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共通テスト英文法の必要性と効率的な勉強法
大学入学共通テストの英語リーディングには単独の文法問題や発音問題は出題されず、すべて長文読解問題で構成されています。しかし、文法知識なしで長文を速く正確に読むことは不可能なため、共通テスト対策においても英文法の習得は不可欠です。
分厚い文法問題集を丸暗記するのではなく、英文解釈や速読に直結する文法項目を絞り込んで理解する学習法が求められます。
共通テスト英文法の出題形式と学習の必要性
大学入学共通テストの英語は、リーディングとリスニングで実施されます。従来のセンター試験で見られたような4択の空所補充問題、語句整序問題、発音・アクセント問題などの単独問題は一切出題されません。試験時間内に複数の長文を読み、図表やグラフと照らし合わせながら解答を導く形式に統一されています。
この出題形式の変化から、「共通テスト対策に英文法は不要なのではないか」と疑問を持つ受験生が少なくありません。しかし結論から言えば、英文法の学習を省略して共通テストの英語で高得点を取ることは不可能です。
共通テストの英語リーディングで求められるのは、約6,000語に及ぶ英文を約80分で処理する極めて高い情報処理能力です。英文法を疎かにしたまま長文演習に入ると、単語の意味を繋ぎ合わせただけの感覚的な読解に頼ることになります。
その結果、少し構文が複雑になっただけで内容を見失い、返り読みが増えて試験時間内に解き終わらない事態に陥ります。
共通テストにおける英文法は、「文法問題を解くための知識」ではなく、「英文の構造を瞬時に見抜き、正確に速読するための土台」として位置づけられます。
次の疑問試験全体の傾向や配点をふまえた対策の全体像は、共通テスト英語の対策と勉強法で確認できます。
文法問題がないのに英文法が必須である3つの理由
文法単独問題が出題されない共通テストにおいて、なぜ英文法が合否を分ける基盤となるのか、具体的な3つの理由を解説します。
理由1:1文を正確に把握する精読力が速読力の前提になるため
速読とは、単に視線を早く動かすことではありません。英文を左から右へ、語順の通りに意味を理解しながら読み進める技術です。この返り読みをしない読解を実現するには、主語、動詞、目的語、補語の文型関係や、修飾語がどこにかかっているかを無意識のレベルで把握できる文法力が必要です。
文法知識が曖昧だと、The survey conducted by the organization revealed unexpected results.(その組織によって実施された調査は、予期せぬ結果を明らかにした。
)という英文に出会った際、conducted を本動詞と誤認して混乱し、文全体の意味の把握に時間を費やすことになります。
理由2:正誤判定を左右する重要構文を正確に見抜くため
共通テストの設問や選択肢では、本文の表現が別の言葉で言い換えられます。この言い換えを見抜く際、否定表現、比較表現、仮定法などの文法知識が直接問われます。文法の正確な理解が欠けていると、本文の主張と正反対の選択肢を選んでしまう原因になります。
理由3:リスニングの音声理解速度を支えるため
英語リスニングにおいても、英文法は決定的な役割を果たします。一度しか流れない英文を聞き取る際、耳から入ってきた単語の文法的役割を瞬時に処理できなければ、意味の理解が音声に追いつきません。確固たる文法力があって初めて、音声の語順通りに内容を理解できるようになります。
文型や修飾関係を把握し、返り読みせず語順通りに読むために必要。
否定・比較・仮定法などの構文を見抜き、本文の言い換えを正しく判断。
一度しか流れない音声を語順通り瞬時に理解するための基盤となる。
単独問題がなくとも英文法が読解と聴解の速度・精度を根底で支えます。
リスニングの得点力を高める具体的な学習手順は、共通テストリスニング対策で解説しています。
網羅系文法問題集は必要?志望校別の要否判断
大学受験の定番である分厚い網羅系文法問題集に取り組むべきかどうかは、志望大学の受験方式によって明確に分かれます。共通テストのみを利用する受験生が重厚な問題集を隅から隅まで暗記するのは、学習効率の観点から推奨されません。
| 志望校・受験方式 | 網羅系問題集の必要性 | 目指すべき学習水準 |
|---|---|---|
| 共通テストのみ利用(国公立・私大共通テスト利用) | 不要 | 基礎的な講義系参考書を理解し、読解に必要な主要構文を把握できる状態 |
| 国公立大学二次試験併願(記述・和訳・英作文あり) | 一部必要 | 標準的な文法知識に加え、減点されないための正確な構文把握と英作文用の文法知識 |
| 私立大学一般選抜併願(4択文法・正誤問題あり) | 必須 | 語法、前置詞、イディオム、例外事項まで含めた網羅的な文法・語法問題の演習 |
共通テストのみで英語を受験する場合、細かい重箱の隅をつつくような例外規則や語法問題の丸暗記に膨大な時間を割く必要はありません。それよりも、基本的な品詞の働き、時制、関係詞、準動詞といった長文読解に直結する単元を優先して完成させるのが賢明な戦略です。
私立大学の一般入試を併願する場合は、独立した文法問題が出題されるため網羅系問題集の演習が不可欠です。その場合でも、まずは長文の土台となる基礎文法を固めてから、語法や例外事項の暗記へと進む二段階の学習が効果的です。
次の疑問二次試験や私大も見据えて網羅的な演習を進めたい方は、大学受験の英文法参考書ルートを参考にしてください。
共通テスト英語文法勉強法:短期間で伸ばす4手順
共通テストの長文読解へ最短距離でつなげるための、効率的な英文法勉強法を4つの手順に分けて解説します。
ステップ1:講義系参考書で文法の規則と仕組みを理解する
最初の段階では、問題演習ではなく「理解」に集中します。なぜその文法規則が成り立つのか、どのような意味合いを持つのかを講義形式の解説書で読み込みます。
単に「to 不定詞には名詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法がある」と用語を覚えるのではなく、文中での配置や品詞としての役割を自分の言葉で説明できる状態を目指します。1冊を最初から最後まで通読し、英語の全体像を掴むことが重要です。
ステップ2:基礎的な演習で「人に説明できるか」確認する
文法の概念を理解したら、薄めの基礎問題集を用いて理解度を確認します。このとき、選択肢の記号を当てて満足してはいけません。「なぜその選択肢が正解で、他の選択肢はなぜ誤りなのか」を根拠を持って説明できるかを基準にします。
例えば関係代名詞と関係副詞の判別問題であれば、「後ろの節が不完全文だから代名詞を選ぶ」「後ろの節が完全文だから副詞を選ぶ」と即座に理由を言語化できるまで反復します。
ステップ3:英文解釈で「読むための文法」へと橋渡しする
文法知識を読解力に変換するために、短文を用いて文構造を分析する英文解釈の訓練を行います。主語、動詞、目的語、補語の記号付けを行い、修飾節のまとまりを意識しながら直読直解する練習です。
The fact that he did not attend the meeting surprised everyone.(彼が会議に出席しなかったという事実は、全員を驚かせた。)のような同格の that 節を含む文を、迷わず正確に訳せる構文把握力を身につけます。
ステップ4:長文演習と過去問で知識の瞬発力を高める
解釈の技術が身についたら、共通テスト形式の長文演習に入ります。読書スピードを上げながらも、文法的に曖昧な箇所を作らない意識を持ちます。読み飛ばしによる誤読が発生した場合は、必ず文構造に立ち返って確認します。
文法規則や仕組みを読み込み、配置や役割を説明できる状態を目指す
薄めの問題集を使い、正解・不正解の根拠を言語化できるまで反復
短文の文構造を分析・記号付けし、直読直解する構文把握力を習得
読書速度を上げつつ、曖昧な箇所は文構造に立ち返り瞬発力を養成
理解から演習、解釈を経て長文での即応力へと段階的に高めます。

共通テスト英文法参考書の選び方と学習ルート
共通テストの対策に必要な英文法参考書は、「講義・理解系」「基礎演習系」「英文解釈系」の3種類から各1冊を選び、順番に進めるのが最も無駄のないルートです。
1. 講義・理解系参考書の選び方
高校英語の基礎に不安がある受験生や、文法用語の定義から学び直したい受験生は、対話形式や図解が豊富な入門レベルの講義書を選びます。中学レベルの英語から高校基礎レベルの文法を網羅し、暗記ではなく理屈で理解できる構成のものが適しています。
すでにある程度の基礎知識がある場合は、辞書代わりに使える総合英語の解説書を手元に置き、長文演習で疑問が生じるたびに該当単元を調べる辞書的な活用法も有効です。
2. 基礎演習系参考書の選び方
共通テスト対策の演習書は、問題数が多すぎる分厚いものではなく、厳選された300〜500問程度が収録された薄めの問題集が適しています。全問に丁寧な構文解説が付いており、復習に時間がかかりすぎない教材を選びます。
共通テスト受験生が目指すべきは、基礎演習書の全問題を「根拠付きで即答できる状態」に仕上げることです。何周も解き散らかすのではなく、間違えた問題の解説を熟読し、疑問点を講義書で確認するサイクルを徹底します。
3. 英文解釈系参考書の選び方
英文法と長文読解を接続する英文解釈書は、1文の長さが2〜3行程度の標準的な短文が掲載されている教材を選びます。すべての英文に構造図(文型や修飾関係の図解)が付いているものが理想的です。
50〜70程度の重要テーマを扱った解釈書を1冊仕上げることで、共通テストの長文に出てくるほとんどの文構造に即座に対応できるようになります。
対話形式や図解で理屈から理解できる入門書、または総合英語
厳選300〜500問の薄い問題集で全問根拠付きで即答できる状態へ
全英文に構造図がある教材で50〜70テーマを仕上げ長文へ接続
3系統の参考書を各1冊厳選し、順序通りに進めるのが最短ルートです。
次の疑問文法から長文演習へと移る時期の教材選びには、共テリーディング問題集・参考書の選び方が役立ちます。
共通テスト長文で読解を左右する重要文法単元
共通テストの長文読解において、受験生が構造を見失いやすく、設問の正誤に直結しやすい重要文法単元を解説します。
1. 分詞構文と準動詞の識別
現在分詞や過去分詞が文頭や文末に置かれる分詞構文は、共通テストの長文で頻出します。主語を正確に補い、文脈に合わせた意味(時、理由、付帯状況など)を素早く補完して読み進める必要があります。
Seen from a distance, the building looks like a huge ship.(遠くから見ると、その建物は巨大な船のように見える。)
この文では、Seen の意味上の主語が主節の the building であること、そして「見られる」という受動の関係であることを瞬時に把握しなければなりません。
2. 形式主語・形式目的語の構文
情報量の多い長い主語や目的語を後ろに回す構文は、共通テストの長文で多用されます。特に形式目的語 it を含む第5文型の文は、正しく構造を掴めないと意味が逆転しやすいポイントです。
The new system made it possible for students to choose their own schedules.(新しいシステムは、生徒が自分自身のスケジュールを選ぶことを可能にした。)
it が指す実質的な目的語が to choose their own schedules であることを捉え、何が可能になったのかを即座に整理します。
3. 倒置と強調構文
否定語が文頭に出る倒置や、書き手の主張を際立たせる強調構文は、長文の結論部分や重要な手がかりとして頻出します。
Not only did she complete the project on time, but she also reduced the total cost.(彼女はプロジェクトを時間通りに完了しただけでなく、総費用も削減した。)
did she complete という疑問文の語順になっていることに動揺せず、否定の倒置構文であると見抜いて「〜だけでなく…も」と素早く意味を処理します。
4. 仮定法と比較の慣用表現
事実とは異なる状況を表す仮定法や、複雑な比較表現は、設問の選択肢で頻繁に言い換えの対象となります。
If it had not been for your advice, we could not have solved the problem.(あなたのアドバイスがなかったら、私たちはその問題を解決できなかっただろう。)
実際には「アドバイスがあったから解決できた」という客観的事実を正しく導き出せる文法判断力が不可欠です。
失点原因を切り分ける模試・過去問の自己診断
共通テスト形式の模試や過去問演習で目標点に届かない場合、その原因が「単語力不足」「文法・構文力不足」「読解速度・処理能力不足」のどこにあるかを正しく切り分ける必要があります。原因を取り違えたまま長文演習を続けても成績は向上しません。
| つまずきの状態 | 主な失点原因 | 具体的な改善策 |
|---|---|---|
| 時間無制限なら読めるが、80分以内だと最後まで解き終わらない | 読解速度・情報処理力 | 意味の区切り(スラッシュ)ごとの直読直解演習、設問先読みの徹底 |
| 時間無制限でも文の意味が取れず、和訳を見ても納得できない | 文法・構文把握力 | 文型、修飾関係、接続詞・関係詞の基礎復習、英文解釈のやり直し |
| 1文の中に意味の分からない単語が2〜3個以上ある | 語彙力不足 | 基本英単語帳の周回、文脈から推測する訓練の前に語彙の徹底暗記 |
| 本文は読めている感覚があるのに設問の選択肢で間違える | 設問分析力・精読力 | 選択肢の文法構造把握、本文該当箇所の精読、言い換えパターンの確認 |
演習の復習時には、間違えた設問ごとに「なぜ間違えたのか」を記録します。英文の主語と動詞を取り違えていた、あるいは修飾節の範囲を見誤っていた場合は、文法・構文の弱点が原因です。該当する文法単元に戻り、基本ルールを再確認する作業を怠らないようにしましょう。
演習後の復習手順や出題傾向の分析法は、共通テスト英語過去問の活用法で確認できます。
共通テスト本番に向けた英文法完成スケジュール
共通テスト英語で目標点を獲得するために、英文法をいつまでにどのレベルまで仕上げるべきかの時期別目安を示します。
高2冬〜高3春(4月〜6月):文法理解と基礎演習の完了
高校3年生の春までに、講義系参考書と基礎問題集を終え、高校英文法の全範囲を一通り理解しておくのが理想的です。この時期に主要な文法用語の概念を掴み、基本的な短文の文構造を把握できるようにしておきます。
高3夏(7月〜8月):英文解釈の完成と長文読解への移行
夏休み期間中は、英文解釈の教材を用いて1文を精読する力を完成させます。同時に標準的な長さの長文読解に取り組み、文法知識を実際の読解スピードの中で生かす訓練を開始します。夏休み終了時点で、共通テストレベルの英文を返り読みせず読める状態を目指します。
高3秋以降(9月〜12月):共通テスト実戦演習と文法の弱点補強
秋からは共通テスト形式の実戦演習や過去問演習が中心となります。この段階では文法書を最初から解き直すような学習は行わず、長文演習の中で読み誤った構文や理解が曖昧だった文法項目のみを参考書に戻ってピンポイントで補強します。
本番直前の12月以降は、時間配分と解法手順の最適化に専念できるよう、秋の段階で文法の不安を完全になくしておくことが重要です。
本番直前の実戦演習に専念できるよう、秋までに文法の不安を解消します。
続けて読む
理解度チェック
Q1. 共通テストのみで英語を受験する場合の文法対策はどれか。
- 厚い網羅系問題集の全問題を暗記する
- 例外事項や細かい語法問題を優先して解く
- 単独問題が出ないため文法学習を省略する
- 基礎講義書を理解し長文に必要な構文を掴む
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正解: D. 基礎講義書を理解し長文に必要な構文を掴む
共通テストのみの場合は重厚な問題集の丸暗記は不要で、基礎を理解し読解に必要な構文を把握することが推奨されています。
Q2. 否定の倒置が使われている英文として本文にあるものはどれか。
- Seen from a distance, the building looks like a huge ship.
- Not only did she complete the project, but she also reduced the cost.
- The new system made it possible for students to choose schedules.
- The fact that he did not attend the meeting surprised everyone.
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正解: B. Not only did she complete the project, but she also reduced the cost.
否定語Not onlyが文頭に出てdid she completeという疑問文の語順になっている否定の倒置構文です。
Q3. 模試で「時間無制限でも文の意味が取れない」時の原因はどれか。
- 設問の分析力不足
- 語彙力のみの不足
- 読解速度や情報処理力の不足
- 文法や構文把握力の不足
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正解: D. 文法や構文把握力の不足
時間無制限でも文の意味が取れず和訳を見ても納得できない状態は、文法・構文把握力の不足が失点原因とされています。
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よくある質問
- Q. 共通テスト英語に文法問題は出題されますか?
- 単独の文法問題は出題されません。センター試験にあったような4択の文法・語法問題や整序問題はなく、すべて長文読解問題で構成されています。
- Q. 共通テスト対策に文法の丸暗記は必要ですか?
- 丸暗記は不要です。共通テストで求められるのは、文構造を素早く見抜いて正確に意味を取る「読むための文法力」であり、例外的な規則の暗記は求められません。
- Q. 長文を読むのが遅いのは文法不足が原因ですか?
- 文法力不足が大きな原因の一つです。主語や動詞の把握、修飾関係の処理が曖昧だと返り読みが発生し、読解スピードが大幅に低下します。
- Q. 英文法はいつまでに完成させるべきですか?
- 高校3年生の夏休み前までに基礎文法と英文解釈を完成させるのが理想です。秋以降は実戦演習と過去問演習に時間を集中させます。
- Q. 私大志望でも共通テスト用の文法対策だけで足りますか?
- 足りません。私立大学の一般選抜では独立した文法・語法問題が出題されることが多いため、網羅系の文法問題集を用いた詳細な対策が別途必要です。
2026年10月9日更新・モチタン辞典編集部