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アディショナルタイムの意味とロスタイムとの違い
アディショナルタイム(additional time、略称:AT)とは、サッカーなどの球技において、選手の交代や負傷者の手当などによって試合が中断された時間を計測し、前後半の各45分が終了した段階で追加されるプレー時間のことです。
かつて日本で広く使われていた「ロスタイム」とルール上の違いはなく、同じ対象を指しています。
アディショナルタイムの意味と基本ルール
サッカーの公式試合時間は、前半45分、後半45分の合計90分間で行われます。しかし、試合中にはファウルによるフリーキックの準備、負傷した選手の治療や搬出、選手交代、得点後のセレブレーション(喜びの表現)、さらにはビデオアシスタントレフェリー(VAR)による判定の確認など、時計が動いている状態でも実際のプレーが止まっている時間が多数発生します。
このように「空費された時間」を計測し、規定の45分が経過した直後にその分だけプレー時間を補填する仕組みがアディショナルタイムです。これにより、両チームが実際にプレーできる正味の試合時間を公平に確保することができます。
テレビ中継やスタジアムの電光掲示板では、ATと省略して表記されることが一般的です。たとえば「後半45分+AT4分」と表記されている場合、後半45分が終了した時点から少なくとも4分間の追加プレーが行われることを意味します。
前半45分・後半45分の計90分で試合が進行
負傷治療・選手交代・VAR確認等で中断
時計が動いたまま停止した時間を計測
規定の45分経過直後にATとして追加
試合中にプレーが止まった空費時間を計測し、各45分終了後に補填します。
英語「additional」の意味と語源の解説
カタカナ語の「アディショナル」は、英語の形容詞 additional に由来しています。日常英会話やビジネスシーンでも頻繁に登場する重要な単語です。
単語の構造と語源
additional は、以下のようにパーツを分解すると成り立ちがよく分かります。
つまり、「付け加えられた状態の」という意味から「追加の」「付加的な」を表す形容詞として機能します。
ビジネスや日常英会話での応用例
スポーツ用語以外でも、additional は「追加の費用」「追加の情報」といった場面で頻繁に使われます。
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語幹(動詞)
- add(加える・足す)
名詞語尾の結合
- -ition(〜すること)
- addition(追加・足し算)
形容詞語尾の結合
- -al(〜の・〜に関する)
- additional(追加の)
動詞addに接尾辞が段階的に結合して形容詞additionalが構成されます。
次の疑問サッカー以外の場面でもよく使われる形容詞について詳しく知りたいときは、アディショナルの意味と英語の詳しい解説が参考になります。
アディショナルとロスタイムの違いと変更理由
結論から言うと、「アディショナルタイム」と「ロスタイム」が指しているルール上の対象や事象には一切の違いがありません。どちらも「試合中に空費された時間を前後半の終了時に付け足す」という同一のルールを指しています。
では、なぜ日本国内で長年親しまれていた「ロスタイム」という言葉が使われなくなり、「アディショナルタイム」へと変化したのでしょうか。その主な理由は2点あります。
1. 国際基準(FIFAの公式ルールブック)への統一
「ロスタイム(loss time または lost time)」は、かつての日本で広く定着していた表現でしたが、国際サッカー連盟(FIFA)が定める公式競技規則(Laws of the Game)においては、一貫して additional time という表現が採用されていました。
日本サッカー協会(JFA)が国際基準に合わせた用語統一を進めた結果、2010年代以降、公式記録やメディアの放送用語として「アディショナルタイム」への切り替えが本格化しました。
2. 言葉のニュアンスの違い(消極的から積極的へ)
言葉の持つ語義の面でも変更の妥当性がありました。「ロスタイム(失われた時間)」という表現は、中断によって失われたという過去の損失に焦点を当てた消極的な響きを持ちます。
一方、「アディショナルタイム(追加された時間)」は、失われた分を補填して正当に試合へ組み込むという前向きで客観的な事実を表しています。英語圏の国際標準に合わせると同時に、より公平で正確な事実描写を目指した結果の移行でした。
ロスタイム
- かつて日本で広く定着した呼称
- FIFA公式規則では非採用の表現
- 失われた過去の損失に焦点を当て消極的
アディショナルタイム
- 2010年代以降に移行した現行の呼称
- FIFA公式規則に準拠した国際基準
- 正当に補填・追加する前向きで客観的な事実
指すルールは同一ですが、国際基準への適合と表現のニュアンスが異なります。
次の疑問公式ルールや公認用語の使われ方に興味が湧いたときは、オフィシャルの意味と使い方を確認しておくと理解が深まります。
英語圏での呼び方比較(stoppage・injury等)
英語圏のサッカー(フットボール)シーンでは、FIFAの公式用語である additional time 以外にも、地域やメディアによって複数の表現が使い分けられています。海外の試合中継を観戦する際には、以下の違いを把握しておくと理解が深まります。
| 英語表現 | 主な使用地域・ニュアンス | 例文 |
|---|---|---|
| additional time | FIFA公式文書、国際大会中継。最も標準的で公的な表現。 | The referee signaled four minutes of additional time.(主審は4分のアディショナルタイムを合図した。) |
| stoppage time | イギリス・アメリカの放送で極めて一般的。「中断されていた時間」の意。 | He scored a dramatic goal in stoppage time.(彼はアディショナルタイムに劇的なゴールを決めた。) |
| injury time | イギリスなどで古くから使われる。「負傷治療に費やした時間」に由来。 | Two minutes of injury time remain.(インジャリータイムは残り2分です。) |
| added time | BBCなどの英メディアや解説者が口語で頻繁に使う簡潔な表現。 | There will be at least five minutes of added time.(少なくとも5分の追加時間があります。) |
| loss time | 和製英語。英語圏では通じにくく、スポーツ用語としては一般的でない。 | — |
イギリスのプレミアリーグ中継などでは、実況アナウンサーが stoppage time や added time と発言することが非常に多いのが特徴です。

アディショナルタイムの決まり方と加算の基準
アディショナルタイムが何分になるかは、主審(レフェリー)が試合中の様々な事象を腕時計で計測・積算して決定します。第4審判がピッチ脇で掲げる電光掲示板の数字は、主審からの無線連絡を受けて表示されています。
加算の対象となる主な事象
| 加算される事象 | 内容の説明 | 目安の加算時間 |
|---|---|---|
| 選手交代 | 競技者がピッチを出入りするのに要した時間 | 交代1回につき数十秒程度 |
| 負傷者の手当・搬出 | 負傷した選手のピッチ内での治療や担架による搬出 | 要した実時間 |
| 時間稼ぎ行為 | リードしているチームによる遅延行為(リスタートの引き延ばし等) | 遅延した実時間 |
| VAR判定の確認 | モニター確認(オンフィールドレビュー)や交信に費やした時間 | 確認に要した実時間 |
| ゴールセレブレーション | 得点後の選手たちの歓喜の輪やプレー再開までの間隔 | 1ゴールにつき約1分程度 |
「表示時間=終了時間」ではない重要なルール
電光掲示板に「3分」と表示された場合、それは「あと正確に3分で試合が終わる」という意味ではありません。競技規則上、掲示される数字はあくまで「最低限追加される時間(minimum added time)」と定められています。
したがって、アディショナルタイムに入ってからさらに選手交代が行われたり、負傷者が倒れて試合が止まったり、あるいはコーナーキックなどの決定的な攻撃場面が継続している場合、主審の裁量で掲示された時間を超えて試合が続けられます。
主審が終了のホイッスルを吹くまでは、規定の表示時間を過ぎても試合は終了しません。
アディショナルタイムと延長戦(Extra time)の違い
サッカーの観戦初心者が混同しやすい言葉に「延長戦」があります。英語では extra time と呼ばれますが、アディショナルタイムとは明確に区別されています。
| 項目 | アディショナルタイム(additional time) | 延長戦(extra time) |
|---|---|---|
| 目的 | 前後半の中で空費された時間を補うため | 90分で同点の場合に勝敗を決着させるため |
| 適用される試合 | 引き分けが認められるリーグ戦を含むすべての公式戦 | ノックアウト方式のトーナメント戦など勝敗決定が必要な試合 |
| 設定時間 | 中断の長さに応じて数分単位で変動(通常1〜5分程度) | 規定で決まっている(原則として前半15分・後半15分の計30分) |
| 実施のタイミング | 各45分(および延長戦の各15分)の終了直後 | 後半終了時(90分+AT終了時)に同点の場合に開始 |
なお、延長戦が行われる場合、延長前半15分の終了後および延長後半15分の終了後にも、それぞれ中断時間に応じたアディショナルタイムが加算されます。
近年アディショナルタイムが10分以上と長くなった理由
2022年のカタールワールドカップ以降、アディショナルタイムが7分、10分、ときには15分を超える試合が増加し、大きな話題となりました。時間がこれほど長くなった背景には、FIFAによる厳格なタイム計測の新指針があります。
実質プレー時間(アクチュアル・プレイング・タイム)の確保
従来のサッカーでは、90分の試合時間のうち実際にボールが動いている時間は平均して50〜60分程度にとどまっていました。意図的な時間稼ぎや過剰なゴールパフォーマンスによって観客の観戦価値が損なわれることを防ぐため、FIFA審判委員会は「空費された時間をこれまで以上に厳密に計測し、余さず追加する」という方針を打ち出しました。
VAR導入による影響
オフサイドの判定チェックやペナルティエリア内の接触プレーの確認など、VARによる判定検証には数分間を要することがあります。この検証時間が厳密にストップウォッチで計られ、アディショナルタイムに加算されるようになったことも、長大化の直接的な要因となっています。
意図的な時間稼ぎを防ぎ正味時間を確保するため厳格に計測方針を決定
ゴールパフォーマンスなどの空費時間をこれまで以上に余さず加算
オフサイドや接触プレーのモニター確認・交信に要した数分間を厳密に計上
空費時間の厳格な計測指針とVARの導入が主な要因となっています。
日常会話・ビジネスでの比喩表現と例文
「アディショナルタイム」という言葉は、サッカーの枠を超えて、日常会話、ビジネス、SNSなどのネットスラングにおいて比喩表現としてよく使われます。基本的には「本来の期限が過ぎた後に与えられた猶予期間」「おまけの時間」「予期せぬ最後の追い込み時間」といった意味合いで用いられます。
ビジネスシーンでの比喩用例
締め切りや納期の間際に、ぎりぎり確保した追加の作業時間を指して使われます。
- 「クライアントへの提出期限は夕方5時だが、定時後の1時間をアディショナルタイムと考えて最終確認を行おう。」
- 「会議が予定時間をオーバーしてアディショナルタイムに突入した。」
- We are working in additional time before the final deadline.
(私たちは最終締め切り前の追加猶予時間の中で作業を進めています。)
日常会話・私生活での比喩用例
飲み会の解散間際や、休暇の終わりの名残惜しい時間、あるいは人生の節目における延長期間を指して使われます。
- 「終電までの残り20分、居酒屋の前の路上で話すこの時間がまさにアディショナルタイムだ。」
- 「連休最終日の夜、寝るまでの数時間は休日としてのアディショナルタイムを満喫したい。」
- 「定年退職後の再雇用期間を、自分のキャリアのアディショナルタイムとして楽しむことにした。」
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理解度チェック
Q1. 「アディショナルタイム」と「ロスタイム」の違いは何ですか?
- 指しているルール上の対象や事象には一切の違いがない
- アディショナルタイムは延長戦と同じ意味である
- ロスタイムの方が競技規則で定められた正式な表現である
- 加算される時間の算出方法が明確に異なっている
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正解: A. 指しているルール上の対象や事象には一切の違いがない
本文では「指しているルール上の対象や事象には一切の違いがありません」と説明されています。
Q2. 「追加の情報が必要です」を表す英文として適切なものは?
- We need additional time to review.
- There are no additional charges.
- Two minutes of injury time remain.
- Please contact us if you need additional information.
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正解: D. Please contact us if you need additional information.
本文のビジネス・日常会話の応用例で、追加の情報を意味する例文として記載されています。
Q3. 電光掲示板に表示されるアディショナルタイムの規則は何ですか?
- 表示された時間が経過した瞬間に必ず試合が終了する
- 表示された数字は「最低限追加される時間」である
- 前半・後半を問わず必ず一律4分と決められている
- 主審ではなく第4審判の独自の判断で決定される
答えを見る
正解: B. 表示された数字は「最低限追加される時間」である
掲示される数字は競技規則上「最低限追加される時間」と定められており、超える場合もあります。
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よくある質問
- Q. アディショナルタイムの略称は何ですか?
- 英語の頭文字を取った「AT」が一般的な略称です。テレビ中継のスコア表示やテキスト速報などで頻繁に用いられます。
- Q. アディショナルタイムの平均は何分くらいですか?
- 通常の試合では、前半が1〜2分程度、選手交代や得点が多くなる後半が3〜5分程度追加されるのが一般的です。ただし中断が多い試合では10分以上加算されることもあります。
- Q. アディショナルタイム中に試合終了となる基準は?
- 掲示された最低追加時間を満たしたうえで、プレーが一段落したと主審が判断した瞬間に終了の笛が吹かれます。決定的なチャンスが続いている場合は多少延長されることがあります。
- Q. 英語で「ロスタイム」と言っても通じませんか?
- 「loss time」は和製英語であるため、海外では意図が通じない可能性が高いです。英語圏では「additional time」や「stoppage time」と表現するのが自然です。
- Q. アディショナルタイム中に決まった得点の記録はどうなる?
- 公式記録上は、前半なら「45+2分」、後半なら「90+4分」のように、規定の終了時間に加算分を足した形で表記されます。
2026年9月26日更新・モチタン辞典編集部