モチタン辞典 › 読みもの › 英文法 › have toの文法とmustとの使い分け

have toの文法ルールと使い方

have toの文法ルールと使い方

have to は「〜しなければならない」という義務や必要性を表す表現で、直後には必ず動詞の原形が続きます。助動詞のように働きますが、単語自体の文法的な扱いは一般動詞の have と同じであるため、主語が三人称単数のときは has to、過去形は had to、否定文は don't have to(〜する必要はない)と形を変えます。

have toの基本文法と意味・発音のルール

have to は、客観的な状況やルールによって「〜しなければならない」「〜する必要がある」と伝えるときに使う表現です。文法上は「準助動詞」と呼ばれ、助動詞の must と似た働きをしますが、形の上では一般動詞の have に不定詞の to が組み合わさった構造をしています。

基本の語順ルール

文を組み立てる際の基本ルールは、主語 + have to + 動詞の原形 です。to の後ろに置く動詞は、過去形や -ing 形ではなく、必ず原形にします。

発音の注意点:音が無声化する

一般動詞の have は単体では /hæv/(ハヴ)と発音されますが、後ろに to /tu/ が続くと、直後の無声音 /t/ に引っ張られて前の音が濁らない音に変化します。これを音韻の同化(無声化)と呼びます。

会話では「ハヴ・トゥ」ではなく「ハフトゥ」、「ハズ・トゥ」ではなく「ハストゥ」と発音されるのが標準的です。リスニングでも重要なポイントとなります。

have toの基本語順
主語+have to+動詞の原形+修飾語など

We have to submit the report today.私たちは今日、その報告書を提出しなければなりません。

have toの後ろには必ず動詞の原形を配置します。

主語に応じた変化:has toの文法一覧と例文

have to は一般動詞の have と同じ規則で語形変化を起こします。そのため、主語が三人称単数(he, she, it や単数形の名詞)の現在形では、have が has に変わり、has to + 動詞の原形 となります。

表は横にスクロールできます →

主語の種類主語の例用いる形例文
一人称I, Wehave toI have to clean my room.(私は部屋を掃除しなければならない。)
二人称Youhave toYou have to wake up early.(あなたは早起きしなければならない。)
三人称複数They, The studentshave toThey have to practice today.(彼らは今日練習しなければならない。)
三人称単数He, She, Kenhas toHe has to work on Sunday.(彼は日曜日に働かなければならない。)

三人称単数が主語の場合も、to の後ろに来る動詞は原形のままです。動詞に -s を重ねて付ける誤りに注意してください。

Nathan英語の文法は、話して身につけよう。会話アプリ「モチスピ」英語を話して練習できる会話アプリ。話すたびに、発音・文法・自然さをその場で直してもらえます。無料で試す

否定文の文法:don't / doesn't have toの意味

否定文を作るときは、助動詞のように not を直接後ろに置くのではなく、一般動詞の現在形と同じように do not (don't) や does not (doesn't) を前に置きます。

語順は 主語 + don't / doesn't + have to + 動詞の原形 です。

否定文の意味は「〜する必要はない(不必要)」

肯定文の have to は「〜しなければならない」という意味ですが、否定文になると「〜する必要はない」「〜しなくてもよい」という「不要」の意味を表します。「〜してはいけない」という禁止の意味にはなりません。

主語が三人称単数の場合は doesn't を使うため、後ろの動詞は原形に戻り、doesn't has to ではなく doesn't have to となります。

否定文の語順ルール
主語+don't / doesn't+have to+動詞の原形

He doesn't have to pay for the ticket.彼はチケット代を支払う必要はありません。

主語に合わせてdon'tまたはdoesn'tを前に置きます。

疑問文の作り方と答え方:Do / Does have toの文法

疑問文を作る場合も、一般動詞の現在形と同様に文頭に Do または Does を置き、語順は Do / Does + 主語 + have to + 動詞の原形? となります。

疑問文の基本例文

主語が三人称単数であっても、文頭に Does が出るため、動詞部分は原形の have to に戻ります。

疑問文への答え方

質問に対する返答では、一般動詞の疑問文と同じく do / don't または does / doesn't を用いて答えます。

質問肯定の返答(Yes)否定の返答(No)
Do you have to go?Yes, I do.(はい、行かなければなりません。)No, I don't.(いいえ、行く必要はありません。)
Does he have to wait?Yes, he does.(はい、待たなければなりません。)No, he doesn't.(いいえ、待つ必要はありません。)
have toの文法とmustとの使い分けのイメージ

動詞の語形変化や練習問題を詳しく見たいときは、現在形の疑問文と否定文の作り方の例文集も参考になります。

次の疑問have to に限らず文頭の Do や Does の使い分けに迷うなら、一般動詞の疑問文の基本ルールを復習しておくと安心です。

時制別の変化まとめ:過去形・未来形・完了形の一覧

法助動詞の must には過去形や未来形がありません。そのため、時制を変えて義務や必要性を表現したいときは、一般動詞としての活用が可能な have to を用いる必要があります。

表は横にスクロールできます →

時制基本形否定形疑問形
現在形have to / has todon't / doesn't have toDo / Does ... have to?
過去形had todidn't have toDid ... have to?
未来形will have towon't have toWill ... have to?
現在完了形have had tohaven't had toHave ... had to?

過去形(had to)の文法と例文

過去の義務「〜しなければならなかった」を表す場合は、すべての主語で had to + 動詞の原形 を用います。

未来形(will have to)の文法と例文

未来の義務「〜しなければならなくなるだろう」を表す場合は、助動詞 will の後ろに原形の have to を続けます。

次の疑問had to だけでなく動詞としての変化全体を整理したいときは、haveの過去形や活用のパターンも確認してみてください。

have toとmustの違い:意味と文法上の使い分け

have to と must はどちらも日本語で「〜しなければならない」と訳されますが、文法的な性質と話者の視点において明確な違いがあります。

比較項目have tomust
文法上の品詞準助動詞(一般動詞の活用)法助動詞(語形変化なし)
時制の変化過去(had to)、未来(will have to)が可能現在形のみ(過去形・未来形は存在しない)
義務の性質客観的義務(規則、状況、外的要因による)主観的義務(話し手の強い意志、道徳的判断による)
否定の意味不必要(〜する必要はない)禁止(〜してはならない)

客観的義務の have to と 主観的義務の must

have to は、外部のルール、法律、周囲の事情などによって生じる客観的な義務を表します。話し手本人の気持ちとは無関係に「状況としてそうせざるを得ない」というニュアンスを含みます。

一方、must は話し手自身の強い判断や確信に基づき、「どうしても〜すべきだ」と主観的に命令・推奨するニュアンスを持ちます。

否定の意味の違い:don't have toとmust notの決定的な差

肯定文では have to と must は近い意味で使われますが、否定文にすると意味が正反対の方向へ乖離します。この違いは英語学習において最も混同しやすい文法ポイントの一つです。

表は横にスクロールできます →

表現意味ニュアンス例文
don't have to〜する必要はない選択の自由がある(やってもやらなくてもよい)You don't have to come.(来なくてもいいですよ。)
must not〜してはならない強い禁止(絶対にしてはいけない)You must not enter this room.(この部屋に入ってはいけません。)

意味が分かれる文法的な理由

否定が及ぶ範囲(作用域)が両者で異なるためです。

日常会話や業務連絡で相手に「〜しなくて大丈夫です」と伝える際は、必ず don't have to を使用してください。誤って must not を使うと「絶対にしてはならない」という強い禁止指示になり、意図しない失礼な表現になります。

それぞれのニュアンスや具体的な場面ごとの違いは、must・have to の違いで詳しく整理されています。

よくある文法間違いと正しい直し方

have to を使う際、助動詞と一般動詞のルールが混ざってしまい、文法エラーを起こすケースが頻繁に見られます。代表的な誤用パターンと正しい形を整理します。

誤りパターン1:have not to と書いてしまう

have to は助動詞ではないため、not を後ろに直接置くことはできません。否定文は必ず do / does / did を伴います。

誤りパターン2:過去の否定文で didn't had to にしてしまう

過去の否定文で助動詞 didn't を使った場合、直後の動詞は原形に戻す必要があります。had のまま残すのは誤りです。

誤りパターン3:助動詞を重ねて must to にしてしまう

「〜しなければならない」という直訳の意識から、must に to を付けてしまう誤りです。must は法助動詞なので直後は動詞の原形が続きます。

よくある誤用と正しい形

誤った表現(×)

  • You have not to go there.(notを直接置く)
  • I didn't had to pay.(didn'tの後に過去形)
  • I must to leave now.(助動詞にtoを付ける)

正しい表現(○)

  • You don't have to go there.
  • I didn't have to pay.(原形に戻す)
  • I have to leave now. / I must leave now.

一般動詞と同じルールが適用される点に注意しましょう。

口語表現 have got to と gotta の位置づけと使い方

英語の日常会話や映画のセリフでは、have to の代わりに have got to やそれを短縮した gotta という表現が非常によく使われます。

have got to の特徴

have got to はイギリス英語・アメリカ英語の双方で親しまれている口語表現で、意味は have to と全く同じ「〜しなければならない」です。会話では主語と have / has が短縮されます。

gotta の文法的な位置づけ

gotta(ガラ / ガタ)は、(have) got to が音の脱落によって1語に縮まったカジュアルなスラング表現です。話し言葉専用であり、公的な文書やビジネスメールで書くことは避けます。

文法学習においては、これらはすべて have to + 動詞の原形 をくだけた口調で表現した派生形として理解しておくと実用場面で役立ちます。

義務を表す表現の口語展開
義務(〜しなければならない)

基本形

  • have to

口語表現

  • have got to(短縮: I've got to)

カジュアルスラング

  • gotta(話し言葉専用)

have toと同じ義務の意味を持つくだけた派生形です。

続けて読む

英文法の疑問をすべて見る

理解度チェック

Q1. have toの否定文が表す意味として正しいものはどれ?

  1. 〜してはならない(禁止)
  2. 〜する必要はない(不必要)
  3. 〜してはいけなかった(過去の禁止)
  4. 〜するべきではない(忠告)
答えを見る

正解: B. 〜する必要はない(不必要)
have toの否定文は「〜する必要はない」「〜しなくてもよい」という不必要を表します。「〜してはならない」という禁止の意味にはなりません。

Q2. 「彼女は急ぐ必要はありません。」を表す正しい英文はどれ?

  1. She doesn't has to hurry.
  2. She has not to hurry.
  3. She doesn't have to hurry.
  4. She must not hurry.
答えを見る

正解: C. She doesn't have to hurry.
主語が三人称単数の否定文ではdoesn'tを使い、後ろの動詞は原形に戻るためdoesn't have toが正しい形です。

Q3. have toとmustの違いに関する説明で正しいものは?

  1. have toは過去形や未来形に変化できる
  2. mustは過去形としてmustedを使う
  3. have toは話し手の主観的な意志を表す
  4. must notは「しなくてもよい」を表す
答えを見る

正解: A. have toは過去形や未来形に変化できる
mustには過去形や未来形がありませんが、一般動詞の活用をするhave toはhad toやwill have toのように時制を変化させることができます。

よくある質問

Q. have toは助動詞ですか?
文法上は「準助動詞」に分類されます。助動詞のように後ろの動詞を修飾して意味を添えますが、語形変化や否定文・疑問文の作り方は一般動詞(have)と同じ規則に従います。
Q. 過去の義務にmustは使えない?
使えません。mustは法助動詞であり過去形が存在しないため、「〜しなければならなかった」と過去の事実を述べる際は、必ずhave toの過去形であるhad toを用います。
Q. don't need toとの違いは?
ほぼ同じ意味で置き換え可能です。don't have toは「状況的にする必要がない」、don't need toは「必要性・欲求がない」というニュアンスの違いがありますが、日常会話では同義として扱われます。
Q. 未来の義務はhave toだけでも通じる?
はい、通じます。「I have to leave tomorrow.」のように、未来を表す副詞(tomorrowなど)を添えれば、現在形のhave toのままでも確定した予定や義務を表せます。より強い予測や義務を明示する場合はwill have toを使います。
Q. has toの発音はハズトゥですか?
通常は「ハストゥ」と発音されます。直後にある「to」の無声音/t/の影響を受けて、直前の有声音/z/が無声化して/s/の音に変わるためです。

2026年10月9日更新・モチタン辞典編集部