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英検web受験の仕組みとS-CBTの活用法
実用英語技能検定(英検)の本試験は、自宅のパソコンやスマートフォンからのweb受験には対応していません。一般に英検のweb受験と呼ばれている方式は、指定の公認テストセンターへ赴き、備え付けのパソコンを使って1日で4技能を受験する「英検S-CBT」を指します。
英検web受験の結論とS-CBTの基本
「英検を自宅のパソコンやスマートフォンからweb受験したい」と考える受験者は少なくありません。しかし、資格や入試優遇に利用できる英検(本試験)は、自宅のインターネット環境を用いた完全オンライン受験を認めていません。不正受験の防止や厳格な本人確認、公平な試験環境を保つためです。
インターネットを活用して受験できる公式試験として実施されているのが「英検S-CBT」です。英検S-CBTは、全国各地に設置された公認テストセンターへ行き、会場のパソコン端末とヘッドセットを使って受験するコンピュータ形式の試験です。
英検S-CBTで受験可能な級
英検S-CBTで受験できる級は以下の5つに限定されています。
- 準1級
- 2級
- 準2級プラス
- 準2級
- 3級
1級、4級、5級は英検S-CBTでは受験できません。1級を目指す方や、4級・5級を受験する方は、ペーパーテスト形式である従来型の英検を選択する必要があります。
1日で4技能を測定する試験構成
従来型の英検では、一次試験(リーディング・リスニング・ライティング)に合格した人のみが、別日程で行われる二次試験(面接官との対面スピーキングテスト)に進む段階方式をとっています。
これに対して英検S-CBTは、一次試験と二次試験を分けることなく、1日の試験時間の中でスピーキング、リスニング、リーディング、ライティングの4技能すべてを受験します。
4技能を同日に受けるため、一次試験の結果を待たずにスピーキングを受験できる点や、会場へ足を運ぶ回数が1回で済む点が大きな特徴です。
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英検S-CBTと従来型英検の比較一覧
英検S-CBTと紙の問題用紙を用いる従来型英検には、実施頻度や会場、解答方法に明確な違いがあります。両者の違いを以下の比較表にまとめました。
| 項目 | 英検S-CBT | 従来型英検(本会場) |
|---|---|---|
| 受験場所 | 公認テストセンター(PCブース) | 学校・一般施設などの指定会場 |
| 自宅受験の可否 | 不可 | 不可 |
| 対象級 | 準1級・2級・準2級・3級 | 1級〜5級の全級 |
| 実施日程 | 原則として毎週土曜日・日曜日 | 年3回(特定の日程) |
| 試験完了日数 | 1日で4技能すべてを完了 | 2日(一次試験合格後に二次試験) |
| スピーキング方式 | ヘッドセットへの音声吹き込み式 | 面接官との対面面接方式 |
| リスニング方式 | 個別のヘッドホン・イヤホン | 会場内スピーカーによる一斉放送 |
| ライティング方式 | キーボード入力または解答用紙への手書き | 解答用紙への手書き |
| 資格・スコアの効力 | 従来型と全く同等 | 基準となる公式資格 |
最新の日程・料金は実施団体の公式サイトで確認してください。日程の選択肢の多さや受験スタイルの違いを把握したうえで、自分の状況に適した方式を選ぶことが重要です。
PCで行う4技能の解答方法と操作手順
英検S-CBTでは、パソコンの画面表示と音声ガイドに従って試験が進行します。各技能の具体的な解答方法と操作手順は以下のとおりです。
スピーキング:ヘッドセットへの音声吹き込み
スピーキングテストは、試験の最初に実施されます。マイク付きヘッドセットを装着し、画面に表示される問題文やイラスト、音声ガイダンスに従って回答します。準備時間がカウントダウンされた後、録音開始の合図とともにマイクに向かって英語を話します。
面接官と対面しないため、緊張しにくい利点がある一方、声が小さすぎると正確に録音されない恐れがあります。普段の会話よりもはっきりとした発音と十分な声量を意識して吹き込む必要があります。
たとえば、面接での定番表現である In my opinion, students should use computers more often.(私の意見では、生徒はもっと頻繁にコンピュータを使うべきです)といった意見提示も、マイクの位置を確認しながら一定の音量で明瞭に話す練習が欠かせません。
リスニング:クリアな個別音声とマウス操作
リスニングテストは、ヘッドセットを通じて個別に音声を聞き取ります。会場全体の反響や他者の物音に邪魔されにくく、英語の細かな発音まで聞き取りやすい環境です。設問に対する選択肢は、画面上のラジオボタンをマウスでクリックして選択します。
リーディング:画面読解と見直し機能
長文読解問題では、画面の左側にパッセージが表示され、右側に設問が表示されます。マウスのスクロール操作を用いて長文を読み進めます。紙の試験問題のように直接ペンで下線を引くことはできませんが、画面上で気になる問題にチェックを付けておき、後から一覧で確認して戻れる見直しフラグ機能が備わっています。
ライティング:出願時に選ぶ2つの方式
ライティングテストは、出願時に「タイピング型」または「筆記型」のいずれかをあらかじめ選択します。試験当日に変更することはできません。それぞれの特徴を次の節で詳しく比較します。
ヘッドセットを装着しマイクへ音声を吹き込んで回答
ヘッドセットで個別に聞きマウスでラジオボタンを選択
画面をスクロールして読解し見直しフラグも活用可能
出願時に選んだタイピング型または筆記型で解答
S-CBTでは1日の試験の中で4技能を順番にPC上で解答します。
次の疑問本番の画面の見え方や実践的な解き方を詳しく確認したいなら、PC画面操作と過去問対策の解説が手引きになります。
ライティングはタイピングか筆記型か
英検S-CBTの出願時に最も判断に迷いやすい点が、ライティングの解答形式の選択です。「タイピング型」と「筆記型(手書き)」にはそれぞれ明確な長所と短所があります。
| 選択形式 | 主なメリット | 主なデメリット・注意点 |
|---|---|---|
| タイピング型 | 文字数の自動カウント機能がある/語順の入れ替えや書き直しが容易/字の汚さによる減点を防げる | 英語キーボードのブラインドタッチ技術が必要/スペルミスやキーの誤入力に気づきにくい場合がある |
| 筆記型(手書き) | 学校や普段の学習と同じ感覚で書ける/PC操作に不慣れでも実力を発揮しやすい | 手動で語数を数える必要がある/消しゴムでの書き直しに時間がかかる/文字が不鮮明だと判定に影響する |
タイピング型が適している人
パソコンのキーボードで英文をスムーズに入力できる人は、タイピング型が有利です。タイピング型では画面に現在の語数がリアルタイムで表示されるため、規定の語数を満たしているか確認する時間を大幅に削減できます。
さらに、文章構成を変更したい場合も切り取りや貼り付けが容易で、推敲にかかる時間を短縮できます。日頃からPCで英作文を書く機会がある高校生や大学生、社会人に適しています。
筆記型が適している人
キーボードのアルファベット配置を完全に把握していない小中学生や、タイピングに時間がかかって思考が中断してしまう人は、筆記型を選択するのが確実です。
筆記型を選択した場合、問題文は画面に表示されますが、解答は配布される紙の解答用紙に鉛筆やシャープペンシルで手書きします。普段の紙の模試や学校の授業と同じリズムで記述できるため、操作の不安を感じずに作文に集中できます。

英検S-CBTのメリットとデメリット
受験方式を検討する際は、英検S-CBTの長所と短所の両方を正しく理解しておく必要があります。
S-CBTの主なメリット
- 日程の選択肢が豊富:原則として毎週土曜日と日曜日に開催されているため、学校行事、部活動の大会、定期テストと重複しにくい日程を選んで申し込めます。
- 1日で試験が完了:一次試験と二次試験で別々の会場へ2回足を運ぶ必要がなく、交通費や移動の負担を軽減できます。
- 音声が聞き取りやすい:個別のヘッドセットから直接リスニング音声が流れるため、座席の位置による音の反響や聞こえにくさの心配がありません。
- 対面面接のプレッシャーがない:面接官の表情や相づちに左右されず、画面のガイドに従って機械的に回答できます。
S-CBTのデメリットと会場での注意点
- 画面を見続けることによる眼精疲労:長文読解を含め、長時間の試験をディスプレイ越しに解くため、目が疲れやすくなります。
- 周囲の受験者の吹き込み声:スピーキングテスト中、同じ部屋にいる他の受験者の英語を話す声が耳に入ってくることがあります。
- 4技能を同日に受ける集中力の維持:スピーキングから始まってライティングまで連続して受けるため、スタミナ配分が重要です。
周囲の声が気になるときの遮音・集中テクニック
テストセンターではパーテーションで仕切られていますが、完全に無音の個別部屋ではありません。周囲の受験者が一斉に話し始めると、音に気を取られてしまうことがあります。
この影響を最小限に抑えるためには、ヘッドセットの耳当て部分を隙間なくしっかりと装着し、画面の指示音声に意識を集中させることが効果的です。自分の回答を始める際は、周囲の意見を聞こうとせず、画面上のメモ用紙に箇条書きした要点だけに視線を落とします。
普段の練習段階から、少し雑音のあるカフェやリビングで I agree with this opinion for two reasons.(私は2つの理由からこの意見に賛成です)のように声に出して答えるトレーニングをしておくと、本番でも周囲の音に動揺せず自分のペースを維持できます。
会場の環境や試験ごとの差を詳しく知りたい方は、英検S-CBTの難易度と従来型との違いを参考にしてください。
S-CBTと従来型の適性診断基準
ご自身やお子様がどちらの試験形式を受けるべきか迷った場合は、以下の判断基準を参考にしてください。
英検S-CBTが向いている人の特徴
- 部活動や習い事で忙しく、特定の試験日に予定を合わせにくい
- 面接官と1対1で向き合うと極度に緊張してしまう
- パソコンの画面で長文を読むことに抵抗がない
- タイピングが速い、または手書き選択で手堅く受けたい
- 受験期が迫っており、短期間に受験機会を増やしたい
従来型英検(紙・対面)が向いている人の特徴
- 問題用紙の英文に直接下線やメモを書き込みながら解きたい
- パソコンのディスプレイを長時間凝視すると集中が切れる
- 面接官の目を見て身振り手振りを交えながら話す方が安心できる
- 1級、または4級・5級を受験したい
- パソコンのマウス操作や文字入力に慣れていない
小中学生のためのPC基本操作チェックリスト
小中学生が英検S-CBTを受ける場合、英語力とは別にコンピュータの操作スキルが結果に直結します。出願前に以下の操作が問題なく行えるか確認してください。
- マウスを正しい位置で持ち、狙った選択肢を正確に左クリックできるか
- 長い文章を読む際に、マウスホイールを使って上下に滑らかにスクロールできるか
- 画面に表示された文字を追う際、行を見失わずに読み進められるか
- タイピング型を選ぶ場合、半角英数字の入力、大文字への切り替え(Shiftキー)、スペースやバックスペースの操作が迷わずできるか
これらの基本操作に不安がある場合は、無理にタイピング型を選ばず筆記型を選択するか、紙の問題用紙で受けられる従来型英検を選ぶのが確実です。
- 狙った選択肢を正確に左クリックできるかマウスを正しい位置で操作
- マウスホイールで上下にスクロールできるか長文読解で使用
- 画面の文字を行を見失わずに読み進められるかディスプレイ上での長文読解
- 半角英数字や大文字への切り替えができるかタイピング型選択時の必須操作
- スペースやバックスペースが迷わず使えるかタイピング型選択時の必須操作
S-CBT出願前に必要なPC基本操作ができるか確認しましょう。
低学年からの受験を考えている場合は、小学生の英検S-CBT受験ガイドもあわせて確認してみましょう。
入試に向けた併願スケジュールの設計
英検S-CBTで取得した合格実績および英検CSEスコアは、高校入試や大学入試、公募推薦、総合型選抜などで、従来型英検と全く同じ効力を持つ公式スコアとして認められます。出願締め切りが迫っている受験生にとって、S-CBTの最大の強みは「受験機会の多さ」です。
同一検定回における複数回受験ルール
英検では年間の検定期間が第1回・第2回・第3回に分かれています。英検S-CBTでは、同一の検定回期間内であっても複数回の受験が認められています。さらに、同じ検定回の中で従来型英検と英検S-CBTを併願して受けることも可能です。
入試の出願締め切りから逆算したスケジュール例
出願書類の提出期限までに目標スコアを確保したい場合、従来型英検の年3回の日程だけに頼ると、不合格だった際や体調不良で欠席した際に挽回が困難になります。以下のようにS-CBTを組み合わせた併願計画を立てることで、合格の可能性を高められます。
- 第1ステップ(早期の基礎力測定):検定回の序盤に英検S-CBTを受験し、現状の英検CSEスコアと弱点分野を把握する。
- 第2ステップ(従来型との併行):弱点を補強したうえで従来型英検を受験する。
- 第3ステップ(直前の追い込み):出願締め切り直前の日程で再度英検S-CBTを予約し、目標級・目標スコア到達を目指す。
このように複数回の受験機会を確保しておくことで、1回の試験結果に対する精神的プレッシャーを和らげ、実力を発揮しやすくなります。
検定回序盤のS-CBTで現状スコアと弱点を把握
弱点分野を補強したうえで従来型英検を受験
出願直前のS-CBTを予約し目標スコア到達を目指す
出願締め切りから逆算してS-CBTと従来型を組み合わせる流れです。
申し込み手順と公式体験版の活用法
英検S-CBTを受験するにあたっての申し込み手順、本番前のシミュレーション方法、当日の注意点を解説します。
公式体験版(CBTシミュレーション)の体験ステップ
出願前または試験本番前には、実施団体の公式サイトで提供されている「英検S-CBT体験版」を必ずパソコンのブラウザで操作してください。本番と同じ画面構成で模擬問題を体験できます。
- マイクテストの確認:自分の声が正常に録音され、ヘッドセットからクリアに再生されるかを確認します。
- 画面レイアウトの把握:問題文と選択肢の配置、フォントの大きさ、画面の見やすさを確認します。
- スクロールとクリックの感触:長文をスクロールする速度や、ラジオボタンの選択感覚に慣れておきます。
- ライティング操作の検証:タイピング型を検討している場合、入力の反応速度や語数カウントの表示位置を実際に確かめます。
当日の持ち物と本人確認書類の注意点
テストセンターでの受験当日は、本人確認が厳格に実施されます。必要な持ち物を事前に揃えておく必要があります。
- 受験票:所定のページから印刷したものを持参します。
- 有効な顔写真付き身分証明書:学生証、パスポート、マイナンバーカードなど、規定で定められた有効期限内の原本が必要です(コピー不可)。
- 筆記用具:筆記型ライティングを選択した場合は、HBの黒鉛筆またはシャープペンシル、プラスチック消しゴムを持参します。タイピング型の場合でもメモ用として筆記具が必要です。
自宅で完全オンライン受験ができる「英検Jr.」との切り分け
小学生の保護者の方から「自宅のパソコンで英検が受けられたはずだ」という質問が寄せられることがあります。自宅で完全にオンライン受験できるのは、児童向けの「英検Jr.(英検ジュニア)」です。
英検Jr.は合否ではなく正答率(パーセンテージ)で評価される入門向けのリスニングテストであり、高校・大学入試などで使われる英検(5級〜1級)とは試験の目的や効力が異なります。
入試や資格証明を目的とする場合は、必ずテストセンターで実施される英検S-CBTまたは従来型英検を受験してください。
- 受験票所定のページから印刷して持参
- 有効な身分証明書学生証・パスポート等の原本(コピー不可)
- HBの黒鉛筆またはシャープペンシル筆記型解答およびメモ用として持参
- プラスチック消しゴム解答やメモの訂正用
テストセンターでの本人確認や受験に必要な持ち物一覧です。
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理解度チェック
Q1. 英検S-CBTで受験可能な級の組み合わせはどれですか?
- 1級・準1級・2級・準2級
- 準1級・2級・準2級・3級
- 2級・準2級・3級・4級
- 1級から5級までのすべての級
答えを見る
正解: B. 準1級・2級・準2級・3級
英検S-CBTで受験できる級は準1級・2級・準2級・3級の4つに限定されており、1級・4級・5級は受験できません。
Q2. 本文で意見提示の定番表現として挙げられている英文は?
- In my opinion, students should use computers more often.
- I think that students need to read more paper books.
- From my perspective, using computers is very easy.
- In our view, taking online tests is quite helpful.
答えを見る
正解: A. In my opinion, students should use computers more often.
スピーキングの意見提示の定番表現として「In my opinion, students should use computers more often.」が紹介されています。
Q3. 英検S-CBTのライティング形式に関する説明で正しいものは?
- 試験当日にタイピング型か筆記型かを選べる
- タイピング型には語数の自動カウント機能がある
- 筆記型を選んだ場合は問題文も紙に印刷される
- タイピング型を選択した場合は筆記用具の持参が不要
答えを見る
正解: B. タイピング型には語数の自動カウント機能がある
タイピング型には文字数の自動カウント機能があります。形式は出願時に選択し当日の変更はできず、筆記型でも問題文は画面表示されます。
よくある質問
- Q. 英検を自宅のPCからweb受験できますか?
- 英検の本試験は自宅から受験できません。web受験と呼ばれる方式は公認テストセンターのPCで受験する「英検S-CBT」です。なお英検Jr.のみ自宅で受験可能です。
- Q. 英検S-CBTで受かる級は入試で使えますか?
- 従来型の英検と全く同じ資格として扱われます。取得できる級や英検CSEスコアの効力も同等であり、高校・大学入試の優遇措置や出願要件にそのまま利用できます。
- Q. ライティングは手書きとタイピングのどちらが良い?
- キーボードで速く英単語を入力できる人は語数カウントのあるタイピング型が有利です。PC入力に不慣れな小中学生や手書きに慣れている人は筆記型を選ぶのが確実です。
- Q. 従来型英検とS-CBTは両方申し込めますか?
- 同じ検定回の中でも従来型英検と英検S-CBTを併願して申し込めます。またS-CBTは同一検定回に複数回受けることも可能なため、受験機会を増やせます。
- Q. S-CBTのスピーキングで周りの声は気になりますか?
- 同室の受験者の声が聞こえる場合があります。ヘッドセットを密着させて装着し、自分の解答メモに集中する練習を事前に積んでおくことで影響を抑えられます。
2026年10月8日更新・モチタン辞典編集部