モチタン辞典 › 読みもの › 英検 › 英検1級長文読解・リーディング対策

英検1級リーディング対策と解き方・時間配分
英検1級リーディングは全35問(大問1が22問、大問2が6問、大問3が7問)で構成され、一次筆記100分のうち40〜45分以内で解き切ることが合格の基本方針となります。
ライティングに要約問題が導入された現行形式では、長文問題で7割から8割を確実に確保しつつ、各大問のタイムリミットを厳密に管理して解答順を戦略的に組み立てることが求められます。
英検一級時間配分と最新の大問構成
英検1級の一次試験筆記試験は、リーディングとライティングを合わせて試験時間100分で実施されます。リーディングセクションは全35問で構成され、知識処理の正確さと長文読解の処理速度の両方が問われます。
大問構成と配点の目安
表は横にスクロールできます →
| 大問 | 形式・内容 | 問題数 | 目標所要時間 |
|---|---|---|---|
| 大問1 | 短文の語句空所補充 | 22問 | 10〜12分 |
| 大問2 | 長文の語句空所補充(2題) | 6問 | 12〜14分 |
| 大問3 | 長文の内容一致選択(2題) | 7問 | 18〜20分 |
| ライティング | 要約問題1題+意見論述1題 | 2題 | 50〜55分 |
| 見直し | マークミス確認・解答調整 | — | 2〜3分 |
大問1は語彙・熟語・句動詞を問う短文空所補充が22問出題されます。大問2は350語前後の説明文2題に対し、それぞれ空所が3箇所(計6問)設けられています。大問3は500〜800語程度のアカデミックな長文で構成され、2026年度第2回の問題冊子では2つのパッセージに3問と4問の計7問です。
CSEスコアと目標正答率
一次試験の合否は各技能(リーディング、リスニング、ライティング)に均等配分されたCSEスコア(各850点満点、合計2550点満点)によって判定されます。
リーディング単体では、素点35点中25点〜28点(正答率71%〜80%)を安定して獲得することが合格安全圏の基準となります。ライティングの出来によって必要なスコアは変動しますが、リーディングで7割を下回ると他技能での挽回負担が大きくなります。
本番用タイムリミット管理表
試験開始からの経過時間で管理すると、途中で迷いが生じた際に軌道修正が容易になります。以下のタイムリミットを腕時計と照合しながら進める運用が有効です。
| 試験開始からの経過 | 進行状況のリミット | 遅れ発生時の対応 |
|---|---|---|
| 開始12分経過 | 大問1(22問)完了 | 未解答の問題を即座にマークして大問2へ移行 |
| 開始25分経過 | 大問2(6問)完了 | 最後の空所が不明でも文脈の方向性で選んで大問3へ |
| 開始45分経過 | 大問3(7問)完了 | 残り時間55分をライティング(要約+英作文)に充当 |
| 開始100分 | 筆記試験終了 | 残り2分でマークシートのズレを総点検 |
解く順番のシミュレーションと戦略
2024年度のリニューアルによってライティングに要約問題が加わり、筆記試験100分の中でライティング2問に50〜55分を確保することが必要となりました。これにより「どの順番で解くか」が合否を分ける要因となっています。
ライティング先解きとリーディング先解きの比較
表は横にスクロールできます →
| 解答順 | メリット | リスク・留意点 | 向いている受験者タイプ |
|---|---|---|---|
| ライティング先解き | 配点比重の高い記述で確実に得点でき、時間切れの白紙を防げる | ライティングに時間を使いすぎると、大問3の長文を塗り絵(適当にマーク)することになる | 記述に時間がかかりがちな人、長文の速読力に自信がある人 |
| リーディング先解き | 頭が疲れていない状態で高度な英文読解に集中でき、マークのズレを防げる | リーディングで時間超過すると、ライティングの要約やエッセイが未完成になる | 各大問の時間制限を厳格に守れる人、語彙力が高く大問1を瞬殺できる人 |
推奨される解答順:ハイブリッド方式
時間不足による失点を避けるための実戦的な解き順として、大問1を解いた直後にライティングへ移行し、最後に長文(大問2・大問3)を処理するハイブリッド方式が有効です。
- Step 1: 大問1(語彙22問)を10分で即断即決
試験開始直後の集中力を使い、思考力を必要としない語彙知識問題をスピーディに片付けます。 - Step 2: ライティング2題(要約+意見論述)を50〜55分で完答
配点の比重が高いライティングに十分な時間を配分し、規定語数を満たした完成度の高い答案を作成します。 - Step 3: 大問2・大問3(長文読解13問)を残り35〜38分で解く
残された正確な持ち時間を把握した上で、設問先読みを活用して長文を処理します。時間が逼迫した場合でも、問題数の多い大問3の設問を優先して解答できます。
大問1(語彙22問)を10分で即断即決して片付ける
ライティング2題を50〜55分で配点重視で完答する
大問2・大問3の長文13問を残りの持ち時間で処理する
大問1後にライティングを挟み、長文を最後に解く流れです。
次の疑問本番の時間配分を自分のペースで試してみたい方は、英検1級の過去問と無料問題まとめを使って通し練習を行ってみてください。
英検1級リーディング問題の解き方
各大問には特有の出題パターンと解答手順が存在します。設問の構造を理解し、無駄な迷いを排除する処理手順を確立することが得点率向上の鍵です。
大問1(短文語句空所補充22問):1問30秒のルール
大問1は語彙の知識問題であり、文脈から知っている単語を呼び出すか、知らない単語かを素早く判断する作業です。1問あたり30秒、全体で11分以内を目安とします。
- 知っている単語があれば即答する:選択肢を見て意味が明確な正解候補があれば、空所に代入して文意を確認しマークします。
- 文脈のプラス・マイナス判定:空所を含む文のトーン(肯定的か否定的か)を判別し、選択肢の単語のニュアンスと照合します。例えば文頭に Although(〜にもかかわらず)があれば、主節と従属節で意味の対比が生じます。
- 知らない単語は消去法で処理する:誤りと断定できる選択肢を削り、残った選択肢から20秒以内にマークして次の問題へ進みます。考え込んでも知らない単語の意味が浮かぶことはありません。
例文:
The CEO was reluctant to endorse the proposal, fearing it would jeopardize the company's financial stability.
(CEOはその提案を支持することに消極的だった。
会社の財務的安定性を危険にさらすことを恐れたからである。)
文中の reluctant(消極的な)や jeopardize(危険にさらす)といった因果関係を把握できれば、文脈に適合する語彙を素早く選択できます。
大問2(長文語句空所補充6問):段落の論理展開を追う手順
大問2は単なる前後の単語のつながりではなく、段落全体の論理展開(対比、因果、具体化)を捉える必要があります。空所周辺の1文だけを読んでも正解にはたどり着けません。
- タイトルと第1段落の第1文を読む:パッセージの主題(歴史的発見、環境問題、社会科学の仮説など)を把握します。
- 空所の前後のディスコースマーカーに着目する:However(しかし)、Furthermore(さらに)、Consequently(その結果)などの接続表現から、前文との論理関係が順接か逆接かを判定します。
- 空所に入る内容の予測を立ててから選択肢を見る:空所にどのような内容(肯定的帰結、反論、具体例)が入るべきかを日本語で大まかに想定した上で選択肢を照合すると、言い換え表現に素早く反応できます。
英検1級の単語は、アプリの英検1級コースで単語アプリ「モチタン」なら、ゲームで覚えられます。まちがえた単語は苦手単語帳にまとまります。無料で試す
英検1級長文問題の読解と引っかけ対策
大問3の内容一致問題は、科学、歴史、文化人類学、医学、経済など学術論文に近い難解な英文が出題されます。本文の難しさに対して設問の論点は論理的に整理されているため、正解選択肢の作られ方と誤答パターンの法則を把握しておくことが対策の要となります。
大問3の基本解答手順
- 設問文(Question)の先読み:選択肢(1〜4)は読まず、設問文だけを読みます。何について問われているか(例:研究者の見解、歴史的事象の背景)を把握し、キーワードを記憶します。
- パラグラフと設問の1対1対応:大問3の設問は、原則として段落の進行順に配置されています。設問1は第1〜第2段落、設問2は第3段落、設問3は最終段落に対応しているケースがほとんどです。
- 該当段落の精読と照合:該当する段落を読み終えた段階で設問に戻り、選択肢を照合します。全文を読み終えてからまとめて解こうとすると、記憶が曖昧になり本文の再読によるタイムロスが発生します。
引っかけ選択肢(トラップ)の見破り方
| トラップの類型 | 具体的な手口 | 見破り方と対処法 |
|---|---|---|
| 本文の単語流用トラップ | 本文中に出てきた特徴的な難単語をそのまま選択肢に組み込み、文意を逆または無関係に改変する。 | 単語の一致に飛びつかず、主語・動詞・目的語の関係性が本文と一致しているか構文を確認する。 |
| 過度な一般化(極端な表現) | 本文では often や some とあるのに、選択肢で always, solely, all, inevitably を使う。 | 断定的な副詞・形容詞が含まれる選択肢は警戒し、本文の主張の強弱(限定性)と照らし合わせる。 |
| 因果関係の逆転・捏造 | 本文で言及された2つの事実を、根拠のない「原因と結果」として結びつける。 | due to や lead to などの因果を示す表現が本文の論理関係と完全に合致しているかを検証する。 |
| 一般論の混入 | 常識的には正しく思える内容だが、本文中には一切記述されていない。 | 「本文に書かれているか否か」だけを基準とし、自身の背景知識による補正を排除する。 |
正解となる選択肢は、本文中の表現を抽象度の高い平易な英語にパラフレーズ(言い換え)したものが大半を占めます。
例文:
本文:The researchers uncovered evidence indicating that the ancient settlement was abruptly abandoned due to severe drought.
(研究者たちは、その古代集落が深刻な干ばつによって突然放棄されたことを示す証拠を発見した。
)
正解選択肢の例:Environmental hardships forced the inhabitants to leave their community unexpectedly.
(環境の困難により、住民は予期せず共同体を離れることを余儀なくされた。
)
drought が Environmental hardships に、abruptly abandoned が leave ... unexpectedly に言い換えられています。
選択肢は読まず設問文のみ読みキーワードを記憶する
設問は原則段落順に対応していることを意識する
該当段落を読み終えた段階で設問に戻り選択肢を照合する
設問先読みから段落ごとの照合へと進める3ステップです。

次の疑問学術的な文章の論理展開をより深くつかみたいときは、英検1級長文読解の読み方と対策で詳しいアプローチを確認できます。
英検1級長文読解の精読・速読トレーニング
英検1級の長文を制限時間内に正確に読み取るためには、返り読みをなくす構文把握力と、未知語に遭遇した際の推測力が欠かせません。
スラッシュリーディングと論理マーカーの把握
複雑な修飾関係を持つ長文を英語の語順のまま理解するために、意味の切れ目ごとに区切るスラッシュリーディングを日常のトレーニングに導入します。
例文:
The paradigm shift in modern neuroscience / suggests that cognitive decline / is not an inevitable consequence of aging, / but rather a preventable condition / influenced by lifestyle interventions.
(現代神経科学におけるパラダイムシフトは / 認知機能の低下が / 加齢の避けられない結果なのではなく、 / むしろ予防可能な状態であることを示唆している / 生活習慣の介入によって影響を受ける。)
not A but B(AではなくB)のような対比構造を瞬時に捉え、著者の主張がB側にあることを見落とさないようにします。
文脈からの未知語推測アプローチ
英検1級の長文には専門用語や難度の高い単語が意図的に配置されています。すべてを暗記しておく必要はなく、文脈の手がかりから品詞とプラス・マイナスの意味合いを推測します。
- 同位・言い換え表現:namely, that is, ダッシュ(—), カンマで挟まれた挿入節は、直前の難解な単語を言い換えています。
- 対比関係の利用:unlike や whereas の前後にある既知の単語から、未知語がその反対概念であることを特定します。
- 接頭辞・接尾辞の分析:mal-(悪)、bene-(善)、in-/im-(否定)、-phobia(恐怖症)などの形態素から語意の輪郭を掴みます。
1パッセージ要約(サマリー作成)トレーニング
過去問の長文を解き終えた後の復習として、各大問のパッセージを段落ごとに「1行(日本語30〜40字)」で要約し、最終的に全体を英語1〜2文でまとめる練習が有効です。パッセージ全体の骨格を抽出する力が養われ、長文読解の処理速度向上だけでなく、一次試験のライティング要約問題への直接的な対策になります。
namelyやダッシュなどの挿入表現から直前語を把握
unlikeやwhereasから既知語の反対概念として推測
mal-やin-などの形態素から語意の輪郭を掴む
未知語に遭遇した際に文脈や語形から推測する3つの手法です。
英検1級リーディング教材の選び方と学習の進め方
独学で合格点・8割以上を目指すにあたり、自身の学習段階や弱点に応じた教材選びが学習効率を左右します。
教材選びのチェックポイント
| 教材タイプ | 特徴・チェックポイント | 適した学習段階・目的 |
|---|---|---|
| 長文演習特化型問題集 | 自然科学や社会科学などテーマ別に英文を多数収録しているか、語注や文構造の解説が丁寧かを確認する。 | 基礎語彙を固めた後、多読・速読の演習量を増やしたい時期 |
| 形式別・解法特化型テキスト | 大問1、大問2、大問3ごとのアプローチ法が段階的に解説されているか、設問の解法パターンが学べるかを確認する。 | 各大問の解法手順を体系的に整理し、苦手な大問を克服したい時期 |
| 論理構造・パラフレーズ分析型問題集 | 段落ごとの論理構成や選択肢の言い換えパターン(正解・誤答の根拠)が細かく言語化されているかを確認する。 | 長文の正答率が伸び悩み、正解・不正解の根拠を論理的に見極めたい時期 |
| 複数回分収録の過去問題集 | 直近の本試験問題が複数回分そのまま収録されており、本番の出題形式・レイアウトを再現できるかを確認する。 | 直前期の総仕上げ、本番通しの時間配分テストおよび実力判定 |
学習ロードマップの組み立て方
- 語彙力の基盤構築(大問1対策):まずは単語集の暗記を進め、見出し語の認知率を70%以上に引き上げます。
- 大問別解法の習得(大問2・3対策):形式別・解法特化型のテキストを用いて、設問先読みや段落照合の手順を体に染み込ませます。
- 演習量の確保:長文演習特化型の問題集を使って、自然科学、歴史、時事問題など多様なジャンルの英文に触れ、背景知識と読解速度を向上させます。
- 実戦時間配分の固定:本試験形式の過去問題集を用い、筆記試験100分の通し練習を複数回実施してタイムリミット遵守を徹底します。
続けて読む
理解度チェック
Q1. 推奨解答順のハイブリッド方式で最初に取り組むものは?
- ライティングの要約問題
- 大問1の語彙問題
- 大問2の語句空所補充
- 大問3の長文内容一致
答えを見る
正解: B. 大問1の語彙問題
ハイブリッド方式では、思考力を必要としない大問1(語彙22問)を最初に10分で即断即決して解きます。
Q2. 大問3の基本手順として設問文の先読み時に避けるべき行動は?
- 問われている内容の把握
- キーワードの記憶
- 選択肢(1〜4)を読むこと
- 設問文だけを読むこと
答えを見る
正解: C. 選択肢(1〜4)を読むこと
大問3の基本解答手順では、選択肢(1〜4)は読まずに設問文(Question)だけを読むこととされています。
Q3. 「not A but B」の対比構造で著者の主張がある位置は?
- notの前置詞句側
- A側
- B側
- AとBの両方
答えを見る
正解: C. B側
「not A but B」のような対比構造では、著者の主張がB側にあることを見落とさないようにすると説明されています。
よくある質問
- Q. リーディングは何割取れば合格できますか?
- 素点35点満点中、25点〜28点(約71%〜80%)の獲得が合格安全圏の目安です。大問1で15点以上、大問2と大問3の長文読解で10点〜12点前後を確保する設計が現実的です。
- Q. 長文はすべて精読して全文読む必要がありますか?
- 全段落を均等に精読する必要はありません。設問で問われている該当段落は精密に読み、設問に関連しない補足的な段落や具体例の列挙部分は要点のみを把握して速読します。
- Q. 大問1の単語暗記が追いつかない時の対策は?
- 大問1に過度な時間を奪われないよう1問30秒で即断し、長文読解(大問2・3)で高得点を狙う方針に切り替えます。単語問題は4択中2択まで消去法で絞り込み、確率を高めて処理します。
- Q. 時間が足りない場合の捨て問の基準は?
- 大問1の完全に知らない単語問題や、大問3の最終問で本文照合に4分以上かかりそうな難問は捨て問候補です。直感でマークして次の問題やライティングの見直しに時間を回します。
- Q. 準1級と1級のリーディングの決定的な差は何ですか?
- 専門性の高い学術的テーマにおける論理展開の抽象度と、語彙の難易度です。1級では単語の言い換えトラップがより巧妙になり、表層的な単語照合だけでは正解に到達できません。
2026年10月7日更新・モチタン辞典編集部
jeopardize
reluctant
endorse
intervention