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TOEFL国別ランキングと日本の順位・平均スコアの真相
TOEFL iBTにおける日本の平均トータルスコアは120点満点中73点前後で推移しており、アジア主要国の中でも下位グループに位置しています。ただし、開発・運営元であるETSは国別ランキングとしての比較を公認しておらず、受験者層の母集団の違いを踏まえて客観的にデータを読み解く必要があります。
TOEFL国別ランキングにおける日本の位置
TOEFL iBT(Test of English as a Foreign Language internet-based Test)は、世界中の大学や大学院などで学術的な英語運用能力を測定するために利用される国際基準の英語テストです。
試験はリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4技能で構成され、各セクション30点満点、合計120点満点で採点されます。
テストを開発・運営するEducational Testing Service(ETS)が定期的に公開している統計資料(Test and Score Data Summary)によると、日本人のトータル平均スコアは73点前後で推移しています。
これは全世界の受験者平均スコアである80点台前半と比較して約10点低く、国別比較の順位では世界の全受験国中でおよそ130〜140位前後に位置する結果となっています。
この数字だけを見ると、日本の英語力は国際的に見て極めて低い位置にあるように受け止められがちです。しかし、国別の数値を単純に並べて順位付けを行うことには多くの統計的注意点が存在します。まずは客観的な事実として、各国の平均スコア水準がどのように分布しているかを確認しましょう。
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世界・アジア主要国の平均スコア比較
アジア主要国および欧米主要国の平均スコア水準を比較すると、地域や国ごとに大きな開きが見られます。公用語として英語が広く用いられている国だけでなく、非英語圏の国々との間でも点差が生じています。
表は横にスクロールできます →
| 国・地域 | トータル平均スコア(120点満点) | 公用語・日常言語環境 | 主な受験目的の傾向 |
|---|---|---|---|
| シンガポール | 98点前後 | 英語(公用語の一つ) | 国内外のトップ大学・大学院進学 |
| ドイツ | 96点前後 | ドイツ語 | 交換留学・海外大学院進学 |
| カナダ(非母語話者) | 95点前後 | 英語・フランス語 | 進学・各種資格要件 |
| 韓国 | 86点前後 | 韓国語 | 学部・大学院留学、就職活動 |
| 中国 | 86点前後 | 中国語 | 欧米トップ大学・大学院留学 |
| 台湾 | 83点前後 | 中国語 | 学部・大学院留学 |
| 日本 | 73点前後 | 日本語 | 留学、腕試し、大学の単位認定など |
表から分かるように、シンガポールのような英語が公用語として機能している国が突出して高いのは自然ですが、母語が英語ではないドイツなどのヨーロッパ諸国も90点台後半の高い水準を維持しています。
さらに、同じ東アジア圏である中国、韓国、台湾の平均スコアは80点台半ばであり、日本の73点前後という数値はこれら近隣諸国と比べても10点以上の開きがあります。
次の疑問国ごとの傾向だけでなく同世代の水準も知りたい方は、大学生や高校生のTOEFL平均点と目安を確認しておくと参考になります。
日本の4技能別スコアと弱点の分析
日本のトータルスコアが低水準にとどまる要因を詳細に把握するには、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングのセクション別スコアの内訳を見る必要があります。
表は横にスクロールできます →
| セクション | 満点 | 日本人の平均スコア目安 | 世界の平均水準との差 |
|---|---|---|---|
| リーディング | 30点 | 18〜19点前後 | 世界平均よりやや低い |
| リスニング | 30点 | 18〜19点前後 | 世界平均よりやや低い |
| スピーキング | 30点 | 17点前後 | 世界最下位水準に位置する |
| ライティング | 30点 | 18〜19点前後 | 世界平均よりやや低い |
日本の4技能の中で最もスコアおよび世界順位が低いのは、例外なくスピーキングです。スピーキングセクションにおける日本の平均点は17点前後であり、世界中の受験国の中で最下位クラスの順位に低迷しています。
一方、インプット技能であるリーディングやリスニング、そしてライティングに関しては、世界平均と比べると低いものの、18〜19点前後を確保しています。
日本の英語教育では長年にわたり文法理解や読解が中心とされてきたため、文章を正確に読む力はある程度身についている受験者が多いといえます。しかし、TOEFL iBTのスピーキングでは「学術講義を聴いた上で要約して話す」という統合型の課題(Integrated Task)が課されるため、瞬発的な要約力と発話力が不足している日本人受験者が大幅に失点する要因となっています。
ランキングが低く出る背景とETS公式見解
なぜ日本のTOEFLスコアは諸外国に比べてこれほど低く出るのでしょうか。この疑問を解く鍵は、試験開発元であるETSの公式声明と、各国の受験者層(母集団)の違いにあります。
ETS公式は国別ランキングを推奨していない
ETSは自ら発行する統計レポートにおいて、「TOEFLスコアを国別ランキングとして比較することは適切ではない」という旨を明記しています。その理由は、国によって受験者の母集団の性質、受験目的、教育制度、英語学習の開始年齢などが全く異なるためです。
受験者層(母集団)の偏りとバイアス
日本におけるTOEFL受験者層には、次のような特徴的なバイアスが存在します。
- 初学者や腕試し受験者の多さ: 日本では大学の学部教育における単位認定やクラス分け、国際交流プログラムへの応募資格として、英語学習を本格的に始めていない学部生が受験するケースが目立ちます。
- 他国における選抜性の高さ: 一方、中国や韓国、欧米諸国では、TOEFL iBTの受験料や難易度の高さから、初級者が受験することは極めて稀です。多くの場合、海外の難関大学や大学院への出願を明確に志望し、集中的な試験対策を完了した層だけが受験します。
つまり、他国が「厳選された留学志望のトップ層」を中心に構成されているのに対し、日本は「準備段階の初学者や幅広い学生層」を多く含んだ母集団になっている点が、平均点を大きく押し下げる統計的要因となっています。
日本の受験者層
- 単位認定や腕試しの学部生が多い
- 英語学習の初学者層を多く含む
- 幅広い層が受けるため平均が低下
他国(中・韓・欧米等)
- 難関大学・大学院への出願志望者
- 集中的な試験対策を終えた層が受験
- 厳選されたトップ層中心で高得点
日本と他国における受験目的や母集団の選抜性の違いを比較しています。

「英語力世界最下位」の言説を客観的に検証
インターネットやメディアでは、「TOEFL国別ランキングで日本は世界最下位レベル」という言説がしばしば取り上げられます。しかし、この主張を額面通りに受け取って「日本人の英語運用能力全般が世界最下位である」と結論付けるのは論理的ではありません。
まず、TOEFL iBTは大学レベルのアカデミックな環境で使用される英語を測定する試験であり、日常会話やビジネス実務におけるコミュニケーション能力とは測定領域が異なります。また、前述の通り受験者のサンプリングが国ごとに均一ではないため、国全体の英語力を代表する無作為抽出データではありません。
過度な悲観論に惑わされず、データが示す客観的な事実のみを抽出することが大切です。明確な事実として受け止めるべきなのは次の2点です。
- 日本人のアカデミック・スピーキング力は、準備不足のまま受験すると世界水準から大きく引き離される。
- 試験対策を十分に行わずに受験する層が多いため、全体の平均点が低く算出されている。
個人のスコアは母集団の平均とは無関係に、正しい対策を行えば確実に伸ばすことができます。国の順位に一喜一憂するのではなく、自身の現在地と目標スコアの差を見つめることが重要です。
大学レベルのアカデミック英語を測る試験
無作為抽出ではなく国ごとの母集団が不均一
準備不足だと世界水準から引き離されやすい
十分に対策せず受ける層が多く平均が低減
悲観論に惑わされず把握しておくべき客観的事実の要点です。
他の英語テストとの特徴の違いを整理したい方は、TOEIC・TOEFL・IELTSの違いを確認しておくと理解が深まります。
目標スコア別の立ち位置と日本人平均からの脱却法
海外留学や大学院進学を目指す場合、日本人平均である73点前後にとどまっていては選択肢が限られます。一般的な留学要件とスコアの目安は次の通りです。
- 61点〜72点: 一般的な日本人受験者の平均層。海外大学の語学研修付き条件付き合格などの下限水準。
- 80点: 欧米の一般的な4年制大学への学部留学における標準的な出願基準。
- 100点: トップレベルの大学学部・大学院、MBAプログラムなどで求められる競争力の高い水準。
スピーキング・ライティングで平均を超える実戦表現
日本人平均である73点から80点、さらには100点へとスコアを伸ばすためには、最も失点しやすいアウトプットセクションでの安定した得点力が必要です。
スピーキングの要約課題では、講義内容の論理構造を整理して伝えるための定型表現を使いこなすことが求められます。
The professor explains the concept of biological adaptation by providing two distinct examples.(教授は2つの異なる例を挙げることによって、生物学的適応の概念を説明しています。)
ライティングの学術討論課題(Writing for Academic Discussion)では、他者の意見に言及しつつ自らの立場を明確に示す表現が有効です。
While I understand the perspective presented by the first speaker, I firmly believe that investing in public infrastructure yields greater long-term benefits.(最初の発言者が提示した視点も理解できますが、私は公共インフラへの投資の方がより大きな長期的利益をもたらすと固く信じています。)
これらの学術的な定型文をスムーズに発信できるよう練習を重ねることで、平均点付近で停滞している受験者から一歩抜け出すことが可能になります。
日本人平均層から海外難関大出願までのスコア水準の段階です。
アウトプットの表現力を高めたいときは、TOEFLの例文集を参考に練習を重ねてみてください。
次の疑問志望校の基準に合わせた点数配分を具体的に知りたい方は、留学に必要なTOEFLスコアの目安を詳しくまとめた記事が役立ちます。
TOEFLとIELTSの比較とどちらを選ぶべきかの基準
TOEFL iBTの平均点の低さやスピーキングの難しさを目の当たりにして、代替となる英語試験であるIELTS Academic(International English Language Testing System)を検討する受験者も少なくありません。最新の日程・料金は実施団体の公式サイトで確認してください。
| 項目 | TOEFL iBT | IELTS Academic |
|---|---|---|
| 満点・採点単位 | 120点満点(1点刻み) | バンドスコア9.0満点(0.5刻み) |
| 日本人平均スコア目安 | 73点前後 | 5.8前後(バンドスコア) |
| スピーキング試験形式 | コンピュータにマイクで録音 | 試験官との1対1の対面面接 |
| リスニング試験形式 | 音声のみ(設問は聴取後に表示) | 問題冊子を見ながら先読み可能 |
| 主な利用地域 | アメリカ、カナダ、世界中の大学 | イギリス、豪州、カナダ、世界中の大学 |
どちらを選ぶべきかの判断基準
現在ではアメリカを含む世界の主要大学の大多数が両方の試験スコアを受け入れています。そのため、ご自身の特性に合わせて有利な方を選択するのが賢明です。
- TOEFL iBTが向いている人: パソコンでのタイピングが速い人、対面での面接よりも機械相手に話す方が緊張しない人、アメリカ英語の発音に慣れている人。
- IELTSが向いている人: 面接官と対話しながら話す方が話しやすい人、リスニングで事前に設問文を先読みしながら解きたい人、手書きでの記述を選びたい人。
自分の強みと試験形式の相性を把握することが、効率的なスコアメイクへの第一歩となります。
TOEFL iBTが向く人
- PCのタイピングが速い
- 機械相手の録音の方が緊張しない
- アメリカ英語の発音に慣れている
IELTSが向く人
- 面接官と対話しながら話したい
- リスニングで事前に設問を先読みしたい
- 手書きでの記述を選びたい
受験形式の好みや特性に応じた各試験の向き不向きの整理です。
2つの試験でどれくらいの点数に相当するかは、TOEFLとIELTSのスコア換算で詳しく比べられます。
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理解度チェック
Q1. 日本人のTOEFL 4技能別スコアで最も低いのは?
- リーディング
- リスニング
- スピーキング
- ライティング
答えを見る
正解: C. スピーキング
本文の表と分析において、日本人の4技能の中で最もスコアおよび世界順位が低いのはスピーキング(17点前後で世界最下位水準)と明記されています。
Q2. 日本のTOEFL平均点が低く出る統計的要因は?
- 試験対策を完了した留学志望者しか受けていない
- 初学者や腕試しなど幅広い学生層が多く受けている
- 欧米諸国に比べて受験料が極めて安く設定されている
- 大学院進学を目指す受験者の割合が他国より高いため
答えを見る
正解: B. 初学者や腕試しなど幅広い学生層が多く受けている
他国が留学志望のトップ層中心なのに対し、日本は単位認定や腕試しなどの初学者や幅広い学生層を多く含んだ母集団になっている点が平均点を押し下げる要因とされています。
Q3. スピーキング要約課題で有効とされる適切な表現はどれ?
- The professor explains the concept by providing two examples.
- The professor explains for the concept with two examples.
- The professor is explain the concept to two examples.
- The professor explained that biological adaptation by examples.
答えを見る
正解: A. The professor explains the concept by providing two examples.
本文でスピーキング要約課題の実戦表現として「The professor explains the concept of biological adaptation by...」が挙げられています。
よくある質問
- Q. TOEFL国別順位で日本は何位ですか?
- ETSの公表データを集計すると、日本は全受験国中でおよそ130〜140位前後に位置します。ただし、ETS公式は母集団の違いから国別ランキングの作成を推奨していません。
- Q. 日本のTOEFL平均点は何点ですか?
- 日本人のTOEFL iBTトータル平均スコアは120点満点中73点前後で推移しています。世界平均の80点台前半やアジア主要国の80点台半ばを下回る水準です。
- Q. 日本人のセクション別最低スコアはどれですか?
- 4技能の中で最も低いのはスピーキングです。日本人のスピーキング平均点は17点前後であり、世界中の受験国の中でも最下位水準のスコアとなっています。
- Q. 日本の順位が低いのはなぜですか?
- 他国では十分に対策した大学院志望者中心が受験するのに対し、日本では腕試しや単位認定など初学者を含む幅広い層が受験するため、母集団の差が平均点を下げています。
- Q. スコアが伸びないならIELTSに変えるべきですか?
- マイク録音形式のスピーキングや先読みできないリスニングが苦手な場合、対面面接かつ設問先読みが可能なIELTSに変更することでスコアが改善する可能性があります。
2026年10月12日更新・モチタン辞典編集部