番大事な文法と土台の仕組み
入試問題や高校以降の英語学習において、合否や実力を決定づける「一番大事な文法」は、実は中3のラスボス単元ではありません。基盤となるのは、中1・中2で学ぶ「be動詞と一般動詞の区別」「品詞の理解」「不定詞」の3点です。
難しい単元で崩れる根本原因は「品詞と文型」の欠落
関係代名詞や分詞の後置修飾が解けない生徒の答案を分析すると、関係代名詞の知識そのものよりも、文の主語(S)や動詞(V)を見失っているケースが目立ちます。英語は「配置の言語」であり、語順と品詞が文の意味を決定します。
- 名詞:文の主語・目的語・補語になる
- 動詞:文の核となる動作や状態を表す
- 形容詞:名詞を直接修飾する、または補語になる
- 副詞:名詞以外(動詞・形容詞・他の副詞・文全体)を修飾する
例えば、分詞の後置修飾(the dog barking loudly)は「名詞を後ろから修飾する形容詞のカタマリ」であり、不定詞の形容詞的用法(something to drink)と同じ働きです。
品詞の役割を理解していれば、新しい単元が登場しても「修飾する品詞のバリエーションが増えただけ」と整理できます。
文の骨組みを作る品詞
- 名詞(主語・目的語・補語)
- 動詞(動作や状態を表す核)
修飾を行う品詞
- 形容詞(名詞を修飾・補語)
- 副詞(名詞以外や文全体を修飾)
文の骨組みを作る4つの品詞の役割と修飾関係の分類です。
難所を攻略する3ステップ学習法
難しい文法を日本語訳のパズル合わせで解く状態から抜け出し、安定して正解するための3段階の手順です。
ステップ1:文の骨組み(主語・動詞)の確定
どんなに長い文であっても、まずは文全体の主語(S)と述語動詞(V)に印をつけます。修飾語句をいったんカッコでくくり、文のコアを明確にします。
- 例文:The girl [who lives next door] is a pianist.
- 骨組み:The girl is a pianist.(その少女はピアニストです)
- 修飾語:[who lives next door](隣に住んでいる)
ステップ2:2つの文への分解と結合の再現
関係代名詞や分詞などの後置修飾は、もともと2つの独立した文を1つにまとめたものです。自力で文を分解し、再びつなげる手順を紙に書いて練習します。
- 文A:I have a friend.(私には友達がいます。)
- 文B:He speaks French well.(彼はフランス語を上手に話します。)
- 共通の対象を確認:a friend = He(人・主語なので who に置き換え)
- 結合:I have a friend who speaks French well.
ステップ3:スラッシュリーディングによる語順通りの音読
返り読み(文末から後ろ向きに訳すこと)の癖がついていると、高校入試の長文読解で時間が足りなくなります。意味の区切りごとにスラッシュを入れ、英語の語順のまま理解しながら音読を繰り返します。
I saw a boy / playing soccer / in the park.
(私は少年を見かけた / サッカーをしている / 公園で)
文全体の主語と動詞を確定し修飾語を括る
2つの独立した文へ分解し結合を再現する
意味の区切りにスラッシュを入れ音読する
文の骨組みの把握から分解・結合、語順通りの音読へ進める手順です。
次の疑問文の骨組みを見極める手順を実際に手を動かして定着させたい場合は、中学英文法の無料プリント・練習問題で演習を重ねてみてください。
つまずいたときの戻り学習マップ
難しい単元の問題でつまずいたときは、その単元を繰り返すよりも、前提知識となる前の学年の単元へ戻る方が根本的な解決につながります。
| 現在つまずいている単元 | 戻るべき過去の単元 | 確認すべきポイント |
|---|---|---|
| 関係代名詞 | 中1の代名詞の格変化、中2の接続詞 | he / his / him などの主格・所有格・目的格の違い、文と文をつなぐ感覚 |
| 分詞の後置修飾 | 中1の進行形(-ing)、中2の受動態(過去分詞) | 分詞そのものの意味(「〜している」「〜された」)、名詞を修飾する形容詞の役割 |
| 現在完了形 | 中1の過去形、中2の過去分詞一覧 | 不規則動詞の活用、過去形と現在完了の時間の違い |
| 不定詞の3用法 | 中1の品詞(名詞・形容詞・副詞)、文の要素 | 「〜すること」が主語や目的語になる仕組み、名詞を修飾する位置関係 |
| 受動態 | 中1の動詞の目的語、中1のbe動詞の否定・疑問文 | 文の目的語を主語に移動させる感覚、be動詞のルール |
急がば回れで前提単元を復習すると、難所とされていた規則が自然と理解できるようになります。
学年をまたいだ全体像を振り返りたいときは、中学英語のまとめ(単語・文法・フレーズ・勉強法)が役立ちます。
難関単元でよくある間違いパターンと対策
定期テストや高校入試で多くの受験生が失点する典型的な誤答パターンと、その修正ポイントです。
間違い1:関係代名詞の先行詞の見落としによる動詞の不一致
- 誤文:I like the stories which is interesting.
- 正文:I like the stories which are interesting.
- 解説:先行詞が複数形の the stories であるため、関係代名詞の中の動詞も複数扱いの are に合わせる必要があります。
間違い2:現在完了形と過去の時点を表す語句の併用
- 誤文:I have visited Tokyo yesterday.
- 正文:I visited Tokyo yesterday.
- 解説:yesterday や two days ago のような過去の一時点を示す語句は、現在とつながりを持つ現在完了形(have visited)と共存できません。単なる過去形にします。
間違い3:分詞の後置修飾と進行形の混同
- 誤文:The boy is running over there is my brother.
- 正文:The boy running over there is my brother.
- 解説:1つの文の中に接続詞なしで本動詞が2つ(is と is)入ってしまっています。前半は動詞ではなく、名詞を修飾する現在分詞 running に整えます。
関係代名詞内の動詞は先行詞の単数・複数に合わせる
yesterdayなど過去の一時点を示す語は現在完了と使えない
後置修飾では文中に動詞が2つ並ばないよう分詞にする
テストや入試で失点しやすい典型的な誤答と対策の要点です。
理解度チェック
Q1. 現在完了形と一緒に使うことができない語句はどれですか?
- already
- never
- since
- yesterday
答えを見る
正解: D. yesterday
現在完了形は時制の基準が現在にあるため、yesterdayなど過去の一時点を限定する語句とは一緒に使えません。
Q2. 文法的に正しい英文はどれですか?
- I like the stories which is interesting.
- I have visited Tokyo yesterday.
- The boy running over there is my brother.
- The boy is running over there is my brother.
答えを見る
正解: C. The boy running over there is my brother.
分詞の後置修飾では名詞を分詞で修飾します。is runningとすると1つの文に動詞が2つ重なる誤りになります。
Q3. 本文で示された難所攻略の「ステップ1」は何ですか?
- 文の骨組み(主語・動詞)の確定
- 2つの文への分解と結合の再現
- スラッシュリーディングによる音読
- 前置修飾と後置修飾の比較
答えを見る
正解: A. 文の骨組み(主語・動詞)の確定
ステップ1は修飾語句をカッコでくくり、文全体の主語と述語動詞を確定させてコアを明確にすることです。
英語の文法は、話して身につけよう。会話アプリ「モチスピ」英語を話して練習できる会話アプリ。話すたびに、発音・文法・自然さをその場で直してもらえます。無料で試す
よくある質問
- Q. 中学英語で一番難しい単元は何ですか?
- 中3後半で学習する「関係代名詞」です。日本語と修飾の向きが逆になる後置修飾のルールに加え、主格・目的格の使い分けや先行詞の把握など複合的な文法知識が求められるためです。
- Q. 中学英語の「ラスボス」とはどの文法?
- 一般的に「関係代名詞」と「分詞の後置修飾」を指します。中学英語の集大成として2文の結合や語順の逆転を扱うため、最も習得に時間がかかる難関単元です。
- Q. 高校入試で一番大事な文法は何ですか?
- 「be動詞と一般動詞の明確な区別」と「品詞(名詞・形容詞・副詞)の働き」です。これらが曖昧なままだと、長文読解で正確な文構造を見抜くことができなくなります。
- Q. 難しい単元が理解できないときはどうする?
- 無理に難問を解かず、1〜2学年前の基礎に戻るのが有効です。関係代名詞なら代名詞の格変化や接続詞へ、現在完了形なら不規則動詞の過去分詞や過去形へ戻って復習しましょう。
- Q. 中1でつまずきやすい一番の壁は何ですか?
- 三人称単数現在のsと、be動詞・一般動詞の疑問文・否定文の混同です。「Do you are」や「He don't」といった誤りを初期のうちに正すことが重要です。
2026年10月12日更新・モチタン辞典編集部