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飛行機のコンティニューの意味とは?ATCと操縦の基礎知識
飛行機の交信や航空無線で使われるContinue(コンティニュー)は、「着陸を許可する」という意味ではなく、「現在の飛行行動や進入動作をそのまま続けなさい」という意味の管制指示です。
着陸許可ではないため、滑走路に着地する前までに別途「着陸許可」を得られない場合、航空機は着陸を中止して上昇(ゴーアラウンド)しなければなりません。
コンティニューの基本意味と着陸許可との決定的な違い
航空無線(ATC:Air Traffic Control)で管制官からパイロットに対して発せられるContinueという言葉は、直訳すると「継続せよ」です。
最も頻繁に使われるフレーズがContinue approach(進入を継続せよ)であり、これは滑走路へ向けて高度を下げながら接近する操作をそのまま続けることを指示しています。
最も重要な点は、Continue approachは決してCleared to land(着陸を許可する)ではないという事実です。航空法の規定により、航空機は滑走路に接地する前に必ず管制官から明示的な着陸許可を受けなければなりません。
この2つの指示の違いを把握することが、航空無線の基本を理解する第一歩となります。
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| 指示フレーズ | 日本語の標準訳 | 意味とパイロットへの要求 | 着陸(接地)の可否 |
|---|---|---|---|
| Continue approach | 進入を継続せよ | 滑走路へ向けたコース・降下をそのまま維持する。着陸の可否は後ほど判断される。 | 不可(許可待ち) |
| Cleared to land | 着陸を許可する | 滑走路への最終進入および着地(接地)が公式に認められた状態。 | 可能 |
パイロットはContinue approachを受信した場合、アプローチ自体は継続しますが、コックピット内では「まだ着陸許可が出ていない」状態として強い警戒態勢を維持します。最終的な着陸決心高度までに着陸許可が得られない場合は、滑走路に降りることは法的に許されません。
次の疑問航空無線の専門用語だけでなく、日常会話やビジネスでの基本的な用法を整理したい方はcontinueの意味と基本的な使い方も確認してみてください。
コンティニューの意味:パイロット同士の機内コールアウト
「コンティニュー」という言葉は、管制官とパイロットの交信だけでなく、コックピット内のパイロット同士の会話(コールアウト)でも極めて重要な意味を持ちます。
悪天候下で計器進入(ILS進入など)を行っている際、副操縦士(またはモニタリング担当操縦士)と機長(操縦担当操縦士)の間で交わされるContinueです。
計器進入には、安全に着陸できるか否かを最終判断しなければならない限界高度「決心高度(DA: Decision Altitude、またはMDA: Minimum Descent Altitude)」が設定されています。
航空機がこの決心高度(通称ミニマム)に達した瞬間、操縦席内では以下のような手順が踏まれます。
- 計器を監視する操縦士が、高度計を見てMinimums(ミニマムズ/決心高度到達)とコールする。
- 外を視認している操縦士が、滑走路や進入灯(アプローチライト)などの視標を一部でも視認できた場合、Continue(コンティニュー/進入継続)とコールする。
- さらに進入を続け、滑走路へ安全に着陸できる視界が完全に確保できた段階でLanding(ランディング/着陸)とコールし、手動操縦または自動操縦で接地へ向かう。
- もしミニマム到達時点で視認できない場合、あるいはContinueの後に視界を失った場合は、即座にGo-around(ゴーアラウンド/着陸復行)を宣言して上昇する。
このように、パイロット同士が発するContinueは、「地上側の滑走路標識を一部視認できたため、法的な限界高度を超えてさらに降下を続ける」という操縦判断の意思表示を指します。管制官からの指示とパイロット同士のコールアウトでは、言葉は同じでも主体と安全上の役割が明確に異なります。
計器監視操縦士が「Minimums」とコールする
進入灯など視標の一部を視認できたら「Continue」とコール
完全視認で「Landing」、視認不可や見失えば「Go-around」
決心高度到達から視認状況に応じた機長と副操縦士の判断の流れです。
運航に関わる操縦士の語学要件については、パイロットに必要な英語力と基準で解説しています。
なぜ即座に着陸許可を出さずContinueと指示するのか
空港の管制塔(タワー管制官)は、滑走路へ進入してくる飛行機に対して、なぜ最初からCleared to landを出さず、あえてContinue approachを指示するのでしょうか。その背景には、滑走路上の安全基準(セパレーション:安全間隔)を守る厳格な航空ルールが存在します。
管制官が着陸許可を保留し、進入継続を指示する主な理由は以下の通りです。
- 先行の出発機が離陸滑走中、または滑走路手前で待機しているため
- 先行の到着機が着陸後、まだ誘導路へ滑走路を完全に離脱(バケート)していないため
- バードストライク防止や滑走路路面点検の車両が一時的に滑走路周辺にいるため
- 後方乱気流(前の大型機が発生させる空気の渦)を回避するための規定間隔がまだ満たされていないため
過密な空港では、1本の滑走路を出発機と到着機が交互に効率よく利用しています。着陸機が遠くにいる段階で先行機に離陸を指示し、離陸機が滑走路から飛び立ち安全な間隔が確保された瞬間に、進入機へ着陸許可を出すという運用が日常的に行われています。
もし管制官が早々に着陸許可を出してしまうと、万が一先行機が滑走路で急停止などのトラブルを起こした際に重大事故へつながりかねません。したがって、滑走路の安全が100%確保される直前まで進入のみを許可し、安全が確認された段階で着陸許可を出すためにContinue approachという指示が使われます。
先行機が離陸滑走中、または滑走路手前で待機しているため
着陸後の先行機がまだ誘導路へ滑走路を完全に離脱していないため
バードストライク防止や路面点検の車両が一時的に周辺にいるため
前の大型機が発生させる空気の渦を避ける規定間隔を満たすため
滑走路上の安全基準(セパレーション)を確保するために進入継続が指示されます。
Continueと言われた後の2大展開:着陸許可とやり直し
着陸進入中にContinue approachの指示を受けた航空機には、その後に必ず2つの展開のどちらかが訪れます。そのまま着陸できるパターンと、着陸を取りやめてやり直すパターンです。
展開パターンA:滑走路がクリアになり着陸許可が出る
先行離陸機が離陸を完了した、あるいは先行着陸機が滑走路から誘導路へ完全に退出した段階で、管制官から改めて着陸許可が下ります。
管制官:「Alpha Air 123, runway 34, Cleared to land. Wind 320 at 10.(アルファエア123、滑走路34、着陸を許可する。風は320度から10ノット)」
パイロットはこの指示を正しく復唱(リードバック)し、そのまま接地へ向かいます。国内の主要空港で見られる大半のフライトは、このパターンAで問題なく着陸を完了します。
展開パターンB:着陸許可が出ずゴーアラウンド(着陸復行)
先行機が滑走路上でもたついて離脱が遅れた場合や、滑走路に鳥が侵入した場合など、一定の高度(進入限界)までに滑走路が安全クリアにならなかったケースです。この場合、管制官から指示が出るか、またはパイロットの自己判断によって着陸を中止します。
管制官:「Alpha Air 123, Go-around.(アルファエア123、着陸をやり直せ)」
パイロット:「Going around, Alpha Air 123.(着陸復行する、アルファエア123)」
パイロットは即座にエンジンの出力を上昇推力まで引き上げ、機首を上げて上昇態勢に入り、規定の待機経路(ミスドアプローチコース)へ戻って再進入の機会を待ちます。乗客視点では、急激にエンジン音が大きくなって上昇を始めた場合、このゴーアラウンドが発生したと判断できます。
展開A:着陸許可
- 滑走路から先行機が完全に離脱
- 「Cleared to land」の指示を受信
- 指示を復唱してそのまま接地へ向かう
- 主要空港の大半のフライトで完了
展開B:ゴーアラウンド
- 進入限界までに滑走路が安全にならない
- 管制指示または操縦士判断で着陸中止
- 推力を上げて上昇態勢に入る
- 待機経路へ戻り再進入の機会を待つ
滑走路の安全確認状況に応じて着陸か復行のどちらかに分かれます。

交信例とパイロットの正しい復唱(リードバック)手順
管制塔(タワー)とパイロットとの間で実際に交わされる標準的な交信スクリプトを確認しましょう。航空無線において、パイロットは管制官の重要な指示を聞き間違えていないことを証明するために、相手の言葉をそのまま復唱(リードバック)する義務があります。
交信スクリプト例
状況:空港のタワー管制官(Haneda Tower)と民間機(Alpha Air 123)の最終進入時のやり取り。
パイロット:「Haneda Tower, Alpha Air 123, approach runway 34R.(羽田タワー、こちらアルファエア123、滑走路34Rへ進入中)」
管制官:「Alpha Air 123, Haneda Tower, continue approach runway 34R, number 2. Traffic is Boeing 777 on the runway, departing.(アルファエア123、羽田タワー。
滑走路34Rへの進入を継続してください。着陸順位は2番目です。滑走路上に出発機のボーイング777がいます)」
パイロット:「Continue approach runway 34R, Alpha Air 123.(滑走路34Rへの進入を継続する、アルファエア123)」
(先行の出発機が離陸し、滑走路がクリアになった後)
管制官:「Alpha Air 123, runway 34R, Cleared to land. Wind 340 at 12.(アルファエア123、滑走路34R、着陸を許可する。風は340度から12ノット)」
パイロット:「Runway 34R, Cleared to land, Alpha Air 123.(滑走路34R、着陸を許可、アルファエア123)」
パイロットはContinue approachを受けた際、自機の識別信号(コールサイン)と合わせて滑走路番号と「進入継続」を簡潔かつ明確に復唱します。余計な雑談は挟まず、決められた定型句のみを返すのが基本です。
英語でのやり取り全般の基礎を深めたい方は、英会話の総合ガイドをご覧ください。
次の疑問交信中によく耳にする他の重要指示について知りたいときは、飛行機で使われるexpectedの意味を合わせて読むと理解が深まります。
滑走路方位の維持など飛行機で使う他のContinue表現
航空業界ではContinue approachのほかにも、Continueを含む専門用語が複数存在します。航空無線リスナーやフライトシミュレーター愛好家がよく耳にする実用フレーズを整理しました。
| 英語フレーズ | 日本語訳 | 使われる場面と操作内容 |
|---|---|---|
| Continue runway heading | 滑走路方位を維持せよ | 離陸直後、滑走路の延長線上の磁方位(ヘディング)を変えずにそのまま直進・上昇する指示。計器のヘディングバグを滑走路方位に合わせて飛行する。 |
| Continue taxi | 地上走行を継続せよ | 誘導路(タクシーウェイ)で一時待機していた航空機に対し、指定されたスポット(駐機場)や待機位置までの地上移動をそのまま続けるよう促す指示。 |
| Continue climb / descent | 上昇/降下を継続せよ | あらかじめ指示されていた指定高度に向けて、現在行っている上昇または降下の操作を中断せずそのまま継続する指示。 |
| Continue on present heading | 現在の機首方位を維持せよ | レーダー誘導(ベクター)中、管制官から次の旋回指示が出るまで現在のコンパス方位を真っ直ぐ維持して飛ぶ指示。 |
特にContinue runway heading(コンティニュー・ランウェイ・ヘディング)は離陸管制で頻出します。離陸した航空機がすぐに目的地の方角へ旋回すると近隣の他の航空機と衝突する危険がある場合、管制官はこの指示を出して安全な高度・空域に達するまで直進させます。
理解度チェック
Q1. 管制官のContinue approachの指示が意味する内容は?
- 滑走路への着陸が公式に許可された状態
- 進入を継続するが、まだ着陸は許可されていない状態
- 直ちに進入を中断して着陸復行を行う状態
- 滑走路手前で待機し、地上走行を停止する状態
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正解: B. 進入を継続するが、まだ着陸は許可されていない状態
Continue approachは進入の継続を指示するものであり、着陸許可(Cleared to land)ではないため、着陸はまだ許可されていません。
Q2. 決心高度で滑走路等の視標を一部視認した際の機内コールは?
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正解: B. Continue
決心高度到達時に滑走路などの視標を一部でも視認できた場合、外を視認している操縦士はContinueとコールして降下を継続します。
Q3. 離陸直後に滑走路の延長線上の磁方位を維持する指示はどれ?
- Continue approach
- Continue taxi
- Continue runway heading
- Continue climb
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正解: C. Continue runway heading
Continue runway headingは、離陸直後に滑走路の延長線上の磁方位を変えずに直進・上昇することを指示する表現です。
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よくある質問
- Q. 飛行機でContinueと言われたら着陸できますか?
- 着陸(接地)はできません。Continue approachは進入を続ける許可であり、着陸自体の許可ではありません。地上に着地する前までに必ず別途「Cleared to land(着陸を許可する)」を受ける必要があります。
- Q. 着陸許可が出ないまま高度を下げるとどうなりますか?
- 規定の進入限界高度までに着陸許可が得られない場合、パイロットは規則に従って進入を中断し、エンジン出力を上げて上昇するゴーアラウンド(着陸復行)を実施します。
- Q. Continue runway headingとは何ですか?
- 離陸直後の航空機に対し、滑走路と同じコンパス方位(磁方位)を保ったまま直進・上昇しなさいという管制指示です。周囲の他の飛行機との安全な間隔を保つために使われます。
- Q. 一般の乗客がContinueの状態を知る方法はありますか?
- 客席からは機内アナウンスがない限り直接は分かりません。ただし、滑走路の近くまで低空で降りてきたのに着陸許可が出ず、急にエンジンが轟音を響かせて再上昇した場合は、Continueの後にゴーアラウンドになったと推測できます。
- Q. ミニマムでのContinueコールの意味は何ですか?
- 悪天候時の計器進入中、限界高度(ミニマム)に達した瞬間に滑走路の灯火などを視認できた際、操縦士が「着陸に向けて降下を続行する」という判断を相方に伝える合図です。
2026年9月26日更新・モチタン辞典編集部