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強調構文の見分け方完全ガイド
It is ... that ... の強調構文と形式主語構文は、「挟まれている語の品詞」と「It is と that を消去して1文に戻せるか」の2点だけで確実に見分けられます。
間に形容詞があれば形式主語構文、副詞があれば強調構文、名詞の場合は消去して主語や目的語に復元できれば強調構文、できなければ形式主語構文です。
強調構文の見分け方フローチャート
英文の中に It is ... that ... を見かけたときは、次の2ステップを順番に確認するだけで、強調構文か形式主語構文かを迷わず判断できます。
ステップ1:挟まれている語句の品詞を確認する
It is と that の間にある語句(あるいは節)の品詞を確認します。
- 形容詞が入っている場合 → 100% 形式主語構文です。強調構文で形容詞だけが挟まれることはありません。
- 副詞(副詞句・副詞節)が入っている場合 → 100% 強調構文です。形式主語構文の補語(C)に副詞が置かれることはありません。
- 名詞(名詞句・名詞節)が入っている場合 → ステップ2へ進みます。
ステップ2:消去法で1文に復元できるか試す
間に名詞が挟まれている場合は、It is と that を文から取り除き、残った単語だけで語順を並べ替えて自然な英文が成立するかどうかを検証します。
- 成立する(挟まれていた名詞が、that節内の主語Sや目的語O、前置詞の目的語に収まる) → 強調構文
- 成立しない(挟まれていた名詞が、that節内のどこにも組み込めず文が破綻する) → 形式主語構文
この2ステップを適用すれば、ほぼすべての It is ... that ... を正確に見分けることができます。
It isとthatの間の語句の品詞をチェック
100%形式主語構文と判定
100%強調構文と判定
It isとthatを消去して1文に復元できるか試す
成立なら強調構文、破綻なら形式主語構文
挟まれた品詞の確認から消去法の検証までを順番に進めて識別します。
強調構文と形式主語の構造的な違い
見分け方の精度を高めるために、まずは2つの構文がどのように成り立っているのか、構造の本質を把握しておきましょう。
強調構文の成り立ち
強調構文(cleft sentence / 分裂文)とは、もともと1つだった平英文の中から「強調したい要素」を抜き出し、It is [強調語句] that [残りの文] の枠組みに流し込んだ構文です。
元となる文:
Ken met Yuko in the park yesterday.
(ケンは昨日、公園でユウコに会った。)
この文から Ken(主語の名詞)を強調する場合、次のように組み立てます。
It was Ken that met Yuko in the park yesterday.
(昨日公園でユウコに会ったのはケンだった。)
元文の一部を枠組みの中に引っ張り出しただけであるため、枠組みである It was と that を取り除けば、当然元の1文 Ken met Yuko in the park yesterday. に戻すことができます。これが消去法が成り立つ構造的理由です。
形式主語構文の成り立ち
形式主語構文とは、主語となる that節(〜ということ)が長いために文頭に仮主語(形式主語)の It を置き、真主語である that節 を文末に回した構文です。
元となる文:
That he told a lie is true.
(彼が嘘をついたということは本当だ。)
頭でっかちな文を避けるため、主語に It を置いて真主語を後ろへ送ります。
It is true that he told a lie.
(彼が嘘をついたのは本当だ。)
この文から It is と that を消去すると、true he told a lie となり、文として成立しません。形容詞 true の行き場がなくなってしまうからです。
強調構文
- 1文から強調語句を抜き出して枠組みに配置
- It isとthatを取り除くと元の1文に復元可能
- 例: It was Ken that met Yuko...
形式主語構文
- 長いthat節を文末に送り文頭に仮主語Itを配置
- It isとthatを取り除くと文が破綻する
- 例: It is true that he told a lie.
元文からの要素の抜き出し方と、消去法が成り立つかどうかの違いを整理しました。
次の疑問文頭のitが果たす役割を整理したいときは、代名詞・形式主語itの用法まとめで全体のパターンを確認できます。
品詞別の見分け方と具体例
ここでは、間に挟まれる品詞ごとに具体的な例文を見ながら、見分け方の手順を確かめていきます。
1. 形容詞が挟まれている場合:形式主語構文
It is と that の間に important, clear, likely, natural, surprising などの形容詞がある場合は、検証するまでもなく形式主語構文です。
例文:
It is important that we protect the environment.
(私たちが環境を保護することは重要だ。)
important は形容詞です。英語の文法規律上、強調構文で純粋な形容詞を挟むことはできません。したがって、この形を見た瞬間に形式主語構文と確定できます。
2. 副詞・副詞句・副詞節が挟まれている場合:強調構文
It is と that の間に単独の副詞、前置詞+名詞(副詞句)、または接続詞に導かれる節(副詞節)がある場合は、強調構文です。
例文(副詞句の強調):
It was in 1964 that the Tokyo Olympics were held.
(東京オリンピックが開催されたのは1964年のことだった。)
in 1964 は前置詞句であり、文全体を修飾する副詞句です。形式主語構文の It is C that... において、C(補語)の位置に副詞が入ることは文型上あり得ません。そのため、副詞が挟まれているものは必ず強調構文になります。
It was と that を取り除くと、The Tokyo Olympics were held in 1964. という完全な文が成立します。
3. 名詞が挟まれている場合:消去法で判定
名詞が挟まれている場合は、形式主語構文の補語(C)として名詞が使われているケース(It is a fact that... など)と、強調構文で主語や目的語の名詞が強調されているケースの双方が考えられます。ここで消去法を用います。
例文A:
It was this book that changed my life.
(私の人生を変えたのはこの本だった。)
It was と that を消去すると、This book changed my life. となり、this book が主語(S)として機能する完全な文が成立します。よって例文Aは強調構文です。
例文B:
It is a pity that she missed the train.
(彼女が電車に乗り遅れたのは残念なことだ。)
It is と that を消去すると、a pity she missed the train となり、名詞 a pity の文構造上の役割が消滅して文が壊れます。よって例文Bは形式主語構文です。
第2文型の判断に迷うときは、目的語(O)と補語(C)の見分け方を確認しておくとスムーズです。
完全文と不完全文の判定における落とし穴
参考書などで「thatの後ろが不完全文なら強調構文、完全文なら形式主語構文」という見分け方を読んだことがあるかもしれません。しかし、このルールを丸暗記していると誤答につながる重大な落とし穴があります。
副詞が強調されるとthatの後ろは完全文になる
次の例文を見てみましょう。
It was because it rained heavily that the baseball match was canceled.
(野球の試合が中止になったのは、激しい雨が降ったからだった。)
that の後ろに注目してください。
the baseball match(S) was canceled(V:受動態)
主語も目的語も欠けておらず、第1文型として文法的に完全な構造をしています。
「thatの後ろが完全文=形式主語構文」と思い込んでいると、この文を形式主語と誤判定してしまいます。しかし、間に挟まれている because it rained heavily は理由を表す「副詞節」です。
元文は The baseball match was canceled because it rained heavily. であり、副詞節を丸ごと It was ... that の枠組みに抜き出した強調構文なのです。
完全文・不完全文ルールの正しい整理
that以降の文構造で判断する場合は、挟まれた品詞とセットで理解する必要があります。
- 挟まれているのが名詞の強調構文 → that以降は不完全文(SやOが前へ出ているため)
- 挟まれているのが副詞句・副詞節の強調構文 → that以降は完全文(修飾語が前へ出ただけなので、SやOは欠けない)
- 形式主語構文 → that節自体が1つの文としての意味を持つため、that以降は常に完全文
このように、副詞が挟まれた強調構文と形式主語構文は、どちらもthat以降が完全文になります。だからこそ、「thatの後ろの構造」だけを見るのではなく、「挟まれている品詞」を第一基準にするステップが欠かせません。
不完全文
- 名詞を強調した強調構文
完全文
- 副詞句・副詞節を強調した強調構文
- 形式主語構文
副詞強調と形式主語はどちらもthat以降が完全文になる点に注意が必要です。

It is thatを取る全4構文の完全比較表
英文法では、It is ... that ... の並びを持つ構文が主に4つ存在します。試験で問われやすい違いを一覧表で整理しました。
表は横にスクロールできます →
| 構文の種類 | 間に挟まれる品詞 | that以降の構造 | 消去法の可否 | 代表的な訳し方 |
|---|---|---|---|---|
| 強調構文 | 名詞、代名詞、副詞句、副詞節 | 名詞強調なら不完全、副詞強調なら完全 | 消去して1文に復元できる | …なのは〜だ |
| 形式主語構文 | 形容詞、名詞(事実・判断を表す語) | 常に完全文 | 消去すると文が破綻する | 〜ということは…だ |
| 関係代名詞節 | 名詞(先行詞) | 不完全文 | It is と thatを消しても文にならない場合がある | それは…である〜だ |
| 同格のthat節 | 名詞(fact, news, ideaなど) | 完全文 | 消去すると文が破綻する | それは〜という…だ |
関係代名詞節との混同に注意
例えば、It is a book that I bought yesterday. という文は文脈によって解釈が分かれます。
- 強調構文として読む場合:
It is と that を消去 → I bought this book yesterday.(私が昨日買ったのは、まさにこの本だ。) - 代名詞 It + 先行詞 a book + 関係代名詞節として読む場合:
「それは私が昨日買った本です。」(文脈上、前述の「それ」を指している)
日常の読解では、前後の文脈で「It」が前文の具体的な物を指している場合は関係代名詞節、特定の語を強く押し出したい文脈であれば強調構文と判断します。
次の疑問構文を見分ける中でthat自体の働きに迷ったら、接続詞と関係代名詞thatの違いを押さえておくとさらに見通しが良くなります。
長文読解と和訳で差がつく実践ルール
構文の識別ができるようになったら、次は長文読解での読み解き方と、和訳問題で減点されない訳出の技術を押さえましょう。
なぜ筆者はわざわざ強調構文を使うのか
英語は基本的に、重要な新情報を文末に置く「エンド・フォーカス(文末焦点)」の原則を持っています。しかし、強調構文を使うと、文頭近くの It is の直後に最も言いたい情報を強制的に引っ張り出すことができます。
長文読解において強調構文が登場した場合、筆者は次のいずれかを意図しています。
- 誤解の訂正・対比:「Aではなく、まさにBなのだ」と他を排除して特定したいとき。
- 筆者の核心的主張:段落の要点や、論文全体の結論となる重要メッセージを提示するとき。
したがって、長文読解中に強調構文に出会ったら、「ここに段落のキーセンテンスがある」と即座にアンテナを立てる必要があります。
減点されない和訳の作り分け
国公立大の記述式試験や下線部和訳問題では、構文を正しく把握していることを採点官に示す訳出が求められます。
強調構文の和訳公式:
It is A that B. → 「Bなのは(まさに)Aだ」
※「〜なのは…である」の形を作り、Aの部分を文末で断定するようにまとめると自然で減点のない訳になります。
形式主語構文の和訳公式:
It is A that B. → 「BということはAだ」
※that節全体を「〜ということ」と名詞節として訳し、A(形容詞など)に着地させます。
模試や入試で差がつく応用パターン
標準的な強調構文だけでなく、難関大入試や模試で頻出する応用構文も確認しておきましょう。
1. thatの代わりにwho, which, where, whenが使われるパターン
強調構文の that は、強調する対象の語句に合わせて関係詞のように変化することがあります。
- 強調対象が「人」:who または whom
It was Mary who solved the difficult problem.
(その難問を解いたのはメアリーだった。) - 強調対象が「物」:which
It was this picture which inspired the artist.
(その芸術家にインスピレーションを与えたのはこの絵だった。) - 強調対象が「時・場所」:when や where
It was in London where they first met.
(彼らが最初に出会ったのはロンドンでのことだった。)
これらも It was と who / which / where / when を取り除いて1文に復元できれば、すべて強調構文です。
2. 疑問詞の強調構文
疑問詞(Who, What, Where, Whyなど)を強調する場合、強調構文全体を疑問文の語順(Is it ... that ...?)にし、文頭に疑問詞を移動させます。
基本の強調構文:
It was Tom that broke the window.(窓を割ったのはトムだった。)
Tomを疑問詞 Who に変えて疑問文にする:
Was it who that broke the window? (※疑問詞は文頭へ移動する原則がある)
↓
Who was it that broke the window?
(窓を割ったのは一体誰だったのか?)
語順が複雑に見えますが、was it that を取り除くと Who broke the window?(誰が窓を割ったのか?)という基本の疑問文に戻ります。
3. not...until構文の強調構文
not A until B(Bになって初めてAする)を強調構文に組み込んだ形です。長文や文法問題で極めて高い頻度で出題されます。
基本文:
I did not realize the truth until yesterday.
(昨日になって初めて私はその真実に気づいた。)
not until yesterday を丸ごと強調構文の間に置きます。
It was not until yesterday that I realized the truth.
(私がその真実に気づいたのは、昨日になってからのことだった。)
that節の中が否定文ではなく肯定文(realized)に変わる点が入試での典型的な狙われどころです。
It was Tom that broke the window.
TomをWhoに変え Was it who that...
Who was it that broke the window?
基本の強調構文から疑問詞を文頭へ移動させるまでの語順変化のステップです。
理解度チェック識別演習問題
次の各英文が「強調構文」か「形式主語構文」か、どちらであるかを判定してみましょう。
第1問
It is obvious that he made a serious mistake.
正解:形式主語構文
解説:
ステップ1で間に挟まれた obvious(明白な)の品詞を確認します。obvious は形容詞です。形容詞が挟まれているため、検証不要で形式主語構文と判定できます。
訳:彼が重大な過ちを犯したということは明白だ。
第2問
It was only ten minutes ago that the train left the station.
正解:強調構文
解説:
間に挟まれている only ten minutes ago は時を表す副詞句です。副詞句が挟まれているため強調構文です。
念のためステップ2の消去法を適用すると、The train left the station only ten minutes ago. と1つの自然な完全文に復元できます。
訳:列車が駅を出発したのは、わずか10分前のことだった。
第3問
It is a well-known fact that dolphins are highly intelligent.
正解:形式主語構文
解説:
間に名詞句 a well-known fact(よく知られた事実)が挟まれています。ステップ2の消去法を試します。
It is と that を消すと、a well-known fact dolphins are highly intelligent となり、名詞句を組み込む場所がなく文が成立しません。
that以降はそれ単体で第2文型の完全文になっています。よって形式主語構文です。
訳:イルカが非常に賢いということは、よく知られた事実だ。
第4問
It was the dog that barked at the stranger.
正解:強調構文
解説:
間に名詞 the dog が挟まれています。消去法を試すと、The dog barked at the stranger. となり、the dog が動詞 barked の主語として完全に一致します。したがって強調構文です。
訳:見知らぬ人に向かって吠えたのは、その犬だった。
形式主語を用いた様々な表現を練習したいときは、形式主語・形式目的語 it の使い方の例文集が役立ちます。
続けて読む
理解度チェック
Q1. It is と that の間に置かれた品詞による見分け方の説明として正しいものは?
- 形容詞が入っている場合は、形式主語構文である
- 形容詞が入っている場合は、強調構文である
- 副詞が入っている場合は、形式主語構文である
- 名詞が入っている場合は、必ず強調構文である
答えを見る
正解: A. 形容詞が入っている場合は、形式主語構文である
本文によると、強調構文で純粋な形容詞が挟まれることはなく、形容詞が入っている場合は形式主語構文になります。
Q2. 次のうち、強調構文として使われている英文はどれ?
- It is true that he told a lie.
- It is important that we protect the environment.
- It was in 1964 that the Tokyo Olympics were held.
- It is a pity that she missed the train.
答えを見る
正解: C. It was in 1964 that the Tokyo Olympics were held.
in 1964 という副詞句が挟まれており、It was と that を取り除くと完全な1文に戻せるため強調構文です。
Q3. 副詞節が It is ... that ... の間に挟まれた文に関する説明で正しいものは?
- thatの後ろは主語や目的語が欠けた不完全文になる
- 消去法を使っても元の1文に復元できない
- thatの後ろが完全文になるため形式主語構文である
- 副詞節が強調されるとthatの後ろは完全文になる
答えを見る
正解: D. 副詞節が強調されるとthatの後ろは完全文になる
副詞句や副詞節が強調された場合、修飾語が前に出ただけなのでthat以降は完全文になります。
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よくある質問
- Q. 強調構文と形式主語を見分ける実用的な意味は?
- 和訳問題で正確な日本語を作れるだけでなく、長文読解で筆者が最も伝えたい主張・対比の焦点を瞬時に特定できるようになる実利があります。
- Q. 強調構文のthatは省略できますか?
- 日常会話やくだけた口語表現ではthatが省略されることがありますが、大学入試や学術論文などのフォーマルな英語では原則として省略されません。
- Q. 強調構文で動詞を強調することはできますか?
- It is ... thatの枠組みで一般動詞を強調することはできません。動詞を強調したい場合は、助動詞do/does/didを用いて「I do love you.」のように表現します。
- Q. 挟まれた名詞が主語か目的語かはどう見分けますか?
- thatの後ろを見て動詞から始まっていれば主語(S)の強調、that節内に他動詞の目的語(O)や前置詞の目的語が欠けていれば目的語の強調です。
- Q. It is not until thatの訳し方のコツは?
- 「〜して初めて…する」と訳すと自然な日本語になります。直訳の「…なのは〜までではない」とすると不自然になり減点対象になりやすいため注意が必要です。
2026年9月28日更新・モチタン辞典編集部
関係する文法強調構文(It is … that)の使い方