モチタン辞典 › 読みもの › 英文法 › 小学生向けaとtheの違い

小学生に教えるaとtheの違いと使い分けのコツ

小学生に教えるaとtheの違いと使い分けのコツ

a は「たくさんある中のどれでもいい1つ」、the は話している人同士で「あのことだと共通してわかるもの」を指します。名詞が文に初めて出るときは a、すでに話に出て「その〜」と指すときは the に変わります。まずは「どれでもいい1つか、お互い決まっている1つか」の基準を押さえましょう。

一目でわかるaとtheの違い一覧表

英語を学び始めた小学生がつまずきやすいのが a と the の使い分けです。日本語には「冠詞」という言葉のグループがないため、直感的に違いをつかむことが大切です。難しい文法用語を使わずに整理した以下の表で、まずは全体のイメージをつかみましょう。

比べるポイントa(または an)the
基本のイメージどれでもいい1つ(仲間うちの1人・1個)「あのおなじみのやつ」「その〜」と指させるもの
相手の知っている度相手は「どれのことか」まだ知らない相手も「どれのことか」頭に浮かんでいる
数えられる単数形使える(例:a dog)使える(例:the dog)
複数形(2つ以上)使えない(× a dogs)使える(例:the dogs)
数えられない名詞使えない(× a water)使える(例:the water)
登場する順番お話の中に「初めて」出てくるときお話の中に「2回目以降」に出てくるとき

表にある通り、a は「どれでもいいから1つのもの」にしかつきません。一方で the は、相手と自分の頭の中に同じものが浮かんでいる状態であれば、1つでも複数でも使うことができます。

Nathan英語の文法は、話して身につけよう。会話アプリ「モチスピ」英語を話して練習できる会話アプリ。話すたびに、発音・文法・自然さをその場で直してもらえます。無料で試す

小学生にそのまま話せる教え方スクリプト

保護者や指導者の方が、小学生のお子さんにそのまま語りかけられる説明スクリプトです。文法用語を使わずに、日常の身近な場面に例えて話すことで、すんなり納得してもらえます。

リビングでの会話形式スクリプト

親:「ここに鉛筆がたくさん入った筆箱があるよね。ちょっと手伝ってほしいとき、なんて言う?」

子:「えんぴつ貸して、かな?」

親:「そうだね。書ければどれでもいいから『どれでもいいから1本ちょうだい』って言うときは、英語で Give me a pencil.(えんぴつを1本かして)って言うんだ。この a は『どれでもいい1つ』のマークだよ」

子:「どれでもいいなら a なんだね」

親:「じゃあ、君が昨日買ったばかりのお気に入りの赤い鉛筆を、お母さんが使おうとして机に置いたとするよ。その鉛筆を返してほしいときは、どれでもいいわけじゃないよね?」

子:「うん、僕のその鉛筆じゃないと嫌だ!」

親:「そう!お互いに『ああ、あの鉛筆ね!』って指を差せる特別な鉛筆のときは、Give me the pencil.(そのえんぴつをちょうだい)って the に変身するんだよ。the は『お互いにわかっているあの鉛筆』のマークなんだ」

なぜ日本語にはないのに英語には冠詞があるの?

お子さんから「なんで日本語には a とか the がないのに、英語にはあるの?」と聞かれたら、次のように答えてあげましょう。

「日本語では『犬がいるよ』と言ったとき、1匹なのかたくさんなのか、知っている犬なのか知らない犬なのかは、前後の話の流れでなんとなく察する文化なんだよ。

でも英語を話す人たちは、『1匹なのか、いっぱいいるのか』『誰でも知っているあの犬なのか、たまたま見かけた知らない犬なのか』を、言葉を聞いた瞬間にハッキリさせたいんだ。

だから、名詞の前に a や the という目印の帽子をかぶせて、聞き手に親切に教えてあげているんだよ」

家庭での学習の進め方や声かけについては、小学生の英語で詳しく解説しています。

次の疑問教える側としてtheが持つ本来の役割をもっと整理しておきたいときは、定冠詞theの使い方の詳しい解説を読むと説明に自信がつきます。

身近な例文で比べるaとtheの場面対比

身近な単語を使って、場面ごとに a と the で意味がどう変わるのかを見ていきましょう。

犬(dog)の場合

りんご(apple)の場合

お話の展開ルール(1回目はa、2回目はthe)

英語の昔話や日記では、登場人物や動物が初めて出るときは a、2回目に出てくるときは the になるというお約束があります。

Yesterday, I found a cat in the park. The cat was sleeping under a bench.
(きのう、公園で1ぴきのねこを見つけたよ。そのねこはベンチのしたでねむっていたんだ)

最初の文では、聞き手はどんな猫か知らないので a cat です。しかし次の文では「さっき見つけたその猫」とお互いにわかるので、the cat に変わります。この「1回目は a、2回目は the」はお話の基本ルールです。

お話での登場順ルール
11回目の登場

初めて話題に出す(例:a cat)

2共通の認識

お互いに「さっきの猫」とわかる

32回目以降

「その猫」と指せる(例:the cat)

1回目に新しく出るときはa、2回目でお互いにわかるときはtheに変化します。

日常会話で使える表現をもっと練習したいときは、小学生の例文集が参考になります。

aがanに変わるルールと言いやすさの秘密

小学生が学校の授業や英検でよく出会うのが、a が an に変わるルールです。これも丸暗記ではなく、声に出して理由を理解すると忘れません。

あいうえお(母音)の前はanになる

単語の最初の音が「ア・イ・ウ・エ・オ」(英語では母音といいます)で始まるときは、a ではなく an を使います。

なぜanにするの?声に出して実験してみよう

お子さんに「a apple(ア・アップル)って素早く3回言ってみて」と促してみてください。「ア・アップル、ア・アップル…」と言うと、喉がつっかえて言いにくいはずです。


一方で「an apple(アン・ナァプル)」とつなげて発音すると、息が止まらずスムーズに言えます。
つまり、英語を話す昔の人たちが「言いにくいから n を挟んで言いやすくしよう」と工夫した結果生まれたのが an なのです。

「言いにくいから n を助っ人に呼ぶ」と教えると、楽しく覚えられます。

小学生向けaとtheの違いのイメージ

次の疑問子どもが迷いやすい例外的な単語やつまずきやすいパターンは、aとanの違いと使い分けのポイントでさらに詳しく確認できます。

theしか使えない特別なルールと使い分け

a は「数えられる1つのもの」にしかつきませんが、the には「みんながそれだとわかるなら、何にでもつけられる」という強みがあります。小学生のうちに覚えておきたい代表的なパターンを3つ解説します。

1. 世界に1つしかないもの

太陽や月、地球などは、世界中に1つしかありません。「どれでもいい1つの太陽」というものはないため、a は使えず、必ず the をつけます。

The sun is shining.(たいようがかがやいているよ)のように使います。

2. 2つ以上あるもの(複数形)

a は数字の「1」から生まれた言葉なので、2つ以上のもの(複数形)には絶対につけられません。しかし、the は「あの犬たち」とお互いにわかる状況なら、複数形にも使えます。

3. 数えられないもの(水など)

水や牛乳、お金などは、1個2個と手で数えられないため、a をつけることができません。しかし、「コップに入っているその水」とお互いに指せる場合は the を使うことができます。

Can you pass me the water?(そのみずをとってくれる?)という表現では、目の前にある特定の水を指しているため the になります。

theしか使えない3パターン
☀️世界に1つ

太陽や月など(the sun, the moon)

🐕複数形

2つ以上ある「その〜」(the dogs)

💧数えられない

水など特定のものを指す(the water)

「お互いにそれとわかる」状態なら、単数形以外でもtheを使うことができます。

次の疑問楽器の前にtheをつける理由をお子さんに聞かれたときは、play the pianoにtheがつく理由の解説がそのまま役立ちます。

aもtheもつけない無冠詞のルール

テストなどで小学生が迷いやすいのが、「a も the も何もつけない(無冠詞)」のパターンです。代表的な3つのルールを押さえておきましょう。

1. my や your などの持ち主を表す言葉があるとき

名詞の前に my(わたしの)や your(あなたの)がついているときは、a も the も一緒につけてはいけません。

帽子に例えると、「a や the という帽子」と「my という帽子」は、頭に2重にかぶることはできないというイメージです。1つ選んでかぶせます。

2. スポーツやゲームをするとき

play のあとにサッカーや野球などのスポーツの名前がくるときは、何もつけません。

ただし、ピアノやギターなどの「楽器を演奏する」ときは、play the piano、play the guitar のように the をつけるのが英語の決まりです。「スポーツは素手でやるから何もつけない、楽器は特別な道具だから the をつける」と覚えると混同しません。

3. 朝ごはん・昼ごはん・晩ごはん(食事)

毎日の食事の名前の前にも、原則として a や the はつけません。

冠詞をつけない3つの場面
何もつけない場面

持ち主の言葉

  • my dog
  • your bag

スポーツをする

  • play soccer
  • play baseball
  • play tennis

毎日の食事

  • have breakfast
  • have lunch
  • have dinner

所有格があるとき、スポーツ、毎日の食事の前にはaもtheもつけません。

名詞の前に置く言葉のルールを整理したいときは、冠詞の使い分けを確認してみましょう。

英検5級・4級のテストで間違えないコツ

英検5級や4級、学校の小テストの並び替え問題・穴埋め問題で失点しないための見分け方のコツを紹介します。

並び替え問題のチェックリスト

  1. 後ろの単語が「母音(ア・イ・ウ・エ・オ)」で始まっていないか確認する(母音なら an を選ぶ)
  2. 後ろの単語に複数形の -s がついていないか確認する(-s があれば a は使えない)
  3. 選択肢に my や your がある場合、名詞の直前に置き、a や the とくっつけない
  4. 世界に1つのもの(sun, moon など)があれば、ペアになるのは必ず the

引っかけ問題のパターン例

穴埋め問題でよく出題されるのが、楽器とスポーツの対比です。

問題:He can play (  ) tennis very well.
選択肢:1. a 2. the 3. (何も入らない)
正解は「3」です。スポーツの前には何も入れません。もしこれが piano であれば、正解は the になります。この2つの違いは英検5級の定番問題です。

テスト直前チェックリスト

並び替えや穴埋め問題を解くときは、直後の単語の形に注目しましょう。

親子で挑戦!aとtheの理解度確認クイズ5問

ここまで学んだ内容を、クイズ形式で確認してみましょう。お子さんと一緒に声に出して解いてみてください。

第1問(穴埋め)

空欄に入る言葉はどれでしょう?
I want to eat (  ) orange.(オレンジが1こたべたいな)
1. a
2. an
3. the

答え:2. an
解説:orange は「オ」という母音から始まるので、言いやすくするために an になります。

第2問(並び替え)

「その公園には大きな木があります」という意味になるように、正しい順番を選びましょう。
(1) The (2) park (3) has (4) a (5) big tree.

答え:(1) → (2) → (3) → (4) → (5)
The park has a big tree.
解説:お互いに知っている「その公園」なので The park です。木は「たくさんある木の中の1本」として新しく紹介されているので a big tree になります。

第3問(間違い探し)

次の文の中で、間違っている部分はどこでしょう?
Look at a moon! It's so beautiful.(月を見て!とてもきれいだよ)

答え:a moon → the moon に直す
解説:月(moon)は世界に1つしかありません。「どれでもいい1つの月」はおかしいので、必ず the moon にします。

第4問(穴埋め)

空欄に入る正しい組み合わせを選びましょう。
I have two (  ). I love (  ) dogs.(わたしは犬を2ひき飼っています。その犬たちが大すきです)
1. a dog / the
2. dogs / a
3. dogs / the

答え:3. dogs / the
解説:2匹なので最初は複数形の dogs です。後ろの文は「その2匹の犬たち」とお互いにわかるので the dogs になります。複数形に a はつけられません。

第5問(何も入らないパターン)

次のうち、( )の中に何も入らない文はどれでしょう?
1. I play (  ) soccer after school.
2. She plays (  ) piano every day.
3. This is (  ) apple.

答え:1
解説:サッカーなどのスポーツには a も the もつけません。2のピアノには the が必要で、3のリンゴには an が必要です。

続けて読む

英文法の疑問をすべて見る

理解度チェック

Q1. 相手と自分がお互いに分かっている鉛筆を頼む英語はどれ?

  1. Give me a pencil.
  2. Give me the pencil.
  3. Give me an pencil.
  4. Give me the pencils.
答えを見る

正解: B. Give me the pencil.
お互いに「あの鉛筆ね」と指を差せる特別な鉛筆のときは、theを使います。

Q2. 次のうち「a」ではなく「an」を使う単語の組み合わせはどれ?

  1. dog と cat
  2. pencil と water
  3. orange と egg
  4. piano と soccer
答えを見る

正解: C. orange と egg
単語の最初の音が「ア・イ・ウ・エ・オ」の母音で始まるときは an を使います。

Q3. 「a」も「the」もつけない(無冠詞)の正しいルールはどれ?

  1. ピアノなど楽器の演奏を表すとき
  2. サッカーなどスポーツ名を言うとき
  3. 世界に1つしかないものを言うとき
  4. 水など数えられないものを指すとき
答えを見る

正解: B. サッカーなどスポーツ名を言うとき
playの後にサッカーやテニスなどのスポーツの名前がくるときは何もつけません。

よくある質問

Q. a と an の違いを簡単に覚えるには?
単語の始まりが日本語の「ア・イ・ウ・エ・オ」の音のときは an になります。「a apple」だと息が詰まって言いにくいため、言いやすくするお助け役として n が入ったと覚えると簡単です。
Q. the の発音は「ザ」と「ジ」でどう違う?
後ろに続く単語が母音(ア・イ・ウ・エ・オの音)で始まるときは「ジ」と発音します。例えば the apple は「ジ・アップル」、the sun は「ザ・サン」と発音します。
Q. 固有名詞(人の名前や地名)に a や the はつく?
Ken や Tokyo などの人名や地名は、もともと世界に1つだけの固有の名前なので、基本的に a も the もつけずにそのまま使います。
Q. 子どもが a と the を全部忘れて話すときは?
最初のうちは細かく注意せず、名詞を言えたことを褒めましょう。その上で「どれでもいい1つかな?あの決まったやつかな?」と優しく問いかけて意識させると自然に定着します。

2026年10月4日更新・モチタン辞典編集部