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had 過去分詞とhad been 過去分詞の違い
had 過去分詞とhad been 過去分詞の決定的な違いは、主語が「動作をした側(能動態)」か「動作をされた側(受動態)」かという点です。
どちらも過去のある基準点より前の出来事を表す「過去完了」の時制ですが、had 過去分詞は「(主語が)〜した・〜していた」、had been 過去分詞は「(主語が)〜されていた」という意味になります。
beenが1語入るだけで文の主客が反転するため、正確な読み分けが不可欠です。
had 過去分詞とhad been 過去分詞の結論対比
英語の長文読解や文法問題で頻出するhad 過去分詞とhad been 過去分詞について、まずは要点を一覧表で整理します。両者の時間軸(時制)はまったく同じ「過去完了」ですが、主語と動詞の関係性(態)が正反対です。
| 項目 | had 過去分詞 | had been 過去分詞 |
|---|---|---|
| 文法上の名称 | 過去完了形(能動態) | 過去完了受動態(受動態) |
| 構造 | had + 過去分詞 | had been + 過去分詞 |
| 基本の日本語訳 | 〜した、〜していた | 〜された、〜されていた |
| 主語の役割 | 動作を行う側(する側) | 動作を受ける側(される側) |
| 直後の目的語 | あり(他動詞の場合) | なし(前置詞句などが続く) |
| 代表例文 | He had cleaned the room. (彼はその部屋を掃除していた) | The room had been cleaned. (その部屋は掃除されていた) |
時制の概念として、英語では「過去のある基準点」よりもさらに前に起きた出来事を「過去完了(大過去)」で表します。例えば、「母が家に帰ってきた(過去の基準点)」とき、すでに「彼が部屋を掃除し終えていた」のであればhad cleaned(能動態)を使い、「部屋が掃除されていた」のであればhad been cleaned(受動態)を用います。
どちらの形であっても、「過去のその時点よりも前に完了していた」という時間的な位置関係は共通しています。異なるのは、文の主語が自らその行動を起こした主体なのか、それとも行動の対象となった客体なのかという1点です。
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なぜbeenで受け身に?構造の足し算ロジック
なぜbeenが入るだけで受け身の意味になるのか、その仕組みは英文法の「足し算」で理解すると頭に定着しやすくなります。英語の複合時制は、基本的な文法パーツを縦に重ね合わせることで組み立てられています。
過去完了形と受動態の合体プロセス
過去完了受動態は、「過去完了形」の公式と「受動態」の公式を1語ずらして足し合わせた構造をしています。
- 過去完了形の公式:had + 過去分詞
- 受動態の公式: be動詞 + 過去分詞
- 足し算の結果: had + been + 過去分詞
上段の「過去分詞」の位置に、下段の「be動詞」が重なります。be動詞の過去分詞形はbeenですから、真ん中がbeenに変化し、最終的にhad been 過去分詞という形が完成します。
否定文と疑問文の語順ルール
語順に迷いやすい否定文と疑問文も、助動詞としての働きを持つ最初のhadに着目すれば規則通りに作ることができます。
否定文を作る際は、最初の助動詞hadの直後にnotを置きます。短縮形はhadn'tです。
- 能動態の否定:had not + 過去分詞(例:He had not finished the work. / 彼はその仕事を終えていなかった)
- 受動態の否定:had not been + 過去分詞(例:The work had not been finished. / その仕事は終えられていなかった)
beenの後にnotを置くのは誤りですので注意してください。疑問文を作る場合も同様に、文頭に出すのは最初のhadのみです。
- 能動態の疑問文:Had + 主語 + 過去分詞...?(例:Had he finished the work? / 彼はその仕事を終えていましたか?)
- 受動態の疑問文:Had + 主語 + been + 過去分詞...?(例:Had the work been finished? / その仕事は終えられていましたか?)
The work had not been finished.その仕事は終えられていなかった。
過去完了形と受動態を縦に足し合わせると中央がbeenに変化します。
完了時制における基本構造を復習したいときは、完了形と過去分詞の用法を参考にしてください。
次の疑問過去完了だけでなく、現在を基準にした現在完了形の受動態の作り方も同じ足し算ロジックでスッキリ整理できます。
同じ動詞で比較する対比例文5選
文脈の中でどのように意味が変わるのか、同一の動詞を使った5つの対比例文で確認しましょう。主語と動詞の意味関係、および動詞の直後に目的語(名詞)があるかどうかに着目して読み進めてください。
1. break(壊す / 壊される)
Someone had broken the window before I arrived.
(私が到着する前に、誰かが窓を壊していた。)
主語のSomeone(誰か)が窓を壊した主体であるため、能動態のhad brokenを使います。直後に目的語the windowがあります。
The window had been broken before I arrived.
(私が到着する前に、窓は壊されていた。)
主語が動作を受けるThe window(窓)に変わったため、受動態のhad been brokenになります。直後に目的語はありません。
2. invite(招待する / 招待される)
Ken had invited Lisa to the party.
(ケンはリサをパーティーに招待していた。)
ケンが招待する側です。能動態had invitedの直後に、招待された相手であるLisaが目的語として置かれています。
Lisa had been invited to the party.
(リサはパーティーに招待されていた。)
リサは招待を受けた側です。主語がLisaになり、動詞は受動態のhad been invitedに変化します。直後には名詞ではなく前置詞句to the partyが続きます。
3. repair(修理する / 修理される)
The mechanic had repaired the car by noon.
(整備士は正午までにその車を修理していた。)
整備士(The mechanic)が修理を行った張本人であるため能動態です。目的語はthe carです。
The car had been repaired by noon.
(その車は正午までに修理されていた。)
車(The car)は修理される対象物なので、受動態had been repairedを用います。
4. cancel(中止する / 中止される)
The committee had cancelled the event before the storm hit.
(嵐が直撃する前に、委員会はそのイベントを中止していた。)
委員会(The committee)が意思決定をして中止したため能動態です。
The event had been cancelled before the storm hit.
(嵐が直撃する前に、そのイベントは中止されていた。)
イベント(The event)は自ら中止することはできず、人によって中止されるものなので受動態になります。
5. promote(昇進させる / 昇進させられる)
The company had promoted her to manager.
(会社は彼女をマネージャーに昇進させていた。)
会社が彼女を昇進させた主体です。
She had been promoted to manager.
(彼女はマネージャーに昇進していた / 昇進させられていた。)
日本語では「彼女は昇進した」と能動的に言うことが多いですが、英語のpromoteは「(人を)昇進させる」という他動詞であるため、本人が昇進した立場を表すときは受動態had been promotedにします。
had been -ingとの違いと直後の品詞整理
学習者から非常に多く寄せられる疑問が、「had been 過去分詞」と「had been -ing」の混同です。形が似ていますが、表す意味はまったく異なります。
had been 過去分詞 vs had been -ing
- had been 過去分詞:過去完了受動態(〜されていた)【受け身】
- had been -ing:過去完了進行形(〜し続けていた)【能動】
had been -ing(過去完了進行形)は、過去のある基準点まで動作がずっと続いていたことを強調する能動の表現です。主語自身がその動作を行っています。
次の2文のニュアンスの違いを比較してください。
The road had been repairing.(誤った文)
道が自ら修理を続けることはできないため、この表現は成立しません。
The road had been repaired.(正しい受動態)
(その道路は修理されていた。)
The workers had been repairing the road.(正しい過去完了進行形)
(作業員たちはその道路を修理し続けていた。)
had beenの直後に続く品詞4パターン
had beenという塊の後ろには、過去分詞以外の語句も配置されます。読解時に戸惑わないよう、後ろに続く語句のパターンを整理しておきましょう。
表は横にスクロールできます →
| 直後の品詞・形 | 文法構造 | 意味 | 例文 |
|---|---|---|---|
| 過去分詞 | 過去完了受動態 | 〜されていた | The report had been submitted. (報告書は提出されていた) |
| 現在分詞(-ing) | 過去完了進行形 | 〜し続けていた | He had been waiting for an hour. (彼は1時間待ち続けていた) |
| 形容詞 | 過去完了(状態の継続) | ずっと〜だった | She had been sick until yesterday. (彼女は昨日までずっと体調が悪かった) |
| 名詞 | 過去完了(身分の継続) | ずっと〜だった | He had been a teacher for ten years. (彼は10年間ずっと教師だった) |
文中でhad beenを見かけたら、直後の単語が「過去分詞(受け身)」なのか「-ing(進行形)」なのか、あるいは「形容詞や名詞(状態の継続)」なのかを瞬時に判定することが正確な読解の近道です。
had been 過去分詞
- 文法:過去完了受動態
- 意味:〜されていた【受け身】
- 主語は動作を受ける側
- 例:The road had been repaired.
had been -ing
- 文法:過去完了進行形
- 意味:〜し続けていた【能動】
- 主語自らが動作を継続
- 例:The workers had been repairing...
beenの後ろが過去分詞なら受け身、-ingなら能動の進行を表します。

瞬時に見抜く判別フローチャートと誤訳対策
試験問題やリスニングの最中に、返り読みをせずにhad 過去分詞とhad been 過去分詞を判別するためのステップを解説します。
2つのステップで解く判別法
- ステップ1:動詞の直後に目的語(名詞)があるか確認する
動詞が他動詞の場合、能動態であれば動作の対象となる目的語(名詞)が後ろに必要です。後ろに名詞がなく、前置詞句や副詞が続いている(または文が終わっている)場合は、受動態であるhad been 過去分詞が入る可能性が極めて高くなります。 - ステップ2:主語と動詞の意味関係を確認する
主語がその動作を「する」側なのか、「される」側なのかを考えます。主語が「物(部屋、手紙、法律など)」の場合は、受動態のhad been 過去分詞になるケースが圧倒的に多くなります。ただし、主語が「人」であってもinvited(招待された)やtold(言われた)のように受け身になる場合があるため、主語と動詞の関係を必ず確認してください。
よくある誤訳・勘違い事例と対策
読解で特に頻発するミスが、beenを見落として能動態として訳してしまうケースです。
誤訳の例:
The package had been delivered in the morning.
×「荷物は朝に配達した。」
◯「荷物は朝に配達されていた。」
日本語として「荷物は朝に配達した」でも意味が通じてしまうように感じられるため、学習者は主客の逆転に気づきにくい傾向があります。しかし英語では、荷物(The package)が勝手に配達する動作を行うことはあり得ません。beenの存在を強く意識し、「〜された」という受動の訳出を徹底しましょう。
また、had beenを「〜に行ったことがある(経験)」と決めつけてしまう誤解もあります。have/had been to 場所は「〜へ行ったことがある」ですが、後ろに他動詞の過去分詞がある場合は受動態です。後ろの単語の形を必ず最後まで確認する習慣をつけてください。
動詞の直後に目的語(名詞)があるか確認する
主語が動作を「する側」か「される側」か確認する
する側・目的語ありならhad 過去分詞、される側ならhad been
直後の目的語の有無と主語の意味関係から瞬時に正解の形を判別します。
仮定法過去完了での使い分けと現在完了との差
入試や各種英語試験で頻出する応用論点として、「仮定法過去完了」での使い分けと、「現在完了受動態」との時制の違いがあります。
仮定法過去完了における能動と受動
仮定法過去完了は「過去の事実とは異なる仮定」を表す構文で、基本公式は「If + 主語 + had + 過去分詞, 主語 + 助動詞の過去形 + have + 過去分詞」です。このif節の中でも、受動態にする場合はhad been 過去分詞を用います。
If you had warned me, I wouldn't have made the mistake.
(もしあなたが私に警告してくれていたら、私はそのミスをしなかっただろうに。)
あなたが警告する(能動)なのでhad warnedです。
If I had been warned, I wouldn't have made the mistake.
(もし私が警告されていたら、私はそのミスをしなかっただろうに。)
私が警告を受ける(受動)なのでhad been warnedになります。
現在完了受動態(have/has been 過去分詞)との違い
もうひとつの混乱要因が、現在完了受動態(have/has been 過去分詞)との混同です。両者の違いは「基準点が現在か過去か」という時制の違いにあります。
表は横にスクロールできます →
| 構文 | 時間軸の基準点 | 意味の焦点 | 例文 |
|---|---|---|---|
| has/have been 過去分詞 (現在完了受動態) | 現在 | 今、〜された状態にある | The report has been completed. (報告書は[今]完成している) |
| had been 過去分詞 (過去完了受動態) | 過去の基準点 | 過去のその時すでに〜されていた | The report had been completed before the meeting started. (会議が始まる前に、報告書はすでに完成していた) |
文中にwhen S + 過去形動詞やbefore + 過去の時点など、過去の基準を示す表現がある場合は、現在完了ではなく過去完了受動態(had been 過去分詞)を選択しなければなりません。
能動(had 過去分詞)
- 主語が動作を行う(警告する)
- 直後に相手(目的語)がある
- If you had warned me...
受動(had been 過去分詞)
- 主語が動作を受ける(警告される)
- 直後に目的語がない
- If I had been warned...
if節内でも主語が動作を行うか受けるかによってbeenの有無が変わります。
知識定着のための確認ミニクイズ
学んだ知識が定着しているか、5つの問題で確認してみましょう。空欄に入る適切な形を選んでください。
問題1(穴埋め)
When the police arrived, the stolen car ( ) by the thieves.
A. had abandoned
B. had been abandoned
C. had been abandoning
正解:B
解説:主語はthe stolen car(盗難車)であり、動詞abandon(放置する・乗り捨てる)の対象です。車は「放置される側」ですので、受動態のhad been abandonedが正解です。直後に目的語がない点からも判断できます。
問題2(穴埋め)
She was very happy because her boss ( ) her hard work.
A. had recognized
B. had been recognized
C. had been recognizing
正解:A
解説:主語はher boss(彼女の上司)で、直後にher hard work(彼女の熱心な仕事)という目的語があります。上司が彼女の仕事を「評価した」という能動の動作を表すため、能動態のhad recognizedが適切です。
問題3(穴埋め)
The bridge ( ) for two years before it was opened to the public.
A. had constructed
B. had been constructing
C. had been under construction / had been constructed
正解:C(had been constructed)
解説:橋(The bridge)は建設される側です。能動態のhad constructedでは「橋が何かを建設した」という意味になってしまいます。
問題4(正誤判定)
The email had already sent when the manager noticed the error.
この英文は文法的に正しいでしょうか、誤りでしょうか?
正解:誤り
解説:send(送信する)の主語がThe email(メール)になっています。メール自身が送信を行うことはできないため、受動態のThe email had already been sent...とする必要があります。beenの脱落による典型的なミスです。
問題5(仮定法の穴埋め)
If the contract ( ) signed yesterday, we could have started the project today.
A. had
B. had been
C. would have been
正解:B
解説:仮定法過去完了のif節です。契約(the contract)は「署名される」側なので受動態にする必要があります。したがって、had beenが正解です。
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よくある質問
- Q. had been 過去分詞の日本語訳はどうなりますか?
- 基本は「〜されていた」「〜されてしまっていた」と訳します。過去の基準となる時点よりも前に、主語が誰か(何か)によってその動作を受け終えていた状態を表します。
- Q. had beenの後に動詞の原形が来ることはありますか?
- 来ません。had beenの後ろに来る動詞の形は、受動態を作る「過去分詞(doneなど)」か、進行形を作る「現在分詞(doingなど)」のどちらかのみです。
- Q. 現在完了受動態との違いは何ですか?
- 基準となる時点が異なります。現在完了受動態(has/have been 過去分詞)は「現在」を基準にして「今〜されている」を表し、過去完了受動態(had been 過去分詞)は「過去の時点」より前に「〜されていた」ことを表します。
- Q. 自動詞でもhad been 過去分詞にできますか?
- 原則としてできません。受動態は動作の対象(目的語)を主語にする構文であるため、目的語を取らない自動詞(arriveやhappenなど)はhad been 過去分詞の形にはできません。
- Q. テストで素早く見分けるコツは?
- 他動詞の直後に目的語(名詞)があるかを確認してください。目的語があれば「had 過去分詞(能動)」、目的語がなく前置詞などが続いていれば「had been 過去分詞(受動)」と素早く判断できます。
2026年10月2日更新・モチタン辞典編集部