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ワイルドカードとはIT用語?意味と記号の使い方
ワイルドカードとは、ITやコンピュータの世界において「任意の文字の代わりとして機能する万能の代用記号」です。ファイル検索、データベースの抽出、表計算ソフトでの集計などにおいて、探したい文字列の一部があいまいなときや、特定のパターンに合致する複数のデータを一度にまとめて処理したいときに使われます。
ワイルドカードとは?ITでの基本概念と語源
IT分野におけるwild card(ワイルドカード)とは、文字列を検索・指定する際に、どんな文字にも置き換えられる特別な記号を指します。
この言葉の語源は、トランプゲームのポーカーなどに登場するジョーカーなどの万能札です。トランプのwild card(万能札)がプレイヤーの都合に合わせてハートのエースにもダイヤのキングにも化けられるように、コンピュータの検索処理においても、1つの記号が「あらゆる文字」の代理を務めます。
英語では The asterisk acts as a wild card.(アスタリスクはワイルドカードとして機能します)のように表現されます。
ファイル名がうろ覚えのときや、規則性のある大量のデータを一括で処理したいときにワイルドカードを活用すると、作業効率が大幅に向上します。
スポーツの大会で見かける特別出場枠については、テニス等のワイルドカード枠とはで解説しています。
次の疑問トランプゲームから生まれた本来のニュアンスを知りたい方は、ワイルドカードの意味と英語語源で背景を詳しく解説しています。
代表的なワイルドカード記号「*」と「?」の違い
コンピュータの標準的な機能で使われる代表的なワイルドカード記号は、asterisk(アスタリスク「*」)と question mark(クエスチョンマーク「?」)の2種類です。この2つの決定的な違いは、「一致する文字数」にあります。
表は横にスクロールできます →
| 記号 | 読み方 | 意味(一致する文字数) | 具体例と該当結果 |
|---|---|---|---|
| * | アスタリスク | 0文字以上の任意の文字列 | 「東京*」→ 東京、東京都、東京タワー |
| ? | クエスチョン | 任意の1文字(厳密に1文字) | 「東京?」→ 東京区、東京都(「東京」単体は不可) |
特に注意すべき点は、「*」が「1文字以上」ではなく「0文字」にも一致するという仕様です。「東京*」と指定した場合、「東京都新宿区」のような長い文字列だけでなく、後ろに何も文字が続かない「東京」という単語そのものにも合致(マッチ)します。
一方で「?」は必ず1文字分のスペースを要求するため、文字数が厳密に決まっている型番や日付を絞り込む際に重宝します。
次の疑問この2つの記号は語学学習にも応用でき、英単語の条件検索テクニックを使えばスペルがあいまいな単語も効率よく探せます。
パソコンのファイル検索での具体的な指定例
WindowsのエクスプローラーやMacのFinder、またはコマンドライン画面において、目的のファイルを探し出す際にワイルドカードは日常的に用いられます。
拡張子でファイルを一括抽出する指定例
ファイル名の先頭部分に「*」を使い、ドットの後に拡張子を記述すると、その形式のファイルのみをすべて抽出できます。
- *.xlsx(拡張子がxlsxであるすべての表計算ファイル)
- *.pdf(フォルダ内のすべてのPDF文書)
- image_*.*(image_から始まり、拡張子を問わないすべての画像ファイル)
文字数を固定して月別・日別ファイルを絞り込む指定例
規則的な命名ルールで保存されたデータには「?」が効果的です。英語で search query(検索クエリ)と呼ばれる検索条件に記号を組み込みます。
- 2024_??_report.pdf(「2024_01_report.pdf」や「2024_12_report.pdf」など、2桁の月別報告書のみが対象となり、3桁以上の文字列は除外)
- data_????.csv(4桁の西暦や4桁の番号が付いたCSVファイルのみを抽出)
Use wildcards to filter files.(ワイルドカードを使ってファイルを絞り込みます)という手順は、システム管理の基本操作です。
拡張子で一括抽出
- *.xlsx
- image_*.*
文字数固定で絞り込み
- 2024_??_report.pdf
- data_????.csv
目的に応じて記号を使い分けるファイル抽出の分類です。
ファイル操作などの専門用語をもっと知りたいときは、パソコン・ITの英単語の一覧が役立ちます。
ワイルドカードとはシステム開発やSQLでどう動く?
業務システムやWebアプリケーションの管理画面におけるユーザー検索、顧客検索、ログ抽出機能の内部でも、ワイルドカードの仕組みが使われています。システム開発では、入力された検索条件を「前方一致」「後方一致」「部分一致」の3つに分類して処理します。
- 前方一致(例: 山田*):名字が「山田」で始まるデータ(山田太郎、山田花子など)を抽出
- 後方一致(例: *@example.com):末尾が特定のドメインで終わるメールアドレスを抽出
- 部分一致(例: *開発*):文字列のどこかに「開発」を含むすべての役職や部署を抽出
SQL(データベース言語)における記号の違い
リレーショナルデータベースを操作するSQL言語では、LIKE operator(LIKE演算子)を用いてパターン検索を行いますが、使われる記号が一般的なファイル検索とは異なります。
表は横にスクロールできます →
| 役割 | 一般IT / Excel | SQL(LIKE句) | 動作内容 |
|---|---|---|---|
| 任意文字(0文字以上) | * | %(パーセント) | 前後に何文字あっても一致(0文字含む) |
| 単一文字(1文字) | ? | _(アンダースコア) | 任意の位置の厳密な1文字に一致 |
例えばSQLでは、SELECT * FROM users WHERE name LIKE '佐藤%';(名前に「佐藤」から始まるユーザーを全件取得する)のように記述します。概念そのものは同じワイルドカードですが、環境によって記号の割り当てが変わる点に注意が必要です。
前方一致
- 山田*(山田太郎など)
後方一致
- *@example.com(特定ドメイン)
部分一致
- *開発*(特定文字を含む)
システム開発で用いられる検索条件の3つの分類です。

ワイルドカードとはエクセルでの活用方法3選
表計算ソフトのエクセル(Excel)では、関数や標準ツールにワイルドカードを組み込むことで、名寄せや柔軟なデータ集計が簡単に実行できます。
活用例1:COUNTIF関数やSUMIF関数での集計
特定の文字列を含むセルだけを数えたり、合計したりする場合に「*」を条件式に挿入します。
=COUNTIF(A:A, "*東京*")
この数式は、A列の中でセルのどこかに「東京」という文字が含まれているデータの件数をカウントします。「東京都千代田区」「東東京支店」などもすべて計算対象に含まれます。
活用例2:VLOOKUP関数での部分一致検索
検索値の一部しかわからない場合でも、検索キーにワイルドカードを連結することで参照が可能です。
=VLOOKUP("*" & D2 & "*", A:B, 2, FALSE)
セルD2に入力された文字列を前後に挟んだ部分一致検索を行い、該当する行のB列の値を返します。完全一致が原則の検索において、表記ゆれを許容したい場合に有用です。
活用例3:「検索と置換」機能での一括編集
エクセルの「検索と置換」ダイアログボックス(Ctrl + H)でもワイルドカードが動作します。例えば、検索する文字列に「(*)」と入力し、置換後の文字列を空欄にして置換を実行すると、セル内のカッコとカッコに囲まれた文字をまとめて一括削除できます。
COUNTIF(A:A, "*東京*")で含むセルを計算
"*"&D2&"*"で部分一致による参照が可能
(*)を空欄置換してカッコ内を一括削除
エクセルの関数や機能でワイルドカードを使う3つの活用法です。
「*」や「?」自体を探すエスケープ文字と注意点
ワイルドカードを利用する際に直面しやすいトラブルが、「記号そのものを文字として検索したい」というケースです。例えば、注釈を示す「*」記号や、質問文末尾の「?」記号を削除・置換しようとしてそのまま指定すると、予期せぬ事故が起こります。
チルダ(~)によるエスケープ処理
「検索する文字列」にそのまま「*」を入力して置換を実行すると、エクセルは「0文字以上のすべての文字列」と解釈するため、シート内のすべての文字が消滅または置き換わってしまいます。これを防ぐために使用するのが、escape character(エスケープ文字)である「~(チルダ)」です。
| 探したい文字 | 入力する検索パターン | 動作結果 |
|---|---|---|
| アスタリスク記号「*」 | ~* | ワイルドカード機能を無効化し、「*」という文字のみに一致 |
| クエスチョン記号「?」 | ~? | ワイルドカード機能を無効化し、「?」という文字のみに一致 |
| チルダ記号「~」 | ~~ | 「~」という文字そのものに一致 |
初心者が陥りやすいミス
エスケープ忘れのほかに多い失敗が「全角と半角の混同」です。ITシステムやエクセル関数においてワイルドカードとして認識されるのは、基本的に「半角のアスタリスク(*)」と「半角のクエスチョン(?)」のみです。
全角の「*」や「?」を入力してしまうと、単なる通常の文字として扱われ、パターン検索が機能しません。
- 記号自体の検索はチルダを前置エスケープしないと全文字対象の事故に
- 入力文字は半角を使用全角の*や?は通常文字として処理される
意図しない検索事故やミスを防ぐための確認ポイントです。
ワイルドカードと「正規表現」の違いと使い分け
IT分野でより高度なパターンマッチングを行う手法に、regular expression(正規表現、略称:RegEx)があります。ワイルドカードと正規表現はどちらも文字列検索の道具ですが、その複雑さと柔軟性に明確な違いがあります。
| 比較項目 | ワイルドカード | 正規表現 |
|---|---|---|
| 対応記号 | 主に * と ? の2種類 | ^、$、\d、+、[a-z] など多数 |
| 学習難易度 | 極めて平易(初心者向け) | 文法が複雑(中〜上級者向け) |
| 指定の厳密さ | 大まかなパターン指定 | 「郵便番号の形式」「半角数字3桁」など厳密 |
| 主な利用場面 | OSのファイル検索、エクセル関数、簡易検索 | プログラミング、テキストエディタの高度な置換 |
日常業務でのファイル整理やエクセルでの簡易集計には設定が簡単なワイルドカードを使い、プログラム内での入力バリデーション(電話番号やメールアドレス形式の厳密なチェック)や複雑なログ解析には正規表現を用いる、という使い分けが一般的です。
理解度チェック
Q1. 一般的なIT検索での「*」と「?」の違いとして正しいものは?
- 「*」は1文字以上、「?」は2文字以上に一致する
- 「*」は0文字以上、「?」は厳密な1文字に一致する
- 「*」はアルファベットのみ、「?」は数字のみに一致する
- 「*」は厳密な1文字、「?」は0文字以上に一致する
答えを見る
正解: B. 「*」は0文字以上、「?」は厳密な1文字に一致する
アスタリスク(*)は0文字以上の任意の文字列に一致し、クエスチョン(?)は厳密に任意の1文字に一致します。
Q2. 「ワイルドカードでファイルを絞り込む」を示す適切な英文は?
- Use wildcards to filter files.
- Filter wildcards using some files.
- Files are filtering wildcards.
- Use files to make wildcards.
答えを見る
正解: A. Use wildcards to filter files.
本文では「Use wildcards to filter files.」がファイル絞り込みの手順として紹介されています。
Q3. エクセルで「*」記号そのものを文字として検索する方法は?
- 全角で「*」と入力する
- 記号の前に「_」を付けて「_*」とする
- 記号の前に「~」を付けて「~*」とする
- 記号の前に「%」を付けて「%*」とする
答えを見る
正解: C. 記号の前に「~」を付けて「~*」とする
エクセルではエスケープ文字であるチルダ(~)を直前に付けた「~*」と入力することで、「*」自体を検索できます。
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よくある質問
- Q. ワイルドカードとは何ですか?
- IT用語としてのワイルドカードとは、検索時にどんな文字にも代用できる特別な記号(主に「*」や「?」)のことです。語源はトランプの万能札に由来します。
- Q. 「*」と「?」の違いは何ですか?
- 「*」は0文字以上の任意の文字列を表し、「?」は厳密に1文字のみの任意の文字を表します。文字数が決まっている場合は「?」、決まっていない場合は「*」を使います。
- Q. エクセルで「*」という文字自体を置換したいときは?
- 「~*」のように、記号の直前にチルダ(~)を付けて検索・置換します。チルダを付けないと万能記号として認識され、セル内のすべての文字が置換されてしまいます。
- Q. SQLでのワイルドカードは何ですか?
- SQLのLIKE句では、エクセルの「*」に相当する記号として「%(0文字以上)」、エクセルの「?」に相当する記号として「_(1文字)」が使われます。
- Q. ワイルドカードは全角でも動きますか?
- 原則として機能しません。ワイルドカードとして認識されるのは半角文字(*、?、~)のみです。全角で入力すると通常の文字として検索されてしまいます。
2026年10月12日更新・モチタン辞典編集部